ウエストオーストラリアンから5代を経て現れたマンノウォー(MAN O'WAR)は20世紀初期のアメリカの英雄です。
当時のアメリカ三冠を形成していたレースすべてをレコードタイムで圧勝します。
二冠目以降は2頭立てとなりベルモントステークスを20馬身差、ローレンスリアライゼーションでは100馬身差と言われています。
栗毛の馬体でビッグレッドと称されていました。
現役成績22戦21勝で種牡馬となってからもアメリカの至宝の名にふさわしい活躍を収めました。
代表産駒のウォーアドミラル(WAR ADMIRAL)も三冠を制して活躍し、種牡馬としても大成功を収めました。
ウォーアドミラルは母父としても優秀でしたが、父系直系は衰退してしまいました。この直系に属する競走馬はウォーアドミラルの三冠達成以降アメリカの三冠戦で勝つことが出来ずにいます。
ウォーアドミラルをマッチレースで下したシービスケット(SEA BISCUIT)もマンノウォー系の馬で7歳まで現役を続け、89戦33勝という結果を残しました。
日本にはツキトモが持ち込み馬として輸入されました。
ツキトモはレースに出走することはできませんでしたが、種牡馬として素晴らしい成績を残しています。
マンノウォー系はウォーレリック(WAR RELIC)が系統を存続させ、インリアリティ(IN REALITY)につながりました。
インリアリティからはノウンファクト(KNOWN FACT)やリローンチ(RELAUNCH)が出ました。
ノウンファクトは現役時代にヌレイエフの失格によって英2000ギニー1着となった馬で、種牡馬としてマンノウォー系の復興を成し遂げました。ウォーニング(WARNING)やマークオブディスティンクション(MARKOFDISTINCTION)の父となり、現在のマンノウォー系を支えています。ウォーニングはコマンダーインチーフ(COMMANDER IN CHEIF)の半兄で、現役時代はミエスク(MIESQUE)のライバルとしてマイル戦で活躍しました。日本に輸入されますが、2000年に急死しています。ウォーニングからはサニングデールが出ています。マークオブディスティンクションも輸入されますが若くして死に、ホッカイルソーがその後継者となっています。
リローンチはオナーアンドグローリー(HONOUR AND GLORY)などが後継種牡馬となり、アメリカや南米で影響力を持ちました。
オナーアンドグローリーの産駒にはネームヴァリューがいます。
史上初めてBCクラシックを連覇したティズナウ(TIZNOW)も父シーズティジー(CEE'S TIZZY)からリローンチの血を受け継いでいます。