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April 16, 2006
4/16 皐月賞 GI 中山 芝2000m
Pre Rating
トップレートは弥生賞を勝ったアドマイヤムーンの109。これに続くのは107で弥生賞2着のグロリアスウィーク、スプリングS勝ちのメイショウサムソン、共同通信杯2着の2歳王者フサイチリシャールの3頭。
106はスプリングSでは3着のドリームパスポート。
105はジャリスコライト、ショウナンタキオン、ステキシンスケクン、フサイチジャンク。
104がゴウゴウキリシマ。キャプテンベガが103。インテレット、サクラメガワンダー、ディープエアー、トウショウシロッコは102。タマモサポートとナイアガラは101。
ここまでが今年数字を出した馬。去年の数字では朝日杯2着のスーパーホーネットが111。
ということでまずアドマイヤムーン。父はエンドスウィープ。スイープトウショウ、ラインクラフトと2年連続でその世代トップクラスの牝馬を出し、とにかく素晴らしい種牡馬になれた可能性を見せつつも早世。北米供用時の産駒からもサウスヴィグラスが出ていて悪くないのですが、どうにも牝馬に活躍馬が目立つような印象もあります。今年の3歳にもアルーリングアクトがいるしね(ボイスだよ馬鹿たれという突込みを頂きました)。牡馬だとなんか足りないフォーカルポイントとかもいましたか。母父がサンデーサイレンスということで言えばラインクラフト。彼女は社台の誇る9-f族ファンシミンの良血出身でしたが、アドマイヤムーンは祖母にKaties Firstを持つわけで要するにヒシアマゾンの近親ということになります。サンデーの前はKrisが入る形であるので軽くNative DancerとNearcticのクロスを持つといったところ。ダービーとなるとちょっとどうだろうとも思うが、2000mなら問題の無い距離ではあり、弥生賞を勝ってこの舞台。
グロリアスウィークはその弥生賞でアドマイヤムーンに抵抗して見せたものの最後は力の差を示されてしまった。母父French GloryはSadler's Wellsの初期産駒でその名の通り母方から仏血を享けています。日本での代表産駒はクラフトマンシップということになりましょうか。…とか書いてたのに骨折か。
メイショウサムソンはいまいち勝ちきれんなと思ってたらスプリングSを勝ってしまいました。ただ、フサイチリシャールやドリームパスポートとの差ってのは無いだろうなと。オペラハウスはこのところ毎年クラシックに何らかの形で産駒を送り込みはしますよね。結果はなかなか伴わないわけでありますが、トライアルの重賞を勝っての参戦というところで期待したいところはあります。母父ダンシングブレーヴまであわせて考えるとダービーでというところもあるかも知れんが。フローリスカップ系ということでクラシックを勝ったらそれなりに愉しかろう。
フサイチリシャールは共同通信杯もスプリングSも2着。去年がうまく行きすぎだろうという気もするので、弱くないだろうが、それほど抜けているわけでもないということを示した形かな。母フサイチエアデールはMr. Prospectorが直接入ってBuckpasserのサポートを受けられない分をLa TroienneにBlue Larkspur、War Admiral、Royal Chargerと突っ込んだFrancis S.のサポートとHeliopolisから入るHyperionの力を以ってGIクラスの実力を持ったというところであり、基本的な能力は高いのだろう。ライラプスはどうも頭打ちになって来ているような気はするが、父がフレンチデピュティからクロフネになり、全体的にHyperionの本数は増えるし、Mumtaz Mahalも多目に入る事になるのでクロフネの方が良さそうという気はする。
ドリームパスポートはきさらぎ賞では下したメイショウサムソンにスプリングSでは及ばず。まあ、拮抗してるんでしょう。全体的に異系色の強いフジキセキ産駒ということで5代ではアウトクロス。もう一代まで引いてみるとWild Riskが出てくるのですが、これは牝系がダイナサッシュということで、仏血のDictusに呼応。実際にはWild RiskとSans TaresでLe FabuleuxとWordenの近親クロスとなる。母父のトニービンも仏血をそれなりに持ってるので、母にはPrince Chevalierのクロスもありキィになるのは仏血ではあるかなと。そんなわけであまり距離がもたないフジキセキ産駒ながら、何とかこなせるタイプなんではないかと思ったり。
フサイチジャンクはやはり倒してきた相手が弱いので、どこまで通用するかというのが問題だろう。オーストラリア出身の母だけにちょっと分からんという部分はある。しかし、母父がMr. Prospector直仔のBellottoであり、サンデーX Mr. Prospectorの場合に欲しいBuckpasserのサポートは無く、フサイチエアデールにおけるFrancis S.のようにある程度Buckpasserを代替できる血も入っていません。祖母父がYeatsということもありHyperionはあるが、これもちょっと受けが弱いか。そんなわけで相手が一気に強化されるこの舞台ではちと分が悪いかなと思っておく。
キャプテンベガは去年の段階では真逆間に合うとは思わなかったよねえってところはあるのですが、さすがに良血馬は違いますねと思っておく。兄貴どもが揃いも揃って脚が弱かったので気になるところではあるけどねえ。松田博資厩舎はアドマイヤムーン、ドリームパスポートと3頭出しか。
ショウナンタキオンは新潟2歳Sを勝ってかなり注目されていたのですが、朝日杯では4着、年が明けて共同通信杯も4着とちょっと尻すぼみ。というか最近アグネスタキオン産駒そのものが一時の騒がれようはなんだったのというくらいに目立たなくなってるのは非常に気になるところ。仕上がりは早くて良いけど、底の浅い産駒が多いということか。ショウナンタキオンもその中にあって能力的には抜けたものを持っていたんだろうけど、周りが追いついて追い越してしまったと言えるのかもしれないですね。尤もアグネスレディーのファミリーは出来が早くても長持ちせんというのはあったので、まともにそれが出てるというような気も。ショウナンタキオン自身にとってこの皐月賞は岐路になるレースだろうとは思います。
京成杯勝ちから直行となったジャリスコライトはアグネスデジタルの半弟で父はFantastic Lightという非常に萌えるプロフィールではありますな。何よりRunaway Brideのクロスが。ただ、京成杯はあの時期では仕方ない事ながらやはり相手は弱く、出走馬のその後の成績は振るいません。ジャリスコライトは朝日杯3着という実績もあるしそこまで酷くは無かろうが、トライアルを使わなかったというのはどう出ますかね。
ラジオたんぱ杯2歳Sを勝っているサクラメガワンダーは弥生賞が出遅れたとはいえ4着といまいち。追い込みタイプで大外回すと厳しいなという印象。
スーパーホーネットも弥生賞でちと期待ハズレ。ロドリゴデトリアーノ産駒らしい末脚ドッカンなレースで2着に来た朝日杯のようなレースをやって展開が嵌まればというところか。
Post Position
馬名 | 父 | 母 | 母父 | 騎手 | 調教師 | |
1 | フサイチリシャール | クロフネ | フサイチエアデール | サンデーサイレンス | 福永祐一 | 松田国英 |
2 | ドリームパスポート | フジキセキ | グレースランド | トニービン | 高田潤 | 松田博資 |
3 | ナイアガラ | Fantastic Light | レーヴドスカー | Highest Honor | 小牧太 | 池江泰郎 |
4 | キャプテンベガ | サンデーサイレンス | ベガ | トニービン | 安藤勝己 | 松田博資 |
5 | メイショウサムソン | オペラハウス | マイヴィヴィアン | ダンシングブレーヴ | 石橋守 | 瀬戸口勉 |
6 | フサイチジャンク | サンデーサイレンス | セトフローリアン | Bellotto | 岩田康誠 | 池江泰寿 |
7 | ショウナンタキオン | アグネスタキオン | ショウナンマイラヴ | トニービン | 田中勝春 | 上原博之 |
8 | ダイアモンドヘッド | サンデーサイレンス | デアリングダンジグ | Danzig | 北村宏司 | 池江泰寿 |
9 | ゴウゴウキリシマ | キングヘイロー | マルシンアモン | バイアモン | 中舘英二 | 梅田康雄 |
10 | トウショウシロッコ | アドマイヤベガ | スパークトウショウ | ニッポーテイオー | 吉田豊 | 大久保洋吉 |
11 | ステキシンスケクン | Danzig | Autumn Moon | Mr. Prospector | 藤田伸二 | 森秀行 |
12 | サクラメガワンダー | グラスワンダー | サクラメガ | サンデーサイレンス | 内田博幸 | 友道康夫 |
13 | インテレット | アドマイヤベガ | ボンヌシャンス | リアルシャダイ | 後藤浩樹 | 萩原清 |
14 | スーパーホーネット | ロドリゴデトリアーノ | ユウサンポリッシュ | エルセニョール | 四位洋文 | 矢作芳人 |
15 | アドマイヤムーン | エンドスウィープ | マイケイティーズ | サンデーサイレンス | 武豊 | 松田博資 |
16 | ジャリスコライト | Fantastic Light | Chancey Squaw | Chief's Crown | 横山典弘 | 藤沢和雄 |
17 | ディープエアー | タイキシャトル | ハイパスチャー | El Gran Senor | 池添謙一 | 池添兼雄 |
18 | ニシノアンサー | スペシャルウィーク | ニシノファイナル | マラキム | 菊沢隆徳 | 奥平真治 |
今年で最後となるサンデーサイレンス産駒は結局この舞台には3頭。ちょっと少ないかと思ってしまうのだから恐ろしい。まあ、3頭といっても人気の一角フサイチジャンクにキャプテンベガといるわけだからなあ。ダイアモンドヘッドは何度も言うがNHKマイルでどうぞって気分ではあったり。母父Danzigで、母系にアメリカのスピードのありそうな血をガツガツ入れてるわけでね。
で、母父で見るとサンデーサイレンスが3のトニービンも3ということで、ブライアンズタイムどこ行ったというところではあるか。母父トニービンの場合父はサンデーサイレンスであったり、フジキセキ、アグネスタキオンとどれもサンデー系の父という事になっているわけではあるのですが。一方母父サンデーの父はクロフネだ、グラスワンダーだ、エンドスウィープだと言う感じ。いまいち良い馬が出てこないなと思ってたグラスワンダーから出てきた強い馬は母父サンデーだったということでまあ、わかりやすい形ではありますか。
2頭の産駒を送り込んだFantastic Lightはこれが初年度産駒で、欧州ではロクに活躍馬が出ていないので真逆2頭もってところはあったり。
Result
♪だ~んしんぐぶれ~ぶ、だんしんぐぶれえぶ~♪1.メイショウサムソン: オペラハウス - マイヴィヴィアン by ダンシングブレーヴ
2.ドリームパスポート: フジキセキ - グレースランド by トニービン
3.フサイチジャンク: サンデーサイレンス - セトフローリアン by Bellotto
4.アドマイヤムーン: エンドスウィープ - マイケイティーズ by サンデーサイレンス
5.フサイチリシャール: クロフネ - フサイチエアデール by サンデーサイレンス
6.サクラメガワンダー: グラスワンダー - サクラメガ by サンデーサイレンス
7.ジャリスコライト: Fantastic Light - Chancey Squaw by Chief's Crown
8.インテレット: アドマイヤベガ - ポンヌシャンス by リアルシャダイ
9.トウショウシロッコ: アドマイヤベガ - スパークトウショウ by ニッポーテイオー
10.スーパーホーネット: ロドリゴデトリアーノ - ユウサンポリッシュ by エルセニョール
11.ナイアガラ: Fantastic Light - レーヴドスカー by Highest Honor
12.ステキシンスケクン: Danzig - Autumn Moon by Mr. Prospector
13.キャプテンベガ: サンデーサイレンス - ベガ by トニービン
14.ニシノアンサー: スペシャルウィーク - ニシノファイナル by マラキム
15.ダイアモンドヘッド: サンデーサイレンス - by Danzig
16.ディープエアー: タイキシャトル - ハイパスチャー by El Gran Senor
17.ショウナンタキオン: アグネスタキオン - ショウナンマイラヴ by トニービン
18.ゴウゴウキリシマ: キングヘイロー - マルシンアモン by バイアモン
ラップタイム: 12.3 - 11.3 - 12.0 - 12.1 - 12.3 - 12.0 - 12.2 - 11.8 - 11.7 - 12.2
欧血の勝利とかオモタ。
予想通りステキシンスケクンが逃げてフサイチリシャールがその後ろという形になったわけなんですが、スタート後の直線でちょっとフサイチリシャールの動きが妙で、一旦ナイアガラの後ろに下げてその外に出してから前に出ましたよねえ。あの辺りの動きがどうよとは思ったりもしましたが…。
結局落ち着いた流れになって、4コーナーから直線に入ったところで早くもフサイチリシャールが先頭に立ってしまいます。さすがにここから押し切るのは厳しいだろうなと思って見てましたら、案の定差されました。それで丁度良い位置からコーナー回って伸びたのがメイショウサムソンであり、内からスルスルだったのがドリームパスポート。結局きさらぎ賞の順位が入れ替わる形となり、スプリングSのレベルが高かったという事になりますか。外を回して直線追い込んできたフサイチジャンクは届かず3着で、同じく追い込んだアドマイヤムーンが最後フサイチリシャールを交わして4着。フサイチリシャールは結局5着に終わりました。
で、終わってみれば、トライアルの勝ち馬は1着、3着、4着と来ていますし、ドリームパスポートはきさらぎ賞勝ちで、フサイチリシャールはスプリングSで2着の2歳王者。実績馬がそれぞれ持てる力を出したというレースではありましたかね。6着がサクラメガワンダーだし。
で、メイショウサムソンはフローリスカップに始まる日本土着牝系で、この牝系で有名なシラオキの方ではなくてサンキストの流れ。古くはダテテンリュウを出し、近年ではマイネルブライアンなんかを出しているちょっと地味な方です。土着牝系らしく欧州系の種牡馬を重ねて、まずダンシングブレーヴ。牝馬の父として入るダンシングブレーヴはやはり怖いよなというのを再確認。そしてオペラオーは当たり過ぎにしても当たればそれなりに大きいオペラハウスをドカンと入れて、ちゃんとあたりを引いてきてた形なのがこの馬か。血統的に距離は問題無いでしょうからダービーでも有力は有力で、さらにその先まで含めて面白い馬ではあるでしょう。まあ、瞬発力勝負になった場合にどれくらいやれるかってのは問題になるかもしれないが、ダンシングブレーヴがなんとでもするかなとデンパw。それにしてもオペラハウスはJBBAの種牡馬というのもあるのかもしれないが、泥臭い血統の繁殖相手に活躍馬を良く出しますよねえ。貴重な種牡馬だとは思う。
ドリームパスポートも前に触れた通り、Le FabuleuxとDictusのおかげでフランス血統の恩恵を受ける部分はあって、トニービンも重いHyperionが前面に出るということではあるし、元々ダイナサッシュのあのファミリーにしてからが欧州色強め。とにかく距離に不安の付き纏うフジキセキ産駒ではありますが、ダービーくらいならなんとかこなすんでねえのと思ってみたり。
フサイチジャンクは、ある程度強いサンデーサイレンス産駒の常道として一気の相手強化をクリアするってのがありますが、それはひとまず合格で良いのではないかと。連勝が止まったとはいえ、これまでの戦歴からしたら十分な結果とは思います。最後はちゃんと切れて伸びてたし。ちょっと道中でズブいのかというところも見せましたのでダービーでというのはあるのかもしれないけど、そのくらいになるとBuckpasserが入ってないのがちょっと響いてくるかなとも。
アドマイヤムーンはダービーで距離がどうかと思うのでここを勝てなかったのは痛いか。一応ヒシアマゾンの出ているファミリーですが、あれはステイヤー色の強いTheatricalという種牡馬に拠るところが大きいかなとは思うので。
フサイチリシャールはNHKマイルを走るという話で、今日のレースなんかを見るにマイルあたりが向いているんではないかとも思いますねえ。
Posted by Marius : April 16, 2006 01:54 AM
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