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« アイスドールをきっかけに泥縄的に血統の話 2 | Imagination from the Other Side | アイスドールをきっかけに泥縄的に血統の話 3 »

December 24, 2005

12/25 有馬記念 GI 中山 芝2500m

Post Position

馬名母父騎手調教師
1マイソールサウンドタマモクロスチアズスミレサンデーサイレンス本田優西浦勝一
2サンライズペガサスサンデーサイレンスヒダカブライアンブライアンズタイム蛯名正義石坂正
3ゼンノロブロイサンデーサイレンスローミンレイチェルMiningK.デザーモ藤沢和雄
4コスモバルクザグレブイセノトウショウトウショウボーイ五十嵐冬樹田部和則
5スズカマンボサンデーサイレンススプリングマンボKingmambo安藤勝己橋田満
6ディープインパクトサンデーサイレンスウインドインハーヘアAlzao武豊池江泰郎
7ヘヴンリーロマンスサンデーサイレンスファーストアクトSadler's Wells松永幹夫山本正司
8グラスボンバーMachiavellianブルーラスターNureyev勝浦正樹尾形充弘
9タップダンスシチーPleasant TapAll DanceNorthern Dancer佐藤哲三佐々木昌三
10ハーツクライサンデーサイレンスアイリッシュダンストニービンC.ルメール橋口弘次郎
11オペラシチーオペラハウスシャルムマイヤーブレイヴェストローマン中舘英二佐々木昌三
12ビッグゴールドブライアンズタイムビューティフルゴールドMr. Prospector柴田善臣中尾正
13コイントスサンデーサイレンスレトスEgg Toss北村宏司藤沢和雄
14リンカーンサンデーサイレンスグレースアドマイヤトニービン横山典弘音無秀孝
15デルタブルースダンスインザダークディクシースプラッシュDixieland BandO.ペリエ角居勝彦
16オースミハルカフサイチコンコルドホッコーオウカリンドシェーバー川島信二安藤正敏
プレレートをみるのも忘れてたが、順番に見ていこうか。
マイソールサウンドは阪神大賞典を勝って109を得ています。冬から春先にかけて走る馬で、GIIを3勝という実績もありますが、GIではきっちり惨敗してくれます。こういうタイプの馬はアメリカンボスを思い出しますが、まだマイソールサウンドよりアメリカンボスの方が強かったという印象もあるし、今回はあんな恵まれたペースになりようも無いので無理でしょう。
サンライズペガサスはJC6着で117という数字。毎日王冠から天皇賞、JCを経て有馬記念という王道ローテではありますが、屈腱炎などで長期休養までしたこの馬にこれだけのローテを歩ませて大丈夫なのかなというところはやや気になるか。ある程度前目の位置から競馬ができるようになったのは収穫だろうが、ちょっとそれも遅すぎた印象。
ゼンノロブロイは英国際の121が持ちレート。このレースもそうだし、秋のGI2戦もそうなんですが、とにかく勝ちきれない昨年春までのいまいちなロブロイに戻ってしまいました。昨年の秋シーズンは直線で抜け出して差をつけるという文句のつけにくい勝ち方をしてくれましたが、とにかくいろいろなものがうまく行っていたという事だけは間違いなく、今年はそこまでの状態に無いということかなという気はする。そういう意味でこの有馬記念に向かってきたわけですが、さすがに余力は無いのではなかろうか。天皇賞が33秒を切る上がり勝負だったし、JCはレコード決着。どちらも勝てなかったとはいえ2着と3着に入って勝負に絡んできました。このあたりはゼンノロブロイという馬の非凡な安定性ということで惨敗は無かろうが、勝ちきるのもまた同じくらいに薄いかなと。
コスモバルクは昨年のJCが117で今年もある程度出走していたにも関らず、これを持ってきてしまうところにこの馬の一年が象徴されているのではないかなと思います。昨年はJCまでしっかりとレースをして余力の無い状態で挑んで惨敗しましたが、今年は余力云々をいうところにすら来てません。
スズカマンボは春の天皇賞が113とやや低めの数字。この秋はいまいち調子に乗り切れていません。この2戦は天皇賞は展開が向かなかったということで度外視できるでしょうがJCではもうちょっと見せ場くらい欲しかったかなというところか。
ディープインパクトはダービーが120です。今年の3歳牡馬のレベルがどうであれ、アレだけ物が違うという勝ち方をされているので、結局のところ、この馬は自分自身でその強さを証明するしかないということになるでしょう。古馬とは初対戦というところで、力関係をつかみにくいというのはあるかな。
ヘヴンリーロマンスは天皇賞を勝って112です。セックスアローワンスが4あるとしても低いのは仕方ないかな。かなり恵まれて勝った印象のある天皇賞でしたが、その後のJCでも崩れず7着に来ているので悪くなく、今年充実しているということだろう。
グラスボンバーは107でこのメンバーにあっては最も低い数値。実績を考えればそれ相応というところ。ごまかせる中山2500mとはいえ距離もやや疑問。
タップダンスシチーは金鯱賞が115。天皇賞はいまいちやりたいことが見えず、仕掛けるべきところを失った結果、レース全体を凡戦にしてしまったとも言えますが、JCはレースを引っ張りレコードが出る流れを作り出しました。自身も直線で捕まったもののずるずると後退したわけではなく、改めてこの馬の地力を示したといえるでしょう。今回も積極的にレースに関るならば厳しいレースを演出できそうで、前に行く馬はどうしてもこのタップダンスシチーを相手にしなければならないというところがあって、まともに行くと撃ち落とされる結果になるのですが、そのときにタップダンスシチー自身がちゃんと粘れるかどうかは分からないのがちと難点。
ハーツクライはJC2着が123でここのトップレート。こちらも力をつけてきたというところはあるものの前走は見事にはまったという気もして、連続して好走できるのかというのは疑問ではありますね。
オペラシチーは目黒記念勝ちで108。ここを狙い済ましてきたという臨戦ではあるが、未だに一線級相手の実績というのは無く、タップダンスシチーの露払い役か。
ビッグゴールドは天皇賞が111。あの春の天皇賞はスズカマンボとこのビッグゴールドのその後のレースがあまりよろしくないのが評価を下げる要因になってはいるので、せめてどちらかには頑張ってもらいたいのですが、ビッグゴールドにそれを期待するのは酷なのでしょうか。
コイントスは110という数字を持ちますが、これは京都大賞典で2着したときのもので、好走するものの7歳のこの年になっても重賞を勝てないコイントスというのを改めて印象付けられます。有馬記念だってそう合わない舞台ではないとは思うが、昨年みたいに時計が速くなるとどうしようもないか。
リンカーンはJC4着で119。あのレースで4着に来てるのだからリンカーンも強くなったというか、明らかに昨年の人気先行気味な状態から見放された今になって来るのだから何とも言えません。
デルタブルースはステイヤーズSを勝って111。ダンスインザダーク産駒が中山で厳しい流れのレースになって勝負になるとは思えなかったり。
オースミハルカはエリ女の2着で109。あのレースは最後には止まりかけていたとはいえ、アレを差しきったスイープトウショウをほめるべきであって、さすがに宝塚記念を勝っただけはありますなと言っておけば良いんじゃないかなとは思う。それほどまでにオースミハルカも強かった。しかしこのレースではタップダンスシチーがいるため、自身のペースの逃げを打つことはまずできないでしょうし、この大外枠もあって難しいレースでしょう。
注目点はいろいろあるかと思うが、まずディープインパクト。今年の3歳馬は古馬相手にかなり分が悪いのは事実で、世代のレベルに対して疑問をもたれるのは現状では止むを得ないとは思う。ただ、現5歳世代は3歳で古馬相手にいろいろな条件で重賞を勝つくらいのものがありましたが、いつの間にか近年最弱とまで言われる惨状ではあったり、そうかと思ったらリンカーンがJCでいいところを見せてみたりもしているので、あまり当てにならんという気もしてたり。トップクラスの牡馬という事ならばクラシックでディープインパクトに次いだ3頭、シックスセンス、インティライミ、アドマイヤジャパンはその後、香港Vase2着、骨折して戦線離脱、JC惨敗と三者三様。一応アドマイヤジャパンを擁護するならば、この馬はダービーでも惨敗しているので東京の2400mが苦手と考えるか、ダービーならその前に弥生賞、皐月賞とディープインパクト相手の厳しいレースで、JCもその前に菊花賞で一世一代のレースをやっているわけで、そもそも臨戦過程上で厳しすぎたと見てやることもできるかなと。一方でそういう影響をあまり受けないようにみえるシックスセンスが香港で2着という結果を得ているだけに、3歳牡馬の少なくともトップクラスはそう弱いわけではないだろう。ただ、クラシックでもそうだったが、全体的な層の薄さというのは確かに気になるところで、古馬相手にあまり勝てないのはそのあたりの中堅どころになるべき馬がいまいちダメだからということになるのではなかろうかな。
さて、このレース終了後にタップダンスシチーが引退式をやるということで、一瞬ゼンノロブロイの間違いではなかろうかとも思ったが、そうではないらしい。確かに勝とうが負けようがタップダンスシチーにとってこれ以上無い舞台での引退式になるのは間違いないですな。今回と同じく無敗の3歳馬を迎えた有馬記念。その馬はファインモーション。勝てばいろいろな歴史を変えることになったかもしれないその牝馬は歴戦の古馬に翻弄されて散りました。襲い掛かったのは当時はまだ一部のステイヤー愛好家以外には然程注目をされる存在ではなかったタップダンスシチー。最後はシンボリクリスエスの前に2着に敗れましたが、このレースを端緒に彼はスターダムになりました。その翌年、その前走でJCを逃げ切ってみせたタップダンスシチーでしたが、ザッツザプレンティやアクティブバイオに絡まれて直線で失速、遥か前方でシンボリクリスエスがレコードを記録するのを見るだけのレースになってしまいました。昨年は凱旋門賞から帰還後のレースでありましたが、一度もラップを12秒台の後半に落とさないという厳しいペースを刻み、ゼンノロブロイのレコードを演出し、自身もそのペースで後続を寄せ付けず2着に入っていてその衰えない地力を見せた格好。4度目の挑戦で悲願を達成するも良し、ゼンノロブロイともどもディープインパクトに道を譲っての引退でも良し、ディープインパクトを道連れに沈むも良し、何をやっても厳しいレースを演出するタップダンスシチーの最後のレースという形で納得の行く形が見られそうかなと。秋の天皇賞のような消極的なレースだけはしなければ良かろうと思います。
牝馬2頭はそれぞれに面白いところはあるかなと思います。レース展開などを考えるとヘヴンリーロマンスの方が有利でしょうが、オースミコスモだって十分強いです。結果的に今年はあまりレースに使えなかったオースミハルカですが、その分このレースを迎えるにあたっての状態は良さそうで、トゥザヴィクトリーのようにペースを作ることができれば面白いとは思いますが、それは無理そうなので2番手以降で折り合って直線に入ってどこまでやれるかなというレースになるかなと。何とかして直線で粘る展開になればとは思うもののそれをやるチャンスがあるかどうかだろう。このところ牡馬相手のレースを走っているヘヴンリーロマンスはそれで札幌記念と天皇賞を勝ちました。1年前の阪神牝馬Sで重賞初制覇となったもののその後の成績はよろしくなく、夏の札幌で復活してクイーンS2着後、雨の札幌記念を勝ちました。パワーの必要なレースになればそこそこ来るのかなと。

RESULT

無敗を続けると言う事は困難で、だからこそ負け方は重要なのだなと思う。
1.ハーツクライ: サンデーサイレンス - アイリッシュダンス by トニービン
2.ディープインパクト: サンデーサイレンス - ウインドインハーヘア by Alzao
3.リンカーン: サンデーサイレンス - グレースアドマイヤ by トニービン
4.コスモバルク: ザグレブ - イセノトウショウ by トウショウボーイ
5.コイントス: サンデーサイレンス - レトス by Egg Toss
6.ヘヴンリーロマンス: サンデーサイレンス - ファーストアクト by Sadler's Wells
7.サンライズペガサス: サンデーサイレンス - ヒダカブライアン by ブライアンズタイム
8.ゼンノロブロイ: サンデーサイレンス - ローミンレイチェル by Mining
9.グラスボンバー: Machiavellian - ブルーラスター by Nureyev
10.スズカマンボ: サンデーサイレンス - スプリングマンボ by Kingmambo
11.デルタブルース: ダンスインザダーク - ディクシースプラッシュ by Dixieland Band
12.タップダンスシチー: Pleasant Tap - All Dance by Northern Dancer
13.ビッグゴールド: ブライアンズタイム - ビューティフルゴールド by Mr. Prospector
14.オペラシチー: オペラハウス - シャルムマイヤー by ブレイヴェストローマン
15.オースミハルカ: フサイチコンコルド - ホッコーオウカ by リンドシェーバー
16.マイソールサウンド: タマモクロス - チアズスミレ by サンデーサイレンス
ラップタイム:7.0 - 11.4 - 11.7 - 12.1 - 12.9 - 13.0 - 12.2 - 11.8 - 12.0 - 12.3 - 12.0 - 11.4 - 12.1
タップダンスシチーが引っ張ってた割には時計がとか思ったが、それはある程度今回も厳しいペースを刻んでいた道中でいきなり12.9-13.0を踏んでいたからか。この後また一気に12秒台前半ということで、乱ペースと言えばそうなるのではないかなと言うレース。
ディープインパクトはスタート自体はそんなに悪くなかったでしょうが、後ろに下げました。向こう正面で中団にまで押し上げていたのは、後ろ過ぎるとダメという判断ではあるのだろうし、それはまあ間違ってないとは思いますが、直線でこれまでのようには伸びてこなかったのが武豊の誤算と言えば誤算ではなかったかな。
スタート直後に驚かされたのはハーツクライで、事前のインタビューでルメールがミドルポジションとか言ってて、ハーツクライにそれは無理だろとか思ってたら、前に行きやがりました。このレースはこのルメールとハーツクライを褒めるべきではあり、ディープインパクトはある程度はいつも通りとはいえ外外を回して最後届かないという結果に終わったと言えますかね。頭抜けて速いわけではなかったですが、外に振って上がり最速だしそう悲観する事もないという結果だと思います。少なくともこの結果を以って弱いという評価はありえないわけで。
JC2着はある種激走と言えるものでもあって、そもそも府中が得意と考えられる脚質でもあるという点で今回はハーツクライは無いだろうと考えていたのですが、あの位置から最後まで脚が衰えないのですから、相当強くなっているということではあるのでしょう。今年はちょっと距離が長そうな春の天皇賞と極端な上がり勝負になった天皇賞秋こそ勝負になりませんでした、と言っても大きく負けたわけではないのですが、宝塚記念とJCで2着に入り、有馬記念を勝ったわけですから振り返ってみれば充実していた一年であったなと。
3着にはリンカーンが来ているわけで、JCの結果を踏襲していると言うあたり、タップダンスシチーはそこそこのレースを作り上げたということにはなるのではないかと。その上でゼンノロブロイはここまで頑張りすぎたというのもあるんでしょうが、馬体重発表の時点でシンボリクリスエスよりタイキシャトルを思わせたあたりダメな感じは漂っていたか。リンカーンもこの馬は安定感というものがきっぱりと無い割に来るときはちゃんと来るのな。春の天皇賞で2年連続で一番人気でぶっ飛んだ印象が強すぎてアレではあるのですが…。しかしサンデーサイレンスXトニービンってのは母の能力が高い馬が多いのは確かながら、強いよなと。
コスモバルクはもう付いていくことすら無理だろうという気はしていたのだが、今日は掛からずいい位置で進み、直線でも結構粘りましたね。五十嵐が乗ればという事なのだろうかねえ。この馬はホントに分からないというところはあるし、この結果でまた来年のローテが迷走しそうな予感もあったり。つか最早、外厩に拘る意味は無くなったかとも思われ、自由にレースを選べるようにJRAに移籍した方がこの馬にとってはプラスになると思うんだけどなあ。そうしたら今度は五十嵐を乗せるためにいろいろしないといけないのがネックかも知れんが、今年のローテを見ているに、ちゃんとしたローテで予定組んで出てこられたらとは思う。
ハーツクライに関しては橋口師がディープを差せないけど差されもしないというコメントを出していて、後はペリエも同じようなことを言ってましたが、ディープインパクトに勝とうと思うなら後ろから行ってはダメであり、ディープインパクトより前でそこそこの脚を必要とするってことではあるのでしょう。それをいきなりやれるのは凄いと思うけどね。逆にディープインパクトより後ろだったスズカマンボとかビッグゴールドとかアンカツとか大先生とか大先生は何を考えてるのやらというレースかな。
ディープインパクトは無敗でなくなった事で、妙な重圧が無くなって自由にレースを選べるようになったと思えば良いかなと。一つ負けたからと言って海外遠征を諦めるような陣営でもないわけで、とにかくJCを走らなかった分は来年向こうに乗り込むというのはある程度この馬の果たさなければならない義務ではあるかな。悲観するような負け方では無い。
しかし、スーパークリーク、メジロマックイーン、マーベラスサンデーX2、スペシャルウィーク、リンカーンと来てディープインパクトで7度目の2着か>武豊

Posted by Marius : December 24, 2005 03:59 AM

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