Revery_L_Elektra
memo
|TOP|PROFILE|FAVORITE|PICK UP|SKIN|MEMO|HORSE|BBS|MAIL FORM|LINK|MEMO>AnotherSide

« Keenland September Yearling: Second Session | Imaginations from the Other Side | 9/24 Fillies Mile GI Newmarket GB Turf 8F »

北米でのStorm Catの猛威

Northern Dancer帝国の北米圏に於ける後継者たる地位を確実なものとした嵐猫とその他のお話。Blood-Horseの記事を訳したりしてたのですが、これも消し飛ばしてしまったので適当に半分程度ネタ風味。
Blood-Horse: Storm Cat Scales New Heights at Keeneland Sale
Storm Catの勢いは止まらないどころか更に加速という雰囲気です。昨年は話題を森師がさらう事になったのですが、そのときの800万ドルを軽く超える970万ドルが出るなど手のつけようが無く、これで自身5度目のYearling Saleにおけるリーディングを獲得するのは確実な状況とのこと。特に今年のStorm Cat人気の加熱にはGiant's Causewayの種牡馬としての影響が大きく、このStorm Cat産駒の中でも最高のタフネスは今年既に7頭のステークス馬を出しており、この市場でも26頭の取引が行われ、その平均額が531,731ドルと全体の6位につけるという人気を誇ります。欧州で2歳戦からGI馬を続出させている割には北米ではあまり目立った産駒というのはいないような気もしますが、A.P. Indy、Kingmambo、Unbridled's Song、Mr. Greeleyに次ぐところに来てしまうわけですから凄まじい。
Storm Catは既に22歳であり、Overbrook Farmでは加齢にともなって種付け頭数を減らしていく予定ではあるので、今後数少ない産駒の奪い合いで更にヒートアップする可能性があります。
では、参考までにBlood-Horseに出ていたNorthern Dancerとの比較でも。
Storm Cat at Keeneland September Select:
Year - Sold - Gross - Average
2005 - 22 - $44,625,000 - $2,028,409
2004 - 12 - $20,600,000 - $1,716,667
2003 - 12 - $11,480,000 - $956,667
2002 - 12 - $9,795,000 - $816,250*
2001 - 13 - $22,835,000 - $1,756,538
2000 - 16 - $22,428,000 - $1,401,750
*Second to Danzig

Northern Dancer at Keeneland July
Year - Sold - Gross - Average
1987 - 13 - $12,435,000 - $956,538
1986 - 8 - $8,925,000 - $1,115,625
1985 - 10 - $14,655,000 - $1,465,500
1984 - 12 - $41,360,000 - $3,446,667
1983 - 10 - $24,775,000 - $2,477,500
1982 - 14 - $12,440,000 - $888,571
Northern Dancerの1984年は狂ってるにも程があろうかというところですが、これはSadler's Wellsらがクラシックを戦っていた年になるんではなかろうかな。となるとその人気にも軽く納得がいこうかというものではあるかな。
ですがStorm Catも種付けをこなせるのはあと5年程度だろうからその代わりになる後継者が必要な時期にはきていて、後継種牡馬の中からだったら今のところはGiant's Causewayが抜け出したという感もありますが、Tale of the Cat、Forest Wildcat、Forestryというあたりもかなりのところにはきているので、このあと数年、おそらく頂点に達しているであろうStorm Cat人気の元で実績を積んでいかないとあとから来る良血後継に根こそぎ持っていかれることにもなりかねないかなとも。

このStorm Cat系の猛威に抗うのがアメリカンヒーローの血を受け継いでBold Rulerの王統を統合したA.P. Indyということにはなるでしょう。
Storm CatとA.P. Indyは何処をとっても対照的な面があって、2歳で勝ったGIが競争生活としてはほぼ唯一の勲章のStorm Catに対して、Belmont SとBC Classicを勝ち年度代表馬にまで輝いたA.P. Indy。種牡馬入り直後のStorm Catはそれほど高い評価ではなく、そこからジリジリと評価を上げ、ついには世界最高の種牡馬となりました。A.P. IndyはもともとYearlingで290万ドルという高額をつける血統背景を持っていて、年度代表馬という勲章まで手に入れたわけですから、当然のように高い評価を受けての種牡馬入り。Storm Catは初年度からHarlanらGI馬を出し、3年目に二冠馬Tabasco Catを出したことで一流種牡馬としての地位を固めました。その後Giant's Causewayが出るにいたってクールモアグループが完全にこの種牡馬に入れ込むようになって現状の加熱振りを呼ぶ事になりました。一方、初年度からPulpit、Tomisue's Delightなど複数のGI馬を出しながらも、期待に応えていないと言われるほどの期待をかけられたA.P. IndyはAputitudeやSecret Statusを出したあたりで何とか評価を固め、ついに大物Mineshaftを出したというところで、血統と馬体、競争成績から来る人気の元値をギリギリで活かしてきたというところはあろうかなと。欧州の芝をこなせ、ある程度2歳から勝負をかけてくるStorm Catと芝はこなせても軽い芝だけで、2歳ではほとんど活躍できないA.P. Indy。特にA.P. Indyのここ一番の勝負弱さは際立っており、これまでに何頭もの有力馬を送り込みながらも三冠戦での勝ちは無く、BCを勝ったのもTemperaとMineshaftくらいというあたりが不満の溜まるところはあろう。ということでStorm Catはセリでも300万ドルくらいなんでもなくて、トッププライスはそこから更に一段上に来ます。A.P. Indyは300万ドルを超えたところで壁があって、今年Sahara Goldで340万ドルが出ましたが、これが歴代の最高額。これまでは320万ドルのFull Mandateでした。で、Full Mandateの場合Storm Catを父とした半弟Newfoundlandが330万ドルだったわけで…。
そして群雄割拠のMr. Prospector。単体で上位2頭に対抗できるのはKingmamboとUnbridled's Songということになるでしょう。この2頭では今のところKingmamboの方が高額馬も多いですが、現状だとそのうち逆転されるかなというところ。Mr. Prospector系異端のKingmamboは昨年のセリでVoodoo Dancerの下に310万ドルがつき、トリプルミリオンを記録しています。今年も270万ドルが出るなどハイエンドではUnbridled's Songを上回りますが、100万ドルを切るあたりになると正統Mr. Prospector系のUnbridled's Songの方が安定している印象はあります。Kingmamboは今のところ後継種牡馬にこれといったのは出てきていませんが、Unbridled's Songは早くも今年のTraningで話題をさらったSongandaprayerという後継を得ています。Gone West一族は並みの大きさが目立つものの、後継種牡馬が次々と成功して大きな勢力を得ています。既に首領Gone Westには昔日の輝きが無いようにも見えますが、相変わらず高い馬は高く、種付け料も更に上げて15万ドルというところに到達しました。種付け料の変動が激しく評価の安定しないMr. Greeleyは今年の上場馬に良血が揃ったとはいえ270万ドルのEl Corredor全弟を始め今年はかなりのもの。更に二冠馬Smarty Jonesを出したElusive Qualityは人気が過熱こそしないものの堅実に売れ、今年の世代が初年度となるCame Homeもここまでやれるなら十分といって良さそうではあります。一方、Gulchは一点突破という印象が強くて、Thunder GulchからPoint Givenへという二冠馬のラインだけの上、Thunder Gulchがどうも揮わないあたり、Point Givenがこけるとつらそうか。
Hail to ReasonはHalo一派が大将Saint Balladoを失ってしまい、今後種牡馬になるSaint Liamにかかる状況。Roberto派もKris S.を亡くして、Dynaformerが何処までふんばるかという状況。ともに世代交代の間隙という場面ではあって、有力後継候補がこけると一気にやばくなるかなと。

Track Back

Track Back URL:
http://pilgrimage.sakuratan.com/bourtai/mt-tb.cgi/302

Comment (2)

Storm Catに関しては、ある意味Secretariatの幻影を追い求めるアメリカ人のメンタリティ、みたいなのも感じなくはなかったり。

Marl / Marius:

なるほど。Secretariatの幻影ですか。
個人的にはそれはA.P. Indyこそが担って欲しい役回りではありますね。

コメントを投稿

Sitemaster

MARIUS / MARL
mail: marius@fairydoll.net
メールはspam判定で巻き込まれる可能性があるので、メールフォームの方が確実です。
メッセンジャーにもいますのでそっちの方がより確実でしょう。
messenger: karl_cz_marius@ホットメールドットコム
IRCやmixiにもいますが、そっちは適当に探してください。
ここしか見ない人もいるので一応。

About

September 17, 2005 3:48 AMに投稿されたエントリのページです。

ひとつ前の投稿は「Keenland September Yearling: Second Session」です。

次の投稿は「9/24 Fillies Mile GI Newmarket GB Turf 8F」です。

メインページ
アーカイブページ

Powered by
Movable Type
 
REVERY_L_ELEKTRAMEMO>AnotherSide