Revery_L_Elektra
memoLOG
|TOP|PROFILE|FAVORITE|PICK UP|SKIN|MEMO|HORSE|BBS|MAIL FORM|LINK|MEMOLOG>2007/3 [2]

2007/3 [1]2007/4 [1]

2007/3/16

Comic

ヤングガンガン No.7

前号までのレビューはこちら。ヤングガンガン レビュー
すもももももも◆まあ、技にせよ、修行にせよ、非常識を通り越して馬鹿なのは分かるが、既にその種の非常識に存分に巻き込まれている孝士があっさり投げ出すようではどうにもならんなあ。孝士の決意の無さはこれまでも出ていたわけで、今回の話を以ってしても変わるほどのものではないような気はします。というか、これまでずっと何もやってきてないのだから、出来なくて当たり前なわけで。だから話がやや無理矢理という印象は受ける。
フロントミッション◆ラーカス事件勃発で戦争が始まる。ラーカス事件はフロントミッションの原点ではあるかな。そして、いつの時代にも変わらない戦場に身を置く人間とそうでない人間の認識の埋らない差。まあ、その表現があまりにも陳腐なのはもう少し考えた方が良いような気もしますが、この構図は今の日本そのものでもある。ところで徴兵制度に関しては非効率ということで現実の世界的には廃止される流れ。この舞台でも機動兵器のような高度な技術を要求される兵器を主力とするならば訓練期間の限られる徴兵制ではなく、志願制の方が向いてはいるはず。だからこそキャニオンクロウのような傭兵集団が切り札として扱われたわけで。ただ、ハフマン島の人口などからすればそれでは軍隊として成り立たせられないってのはあるかも知れんが。
荒川◆久し振りに秘書たち登場。そして謎の黒幕も。あまりアレに頼って解決したようにするのは良くないと思いますけどね。一方リクはすっかりこの河川敷に所属意識を持ってしまいましたとさ。
はなまる幼稚園◆妹登場。なかなかの高スペックであります。こういうのはベタな方が良いと思いますので。
妖奇士◆そろそろ大きく事態が動くか。
バンブーブレード◆珠姫が試合に出られなくなったらどうするかという話はどこかで出てくると思っていましたが、ここで来ましたか。一応、これまでの試合の結果から他の部員も力をつけているという描写は出ていたので良い頃合ということなのかなあ。ずっと珠姫に頼るようでは話が上手く進まなくなってしまうだろうし。
死がふたりを分かつまで◆ファング編に決着がつきました。前回のシリーズでもそうだったし、ファング編の導入部でもあったけど、護は敵に対して死という逃げ場を与えないんですよね。逆にその力を奪って非力な存在にしてしまう事で屈辱と恐怖を与えて、生きるということを思い知らせるということになるのかなと。しかし、投げナイフをどんだけ隠し持ってるんだよ。
ニコイチ◆真琴(男バージョン)と菜摘さんのデートもどき。というか素(女装時)が出てますがw。そのあたりでバレそうな伏線がいくつかあったんですが、あー最後にそう来るか。ただ、この会話だと菜摘さんは勘違いしてそうだ。
ムカンノテイオー◆いきなり変な新連載が始まったのかと思ったよ。そしてオダっちの処世術w。まあ、切羽詰ってないときはそんなものだとは思われる。委員長の謝罪を受けるも、それが問題点を理解せずに出た謝罪だと見抜く部長はさすが。「報道とは事実を客観的に伝える事だ」ってのは正しくその通りではありますな。そして何かあった場合に肯定も否定も両方あるということも。と良い面は良いのだけれども、前から気になっていたが、必要以上にシモネタに走ってしまうというのはちょっとどうか。
ロトの紋章◆剣に書いてあるルーンは"FIRE WALN WITH ME"と読める。WALNが意味不明。というかその部分はちょっと自信ない。多分ルーン-アルファベット対応で足りない部分を何かに補ってるんだろうけど。それで何故ベゼルがその神剣を扱えるのかというのがポイントになりそうですね。
WORKING!!◆なずなさん、怖い娘。というか後半の伊波さんがいっぱいいっぱいですw。
サンレッド◆2話構成ですが、良くもここまで意味の無い話を二つも描けたものだ。ネタ切れか。
ジャッカル◆それは隠してあるとは言わんだろ。
ユーベルブラット◆エルサリアに突きつけられる選択。エルサリア自身の正義の前に七英雄が立ちふさがることになって、エルサリアとその仲間はどちらを選ぶのか。エルサリアはどうも自分の正義のために戦いそうですけどね。そしてこの事件はそのままこの都市が七英雄に対して立ち上がりそうな雰囲気もありますね。目の前でケインツェルに奮闘されたら、それに触発されて動いてしまうのではないだろうか。
咲◆今回は一瞬だけちゃんと麻雀マンガしてますね。4人目はやはりやられ役なのか。まあ、生牌だったからとはいえ1枚しかない役牌にもならない南などをその段階まで持ってて、あまつさえ切るのはどうかと思うが。頭にでもして使い切るしかないだろう。
セキレイ◆久能の祝詞。まともな効果が出てるんですが、ハルカは使わせたくないようだし、久能も覚悟を決めてるというような感じだけに、単純にそれだけではなくて別の何かデメリットがあるのかなと。ちなみに皆人はずっとぶら下がり状態。
ライオン丸G◆せっかくのカラーがもったいねえ。さて、この状況でタイガージョーはどんな役回りを演じるのでしょうか。
黒神◆慶太には指輪もあるし、どっちにしろその犬を何とかしなければいけないわけで。
スパイクヒルズ◆当然スウガクたちのことがあろうがなかろうが、やることがやることだけにシマコウも安全な手を打てる限り打つとはなります。しかしこれだとノブオのスリでどうにかなるようなものではなくなってしまうような気もするんですがね。最後はやはりチサトさんの弟子同士の対決にはなるわけかな。スウガクはチサトさんの仇を討ちたいと思うほどなのに、チサトさんの最後の忠告には従わないんですよね。ヤスに遭ってしまったというのもあるんだろうけど。
キズナ◆何のためにという部分が無いから何とも言えんなあ。消せではなくて消すためにサポートしろという事からして、自分の手でというところがあるんだろうなあ。そうまでさせるのは何だろう。
うめぼし◆この人たち定着するのね。

2007/3/24

Horse Racing

高松宮記念 GI 中京 芝1200m

まあ、GIだろうがJPN-Iだろうが私は気にしませんので、多分桜花賞とかも普通にGIと書くかと思います。と、宣言しておきます。どうせ来やしないんだからクラシックにしても2歳戦にしてもさっさと解放すれば良いだけなんだけどね。クラシックの追加登録料は上げときゃ良いとも思いますけど。
では、宮記念です。
馬名母父騎手調教師
1シーイズトウショウサクラバクシンオージェーントウショウトウショウフリート池添謙一鶴留明雄
2アンバージャックパラダイスクリークフィールソーナイスアーミジャー横山典弘中野隆良
3サチノスイーティーカリスタグローリペルファヴォーレアフリート吉田隼人平井雄二
4ビーナスラインフジキセキホクトペンダントパークリージェント秋山真一郎堀宣行
5ディバインシルバーSilver DeputyBe My BabyOgygian穂刈寿彦和田正道
6キーンランドスワンDistant ViewTo ActRoberto吉田稔森秀行
7スピニングノアールスピニングワールドオーシャンドリームForty Niner福永祐一長浜博之
8スズカフェニックスサンデーサイレンスローズオブスズカFairy King武豊橋田満
9マイネルスケルツィグラスワンダーアラデヤMachiavellian柴田善臣稲葉隆一
10モンローブロンドアドマイヤベガソニンクMachiavellian岡部誠安田隆行
11プリサイスマシーンマヤノトップガンビーサイレントサンデーサイレンス安藤勝己萩原清
12エムオーウィナーニホンピロウイナーミラクルムテキキャロルハウス小牧太服部利之
13タマモホットプレイフジキセキホットプレイノーザンテースト渡辺薫彦南井克巳
14リキアイタイカンアフリートノーノーネヴァーNijinsky中舘英二阿部新生
15コスモフォーチュンマイネルラヴグレースマリヤグルームダンサー川島信二宮徹
16オレハマッテルゼサンデーサイレンスカーリーエンジェルジャッジアンジェルーチ後藤浩輝音無秀隆
17ペールギュントサンデーサイレンスツィンクルブライドLyphard上村洋行橋口弘次郎
18スリーアベニューアフリートエナジートウショウトウショウボーイ田中勝春小野幸治
去年除外されて今年こそと思ってたアイルラヴァゲインは回避ですか…
そろそろシーイズトウショウ勝っちゃえよとは思う。中京1200mではあのTakeover Targetをザックリやってしまったのは記憶に新しいところ。得意なコースですしGIをとるならこのレースしかないとは思います。高松宮記念では過去に5着と3着があります。今年は前哨戦に出走せずに直接こことなったのがちょっと気になるか。香港遠征から帰ってきた後だしそのあたりの影響があるのかなと。
連覇を狙うオレハマッテルゼは去年このレースを勝った後京王杯SCこそ勝ちましたが、その後勝てません。まあ、左回りの方が得意ですし、スワンSなんかはそう悪くも無いか。フェブラリーSはダートが合わなかったでよしとして考えると、ちょっと嫌われすぎてないかなと。スリーアヴェニューとそう変わらんってのは舐められすぎてるんじゃないかなあ。
ところで、良血スキーかつNureyev大好きな私としてはスピニングノアールに注目せずにはおれません。最近牝馬しか活躍してないSpinning Worldですが、何故にかPedigree Queryでは牝馬扱いされているので良しとしましょう(良くねえよw

2007/3/25

Horse Racing

サンデーサイレンスの天下を作ったのは誰か [前編]

社台だろと言われるのがオチなんですが、まあそう結論付けるにしても少しデータを見ておこうかなと。傍観罪で終身刑のSouthendさまが何度か書いておられた記事に触発されたとも言います。
とりあえず生年毎の獲得賞金上位馬のリストなど作ってみたので投下したかっただけです。獲得賞金が1億円を突破した馬だけを対象にしました。準OPででもそれなりに走ってたら届いてしまう金額なのが微妙ですが、限のよいところでと思いました。サンデーサイレンスの場合この条件では該当馬が多すぎるので、それぞれ上位10頭までにしています。データ元はnetkeibaのUm@SQL。データ取ったのは高松宮記念とかの前なんでその辺はずれてきてますが、まあ大きな変化でもないし良しとしてください。
馬名生産者母名母父名
1992年産: 全14頭
マーベラスサンデー早田牧場新冠支場モミジダンサーVice Regal
ダンスパートナー社台ファームダンシングキイNijinsky
ジェニュイン社台ファームクールピアレディWhat Luck
タヤスツヨシ社台ファームマガロCaro
マジックキス日高大洋牧場コランデアガールネヴァービート
キングオブダイヤ佐竹哲ウイルミルジョージ
ブライトサンディーケイアイファームエンドイットダーリンAlydar
ダイタクサージャン雅牧場スイートラブテスコボーイ
サイレントハピネス社台ファームレガシーオブストレングスAffirmed
プライムステージ社台ファームダイナアクトレスノーザンテースト
1993年産: 全14頭
バブルガムフェロー社台ファームバブルカンパニーLyphard
ローゼンカバリー社台ファームダイナフェアリーノーザンテースト
サイレントハンター勝川牧場ヒロポリシーバンブーアトラス
ダンスインザダーク社台ファームダンシングキイNijinsky
イシノサンデー服部和則ジェフォリーAlydar
ロイヤルタッチ藤原牧場パワフルレディマルゼンスキー
タガノサイレンスケイアイファームマターオブプライドRaise a Native
チアズサイレンス長田幸雄グリーンスミレノーザリー
サンデーカイザー社台ファームライティンママGleaming
ストーミーサンディ社台ファームダイナアイドルノーザンテースト
1994年産
ステイゴールド白老ファームゴールデンサッシュディクタス
サイレンススズカ稲原牧場ワキアMiswaki
ビッグサンデー市川ファームキタノオゴジョトウショウボーイ
オレンジピール社台ファームバッフドオレンジExclusive Native
1995年産: 全18頭
スペシャルウィーク日高大洋牧場キャンペーンガールマルゼンスキー
メイショウオウドウ松栄牧場アルタデナLyphard
ジョービッグバン北海道習志野牧場ジョーセイバーノーザンテースト
エガオヲミセテノーザンファームカーリーエンジェルジャッジアンジェルーチ
ディヴァインライト社台ファームメルドスポートノーザンテースト
サイレントセイバー白老ファームプリンセスデージースリルショー
マルカコマチ社台ファームナショナルフラッグディクタス
タヤスメドウ社台ファームダイナファンキーダンサーズイメージ
マキシマムプレイズ白老ファームマキシマムデニールノーザンテースト
シンコウシングラー千代田牧場タレンティドガールリマンド
1996年産: 全19頭
トゥザヴィクトリーノーザンファームフェアリードールNureyev
ロサードノーザンファームローザネイLyphard
スティンガー社台ファームレガシーオブストレングスAffirmed
フサイチエアデールノーザンファームラスティックベルMr. Prospector
アドマイヤベガノーザンファームベガトニービン
テイエムサンデー宮内牧場サーストンフラッグノーアテンション
エイシンルーデンス栄進牧場エイシングレシャストウショウボーイ
マルカキャンディ社台ファームジーナロマンティカセクレト
サイキョウサンデー社台ファームサワヤカプリンセスノーザンテースト
キングオブサンデー三城牧場ミヤビサクラコノーザンテースト
1997年産: 全21頭
エアシャカール社台ファームアイドリームドアドリームWell Decorated
ウインマーベラス三城牧場ミヤビサクラコノーザンテースト
アグネスフライト社台ファームアグネスフローラロイヤルスキー
ユキノサンロイヤル川上悦夫マイアミガルチGulch
トウカイオーザ長浜牧場トウカイナチュラルナイスダンサー
チアズグレイス白井牧場チアズフラワーAl Nasr
メイショウドメニカ富田牧場メイショウマロニエDr. Carter
ヤマニンリスペクト錦岡牧場ヤマニンシャレードヤマニンスキー
アイアンリアリティノーザンファームデビルズブライドCaro
ポンテローザマエコウファームゲイアティーガールNijinsky
1998年産: 全26頭
マンハッタンカフェ社台ファームサドルチェンジLaw Society
ビリーヴ上水牧場グレートクリスティーヌDanzig
サンライズペガサスヤナガワ牧場ヒガシブライアンブライアンズタイム
ダイヤモンドビコー社台ファームステラマドリッドAlydar
ローズバドノーザンファームロゼカラーShirley Heights
コイントス社台ファームレトスEgg Toss
ウインラディウス三城牧場ジョウノマチエールマルゼンスキー
ミレニアムバイオノーザンファームドルスクDanzig
ハッピーパスノーザンファームハッピートレイルズポッセ
アグネスタキオン社台ファームアグネスフローラロイヤルスキー
1999年産: 全17頭
デュランダル社台ファームサワヤカプリンセスノーザンテースト
ゴールドアリュール追分ファームニキーヤNureyev
リミットレスビッド社台ファームエリザベスローズノーザンテースト
アドマイヤマックスノーザンファームダイナシュートノーザンテースト
タイガーカフェ社台ファームセトフローリアンBellotto
エルノヴァシンコーファームシンコウエルメスSadler's Wells
シャイニンルビー社台ファームシャイニンレーサーノーザンテースト
モノポール社台ファームエルレイナSlew o'Gold
ウインデュエル三城牧場ミヤビサクラコノーザンテースト
ハスラー北星村田牧場セブンレットウパーソロン
2000年産: 全22頭
ゼンノロブロイ白老ファームローミンレイチェルMining
ネオユニヴァース社台ファームポインテッドパスKris
リンカーンノーザンファームグレースアドマイヤトニービン
アドマイヤグルーヴノーザンファームエアグルーヴトニービン
スティルインラブ下河辺牧場ブラダマンテRoberto
ヘヴンリーロマンスノースヒルズマネジメントファーストアクトSadler's Wells
オレハマッテルゼノーザンファームカーリーエンジェルジャッジアンジェルーチ
サイレントディールノーザンファームフェアリードールNureyev
ヴィータローザノーザンファームローザネイLyphard
サクラプレジデント谷岡牧場セダンフォーエバーマルゼンスキー
2001年産: 全19頭
ダイワメジャー社台ファームスカーレットブーケノーザンテースト
ハーツクライ社台ファームアイリッシュダンストニービン
ダンスインザムード社台ファームダンシングキイNijinsky
スズカマンボグランド牧場スプリングマンボKingmambo
ダイワエルシエーロ下河辺牧場ロンドンブリッジドクターデヴィアス
エアシェイディ社台ファームエアデジャヴーノーザンテースト
スウィフトカレント社台ファームホワイトウォーターアフェアMachiavellian
ハットトリック追分ファームトリッキーコードLost Code
グレイトジャーニーノースヒルズマネジメントアンブロジンMr. Prospector
ストラタジェム社台ファームミュンシーSadler's Wells
2002年産: 全15頭
ディープインパクトノーザンファームウインドインハーヘアAlzao
エアメサイア社台ファームエアデジャヴーノーザンテースト
ディアデラノビアノーザンファームポトリザリスPotrillazo
シックスセンス追分ファームデインスカヤDanehill
ローゼンクロイツノーザンファームロゼカラーShirley Heights
デアリングハート社台ファームデアリングダンジグDanzig
アドマイヤジャパン早田牧場新冠支場ビワハイジCaerleon
ペールギュント社台ファームツィンクルブライドLyphard
スズカフェニックス稲原牧場ローズオブスズカFairy King
トウカイワイルド岡部牧場ボブズディレンマMr. Prospector
2003年産
フサイチパンドラノーザンファームロッタレースNureyev
アドマイヤメインノーザンファームプロモーションヘクタープロテクター
アドマイヤキッスノーザンファームキッスパシオンジェイドロバリー
マツリダゴッホ岡部スタッドペイパーレインBel Bolide
マルカシェンク社台ファームシェンクZafonic
当然こういう形で順位付けしてしまうとフジキセキのように早期引退に追い込まれた馬には不利になりますね。獲得賞金だけで話をするならばフジキセキは初年度産駒の13位になってしまいます。
3年目になる1994年産から4頭しか出ていないという以外は毎年10頭を超える産駒が1億円以上の賞金を稼いでいるのですからとんでもない種牡馬ですよ。
さて、社台はサンデーサイレンスの恩恵を受けているというのは間違いないが、個々の競走馬のレベルで見ればサンデーサイレンスの恩恵を受けたのは社台だけではないというのは自明です。初期には非社台の大物としてマーベラスサンデーやサイレンススズカ、スペシャルウィークなんかが出るわけですが、後半になると社台の一人勝ちという状態になってしまったことについて、社台は何をしてきたのか、あるいは社台に負けた生産者は何をして、何をしてこなかったのかという部分をしっかり見なければならないのでしょう。
そういった面では1996年産馬は注目されるべきでしょう。この世代は1994年に初年度産駒がデビューし、フジキセキを筆頭としたその活躍を受けて種付けが行われた世代になります。しかし3歳春クラシックでの活躍が反映されるのは主として翌年以降にはなるわけで、その段階でサンデーサイレンスという種牡馬をしっかり評価できたかどうかに左右されそうなところです。そしてこの年は明らかに社台、とりわけノーザンファームが他を圧倒するラインナップを有しました。また、初年度のダンスパートナーらの活躍以降やや目立たなかった牝駒にスティンガー、トゥザヴィクトリーのGI馬、そしてGI級の能力を発揮したフサイチエアデールと大物を得ているのも特徴として挙げられるでしょう。
その後2年はまだ他牧場生産馬が健闘を見せますが、1999年以降は社台の独壇場とも言えるような状況。となればこの1999年産も注目に値するでしょう。1997年はサイレンススズカやステイゴールドがクラシックを戦った年ですが、この世代はサンデーサイレンス産駒としては不振でした。古馬を見てもマーベラスサンデーが宝塚記念を勝つものの、1997年のGI勝ちはそれのみに止まります。1998年に入ってようやくスペシャルウィークがクラシック戦線に登場したということで、それまでの2年に比べてサンデーサイレンス産駒の活躍が落ち着いた世代です。ここではっきりと目立つのは母父ノーザンテースト。これまでもサンデーサイレンスとの組み合わせで多くの産駒を送り出しながら、このデュランダルが登場するまでGI馬を出す事の出来なかったノーザンテーストがこれ以降アドマイヤマックス、ダイワメジャー、エアメサイアとGI馬を送り出す事になります。
しかし1996年産と1999年産は全世代を比較してみた場合には明らかに稼いでいない世代にあたります。特に1999年産馬はクラシックを一つも取ることが出来ませんでした。それでも社台は強いサンデーサイレンス産駒を作ることが出来ているということは、[社台のサンデー]というブランドを作り上げる事になりました。実際、この時期に社台はサンデーサイレンス産駒に対する経験の蓄積によって他の生産者に対して大きなアドバンテージを得る事になったのではないかと。
その後2000年産馬から二冠馬ネオユニヴァース、牝馬三冠馬スティルインラブが登場します。ただしスティルインラブは社台ではなく下河辺牧場-ノースヒルズマネジメントという組み合わせです。2年続けてスティルインラブ、ダイワエルシエーロとクラシックホースを出した下河辺牧場は健闘したと言っても良いかなあ。とはいえスティルインラブも最後にはアドマイヤグルーヴの前に屈しているわけではありますが。
結局、社台以上にサンデーサイレンスを信じた生産者は存在しなかったということになるのではないでしょうか。サンデーサイレンスはダートの実績馬でした。ブライアンズタイムとサンデーサイレンスが導入されるまでは、日本に輸入される種牡馬は主に欧州の芝に実績を持つ種牡馬ばかりで、サンデーサイレンスの導入というのは明らかにリスクを伴うものです。そして年度代表馬になりながらも種牡馬として北米では全く相手にされない血統でした。サイレンススズカの母ワキアのエピソードにもある通り、サンデーサイレンスには未知の部分が大きかったのです。
社台はサンデーサイレンスばかり付けるというのはよく批判される部分ではありますが、サンデーサイレンスは血統に対する確度がかなり高い種牡馬でしたので当然のことだったと思われます。サンデーサイレンス産駒には全きょうだいでの活躍例、あるいは極近い近親関係にある活躍馬の例が多く見られます。上の表からいくつか例を拾うと以下。
確かにダンシングキイの仔にはキングフラダンスやトーセンダンスもいますし、その他の繁殖も走らない産駒を出す事が無いというわけではありません。また、散々外してきたロッタレースが最後にフサイチパンドラを出したという例もあります。とはいえこれだけの実例を無視することは出来ないでしょう。
というかバランス良くいろいろな種牡馬を試すべきだなんてちっとも思わんですよ。ある特定の種牡馬との組み合わせで成功した繁殖牝馬ってのには事欠きません。Fairy BridgeとNorthern Dancerとかな。Grey Flightも後半はBold Rulerばかりになるし、Misty Mornも似たようなもんだ。
サンデーサイレンスが登場した時代のブルードメアサイアーとしてはノーザンテースト、マルゼンスキー、トウショウボーイ、ブレイヴェストローマンが挙げられますが、このうちブレイヴェストローマン、トウショウボーイはサンデーサイレンスが好まない母父であったと思われます。ノーザンテーストやマルゼンスキーとの組み合わせはまず成功したのに対して、トウショウボーイはビッグサンデー、エイシンルーデンス程度に止まりますし、ブレイヴェストローマンは準OPにすら上がれません。結果的にこのあたりのノーザンテーストとトウショウボーイの差が社台に有利に働いたという面はあるでしょう。サンデーサイレンス産駒のGI馬にはトウショウボーイはおろかテスコボーイが入った馬はいません。Princely Giftでは何とかステイゴールドが出ます。トウショウボーイは母父にYour Hostというサンデーサイレンスが好むような血を持つにも関わらずです。トウショウボーイはトニービンやブライアンズタイムに対しても厳しく、母父として自身を活かせる種牡馬に恵まれなかったかなとは思うものの、それでも母父として失敗する事は父系を絶やす事より罪深いことです。パーソロン、ミルジョージやモガミも母父としては良くなので、日高の生産者が消耗している責任の一端はそういった種牡馬の母父としての不振なのではないかな。というあたりでダンシングブレーヴがもっと産駒を出せる種牡馬だったらという事になるのかも…
ところでサンデーサイレンスだけを見ていても感覚が狂うのでトニービンの場合でも出しておきましょう。
馬名生産者母名母父名
1990年産
サクラチトセオー谷岡牧場サクラクレアーノーザンテースト
ノースフライト大北牧場シヤダイフライトヒッティングアウェー
ウイニングチケット藤原牧場パワフルレディマルゼンスキー
ベガ社台ファームアンティックヴァリューNorthern Dancer
アイリッシュダンス社台ファームビューパーダンスLyphard
ロイスアンドロイス社台ファームザツツマイパルKey to the Mint
ケントニーオー下河辺牧場ケンマドンナドン
ユウキスラッガー法理牧場サニーミサルボデュール
1991年産
オフサイドトラップ村本牧場トウコウキャロルホスピタリティ
エアダブリン社台ファームダンシングキイNijinsky
スプリングコート社台ファームサクラハゴロモノーザンテースト
1992年産
エイティグロー大西牧場シャダイビショップノーザンテースト
ミナミノジャックホウセイ牧場ジャックセレーネマルゼンスキー
ユウキビバーチェ若林牧場メルシーサンライズマルゼンスキー
エスプレッソトニー猿倉牧場スキーナノーザンテースト
1993年産
エアグルーヴ社台ファームダイナカールノーザンテースト
ロングカイウン天羽牧場ロングドーターハードリドン
ウェディングハニーヤナガワ牧場ヘイアンパールトウショウボーイ
インターライセンス社台ファームハウズテーストノーザンテースト
1994年産
グレースアドマイヤノーザンファームバレークイーンSadler's Wells
パルスビートマエコウファームブルーハワイスリルショー
1995年産
エモシオン白井牧場アドラーブルノーザンテースト
ロードクロノス大樹ファームシンコウラブリイCaerleon
ミスズシャルダン様似渡辺牧場ゴールドユウマブレイヴェストローマン
タヤスアンティーム社台ファームスカーレットリボンノーザンテースト
フリーウエイハート三城牧場ミヤビサクラコノーザンテースト
タイカラムーンメイタイ牧場タイリーバラッキーソブリン
クリスマスツリー社台ファームオークツリーリアルシャダイ
1996年産
ロードプラチナムケイアイファームニアーザゴールドSeeking the Gold
アイランドオオジャ関東ホースエクスプレスファームアイランドビーナスリィフォー
エイシンワンシャン栄進牧場エイシンテネシーVice Regent
ノボリユキオー日高大洋牧場ファーストラブナイスダンサー
ブオウ協和牧場プティットイルイルドブルボン
タフグレイス藤川ファームシスティーナサクラユタカオー
エルウェースター杵臼斎藤牧場エルウェーマリーザLomond
マヤノトライミー川上悦夫ザリサLyphard
ブラザータイクーン社台ファームビューパーダンスLyphard
1997年産
ジェミードレス社台ファームブリリアントカットノーザンテースト
ユウワンプラテクトノーザンファームルフィーラNureyev
エアトゥーレ社台ファームスキーバラダイスLyphard
トーワトレジャーヒノデファームグリーングッズClever Trick
フェリシタルノーザンファームツィンクルブライドLyphard
マックロウノーザンファームアンティックヴァリューNorthern Dancer
ハッピーリクエスト社台ファームエイプリルソネットDike
トニービーバー日胆上水牧場ピーチブルームディクタス
ゴーステディノーザンファームケイティーズファーストKris
スプリングチケット社台ファームカズミハルコママルゼンスキー
1998年産
ジャングルポケットノーザンファームダンスチャーマーNureyev
レディパステルシンコーファームピンクタートルBlushing Groom
サイドワインダータバタファームゴールデンジャックアフリート
テンザンセイザ大北牧場ケイシーCaerleon
ダービーレグノ社台牧場ダービーキングダムRoyal Academy
ハッピールックノーザンファームシンコウビューティCaerleon
1999年産
テレグノシス社台ファームメイクアウィッシュノーザンテースト
ナリタセンチュリーノーザンファームプリンセスリーベノーザンテースト
ダディーズドリーム白老ファームダディーズシューズサクラユタカオー
レニングラードノーザンファームブリリアントベリーノーザンテースト
トーセンテンショウ笠松牧場ノーザンプリンセスノーザンテースト
サクラヴィクトリア新和ファームサクラユスラウメサクラユタカオー
エリモシャルマンえりも農場エリモパッションマルゼンスキー
2000年産
マイジョーカー向別牧場エピファニーブレイヴェストローマン
メモリーキアヌ谷川牧場バラワキMiswaki
マイティーカラー白老ファームジョディーディアWoodman
初年度産駒からいきなりノースフライト、ベガ、サクラチトセオー、ウイニングチケットなんだからこっちもとんでもないと言えばそうなる。2年目にもオフサイドトラップ、エアダブリンと出して、サンデーサイレンス同様3年目がやや落ちる。それでも翌年にはエアグルーヴなんだから素晴らしいのだが、その後はややサンデーサイレンスに食われた部分もあったか大物を欠く状況で、1998年のジャングルポケット、レディパステル、1999年のテレグノシスとGI馬を出しました。
トニービンはサンデーサイレンスほど社台ばっかりという状況ではありませんが、それでも後半になると社台の生産馬が目立つなあという印象は受けます。
さて、非社台ということでブライアンズタイムを持ち出しましょうか。
馬名生産者母名母父名
1991年産
ナリタブライアン早田牧場新冠支場パシフィカスNorthern Dancer
チョウカイキャロル谷川牧場ウィットワタースランドMr. Prospector
ブライアンズロマン大典牧場ダイロマンブレイヴェストローマン
アドマイヤヒーロー稲原牧場ダイナイブノーザンテースト
アカツキホーオー浦河小林牧場サンデースマイルダンサーズイメージ
トーホウケリー早田牧場新冠支場クインテスケリーヴァイスリーガル
1992年産
マヤノトップガン川上悦夫アルプミープリーズBlushing Groom
エムアイブラン早田牧場新冠支場ユキグニCaro
スプリングバーベナ川上悦夫イズミプリンセスピットカーン
オートマチックホウセイ牧場ミズエナジーダンサーズイメージ
エリモエベレストエリモ農場エリモドリーマーサドンソー
アドマイヤゲイル石田牧場イーストサイドパーソロン
テルノシンゲキ瀬戸牧場カイソウトカチキタノダイオー
1993年産
フサイチヒロシフジワラファームプリンセススキーロイヤルスキー
1994年産
シルクジャスティス早田牧場新冠支場ユーワメルドサティンゴ
サニーブライアン村下ファームサニースイフトスイフトスワロー
マイネルマックスサンコウ牧場サクセスウーマンハイセイコー
エリモダンディーえりも農場エリモフローレンスイルドブルボン
ポートブライアンズ本巣勝ファンドリパールノーザンネイティヴ
ナショナルスパイ川上悦夫スターシャインマルゼンスキー
フラワータテヤマ赤坂光夫ワンボールドビッドノーザンテースト
セイリューオー中神鉄雄グッドマイラブノーザンテースト
サムソンゼットサムソン牧場ティスワLyphard
1995年産
ファレノプシスマエコウファームキャットクイルStorm Cat
ブリリアントロード大栄牧場マリーテイスティノーザンテースト
ナリタルナパーク早田牧場新冠支場ルナパークノーザンテースト
1996年産
トーホウエンペラー千葉飯田牧場レインボーブルーノーリュート
エスジーバーニング辻牧場エスジービアンカマルゼンスキー
スペキュレーション早田牧場新冠支場パーソナルレターMr. Prospector
サクラフォーエバー谷岡牧場セダンフォーエバーマルゼンスキー
1997年産
トーホウシデンオリエント牧場ブラッシングインザレインBlushing Groom
マイネルブライアンビッグレッドファームマイネレーベントウショウボーイ
エリモブライアンえりも農場エリモパッションマルゼンスキー
シルクプリマドンナ早田牧場新冠支場バウンドトゥダンスNorthern Dancer
スリーローマン大典牧場アコニットローマンブレイヴェストローマン
1998年産
タイムパラドックス白老ファームジョリーザザAlzao
ダンツフレーム信岡牧場インターピレネーサンキリコ
ビッグゴールド下河辺牧場ビューティフルゴールドMr. Prospector
オースミステイヤー谷川牧場ミドルフォークラピッヅWild Again
トレジャーシンコーファームシンコウラブリイCaerleon
イブキリムジンオー石田牧場ナイスジュノーナイスダンサー
1999年産
タニノギムレットカントリー牧場タニノクリスタルクリスタルパレス
アンドゥオール社台ファームスターバレリーナRisen Star
ノーリーズンノースヒルズマネジメントアンブロジンMr. Prospector
エリモマキシムえりも農場エリモアメジストSeattle Slew
マチカネメニモミヨ稲原牧場マチカネベニザクラRoyal Academy
ボールドブライアン千代田牧場シジェームサンSeptieme Ciel
エスジービーム辻牧場エスジービアンカマルゼンスキー
2000年産
シルキーラグーン早田牧場新冠支場シーヴィーナスDayjur
ラントゥザフリーズ豊郷牧場ソロシンガーリヴリア
ニシノコンサフォス西山牧場リフカLyphard
ビッグドンマークリ牧場ドラゴンリリーイブンベイ
シアトルユー下河辺牧場ロイヤルティアラノーザンテースト
マイネヌーヴェルビッグレッドファームマイネプリテンダーZabeel
2001年産
トーセンブライト岡田スタッドアサヒブライトジェイドロバリー
アルドラゴン石田牧場ドラゴンティーナDanzig
ニシノデュー西山牧場ニシノフラワーMajestic Light
チョウカイロイヤル谷川牧場ブラッシングストームBlushing Groom
マイネソーサリスコスモビューファームマイネマジックギャロップダイナ
サワノブレイブ杵臼牧場サワノビンティトニービン
2002年産
ロードマジェスティケイアイファームジャズキャットStorm Cat
タガノゲルニカ谷川牧場ブロードマラThatching
マルブツブリザード瀬口信正シフォンケーキサクラバクシンオー
こっちも初年度からナリタブライアンとチョウカイキャロルなわけで、翌年がマヤノトップガンなのですからこの時期の輸入種牡馬のアタリっぷりはどうしたものやらというレベルですね。やはりブライアンズタイムも3年目の産駒が不振なのですが、トニービンと違ってその後もマイネルマックス、サニーブライアン、シルクジャスティス、ファレノプシス、トーホウエンペラー、ダンツフレーム、タイムパラドックス、タニノギムレット、ノーリーズンとコンスタントにGI馬を出しています。
サンデーサイレンスが社台のバックアップを受けるなら、ブライアンズタイムは早田牧場のバックアップを受けるわけですが、両者の規模の違いを考えれば十分なバックアップを受けたとは思うところ。ただ、早田牧場は設備投資の負担に耐えかねて破綻する事になるのですけど。
それで負担という事で言えばラムタラも同じようなものかな。おそらくトニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスと続いた輸入種牡馬の異常な成功がラムタラ導入の理由の一つでもあったんでしょうが、そのラムタラの産駒は彼らの築いたレースに対応させることが出来ずに終わっています。後から日本供用初年度となる産駒の成績を見ればタニノエタニティ、メイショウラムセス、マルカセンリョウなどが出ては来て、言われるほど酷くも無いかという気にならんでもないですが、とにかくクラシックに間に合わないのでは大幅に減点になるのと、その程度では導入額に見合わないってのが問題なんだろう。底値で買い叩いてきたような種牡馬ならともかく、ラムタラは購入額で約32億円、シンジケートとなると44億円の種牡馬ですから。
言うまでも無く競走馬事業において最大のギャンブルは種牡馬です。トニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスと次々に導入された成功種牡馬を利用する以上に対抗して無謀な高額種牡馬の導入(その種牡馬が成功するかどうかというのは別問題)に踏み切った事が生産者の体力を消耗させ、消耗しなかった社台グループとの差を広げてしまったのでしょう。こういうものは結果で評価されるしかありませんから、仮にトニービン、サンデーサイレンスが立て続けにコケていたら、社台こそが窮地に追い込まれるような事態だってありえたでしょう。ただ、社台が彼らと違ったのは1頭の種牡馬に勝負をかけたわけではないというところです。エリシオを持ち出すまでも無く、社台だって種牡馬での失敗は数知れないわけですから。最近ではブロッコとかバチアーとかは散々でしたしね。尤もその辺の種牡馬は社台自体がどこまで期待してたかは怪しいもんですが。
最後にアーニングインデックスでサンデーサイレンスに抗し得たダンシングブレーヴ。
馬名生産者母名母父名
1990年産
ダンシングサーパスCheveley Park StudEsclusive OrderExclusive Native
1993年産
エリモシックえりも農場エリモシューティングテスコボーイ
チョウカイライジン酒井牧場マックスビューティブレイヴェストローマン
1994年産
キョウエイマーチインターナショナル牧場インターシャルマンブレイヴェストローマン
テイエムトップダン岡部牧場ビューティディクテイタスKey to Content
タガジョーノーブル鳥井牧場セイヴオンアイスIceca Noble
1995年産
キングヘイロー協和牧場グッバイヘイローHalo
レオリュウホウキヨミネ牧場キヨヒホウルイスデール
グリーンプラネットタイヘイ牧場カディザデーDarshaan
ダンシングターナー磯野牧場オニバープランスイエローゴッド
サーストンフライトラッキー牧場カーニバルRacing is Fun
チアズニューパワーヤマオカ牧場シマノリマンドリマンド
ロードブレーブ桑原牧場ユートジェーンマルゼンスキー
ダンシングチアズ信岡牧場スターシッピングバックストッパー
エイシンワンサイド米田牧場サンフラワーマミーダイアトム
1996年産
アラマサダンサーアラキファームアラホウトクトウショウボーイ
ビッグホープ下河辺牧場イースタンセリアラディガ
1997年産
ジョウテンブレーヴ田上稔タクノギャルロイヤルスキー
1998年産
テイエムオーシャン川越敏樹リヴァーガールリヴリア
エリモピクシー川上悦夫エリモシューティングテスコボーイ
1999年産
スナークスズラン平野牧場フリートレガッタリアルシャダイ
産駒が限られている中でこれですからね。例えばダンシングブレーヴが1シーズン100頭程度の種付けをこなせていたら状況は変わっていたのかもしれません。まあ、そんな状態ならまず日本に来ちゃいないわけですけど。
ダンシングブレーヴは母父としての性能も高そうなので、ダンシングブレーヴの牝馬を持ってる牧場は有効活用したらいいんだと思います。

2007/3/26

Horse Racing

高松宮記念

Dubaiの枠がもう発表になってしまって焦りますが、先にこっち片付けとかないといけません。
1.スズカフェニックス: サンデーサイレンス - ローズオブスズカ by Fairy King
2.ペールギュント: サンデーサイレンス - ツィンクルブライド by Lyphard
3.プリサイスマシーン: マヤノトップガン - ビーサイレント by サンデーサイレンス
4.ビーナスライン: フジキセキ - ホクトペンダント by パークリージェント
5.オレハマッテルゼ: サンデーサイレンス - カーリーエンジェル by ジャッジアンジェルーチ
6.マイネルスケルツィ: グラスワンダー - アラデヤ by Machiavellian
7.エムオーウィナー: ニホンピロウイナー - ミラクルムテキ by キャロルハウス
8.シーイズトウショウ: サクラバクシンオー - ジェーントウショウ by トウショウフリート
9.リキアイタイカン: アフリート - ノーノーネヴァー by Nijinsky
10.タマモホットプレイ: フジキセキ - ホットプレイ by ノーザンテースト
11.ディバインシルバー: Silver Deputy - Be My Baby by Ogygian
12.タガノサイクロン: フジキセキ - タガノダイヤモンド by トニービン
13.アンバージャック: パラダイスクリーク - フィールソーナイス by アーミジャー
14.サチノスイーティー: カリスタグローリー - ペルファヴォーレ by アフリート
15.コスモフォーチュン: マイネルラヴ - グレースマリヤ by グルームダンサー
16.キーンランドスワン: Distant View - To Act by Roberto
17.スリーアベニュー: アフリート - エナジートウショウ by トウショウボーイ
18.モンローブロンド: アドマイヤベガ - ソニンク by Machiavellian
ラップタイム: 12.0 - 10.6 - 11.2 - 11.4 - 11.8 - 11.9
前日から雨が降っていて、どれくらいまで馬場が回復するかなと思っていたら、結局重のまま発走となりました。時計が遅いのはそういう影響もあったかとは思います。でも、それより内埒沿いはダメだなあというような馬場に見えて、実際外から伸びて来たスズカフェニックスが勝って、ペールギュントが2着なのですから、そういうレースだったと思えばよいのかなと。スタートから終始馬場の良いところを走らせた武豊騎手の腕によるところもあるかな。それにしても2馬身半差をつければ十分なんですが。一方スピニングノワールなんかは内の方にいて伸びられませんでしたしねえ。シーイズトウショウは何じゃその馬体重というところもあったが、1枠からではどっちにしろダメだったかなと。

2007/3/30

Horse Racing

Dubai World Cup GI Nad Al Sheba UAE Dirt 2000m

やっと来たか…この日が…この1年の間何度となくおまえとの戦いを思い出したぞ。私のただ一度の敗北!ゴミのような3歳馬に三冠馬が敗れたのだ!1年の間この辱めに耐えてきた。だが今日でそれも終わる。お前たちを葬り去り、あの敗北がゴドルフィンの仕組んだ罠だったと証明し、このわずかな傷を拭い去って完全な復活を遂げるのだ。
深く考えてはいけませんw
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Discreet CatForestryPretty DiscreetPrivate AccountL. DettoriS. bin Suroor
2VermilionEl Condor PasaScarlet LadySunday SilenceC. LemaireS. Ishizaka
3Bullish LuckRoyal AcademyWild VintageAlyshebaB. PrebbleT. Cruz
4KandidateKaboolValleyroseRoyal AcademyS. SandersC. Brittain
5Premium TapPleasant TapPremium RedThirty Six RedK. DesormeauxJohn Kimmel
6Forty LicksNot For SaleBailesaEqualizeM. KinaneI. Jory
7InvasorCandy StripesQuendomInterpreteF. JaraK. McLaughlin
という事でもないのだが、まあ1年前のUAE DerbyでのInvasorの敗北というのは斤量差もあったけど馬場による影響が大きいのかなと思うところではあります。その後のDiscreet Catのパフォーマンスも凄いと言えば凄いけど、両者がそういう形で一年間負けずに来てここで再戦するというのはなかなかの趣向ではあるかな。
Discreet CatはInvasor以上にレースを使われずですが、Jerome Hに出てきて圧勝し、更にはCigar Mile Hにおいて、Badge of SilverとSilver Trainにハンデを与えての圧勝と鮮烈な印象を与えます。前哨戦を熱発らしき回避となったのがやや気にかかるところではありますが…
BC Classicで3着のPremium Tapはオーナーが変わったし、それ相応のレースを使ってきたのですが、Kimmel厩舎として出てくるということはこれが終われば北米の舞台に戻るということではあるのかなと。BCの内容を考えるとInvasor相手では歯が立たないという感じです。
なぜかこっちにでるBullish Luckはダートをこなせるかどうかということになるでしょう。どうもRoyal Academyってのはダートを苦手とするようなところがありますので。ダートこなせたら面白そうだし、パワーがあるからこなすかなという気もしている。ただ、ダートの2000mはきつそうか。まあ、昨年Electrocutionistが勝ったときのような芝馬がこなせるダートになってたら来るかもしれないというくらいは思っても良いのかなと。
Vermilionとしてはスタミナを問われるようなレースになるのが望ましいだろう。時計勝負になってしまうと厳しい。アジュディミツオーの2番手を追走して、コーナーから捲って、直線で6馬身ぶっちぎった川崎記念の内容は良かった。わざわざこの舞台でLemaireというのは解せない部分でもありつつ、Lemaireがあっているというならそんなものかなとは思う。
Forty Licksはアルゼンチンの年度代表馬でしたが、大一番Carlos PellegriniではStorm Mayorの前に苦杯を舐めました。その後サウジアラビアに移って地元のレースで連勝しますが、このレースに向けてのサウジアラビア国王杯で4着に敗退しているのが気に掛かります。Storm Mayorも参戦予定でしたが、輸送でトラブって断念というのが残念なところです。

Dubai Duty Free GI Nad Al Sheba UAE Turf 1777m

今年の日本馬のターゲットはこのレースです。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1SeihaliAlzaoEdwinaCaerleonJ. MurtaghD. Selvaratnam
2Best NameKing's BestFlawlyOld VicL. DettoriS. bin Suroor
3Stormy RiverVerglasMiss BioRiver MistO. PeslierN. Clement
4IrridescenceCaesourMeretriciousDancing ChampW. MarwingM. de Kock
5Lava ManSlew City SlewLi'l Ms. LeonardNostalgia's StarC. NakataniD. O'Neill
6MysticalAlnasr AlwasheekMystic MemoryMalvadoM. DwyerS. Ganapathy
7KapilJalladOutstanding StarBletchinglyR. FraddM. de Kock
8Pompeii RulerGenuineWest With NightPompeii CourtC. NewittM. Price
9Flashy WingsZafonicLovealochLomondR. HughesM. Channon
10Admire MoonEnd SweepMy KatiesSunday SilenceY. TakeH. Matsuda
11English ChannelSmart StrikeBelvaTheatricalJ.R. VelazquezT. Pletcher
12Miesque's ApprovalMiesque's SonWin ApprovalWith ApprovalE. CastroM. Wolfson
13Daiwa MajorSunday SilenceScarlet BouquetNorthern TasteK. AndoH. Uehara
14Formal DecreeDiktatFormidaHighest HonorK. McEvoyS. bin Suroor
15Bad Girl RunsWestern WinterBadiusSadler's WellsM. KinaneM. de Kock
16LinngariIndian RidgeLidakiyaKahyasiK. SheaH. Brown
アメリカ西海岸の王者Lava ManはSanta Anita H後一時は遠征回避とも言われていましたが、結局遠征に踏み切り、強敵相手のメインを避けて芝のこのレースに参戦という形になりました。遠征が嫌いな馬だけに、どうなるかというところでしょう。
Daiwa Majorも遠征は好まないということで、年末も香港に行かずに有馬記念を走ったりするほどだったのですが、京都とかで走っているのを見るとそう苦手でもないだろうにとは思うところ。ダンスインザムードに限らずこの馬は割と牝馬を連れてくるというのがおもしろいところです。そんなわけでIrridescenceあたり連れてきたら本物かとw
Admire Moonについては香港でPrideに迫ったのだから実力は本物なんだろう。その上で2000mを得意とするこの馬にあっては春シーズンに国内での目標を置きにくいというところではあるので、ドバイから香港、シンガポールと狙うのはありかなとは思う。シンガポールには登録しなかったけど。
昨年は全姉Perfect Promiseと揃って出走の予定も、放馬して競争除外となったのがIrridescence。その後香港やフランスで見かけましたが、どうにもいまいちといった印象でした。
フランスの善戦屋というイメージが抜けないStormy Riverも勝負に絡んでくるかとは思われます。
Sheema Classicではなくこちらに回ったEnglish Channelは北米芝のトップホースで、ここくらいならやれるんじゃないかなとは思いますが。Lava Manに負けると事ですな。
BC Mile馬Miesque's ApprovalはGIというイメージの薄い馬ではあって、昨年好調だったとはいえ、あのBCには驚かされた。しかし。今年になってからあまり良いレースをしていない。
オーストラリアでGIを勝ったGenuine産駒Pompeii Rulerは基本的に勝ちきれない馬ではある。オーストラリアから遠征してくるならもうちょっとふさわしい馬もいたよなとは思うし。

Dubai Sheema Classic GI Nad Al Sheba UAE Turf 2400m

Pop Rockでも十分やれるんじゃねとは思う。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Bellamy CayKrisTrellis BaySadler's WellsS. PasquierA. Fabre
2Oracle WestWestern WinterNoble ProphetNoble AmbitionW. MarwingM. de Kock
3LaverockOctagonalSky SongSadler's WellsK. McEvoyS. bin Suroor
4Vengeance of RainZabeelDanelaghDanehillA. DelpechD. Ferraris
5Red RocksGalileoPharmacistMachiavellianC. NakataniB. Meehan
6Best AlibiKing's BestChauncy LaneSadler's WellsL. DettoriS. bin Suroor
7Sir PercyMark of EsteemPercy's LassBlakeneyM. DwyerM. Tregoning
8ObrigadoLavircoOsinaWise MoneyD. FloresN. Drysdale
9SushisanFuji KisekiMeine TochterBataanK. SheaH. Brown
10Pop RockHelissioPopsSunday SilenceO. PeslierK. Sumii
11Collier HillDr. DeviousPolar QueenPolish PrecedentD. McKeownA. Swinbank
12QuijanoAcatenangoQuilaUnfuwainA. StarkeP. Schiergen
13YoumzainSinndarSadimaSadler's WellsR. HughesM. Channon
14Honey RyderLasting ApprovalCuando QuiereAffirmedG. GomezT. Pletcher
15HostHussonetColonna TraianaRoyJ.R. VelazquezT. Pletcher
Alexander GoldrunもOuija BoardもPrideもいなくなった欧州ってのは個人的につらいものがありますが、今年の古馬路線は4歳馬がどこまでやるのかということになってくるとは思われます。そういう状況の中で、シーズン始動戦としてここに乗り込んできたのが英ダービー馬Sir Percy、BC Truf馬Red Rocks、ドイツでGIを勝ったYoumzainの3頭。Sir Percyはダービー後勝っていませんし、シーズンの終わりを締めくくる形になったRed RocksとYoumzainにとっては今年が勝負。Rail Linkの復帰は遅れるということになりそうなので、このあたりがしっかりしたら今年の欧州はおもしろいということになるのではないかなと。
一方、Melbourne Cで2着という実績を持って挑戦するPop Rockはその後有馬記念、京都記念と連続して2着ですが、まあ京都記念にしてもAdmire Moonと差のない2着なら十分といったところではあるだろう。どうしてもこのレースは欧州馬がどこまで仕上がっているかというところを気にしなければならないのだが、Pop Rockでも対等に渡り合えるのではないかなという思いはある。
Honey Ryderは北米ではこの距離でならば牡馬と対等に渡り合うのですが、それには現状の北米芝のレベルがという問題があります。昨年のBCではBetter Talk Now、English ChannelがRed Rocksの前に敗れました。Honey RyderがGulfstreamのレースで戦った相手はEnglish Channelより弱いわけで、馬場がこの馬に向いたものになったらなんとかという程度ではなかろうか。
Collier Hillはあまり強いという印象を受けないのだが、香港のレースには驚かされた。あの程度に走れたら勝負に絡んでこれるのではないかなと。昨年も2着に入っているし、コースの相性も良いのではないかな。…などと書いてたのですがどうやら脚部不安でスクラッチのようですね。
Lave RockはIspahanの勝ち馬で2400mでもSaint-Cloudであるとかでの実績を有します。しかしやはり2400mはこの馬にとってはやや長いのではなかろうかとは思う。
距離ということで言えば香港のVengeance of Rainも2000mの方が得意。Zabeel x Danehillという配合なら極端に問題があるようには思えないし、2005年のChampions and Chater Cを勝っているという実績を持ちますが、どうにも香港の2400m戦のレベルは信用なりません。

Dubai Golden Shaheen GI Nad Al Sheba UAE Dirt 1200m

北米馬優位が覆るとは思えない。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Bishop Court HillHoly BullJust CuzCormorantJ.R. VelazquezT. Pletcher
2AreyoutalkintomeSmokesterAndrea GailStorm BirdE. AhernC. Cyzer
3Kelly's LandingPattonBest GameGreat AboveL. DettoriE. Kenneally
4Marchand d'OrMarchand de SableFedoraKendorD. BonillaF.Head
5Thor's EchoSwiss YodelerHelen of TroyMr. IntegrityT. DurcanS. Seemar
6TizaGold KeeperMamushkaElliodorK. SheaH. Brown
7Agnes JediAgnes WorldLucky PiscesCrafty ProspectorY. TakeH. Mori
8Friendly IslandCrafty ProspectorIsland QueenOgygianG. GomezT. Pletcher
9Salaam DubaiSecret SavingsGulistanRubitonJ. MurtaghA. Selvaratnam
10Terrific ChallengeRoyal AcademyClever EmpressCrafty ProspectorR. MullenD. Watson
11Bounty QuestFasliyevJust DreamsSalseM. DwyerD. Watson
12ThajjaDaylamiJawlaatDayjurR. HillsD. Watson
13Harvard AvenueYou and ICarrie CanSaratoga SixC. NakataniD. O'Neill
14Seeking the BestSeeking the GoldMackieSummer SquallY. FukunagaH. Mori
15National ColourNational AssemblyRainbow CakeMr. EatsW. MarwingS. Tarry
16Nightmare AffairOut of PlaceBeaux Arts BallBlack Tie AffairE. CastroG. Marano
BCの上位馬が出走してきますが、Thor's EchoにしてもNightmare Affairにしてもその後のレースを見るに、北米ダートスプリントの上位馬というレベルを超えているようには思われません。Thor's Echoの前走なんかはどうにもダメだろという印象なんですが、とはいえ今年も結局は北米調教馬ということになるかなとは思われます。
Seeking the Bestは父Seeking the Gold、母父Summer SquallでLa Troienneのファミリーという組み合わせからはこういった北米的なレースに対応する事は可能ではあるでしょう。ですが、これまでに経験してきたレースとは違う質のレースにはなるだろうし、北米的ダートスプリントに対応するような鍛錬というのを受けていないのではないかなと。
Agnes Jediは昨年は北米調教以外では最先着となる6着でしたが、その後の進境というのもなさそうで、昨年の成績を上回るのは難しいかなと。

Florida Derby GI Gulfstream FL Dirt 9F

最終プレップ開幕。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1NotionalIn ExcessTruly BlessedFrench DeputyRobby AlbaradoDoug F. O'Neill
2ImawildandcrazyguyWild EventFrosty CupcakeTop AccountRafael BejaranoWilliam A. Kaplan
3Scat DaddyJohannesburgLove StyleMr. ProspectorEdger S. PradoTodd A. Pletcher
4Adore the GoldFormal GoldAmore E BaciDixieland BandCornelio H. VelasquezMichael E. Gorham
5StormelloStormy AtlanticWilshwedCarson CityVictor EspinozaWilliam L. Currin
6ChelokeeCherokee RunDixie GhostSilver GhostRamon A. DominguezMichael R. Matz
7Boogie BoggsDixie UnionSmokey MirageHoly BullJoe BravoNicholas P. Zito
8Johannesburg StarJohannesburgGammy's AldenJohn AldenRajiv MaraghCollin Maragh
9BirdbirdisthewordPure PrizeBerchtaRocky MountainManoel R. CruzKenneth G. McPeek
人気はScat Daddy、StormelloのFountain of Youth上位にNotionalが絡んでくる形。Adore the Goldまでまずまずといったところか。
前走で鮮やかに復活を遂げたScat Daddyとフロリダ遠征が成功のStormelloはここをきっちりまとめれば本番に向けてグリーンランプという事で、出来ればStormelloに逆転してもらいたいが、それは本番まで待ってやっても良いです。Stormelloに関しては前走後一度カリフォルニアに戻って、またフロリダに飛んだという部分できついかなと思ったりもしますが。そういやStormelloも3歳でのキャリアが2戦で本番に行く事になるのか…
一方このレースでの2番手集団になるAdore the GoldとNotional。前者は上位2頭と同じくFountain of Youthに出走し実力の一端を垣間見せましたが、それはまだ十分ではありません。上位2頭との差が詰まるかどうか、あるいは一角崩しがなるかどうか。Notionalは波乱のRisen Star Sの勝ち馬で、それはNotional自身のパフォーマンスにケチが付くわけではありませんが、やはり力の証明をここでして貰わなければならないでしょう。

2007/3/31

Horse Racing

ARB報告から見る長距離戦の現況

ThoroughbredNewsなどを見ていましたらちょっと面白い記事があったので紹介します。
ThoroughbredNews: The future of staying races in Australian Racing
Australian Racing Boardが発表したレポートについての記事で、原文はARBのサイトにでもあるんじゃないかなと思いますけど、ざっと見て見当たらなかったのでパス。プレスリリースにARBのチェアマンBob Pearsonのコメント付きの要約なら見つけましたが、ThoroughbredNewsの記事の方が詳しいです。
オーストラリアの長距離戦は各地区でカップ戦が行われており、その頂点のようなレースがMelbourne C(Victoria)なのですが、この他Adelaide C(South Australia)、Sydney C(NSW)、Brisbane C(Queensland)、Perth C(Western Australia)という3200mのレースが行われています。このうちレベルの劣る西オーストラリアのPerth Cは1992/93シーズン以降GIIに降格していましたが、今シーズンはさらにAdelaideとBrisbaneのカップ戦がGIIに降格しました。またBrisbane Cは2400mに短縮される可能性があります。事情はニュージーランドも同じで、Wellington C、Auckland C、New Zealand Cというレースが3200mで行われていますが、このうちNew Zealand CはGIIです。また、Makybe Divaのようなチャンピオンステイヤーを擁していなかったとはいえMelbourneでDelta BluesとPop Rockに全く敵し得なかったのがオーストラリアのステイヤーの現状です。
ARBも何も手を打たないわけではなく、2300m以上のレースを対象にしたAustralian Stayers Challengeと銘打ったシリーズを開催しているのですが、あまり効果を上げてはいないようです。昨年もあったのですが、1年間のシリーズなのに残りの1ヶ月でGIを2勝しただけのTawqeetがチャンピオンになってしまっては興醒めもいいとこでしょう。
さて、ARBのレポートはこうした状況にあるオーストラリアの長距離戦の将来に向けての戦略を立てるための議論を惹起するためにまとめられました。では、レポートの内容を少しずつ紹介します。
レポートによるとオーストラリア競馬界が長距離戦に関して抱える問題は以下のとおりです。
ステイヤーの質に関しては先のMelbourne Cを見れば明らかでしょう。また、Makybe Divaの同レース三連覇は賞賛されるべきことですが、それは同時に層の薄さの反映でもあったと考えられます。後半3つはほぼ関連した内容であって、スピードに優れる短距離馬には活躍の馬が豊富に用意されていますし、牡馬であれば人気のある種牡馬になることが可能です。長距離戦ではGIであるThe BMW、Sydney C、Caulfield C、Melbourne Cこそ高額な賞金を誇りますが、それ以外は低い賞金であり、また引退後の種牡馬入りに関しても厳しいものがあります。これは生産界がステイヤーを欲していないという事情があり、そしてそれはステイヤーの層を薄くしています。オーストラリアではDanehillを中心にスピードのある種牡馬が優位を占めているのは今更指摘するまでもありません。Desert Kingはステイングパワーに富んだ種牡馬で、Makybe Diva以外にも長い距離で活躍する産駒をだしますが、スタミナインデックスは10.3Fで、それほど本格派のステイヤー種牡馬ではありませんし、Desert Warのようにむしろ短い方を好む産駒というのも多いです。
ステイヤーの出走機会については統計が出ており、オーストラリアの全レース(19821戦)中2200m以上のレースは508戦でわずかに2.6%。それらのレースの出走馬も全体の2.67%にしかなりません。これは他の競馬主要国(ダート主体のアメリカを除く)と比較しても少ないとは言えます。しかし、リステッド以上のレースとなるとオーストラリアは542戦中64戦が2200m以上であり、その割合は11.8%に急上昇します。それをまとめると以下のようになります。元記事中にもありますが、見難いので表を作りました。
Country総レース数2200m超2200m超の割合上級レース数2200m超2200m超の割合
Australia198215082.6%5426411.8%
Britain55543656.6%286269.1%
France5482180839.5%2335624.0%
Ireland227049922.0%1041413.7%
NZ27231174.3%1482114.2%
US514911580.3%1965562.8%
Japan(Total)168541941.2%2173214.7%
JRA33201775.3%1802916.1%
NAR13534170.1%3738.1%
フランスにおける長距離戦の突出振りってのも目に付きますが、オーストラリアやニュージーランドは全体のレースに占める長距離戦の割合に比してリステッド以上のレースでの長距離戦の割合が極端に多く歪な印象を受けます。そしてそれは日本も同じであるということは注意しておいた方が良いのかもしれません。
ところで、このような状況ながらオーストラリアにおいては12年前に比して長距離戦のレース数及び全体に占める割合は増加しているのです。レース数では476から508に、割合でも2.04%から2.56%への上昇です。ただし、メトロクラスのレースでの割合は5.4%から5.2%とわずかに落ちており、レベルの劣るカテゴリーで長距離レースが増えているようです。出走頭数としては一旦99/00シーズンまで減少し、底を打ってから05/06シーズンには12年前の水準に回復しました。出走数に占める割合は上昇していますが、これは全体的にレースの出走数が減ったのではないかと考えられます。2700mを超えるようなレースを見ても20戦から38戦と倍ちかく増えておりますが、このカテゴリーの出走馬の割合は減少しました。
それぞれが都市の名を冠することからも分かるようにオーストラリアにおいて長距離戦は各地のカーニバルの中心に位置するレースとして重要な位置を占めていました。現在でもそうであるのはMelbourne Cだけで、大目に見てもSydney Cは既にそうではないと言わなくてはならないでしょうし、その他は言わずもがなです。Melbourne Cにしても観客数でVictoria Derbyに負けて安泰と言い切れる状況でもないのでしょう。オーストラリアパターンレース委員会はAdelaide CとBrisbane Cの降格によって、重賞の格付けについては現在のレースのレベルを以って評価し、過去において果たした役割或いは将来的な可能性については考慮しないことを明確にしました。ARBのAustralian Stayers Challenge以外にも長距離戦振興のために対策を講じられていますが、なかなか上手くいかないというところはあるのかなと。
ARBがこういった報告書をまとめた原因の一端にMelbourne Cがあったのは間違いないかとは思いますが、日本も部分的には同じ問題を抱えているとは言えるでしょう。長距離戦が極端に無いNARは別にしても、JRA単独でも5.3%に対して16.1%というのは差が大きいと言えます。JRAがレース体系の中で長距離戦をどう扱うかというのがARB同様問題になっては来ると思います。実際春の天皇賞の出走メンバーが問題になるようなこともありましたし、この手の長距離戦の低落は決して日本にとっても無関係ではありえないでしょう。下級条件での長距離戦の不足(とはいえ出走馬も少ない)も時折指摘される事ではあります。おそらくその決壊をかろうじて防いでいるのが菊花賞(及び春の天皇賞)が持つ旧八大競争という権威でありましょうし、最近は避ける馬も多くなりつつあるとはいえ、3歳馬の多くが秋に菊花賞に照準を合わせようとするというクラシック三冠体系の霊威(仮にディープインパクト、メイショウサムソン或いはネオユニヴァース又は将来も現出するであろう春の二冠馬が菊花賞ではなく天皇賞に向かったとしてあなたはそれを賞賛できるかという問題)でもあるのでしょう。藤沢厩舎や松国厩舎のように菊を軽視する厩舎から二冠馬が出たときにどうなるかというところでもあるでしょうけど。
ただ、日本とオーストラリアの間の決定的な差異はオーストラリアが短距離に傾くのに対して、日本は中距離に傾くというところ。先の高松宮記念を見れば分かるように、日本においては今のところ短距離戦は十分な求心力を持ちえませんし、種牡馬に対する要求も短距離のスピードではなく中距離のスピードとスタミナであることもポイントになります。ステイヤーもスプリンターも日本における種牡馬需要としては少なく、1600-2400の実績を要求されるってのはあると思います。だからこそ、サクラバクシンオーのような存在に意味が出てくるのでしょう。そういった面では日本の、というかJRAの競馬がこれから直面するかもしれない問題としては1200mと3000m級のエクストリームな部分をレベル的に切り捨ててマイルからハーフマイルに集約していくのかどうかということなのかなあとも。それが良い事なのかどうかはわかりません。
まあ、マンハッタンカフェがあの競争実績で人気種牡馬になるというのは日本以外から見れば不可解な現象でもあるでしょうし、今のところはまだ、欧州以上に3000mクラスのGIを評価しているのが日本です。ただ、一度流れ始めるとドラスティックに行ってしまうかなと思うところもあったりするのです。
2007/3 [1]2007/4 [1]

|TOP|PROFILE|FAVORITE|PICK UP|SKIN|MEMO|HORSE|BBS|MAIL FORM|LINK|MEMOLOG>2007/3 [2]
topREVERY_L_ELEKTRA