サイレントディールの血統

サイレントディールの血統表は以下の通りである。サンデーサイレンスにノーザンダンサー系牝馬の配合に見られるALMAHMOUDの4×5のクロスが生じ、更に母系にNATIVE DANCERの5×5のクロスを内包している。
ALMAHMOUDは基本的にアウトブリードとなっているが、THE TETRACHの4X5というクロスがありスピードを与えられている。孫にHALO、NORTHERN DANCER、ARCTIC TERNという種牡馬がおり、現代のサラブレッドの血統において重要な牝馬の一頭である。
サンデーサイレンスに母父ヌレイエフの配合では全姉トゥザヴィクトリーやゴールドアリュールと芝･ダートを問わず活躍する傾向にある。芝で頭打ちになってきて、ダートを走ってみたらやたらと強いのである。事実トゥザヴィクトリーは初ダートで牡馬に混じって3着した後、ドバイで2着に入った。ゴールドアリュールはダートで勝ち上がって、ダービーでも一瞬先頭に立つ競馬をして4着に入ってみせた。
累代種牡馬を順におっていくと、ヌレイエフは基本的にはマイル戦を得意とするスピードタイプだが、ヌレイエフ自身の母系に内在するスタミナ血脈の影響からかマイルからクラシックディスタンスまでこなす事が出来る。切れ味は無くともしぶとく伸びる末脚を使ってくる。シャーペンアップもスピードタイプでネイティヴダンサー系らしく母系に入ってスピードを底上げする働きを持っているが、しかし同時に不安定な面も伝えてしまう。テリブルタイガーはネアルコの直孫に当たる種牡馬でとにかくタフな馬である。スワップスはカーレッドを通じてハイペリオンの血をひいている種牡馬でスピード、スタミナともに優れた名種牡馬。
このように構成されている血統はアメリカ血統ではあるものの、ハイペリオンを基幹としボールドルーラー、レイズアネイティヴを含んでいないシンプルなものとなっている。母フェアリードールの5代内ではネアルコ、ハイペリオン、ネイティヴダンサーがクロスするだけである。
サイレントディール自体ではハイペリオンの血量がもっとも大きいが全て5代以降に遠ざかっている。

HYPERION 5*5X5(*6*6*7*7*7)
NATIVE DANCER 4X4
NEARCO 4(*6)X5
サンデーサイレンスとの配合ではMAHMOUD(マームード)を5X7で持っている事も影響しているのだろう。

この4頭の種牡馬の重要性はNORTHERN DANCERの血統を見れば明らかである。
NORTHERN DANCERの父NEARCTICはNEARCO X HYPERIONという血統構成で、母NATALMAはNATIVE DANCER X MAHMOUDとなっている。HYPERIONはGAINSBOROUGHとCHAUCERを持ち、CHAUCERがNEARCOと、GAINSBOROUGHがMAHMOUDとクロスする。NATIVE DANCERは父系に存在するPOLYMELUSのクロスがNEARCOとクロスする。そしてNATIVE DANCERはやや薄いアメリカ血統を補い、それは母系内の血と結びつくことによって効果を発揮する。
サンデーサイレンスの5代内にはMAHMOUDの4X5が存在しているので、やや薄いMAHMOUDをしっかり補う形になっているといえる。