ネアルコはイタリアで産まれ14戦無敗で現役を終えました。
種牡馬となってからのネアルコは次々と後継種牡馬を送り出しました。
ネアルコには父ファロスが持つセントサイモンのクロスに加えて母系にもセントサイモンの血を持っており、セントサイモンからの影響を大きく受けていました。
この時代にセントサイモンを濃く受け継いでいる種牡馬としては他にハイペリオン(HYPERION)がいます。
ともにスピードとスタミナをバランスよくもっていましたが、ネアルコはおもにスピードを前面に出し、ハイペリオンはスタミナを前面に出しました。
ネアルコから派生した系統にはナスルーラ(NASRULLAH)、ロイヤルチャージャー(ROYAL CHARGER)、ノーザンダンサー(NORTHERN DANCER)を輩出したニアークティック(NEARCTIC)、ダンテ(DANTE)、モスボロー(MOSSBOROUGH)、サヤジラオ(SAYAJIRAO)があります。
ダンテはイギリスダービー馬で、種牡馬としてはダリウス(DARIUS)を出しました。
日本ではトロットサンダーがこの直系に属していますが、ヨーロッパで長距離と短距離それぞれに分かれて活躍する系統です。母父としてサドラーズウェルズ(SADLER'S WELLS)やダルシャーン(DARSHAAN)と相性の良い血統です。
モスボローは種牡馬として成功を収め、ヨーロッパの長距離で勢力を築きました。
現在は衰退の一途をたどっていますが、日本では名古屋公営競馬に所属するゴールドプルーフがダートの長距離戦で活躍し、2003年にJRAGIIの東海S勝ちを収め、細々と血をつないでいます。
サヤジラオはダンテの全弟で日本ではタケホープを出した血統です。日本とオセアニアで繁栄しましたが、現在では直系としてはわずかに南米で生き残っているに過ぎません。