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世界の血統を支配するノーザンダンサー

1970年代から世界の競馬を支配しつづけるノーザンダンサー(NORTHERN DANCER)は父からネアルコ(NEARCO)を、母からネイティヴダンサー(NATIVE DANCER)を受け継いでいます。 父ニアークティック(NEARCTIC)はネアルコ×ハイペリオン(HYPERION)、母ナタルマ(NATALMA)は名牝アルマームード(ALMAHMOUD)の産駒でネイティヴダンサー×マームード(MAHMOUD)という当時の主流血統をすべてあわせたような血統構成になっています。 ノーザンダンサーの産駒は次々と種牡馬として成功を収め、ノーザンダンサー系を現代最大の父系へと押し上げました。 ノーザンダンサー自身は万能で和合性に優れた種牡馬で後継種牡馬は様々な条件で活躍する産駒を送りこんでいます。
ノーザンダンサーから派生した系統としてはニジンスキー(NIJINSKY)、リファール(LYPHARD)、ヌレイエフ(NUREYEV)、ダンチヒ(DANZIG)、ストームバード(STROM BIRD)、ヴァイスリージェント(VICE REAGENT)、サドラーズウェルズ(SADLER'S WELLS)、ノーザンテースト(NORTHERN TASTE)などがあり、その他にも成功した種牡馬は数多く存在します。
アメリカではスピードに優れ、早熟性のあるストームバードやダンチヒが、ヨーロッパでは重厚でスタミナ豊富なニジンスキーやサドラーズウェルズが人気を集めました。 日本に早くから導入されたノーザンテースト、マルゼンスキーは一大勢力を築き、外国産馬でもニジンスキー直仔のカーリアン(CAERLEON)の産駒が抜群の適正を示すなど日本競馬にも多大な影響を与えつづけています。

ニジンスキー系

ニジンスキーはノーザンダンサーの2年目の産駒で現役時代は英国三冠を達成し、欧州三冠を狙った凱旋門賞でササフラ(SASSAFRAS)に敗れて大記録を逃しました。 種牡馬となってからは次々と活躍馬を輩出し、ノーザンダンサーの最高傑作と称されました。 ニジンスキーはノーザンダンサー系の中ではスタミナ豊富な種牡馬で産駒はヨーロッパでも人気を博しました。 ニジンスキーの産駒からは3頭のイギリスダービー馬が輩出されて、晩年には4戦無敗で欧州三冠を成し遂げた神の馬ラムタラ(LAMMTARRA)が現れ、最後の後継種牡馬となりました。 種牡馬としてはまさに万能で産駒はさまざまな条件で活躍しています。 ニジンスキーの後継には日本でも抜群の適正を示している種牡馬が多く、フサイチコンコルドなどを輩出したカーリアン(CAERLEON)やエイシンプレストンを出したグリーンダンサー(GREEN DANCER)などがいます。 1991年にはカーリアン産駒のジェネラス(GENEROUS)とグリーンダンサー産駒のスワーヴダンサー(SUARVE DANCER)が欧州王道路線で激戦を繰り広げるなどクラシックディスタンスに強さを発揮しています。
日本でのニジンスキーの後継種牡馬としては外国産馬として日本で走り、圧倒的な能力を見せつけたマルゼンスキーがいます。 マルゼンスキーは種牡馬としても活躍しましたが、ノーザンテーストの前に敗れ去り、後継に恵まれませんでした。 ニジンスキー産駒では他にイルドブルボン(ILE DE BOURBON)も輸入されましたが、これは大失敗に終わっています。 ヨーロッパに残したカヤージ(KAHYASI)が後継種牡馬となりイルドブルボンの血をつないでいます。
ニジンスキー系種牡馬は母父としてスタミナや底力を補強する役目を担うため、母父として非常に優秀な成績を収めています。 日本でもサンデーサイレンス(SUNDAY SILENCE)との配合でダンスパートナー、ダンスインザダーク、スペシャルウィークなどが出ています。 現在ニジンスキー系は世界的にも不振に陥っていて、日本でもラムタラが期待に応えられず厳しい立場に立たされています。 ヨーロッパでも長距離戦でサドラーズウェルズに圧されて苦戦しながらもカーリアン産駒のマリエンバード(MERIEN BIRD)が凱旋門賞を制する活躍を見せました。また、ニニスキ(NINISKI)はスタミナのあるラインであり、その仔エルナンド(HERNANDO)はスラマニ(SULAMANI)を出していますし、ドイツで活躍するロミタス(LOMITAS)もニニスキの産駒です。 アメリカではロイヤルアカデミーII(ROYAL ACADEMY)がニジンスキー系の万能性を発揮して活躍しています。

リファール系

リファールは現役時代には主にマイル戦で活躍しましたが、種牡馬となってからは多彩な産駒を送り出しています。 早くから日本に入ったノーザンダンサー系のひとつで産駒のモガミ(MOGAMI)やリイフォー(LYPHOER)とその仔トロメオ(TOLOMEO)、サンキリコ(SUNQUIRICO)が輸入され種牡馬として活躍しました。 モガミからは海外に長期遠征を行ったダービー馬シリウスシンボリ、牝馬三冠のメジロラモーヌなどが出ました。 トロメオはダイワテキサスを出しています。
リファールの最高傑作はダンシングブレーヴ(DANCING BRAVE)です。 ダンシングブレーヴはイギリスダービーを取りこぼしてしまうものの、アイルランドダービーで英仏のダービー馬を破って世代最強の座につきました。 その後キングジョージ、凱旋門賞を制覇し、特に凱旋門賞では後方から一気に追い込む末脚の破壊力を見せ付けました。 凱旋門賞後のブリーダーズカップターフで生涯二度目の敗北を喫して引退しました。 国際レーティングは歴代最高の141を与えられ、80年代最強馬の称号を手にしています。 期待されて種牡馬入りとなりましたが、マリー病という奇病に冒されたためヨーロッパに見放されて日本に輸入されました。 しかしヨーロッパに残したコマンダーインチーフ(COMMANDER IN CHIEF)が無敗でイギリス、アイルランドのダービーを制してデュアルダービー馬となるなど活躍しました。 コマンダーインチーフも引退と同時に日本に輸入され、他にホワイトマズル(WHITE MUZZLE)も輸入されており、ダンシングブレーヴの血はほぼ日本にのみ残っています。 日本でのダンシングブレーヴは病気のため種付けに制限を設けていましたが、アーニングインデックス(EI)ではサンデーサイレンス(SUNDAY SILENCE)に匹敵する好成績を収めています。 代表産駒にはキョウエイマーチ、キングヘイロー、テイエムオーシャンがいます。 ダンシングブレーヴの産駒は扱いが難しく、能力が高いものの気分屋でもあるためつかみ所のない馬が多く出ています。 コマンダーインチーフ、ホワイトマズルもGI馬を輩出し成功を収めましたが、日本でのダンシングブレーヴ系は活躍馬が牝馬に偏る傾向が強くGIを制した牡馬はキングヘイローのみです。
このダンシングブレーヴやシアトリカル(THEATRICAL)をBCターフで破ったマニラ(MANILA)もリファールの産駒でアメリカで種牡馬になりましたが、結果残せませんでした。 欧州ではアルザオ(ALZAO)が各国のオークス馬を出すなどして牝馬に強いところを見せています。 しかし欧州リファール系の本流はリファールからベリファ(BELLYPHA)-メンデス(MENDEZ)と受け継がれリナミクス(LINAMIX)にいたるラインです。ベリファとメンデスは日本に輸入されていますが、日本での産駒成績は振るいませんでした。リナミクス産駒のサガミクス(SAGAMIX)は凱旋門賞を制し、後継種牡馬としての期待がかけられています。
リファール系は母系に入っても優秀で産駒の能力を底上げします。 サンデーサイレンスとの配合でバブルガムフェローやロサードを輩出しました。

ヌレイエフ系

ヌレイエフはアメリカの名牝系ラフショッド(ROUGH SHOD)系の出身でノーザンダンサー系の中ではマイルあたりの距離を得意とする種牡馬です。 スピードの持続力に優れますが、やや不安定なところもあります。 セリで高額で取引され、現役時代は3戦2勝失格1回成績を残し、高額のシンジケートが組まれ種牡馬となりました。 失格となったのはイギリス2000ギニーで一位入線した後で、脚を故障してそのまま引退しました。 この時代のノーザンダンサー系の勢いを象徴する一頭です。
ヌレイエフの産駒はマイルを中心とする馬とクラシックをこなす馬に分けられます。 一年間フランスで供用された後、アメリカに移りました。 アメリカ供用の種牡馬の中では芝への適正に優れ、種牡馬としては早い時期から、BCターフを制したシアトリカル(THEATRICAL)、マイルの女王ミエスク(MIESQUE)とそのライバル・ソヴィエトスター(SOVIET STAR)などを輩出してノーザンダンサー後継としての立場を固めました。 フランスのリーディングサイヤーに輝いた事もあり、ニジンスキー、サドラーズウェルズらと並んで欧州ノーザンダンサー三強と称された事もあります。 その後もスピニングワールド(SPINNING WORLD)のようなマイルの大物から、当時ヨーロッパの一流古馬を相手に凱旋門賞の舞台でレコードタイムを記録する圧勝したパントレセレブル(PEINTRE CELEBRE)など一流馬を輩出しつづけました。
ヌレイエフ系は日本に対する適正が高く、直仔のブラックホークがGIを2勝したほか、シアトリカルもヒシアマゾンを出しています。 しかし全体的に見てヌレイエフの後継種牡馬はまだその地位を固められていません。 その中でポーラーファルコン(POLAR FALCON)とその仔ピヴォタル(PIVOTAL)はスプリントからマイルに強い種牡馬で、特にピヴォタルは2歳戦にも強く欧州リーディングの上位に顔を出しています。
ソヴィエトスターやスピニングワールドやパントレセレブルはリースで日本にも供用されました。 リースで供用されたソヴィエトスターはヨーロッパとは全く異なり日本では散々な結果に終わりました。パントレセレブルは一世代だけとなり、まだデビューしたばかりですが、勝ち上がるのに苦労する面が見られます。スピニングワールドも一年間だけのリースでしたが、これまでのところは期待に応えたとは言い難い状況です。 シアトリカルの後継として輸入されたザグレブ(ZAGREB)も日本では活躍馬を出すことができずアイルランドに買い戻されました。
しかしこれから結果が期待される種牡馬が多く、特にパントレセレブルは初年度の種付け相手にはガリレオ(GALILEO)の母で凱旋門賞馬でもあるアーバンシー(URBAN SEA)やサンデーサイレンス(SUNDAY SILENCE)の母ウィッシングウェル(WISHING WELL)などそうそうたる名牝が集まり、ポストサドラーズウェルズ(SADLER'S WELLS)の期待を受けているようです。 ブラックホークも短距離での実績が評価されて人気種牡馬となり、シャトル先のオーストラリアも合わせると200頭以上の種付けをこなしています。 この他短距離で活躍したストラヴィンスキー(STRAVINSKY)やファスリエフ(FASLIYEV)は初年度産駒が大活躍し、種牡馬として順調なスタートを切りました。
ヌレイエフは母父としても実績を挙げており、日本ではトゥザヴィクトリー、イーグルカフェ、ジャングルポケット、ゴールドアリュールというGI馬を輩出し、他にもエルコンドルパサーの父キングマンボ(KINGMAMBO)やオセアニアのリーディングサイアーザビール(ZABEEL)が出るなどして優秀です。

ダンチヒ系

ダンチヒはヌレイエフと同じく短距離を得意とする種牡馬です。 現役時代は3戦3勝で脚元の不安と戦いつづけ大レースとは縁がないままでした。 ヌレイエフが持続するスピードを武器にマイル戦を得意としたのに対し、ダンチヒは一瞬の切れ味でスプリント戦を得意としていました。
産駒の多くが種牡馬として成功しその中でもデインヒル(DANEHILL)が世界的な成功を収め、欧州ではサドラーズウェルズ(SADLER'S WELLS)に次ぐ評価を得ていましたが、2003年に事故が元で死亡しています。 ダンチヒ系は代を経ると距離適正が伸びる傾向にあり、ポリッシュプレシデント(POLISH PRECEDENT)が国際GIを転戦したピルサドスキー(PILSUDSKI)を出しています。ピルサドスキーは日本で種牡馬入りしましたが、産駒成績は不振を極め、初年度産駒デビュー以来1年以上の間勝ち星がなく、100連敗を軽く超える連敗記録を打ちたててしまいました。 チーフズクラウン(CHIEF'S CROWN)からはチーフベアハート(CHIEF BEARHART)、グランドロッジ(GRAND LODGE)、キーオブラック(KEY OF LUCK)が出ています。 グランドロッジからは英ダービー馬シンダー(SINNDAR)やグランデラ(GRANDERA)が、キーオブラックからは愛ダービー馬アラムシャー(ALAMSHAR)が出ています。 またバウンダリー(BOUNDARY)など早熟性を売りにしている種牡馬も多く、アメリカで人気を得ています。
母父としても優れたスピードを伝えますが、やはり持続的なスピードではなく瞬間的に発揮される末脚の威力に特化しています。

デインヒル系

ダンチヒから派生し一大勢力を築き上げたのがデインヒルです。 ノーザンダンサーの母ナタルマを3×3という濃いクロスで持っています。 シャトルサイアーとして種付けを行ったオーストラリアで産駒が活躍したのをきっかけとして、人気種牡馬となり、日本でもリース供用された事があります。 2001年には英愛リーディングではサドラーズウェルズに次ぐ2位で、フランスリーディングではトップを獲得し、欧州を中心として活躍しこれまでに送り出したステークス馬が200頭を越える大種牡馬となりましたが、2003年に事故のため亡くなりました。 この他オーストラリアや香港などでもリーディングサイアーに輝いています。 デインヒルの代表産駒には国内ではファインモーション、エアエミネムが、海外ではロックオブジブラルタル(ROCK OF GIBRALTAR)が挙げられます。 産駒は1600から2400まで幅広い距離をこなし、特に根幹距離と言われ大レースが数多く組まれている1600、2000の距離で強さを発揮します。
特にオーストラリアでのデインヒル系の勢力は凄まじく、2歳から3歳にかけてデインヒル後継種牡馬の仔が次々とGIを勝っていきます。欧州でも毎年2歳からクラシックにかけて有力馬を送り込みますが、北米ではほとんどといってよいほど活躍馬が出ません。
若くして亡くなったためこれから残した産駒が後継種牡馬としてデインヒル系を発展させていくでしょう。

ストームバード系

ストームバードは北米のノーザンダンサー系を支えました。 早熟のスピード馬を多く輩出しましたが、早い時期に燃え尽きてしまう馬が多く主に2歳戦での活躍が見られました。 ストームバードの産駒は種牡馬としても父の特徴をよく伝えて成功を収めました。 ストームバードの代表産駒にして現在のアメリカで最も高額の種付け料を誇るのがストームキャット(STORM CAT)です。 こちらも早熟でスピードに優れる父の特徴を伝えてヘネシー(HENNESSY)、タバスコキャット(TABASCO CAT)、フォレストワイルドキャット(FOREST WILD CAT)を送りだし、更にアイアンホースと称されたジャイアンツコーズウェイ(GIANT'S CAUSEWAY)が現われています。
ヘネシーはヨハネスブルク(JOHANNESBURG)を出しました。 ヨハネスブルクは7戦7勝の圧倒的な成績で2歳戦を終えましたが、3歳になってからは普通の馬に成り下がり、3戦して勝てないまま引退しています。 タバスコキャットはアメリカで二冠を達成し、種牡馬となってからもGI馬を輩出しています。 ストームキャットの血統は現在アメリカで最も人気のある血統で種付け料も高額で、産駒はセリの高額売却馬に名を連ねています。 ストームバード系としては直仔サマースコール(SUMMER SQUALL)がアメリカ二冠馬のカリズマティック(CHARISMATIC)を出すなど後継種牡馬も豊富です。 タバスコキャット、カリズマティックは現在はJRAに購入され日本で種牡馬として活躍中です。 早熟のスピード馬と言う典型的な現代アメリカ系統だけに日本でどこまで成績を残せるかが注目されています。

ヴァイスリージェント系

ヴァイスリージェントは北米のノーザンダンサー系を支えたカナダの名種牡馬です。 全兄にカナダ年度代表馬のヴァイスリーガル(VICEREGAL)を持つ良血で種牡馬として11年連続でカナダのリーディングサイアーとなるなど成功しました。
産駒は中距離に強くデピュティミニスター(DEPUTY MINISTER)やパークリージェント(PARK REAGENT)が後継種牡馬として活躍し、デピュティミニスターの系統は北米の人気血統になりました。 パークリージェントは輸入されダートを中心に堅実に走り、長持ちするため地方競馬などでも需要の高い種牡馬となりました。 デピュティミニスターの産駒ではシルバーデピュティ(SILVER DEPUTY)やフレンチデピュティ(FRENCH DEPUTY)の他ソルトレイク(SALT LAKE)やデヒア(DEHERRE)、オウサムアゲイン(AWESOME AGAIN)もコンスタントに活躍馬を送っています。 ヴァイスリージェント系は日本の芝・ダート競馬とも相性がよく外国産馬として数多くの産駒が輸入されています。 公営リーディングサイアーのパークリージェント(PARK REGENT)もヴァイスリージェント産駒で非常にタフで長持ちする点から高い人気を誇っています。 フレンチデピュティ産駒の外国産馬として輸入されたのがクロフネで、芝・ダートを問わずレコードを連発する大活躍を見せました。 この他にフレンチデピュティはグラスエイコウオーやノボジャックを出していて、クロフネの活躍が決め手となり日本に輸入されています。 ヴァイスリージェント系は基本的には芝・ダートを問わず短距離を得意としていますが、距離をこなせる馬も多く出しています。 全体的にとにかく堅実に走るためクロフネのような大物は出しにくいですが、確実に力をつけて重賞級に上がってきます。 またデピュティミニスターに見られるように早熟性と同時に3歳になってからの成長力も持ち合わせていて急に燃え尽きたように終わるということの少ない系統でもあります。

サドラーズウェルズ系

サドラーズウェルズはフェアリーブリッジ(FAIRY BRIDGE)を母に持ち、叔父にヌレイエフ、全弟にフェアリーキング(FAIRY KING)がいる種牡馬一族の出身です。 現役時代は平凡で種牡馬となった当初はカーリアンと並ぶ欧州のトップサイアーの一翼でしたが、やがて欧州ではカーリアンを圧倒し、レインボークエスト(RAINBOW QUEST)を退けて一強体制を築きました。 同世代にはレインボークエスト、エルグランセニョール(EL GRAN SENOR)、セクレト(SECRETO)と揃っています。
現在ではフランスリーディングサイアーのデインヒル(DANEHILL)との2強体制を確立し、2歳戦ではデインヒルに遅れを取る事がありますが、距離が伸びてくる3歳以降では無類の強さを発揮します。 アイルランド・クールモアスタッドが世界に誇る大種牡馬で種牡馬としての記録を塗り替えつづけています。 現役時代はヌレイエフの近親という血統背景などから距離不安を抱えていましたが、種牡馬としてはフェアリーキングとは異なり、重厚なスタミナを武器とする種牡馬で欧州における産駒の芝平均勝距離は2000mを超えています。 産駒はパワーがあり3歳で欧州の重い芝のクラシックディスタンスをこなす完成度の高さを誇ります。 現在まで英愛リーディングは12回を数え、ハイペリオン(HYPERION)ら歴代の大種牡馬の記録を超えハイフライヤー(HIGHFLYER)の最多記録にせまる勢いです。 ステークス馬は200頭を超え、輩出したGI馬も50頭を超えサートリストラム (SIR TRISTRAM)の記録を塗り替えました。
1999年にはフェアリーキング産駒の無名馬オース(OATH)に敗れるなどサドラーズウェルズの産駒はイギリスダービーに縁がありませんでしたが、2001年にガリレオ(GALILEO)が無敗で英愛デュアルダービー馬に輝くと、翌年ハイシャパラル(HIGH CHAPARRAL)も続いてデュアルダービー馬となりました。
サドラーズウェルズ系はヨーロッパに偏った活躍を見せており、日本の高速馬場では重厚さがあだとなって典型的なジリ脚のためなかなか活躍馬を出すことができません。 代を経る事で重さは薄められていきますが、日本に輸入されたサドラーズウェルズ系はオペラハウス(OPERA HOUSE)がテイエムオペラオーを送り出してはいますが、全体としては勝ちきれない馬が多く出ています。 オペラハウスは種牡馬として他にアクティブバイオなどを送りだし成功を収めましたが、カーネギー(CARNEGIE)の産駒は不振を極めました。 しかしカーネギーはシャトル先のオーストラリアでは好成績を挙げています。
この他ではイタリアで種牡馬活動をしているハンティングホーク(HUNTING HAWK)からはホットシークレットが出て長距離戦で活躍しています。 インザウイングス(IN THE WINGS)からはJC、ドバイワールドカップなど世界の大レースを制したシングピール(SINGSPIEL)が現われました。 シングスピールは初年度産駒からドバイワールドカップを勝ったムーンバラッド(MOON BALLAD)や日本でもローエングリンが出てサドラーズウェルズ系を更なる成功へと導いています。 アメリカでもクールモアグループの全面的なバックアップを受けるエルプラド(EL PLADO)が好成績を収めています。

ノーザンテースト系

日本で一時代を築いたノーザンテーストはレディアンジェラ(LADY ANGELA)の2×3というクロスを持っています。 典型的なフィメールバイアスのかかった種牡馬で牝馬の活躍が目立ちますが、芝・ダート不問、短距離から障害までこなす万能種牡馬です。 1980年代から11年連続でリーディングサイアーとなり2歳リーディングと同時にBMSリーディングを獲得するという離れ業を演じています。 この他に20世代連続で重賞勝ち馬を出し、25年連続で勝ち星を挙げています。
現在では母父として影響力を発揮し、繁殖牝馬の質と量で他の種牡馬を圧倒しています。 直系からはアンバーシャダイからメジロライアン、更にメジロブライトへとつながるラインがノーザンテースト系の本流を形成しています。 他にもダイナガリバーをはじめとして多彩な産駒が後継種牡馬となりましたが、輸入種牡馬に圧されてその後継を得られがたいのが現状です。 内国産種牡馬の全体的な不振の中で初年度産駒からメジロブライト、メジロドーベルと2頭のGI馬を出したメジロライアンは内国産の雄として注目されました。
母父としてはトニービン(TONY BIN)とは相性がよくエアグルーヴ、テレグノシスなどを出している反面、サンデーサイレンス(SUNDAY SILENCE)とはやや相性が悪くなかなかGI馬を出せませんでしたが2003年にデュランダルがスプリンターズステークスを制しました。

ノーザンダンサー後継諸系

フェアリーキング
フェアリーキングはサドラーズウェルズの全弟にあたります。 パワーとスタミナを誇るサドラーズウェルズとは異なり、フェアリーキングは軽い芝に対応するスピード型の種牡馬です。
フェアリーキングの代表産駒が凱旋門賞を制したエリシオ(HELISSIO)で種牡馬として日本に輸入されていますが、現在まででは期待されたほどの結果を残せず、イギリスに戻る事が決定しました。 またエリシオと並ぶ代表産駒でイギリスダービーを制したオース(OATH)も日本に輸入されています。 この他JCを制したファルブラヴ(FALBRAV)の購入も進められている通り、フェアリーキングの産駒の代表産駒はそのほとんどが日本に輸入されています。
オーストラリアではエンコスタドラゴ(ENCOSTA DE LAGO)がアリンギ(ALINGHI)を出して注目を集めています。

トライマイベスト
トライマイベスト(TRY MY BEST)は現役時代に短距離で実績を残し、種牡馬としても短距離戦に適性を見せています。産駒のラストタイクーン(LAST TYCOON)は2歳時にアベイユドロンシャン賞に出走して5着に入ったほどの早熟性と短距離適性を持っていました。ラストタイクーンは日本でのリース供用歴がありオースミブライトやオースミタイクーン、アローキャリーを出しています。また産駒のビッグストーン(BIGSTONE)はメイショウドトウの父となりました。

エルグランセニョール
エルグランセニョールはトライマイベストの全弟でサドラーズウェルズら同世代の強力メンバーを抑えて2歳・3歳チャンピオンとなりました。英ダービーではセクレトの前に2着に終わりましたが、愛ダービーなどを制して国際クラシフィケーションで138という高い数値を獲得しています。種牡馬としてはサドラーズウェルズにおよびませんでしたが、ロドリゴデトリアーノ(RODRIGO DE TRIANO)やベルメッツ(BELMEZ)、サラトガスプリングス(SARATOGA SPRINGS)を出すなどして優秀です。ロドリゴデトリアーノは日本で種牡馬となりエリモエクセルを出しました。

ビーマイゲスト
ビーマイゲスト(BE MY GUEST)はアイルランドの種牡馬でアサート(ASSERT)やペンタイア(PENTIRE)を出して長距離戦に強い種牡馬です。1982年には英愛リーディングを獲得するなど人気の高い種牡馬でしたが、サドラーズウェルズの登場とともに勢力を失いました。ペンタイアは輸入され、ラフィアンの主力となることを期待された種牡馬ですが、産駒成績は不振に終わりドイツに輸出されました。その後、日本ではクラフトワークが活躍したり、オセアニアで数頭のGI馬を出すなどポテンシャルの高い種牡馬であった事を証明しています。

トップサイダー
トップサイダー(TOPSIDER)は現役成績は見るものがありませんでしたが、種牡馬としては成功しました。ノーザンダンサー系の中ではダートに特化した種牡馬で産駒のアサティス(ASSATIS)やデュラブ(DOULAB)は日本で種牡馬として活躍し、ウイングアロー、スマートボーイやトーシンブリザードを出しています。

ディキシーランドバンド
ディキシーランドバンド(DIXIELAND BAND)はアメリカを中心に活躍馬を輩出していますが、日本には馴染みのない種牡馬です。万能性が高く、産駒は様々な距離をこなしています。母父としてはアメリカンボスを出しています。

ザミンストレル
ザミンストレル(THE MINSTREL)は英愛ダービー、キングジョージを制しますが、凱旋門賞で欧州三冠に挑む事無く、キングジョージを最後に引退しています。アメリカで種牡馬として活躍し、パレスミュージック(PALACE MUSIC)を出しました。パレスミュージックは種牡馬として各国を渡り、特に南半球で活躍馬を出しています。ドバイワールドカップ初代覇者にしてアメリカで16連勝を記録した無敵のシガー(CIGAR)はパレスミュージックの産駒です。

ナイスダンサー
ナイスダンサー(NICE DANCER)は日本に輸入されたノーザンダンサー直仔の種牡馬です。現役時代にはカナダで走って中距離でレコードを3回更新するなどスピードに優れた馬でした。日本ではラグビーボールやナイスネイチャを出しています。ラグビーボールは種牡馬としてユウセンショウ、ユウフヨウホウの兄弟を出しています。ナイスネイチャは産駒成績が振るわず種牡馬引退となってしまいました。ナイスダンサーは母父としても優秀でホワイトストーンやトウカイテイオーを出しています。


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