毎年のことだが、このレースを語るにはまずSecretariatの31馬身なのな。
北米のダートGIとしてははっきりと他と隔絶した距離であるためいろいろと言われるBelmont Sではありますが、じゃあ来年から10Fねとやっちまったらその瞬間からアメリカの競馬は終わるかと思われるので、NYRAにはこの状況を耐えてもらうしかないってか。
Kentucky2着からPreaknessをスキップしてやってきたBluegrass Catが人気を背負うという事になりそう。A.P. Indyが得意とする母父Mr. ProspectorでLa Troienneの牝系出身という文句無しの血統の母にStorm Cat。A.P. IndyがStorm Catに使われるパターンは最近よく見るようになってるのですが、その逆がなかなかでて来ないのはどうしたものかとは思うよ。本来A.P. IndyがStorm Catを使うという形にならないとなあ。Yearlingとかでは見かけるようになりましたけどね。どっちにせよ母父経由のSecretariatクロスがガチっと決まるので、こういうBluegrass Catのようなのが出てくるという事ではありましょう。でも、こいつアレだよ、Daydreamingの甥っ子だよ。GI勝って良いのか。2着か3着あたりがお似合いだろうよ。距離は問題なかろうと思います。
そしてAshadoの全弟SunriverがMLでは2番人気。Kentuckyには間に合いませんでしたが、その後Peter Pan Sを勝ってこの舞台。血統的にも人気でしょうねえ。とにかく母父のMari's BookでNatalmaとCosmahが絡み、その上でHaloという事だけにね。Saint Balladoのラストクロップ。Saint Balladoという種牡馬は種牡馬入り当初がわずか2,500ドルの種付け料ながら、産駒がデビューして以降その種付け料が跳ね上がりついには125,000ドルに達しました。そういうわけで最後の数年はトップクラスの繁殖を相手にしていましたので、その中から大物候補がちゃんと現れてくるってのは良かったなと思われます。Saint Ballado産駒はやや晩成気味な所はあるので、これからの馬だとは思うが。
PreaknessのBernardiniはA.P. Indyにとって初の三冠戦勝ち馬であったのですが、Bold Ruler父系としてもA.P. Indy自身のBelmont以来だったというほどにBold Ruler直系は1990年代以降のMr. ProspectorとNorthern Dancerの前に苦渋を舐めつづけておりました。主にA.P. Indyがですがね。そのA.P. Indy産駒として過去に最も三冠戦のタイトルに近付いたのがAptitudeですが、もうそのAptitudeが産駒を送り込む側に回ってますぜというのがSteppenwolferではあります。鋭い差し脚を見せてKentuckyでも3着でしたし、距離と12頭とKentucky Derbyに比すれば少ない出走頭数、また北米唯一の大回りなBelmont Parkの特性まで全部味方につけて何とかBluegrass Catを逆転できるかどうかというところではないか。母父Wolf Powerは南アフリカの年度代表馬でRound Tableの直孫。母系は古くからの南アフリカ土着血統となりそうで、一代ずつずれて、Round Table、Never Say Die、Court Martial、Tourbillon、Asterusならまあ良いんでねと。勝つときは際立って強いというA.P. Indyの仔らしいAptitudeでしたので、そういうところをちゃんと受け継いでくれてればねえ。
Bob And JohnはKentucky Derby惨敗からの挑戦となりますか。あのレースは度外視しても良いとは思うけれどもちょっと引っ掛かるよなあ。JazilはKentucky Derbyで内埒沿いを一気に追い上げてきて最後はBrother Derekと同着の4着。Bob And Johnと同じでSeeking the Gold X Deputy Ministerという血統。Bob And JohnがHidden Talentなら、JazilはBest in Show。どっちかといえばJazilの方が良いかなという気はするが、どうせ12Fじゃいらんのかなと。
Hemingway's KeyはあのPreaknessで3着した程度の実績。Big Hurryの分枝に属するLa Troienne系ではありますが、早々に良血という概念から遠ざかってしまったという感じを受ける。Scared LightはSanta Anita Derbyで4着とかSham Sで3着とかSanta Catalina Sで2着。西海岸のバイプレイヤーでしたってのは同父のDerby馬Giacomoともダブりますが、さすがにそれはねえな。微妙に出否を迷っていたDeputy GlittersはTampa Bay Derbyの勝ち馬でK Derbyは8着と微妙。距離が延びて良いとも言えんだろうし。High Financeは4戦目の4月15日のKeenelandで初勝利。トータル5戦して2勝、2着2回と3着1回の上がり馬か。前走がBelmontのマイル戦で5馬身差というので注目されているようではある。Dance Away Capoteの弟は今年になってからさっぱりダメってな状況で、Preaknessで6着。いきなりどうこうできるとも思えん。Double Galoreは1勝馬。父Grand Slamですからここにも母父経由のSecretariatクロスというのは見える。Bluegrass Catのそれと比べるのもどうかと思うがな。
結局、予想するにしてもA.P. Indyとかに拘ってSteppenwolferとBluegrass Cat。あとは怖い良血のSunriverかなと思うとなんだ人気上位3頭かよという非常につまらないものに。
2.Bluegrass Cat: Storm Cat - She's a Winner by A.P. Indy
3.Sunriver: Saint Ballado - Goulash by Mari's Book
4.Steppenwolfer: Aptitude - Wolfer by Wolf Power
5.Oh So Awesome: Awesome Again - Identify by Persian Bold
6.Hemingway's Key: Notebook - Whirl's Girl by Island Whirl
7.Platinum Couple: Tale of the Cat - Ingot's Dance Away by Gate Dancer
8.Bob And John: Seeking the Gold - Minister's Melody by Deputy Minister
9.Sacred Light: Holy Bull - Summer Glimmer by Summer Squall
10.High Finance: Talk is Money - Margay by Conquistador Cielo
11.Deputy Glitters: Deputy Commander - Glitters by Glitterman
Double Galoreは競争中止。
Bluegrass Catは紛れもなくDaydreamingの甥っ子だということが分かったので良しとする。
Jazilは最後方を追走していましたが、3コーナーの手前で馬群の中から一気に仕掛けて、Bob And Johnを処理しようとしていたBluegrass Cat更に外に並びかける形となり、JazilとBluegrass Catが並んで4コーナーを回ります。直線に入ったところでJazilがやや前で、食い下がってくるBluegrass Catとの差をジリジリと広げて1着。Bluegrass CatはA.P. Indyらしいよなあというジリなところを見せての2着。この馬期待を裏切りません。
その後でSunriverとSteppenwolferも競り合っていましたが、こちらでもA.P. Indyは競り負けでSteppenwolferは4着ですよw。
Jazilはこれが2勝目とはいえ、Wood Memorialで2着などの実績があり、Kentucky Derbyでも4着同着でしたので、このレースはKentucky Derby上位組で決まる中にSunriverが割って入っていたという形になりましょう。ということで、Derbyには間に合っていなかったとはいえ、Sunriverの実力も侮れませんよって事ではあるでしょう。今後は夏のSaratogaあたりでBernardiniとの決戦か。
というかA.P. Indyらしさを如何なく発揮している2頭が萌え萌えです。
Post | Horse | Sire | Dam | Broodmare Sire | Jockey | Trainer |
1 | Platinum Couple | Tale of the Cat | Ingot's Dance Away | Gate Dancer | Jose Espinoza | Joseph A. Lostritto |
2 | Sunriver | Saint Ballado | Goulash | Mari's Book | Rafael Bejarano | Todd A. Pletcher |
3 | Hemingway's Key | Notebook | Whirl's Girl | Island Whirl | Jeremy Rose | Nicholas P. Zito |
4 | Bob And John | Seeking the Gold | Minister's Melody | Deputy Minister | Garrett K. Gomez | Bob Baffert |
5 | High Finance | Talk is Money | Margay | Conquistador Cielo | Eibar Coa | Richard A. Violette |
6 | Oh So Awesome | Awesome Again | Identify | Persian Bold | Mike E. Smith | James A. Jerkens |
7 | Deputy Glitters | Deputy Commander | Glitters | Glitterman | Edgar S. Prado | Tom Albertrani |
8 | Jazil | Seeking the Gold | Better Than Honour | Deputy Minister | Fernando Jara | Kiaran P. McLaughlin |
9 | Bluegrass Cat | Storm Cat | She's a Winner | A.P. Indy | John R. Velazquez | Todd A. Pletcher |
10 | Double Galore | Grand Slam | Squall Linda | Summer Squall | Michael J. Luzzi | Myung Kwon Cho |
11 | Steppenwolfer | Aptitude | Wolfer | Wolf Power | Robby Albarado | Daniel C. Peitz |
12 | Sacred Light | Holy Bull | Summer Glimmer | Summer Squall | Victor Espinoza | David Hofmans |
Kentucky2着からPreaknessをスキップしてやってきたBluegrass Catが人気を背負うという事になりそう。A.P. Indyが得意とする母父Mr. ProspectorでLa Troienneの牝系出身という文句無しの血統の母にStorm Cat。A.P. IndyがStorm Catに使われるパターンは最近よく見るようになってるのですが、その逆がなかなかでて来ないのはどうしたものかとは思うよ。本来A.P. IndyがStorm Catを使うという形にならないとなあ。Yearlingとかでは見かけるようになりましたけどね。どっちにせよ母父経由のSecretariatクロスがガチっと決まるので、こういうBluegrass Catのようなのが出てくるという事ではありましょう。でも、こいつアレだよ、Daydreamingの甥っ子だよ。GI勝って良いのか。2着か3着あたりがお似合いだろうよ。距離は問題なかろうと思います。
そしてAshadoの全弟SunriverがMLでは2番人気。Kentuckyには間に合いませんでしたが、その後Peter Pan Sを勝ってこの舞台。血統的にも人気でしょうねえ。とにかく母父のMari's BookでNatalmaとCosmahが絡み、その上でHaloという事だけにね。Saint Balladoのラストクロップ。Saint Balladoという種牡馬は種牡馬入り当初がわずか2,500ドルの種付け料ながら、産駒がデビューして以降その種付け料が跳ね上がりついには125,000ドルに達しました。そういうわけで最後の数年はトップクラスの繁殖を相手にしていましたので、その中から大物候補がちゃんと現れてくるってのは良かったなと思われます。Saint Ballado産駒はやや晩成気味な所はあるので、これからの馬だとは思うが。
PreaknessのBernardiniはA.P. Indyにとって初の三冠戦勝ち馬であったのですが、Bold Ruler父系としてもA.P. Indy自身のBelmont以来だったというほどにBold Ruler直系は1990年代以降のMr. ProspectorとNorthern Dancerの前に苦渋を舐めつづけておりました。主にA.P. Indyがですがね。そのA.P. Indy産駒として過去に最も三冠戦のタイトルに近付いたのがAptitudeですが、もうそのAptitudeが産駒を送り込む側に回ってますぜというのがSteppenwolferではあります。鋭い差し脚を見せてKentuckyでも3着でしたし、距離と12頭とKentucky Derbyに比すれば少ない出走頭数、また北米唯一の大回りなBelmont Parkの特性まで全部味方につけて何とかBluegrass Catを逆転できるかどうかというところではないか。母父Wolf Powerは南アフリカの年度代表馬でRound Tableの直孫。母系は古くからの南アフリカ土着血統となりそうで、一代ずつずれて、Round Table、Never Say Die、Court Martial、Tourbillon、Asterusならまあ良いんでねと。勝つときは際立って強いというA.P. Indyの仔らしいAptitudeでしたので、そういうところをちゃんと受け継いでくれてればねえ。
Bob And JohnはKentucky Derby惨敗からの挑戦となりますか。あのレースは度外視しても良いとは思うけれどもちょっと引っ掛かるよなあ。JazilはKentucky Derbyで内埒沿いを一気に追い上げてきて最後はBrother Derekと同着の4着。Bob And Johnと同じでSeeking the Gold X Deputy Ministerという血統。Bob And JohnがHidden Talentなら、JazilはBest in Show。どっちかといえばJazilの方が良いかなという気はするが、どうせ12Fじゃいらんのかなと。
Hemingway's KeyはあのPreaknessで3着した程度の実績。Big Hurryの分枝に属するLa Troienne系ではありますが、早々に良血という概念から遠ざかってしまったという感じを受ける。Scared LightはSanta Anita Derbyで4着とかSham Sで3着とかSanta Catalina Sで2着。西海岸のバイプレイヤーでしたってのは同父のDerby馬Giacomoともダブりますが、さすがにそれはねえな。微妙に出否を迷っていたDeputy GlittersはTampa Bay Derbyの勝ち馬でK Derbyは8着と微妙。距離が延びて良いとも言えんだろうし。High Financeは4戦目の4月15日のKeenelandで初勝利。トータル5戦して2勝、2着2回と3着1回の上がり馬か。前走がBelmontのマイル戦で5馬身差というので注目されているようではある。Dance Away Capoteの弟は今年になってからさっぱりダメってな状況で、Preaknessで6着。いきなりどうこうできるとも思えん。Double Galoreは1勝馬。父Grand Slamですからここにも母父経由のSecretariatクロスというのは見える。Bluegrass Catのそれと比べるのもどうかと思うがな。
結局、予想するにしてもA.P. Indyとかに拘ってSteppenwolferとBluegrass Cat。あとは怖い良血のSunriverかなと思うとなんだ人気上位3頭かよという非常につまらないものに。
Result
1.Jazil: Seeking the Gold - Better Than Honour by Deputy Minister2.Bluegrass Cat: Storm Cat - She's a Winner by A.P. Indy
3.Sunriver: Saint Ballado - Goulash by Mari's Book
4.Steppenwolfer: Aptitude - Wolfer by Wolf Power
5.Oh So Awesome: Awesome Again - Identify by Persian Bold
6.Hemingway's Key: Notebook - Whirl's Girl by Island Whirl
7.Platinum Couple: Tale of the Cat - Ingot's Dance Away by Gate Dancer
8.Bob And John: Seeking the Gold - Minister's Melody by Deputy Minister
9.Sacred Light: Holy Bull - Summer Glimmer by Summer Squall
10.High Finance: Talk is Money - Margay by Conquistador Cielo
11.Deputy Glitters: Deputy Commander - Glitters by Glitterman
Double Galoreは競争中止。
Bluegrass Catは紛れもなくDaydreamingの甥っ子だということが分かったので良しとする。
Jazilは最後方を追走していましたが、3コーナーの手前で馬群の中から一気に仕掛けて、Bob And Johnを処理しようとしていたBluegrass Cat更に外に並びかける形となり、JazilとBluegrass Catが並んで4コーナーを回ります。直線に入ったところでJazilがやや前で、食い下がってくるBluegrass Catとの差をジリジリと広げて1着。Bluegrass CatはA.P. Indyらしいよなあというジリなところを見せての2着。この馬期待を裏切りません。
その後でSunriverとSteppenwolferも競り合っていましたが、こちらでもA.P. Indyは競り負けでSteppenwolferは4着ですよw。
Jazilはこれが2勝目とはいえ、Wood Memorialで2着などの実績があり、Kentucky Derbyでも4着同着でしたので、このレースはKentucky Derby上位組で決まる中にSunriverが割って入っていたという形になりましょう。ということで、Derbyには間に合っていなかったとはいえ、Sunriverの実力も侮れませんよって事ではあるでしょう。今後は夏のSaratogaあたりでBernardiniとの決戦か。
というかA.P. Indyらしさを如何なく発揮している2頭が萌え萌えです。