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バイアリータークを受け継ぐ者たち

一時は最強を誇ったヘロド(HEROD)系も世界的な衰退傾向にあります。
古くはハイフライヤー(HIGHFLYER)系が勢力を持ちましたが、衰退しました。20世紀に入ってイギリスにヘロド系復興を賭けられたザテトラーク(THE TETRACH)が現れますが、スプリントに特化した血は母系に埋没しました。
現在のヘロド系はフランスのトウルビヨン(TOURBILLON)によって復興されました。
またサラブレッドの血統上でもっとも重要な繁殖牝馬であったポカホンタス(POCAHONTAS)もヘロドの直系です。

根幹種牡馬ヘロドから現代へ

バイアリーターク(BYERLEY TURK)の血はヘロド(HEROD)によって広められ、更にハイフライヤー(HIGHFLYER)の活躍によって全盛期を迎えます。 ハイフライヤーはイギリスリーディングサイアーを13回獲得しています。 これはついにサドラーズウェルズ(SADLER'S WELLS)に逆転されることになましたが、サラブレッドの生産規模などを考慮すればサドラーズウェルズをはるかに上回る支配力です。 しかしあまりにも影響力の強いヘロド-ハイフライヤー親仔の血はやがて血の飽和と呼ばれる現象を招き、直系としての力を急速に失ってしまいました。 ヘロドやハイフライヤーの血によって高い能力を得た繁殖牝馬にはヘロド系の種牡馬を交配させることができないため、エクリプス(ECLIPSE)自身やその後継種牡馬が配されてエクリプス系全盛の基礎を築くことになりました。 この結果ハイフライヤーの直系は現代競馬に受け継がれることなく途絶えてしまいます。
ヘロドの血は産駒のウッドペッカー(WOODPECKER)によって伝えられ、やがてザテトラーク(THE TETRACH)、トウルビヨン(TOURBILLON)が現れます。 ザテトラークはスプリント血統として特化し過ぎてしまったため途絶えてしまいましたが、トウルビヨンの血は世界に広まっています。
この他に初代ダービー馬ダイオメド(DIOMED)の父フロリゼル(FLORIZEL)もヘロドの仔です。 ダイオメドは引退後32歳という高齢まで生きてその前半をイギリスで、後半をアメリカで種牡馬として暮らしました。 イギリスでは結果を残せずアメリカに輸出されましたが、アメリカではサーアーチー(SIR ARCHY)を出してアメリカ血統の基礎を築くことになりました。 このダイオメドの系統から現れたのがレキシントン(LEXINGTON)です。 レキシントンは19世紀アメリカ最大の種牡馬で16回のリーディングサイアーを獲得しています。 レキシントンの直系も20世紀にはいると途絶えてしまいますが、アメリカ血統として牝系に入っており、特にレディジョセフィン(LADY JOSEPHINE)の牝系からはナスルーラ(NASRULLAH)、マームード(MAHMOUD)、ロイヤルチャージャー(ROYAL CHARGER)が出ています。

ハイフライヤー系

ハイフライヤーは13回リーディングに輝き、3頭のダービー馬を輩出しています。 その中からサーピーターティーズル(SIR PETER TEAZLE)が現れています。 サーピーターティーズルはダービー卿の所有馬としてはじめてダービーを制した馬で、種牡馬としても成功しました。 そして産駒のサーポール(SIR PAUL)の系統が最後までハイフライヤーの系統を守りました。 この系統はドイツからアメリカに渡った後ミオランド(MIOLAND)を最後として、途絶たとされています。

ザテトラーク系

ハイフライヤー系の衰退によって20世紀初頭にはイギリスからヘロド系の種牡馬がいなくなりました。 イギリスでのヘロド系復興を担う存在としてフランスからイギリスに輸入されたのがロイヘロド(ROI HERODE)、フランス風に読むとロワエルド、です。 ロイヘロドの血統はヘロドの仔ウッドペッカーからバザード(BUZZARD)の産駒カストレル(CASTREL)に受け継がれてフランスに渡った血統です。 ロイヘロドはザテトラーク(THE TETRACH)を輩出して期待に応えます。
ザテトラークはスピードに優れており、2歳のみ現役として活躍し、スプリント戦で圧勝を繰り返しました。 種牡馬としてもスピード豊かなスプリンターを多く輩出していますが、セントレジャーを勝つような長距離馬も輩出しています。 ザテトラークは種牡馬入り当初から高く評価され、また非常に人気のある種牡馬でしたが、種付けを嫌うそぶりを見せ、受精能力にも問題があったためその産駒は130頭と25歳の長寿を全うしたわりには少ないものとなっています。
ザテトラークの後継種牡馬となったテトラテーマ(TETRATEMA)も典型的なスプリンターでした。 テトラテーマの産駒は明らかな距離の限界を示したためザテトラーク系はスプリント血統として確立されました。
テトラテーマの産駒には輸入種牡馬のセフト(THEFT)がおり、戦後の日本の競馬に大きな影響を与えました。 このセフトの産駒に10戦無敗で日本ダービーを制した後、破傷風がもとでこの世を去った幻の名馬トキノミノルが出ています。 トキノミノルはザテトラーク3×4という奇跡の血量のインブリードを持っています。 現在クラシックの重要なステップレースである共同通信杯にはトキノミノル記念という名が与えられています。
ザテトラークの直系はスプリント血統の宿命には逆らえず衰退の道を歩み、絶えてしまいました。 ザテトラークの最高傑作と呼ばれるのが牝馬マムターズマハル(MUMTAZ MAHAL)です。 母にレディジョセフィン(LADY JOSEPHINE)を持つこの牝馬はゲインズボロー(GAINSBOROUGH)との間にマーマハル(MAH MAHAL)を産みました。 マーマハルはブレニム(BLENHEIM)の後継種牡馬となったマームード(MAHMOUD)の母でマームードからはアルマームード(ALMAHMOUD)が出てノーザンダンサー(NORTHERN DANCER)やヘイロー(HALO)の牝系になっています。 マムターズマハルはブレニムとの間にもマムターズベガム(MUMTAZ BEGUM)を産み、こちらはナスルーラ(NASRULLAH)の母で、他にロイヤルチャージャー(ROYAL CHAGER)の母であるサンプリンセス(SUN PRINCESS)を産んでいます。
またロイヘロド-ザテトラークは芦毛中興の祖と呼ばれ、多くの芦毛の馬の血統をたどるとザテトラークあるいはロイヘロドにたどり着きます。 なかでもマームードは史上3頭目の芦毛のイギリスダービー馬でレコードタイムをたたき出しています。 このように直系としては絶えてしまいましたが、ザテトラークの血は現代の大種牡馬に受け継がれてスピードを与える働きをしています。

トウルビヨン系

トウルビヨンの系統はヘロドの孫のバザード(BUZZARD)からセリム(SELIM)に受け継がれた血統です。 セリムの血統は後にストックウェル(STOCKWELL)、ラタプラン(RATAPLAN)やキングトム(KING TOM)を産んだポカホンタス(POCAHONTAS)を出しています。 ザフライングダッチマン(THE FLYING DATCHMAN)の時代にフランスに売却され、その後はフランスでサイアーラインを伸ばしていました。
トウルビヨンはフランスの馬産家マルセル・ブサックの最高傑作と呼ばれ、母はアメリカの名牝系フリゼット(FRIZETTE)系の出身で、セントサイモン(ST. SIMON)の血を引いています。 父はクサール(KSAR)で当時創設されたばかりの凱旋門賞を連覇し、フランスの英雄になった馬です。 クサールには当時のフランスの血がインブリードによって濃く集められています。
トウルビヨンはフランスダービーこそ制するものの、凱旋門賞では惨敗を喫するなど、競走馬としては一流とはいえませんでした。 種牡馬としては大成功しましたが、父と母には濃いインブリードがあり、この影響か体質が弱く、気性の悪さが問題でした。 しかしトウルビヨンの最大の問題は当時血統表内に血統の不詳部分が存在していたことです。 イギリスでは最初トウルビヨンをサラブレットとは認めず、トウルビヨンの産駒を締め出していました。 ですが、トウルビヨンの産駒の成績は素晴らしく、ついにイギリスでもサラブレットとして認められるようになったという経緯があります。
トウルビヨンの血統は現在でも日本や欧州で一定の勢力を保っています。 これはトウルビヨンの仔ジェベル(DJEBEL)が成功したためで、クラリオン(CRALION)とマイバブ(MY BABU)の血統が発展しました。 またジェベルの血統からはフジヤマケンザンもでています。 更にトウルビヨンの産駒としてあげられるのがアンビオリクス(AMBIORIX)です。 アンビオリクスはアメリカに輸出され種牡馬として成功し、リーディングサイアーにも輝きました。 アンビオリクスの後継種牡馬にアンビオポワズ(AMBIOPOISE)が出て、種牡馬として結果を残しました。 またアンビオポワズはアンバーシャダイの母父にもなっています。 他にヒッティングアウェー(HITTING AWAY)もアンビオリクスの後継種牡馬となりました。 ヒッティングアウェーは後に日本に輸入される事になります。 アンビオポワズ、ヒッティングアウェーはともに結果を残した種牡馬ですが、血統は衰退してしまいました。 結果としてアメリカではトウルビヨンのサイアーラインは一時的に繁栄したものの定着する事はありませんでした。

マイバブ系

マイバブは孫のパーソロン(PARTHOLON)が日本で大成功を収めました。 またオセアニアでもベターボーイ(BETTER BOY)が種牡馬として活躍し、直系にルビトン(RUBITON)が種牡馬として残されています。
パーソロンはシンボリ牧場とメジロ牧場が共同で輸入した種牡馬です。 初期に天皇賞馬メジロアサマを出し、晩年には無敗で3冠を制した皇帝シンボリルドルフを出しました。 この他、産駒はオークス4連覇を達成し、テスコボーイ(TESCO BOY)とともにノーザンテースト(NORTHERN TASTE)導入以前の日本競馬を支え、スピードを広めました。 メジロアサマからはメジロティターン、メジロマックイーンという天皇賞制覇のサイアーラインが伸び、シンボリルドルフは無敗でダービーを制したトウカイテイオーを出しています。 パーソロンの系統はスタミナに優れ、スピードも兼ね備えています。 母父としても優れた種牡馬でメジロドーベルなどを出しています。

クラリオン系

クラリオンの血は仔のクレイロン(KLAIRON)からリュティエ(RUTHIER)とローレンザッチョ(LOREN ZACCIO)に受け継がれました。
リュティエからは凱旋門賞を制したサガス(SAGACE)やサンシリエン(SAINT CYRIEN)が出たほか、輸入種牡馬のダンディルート(DANDY LUTE)が出ています。 ダンディルートはビゼンニシキを出し、ダイタクヘリオスからダイタクヤマトへと継承されました。サガスからはアルカング(ARCANGUES)が出ています。
ローレンザッチョからはアホヌーラ(AHONOORA)が出て、イギリスダービー馬ドクターデヴィアス(DR. DEVIOUS)を出しました。 ドクターデヴィアスは輸入されましたが、成績を残せずヨーロッパに戻っています。 この他、短距離馬のインディアンリッジ(INDIAN RIDGE)が種牡馬として活躍しています。

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