夏のリゾートGlorious Goodwood開幕。今年のSussexは女王Soviet Songの独壇場。
このメンバーではちとSoviet Songが抜けて強いかなと思うところはある。デビュー戦とその次のListedを除いて、あとは全てマイル戦に出走。後のOaks馬Casual Lookを下したFillies Mileの結果を受けて3歳の1000 Guineas路線の有力馬になりますがRussian Rhythmに完敗。その後もRussian RhythmやNebraska Tornadoの前に屈して期待された3歳を未勝利で終えますが、古馬になってGII Ridgewood Pearl Sを勝って復活。Russian Rhythmが故障で路線から離脱したあとの昨年のFalmouth Sでは3歳の英愛1000 Guineas馬Attractionに貫禄勝ちすると、Sussex SではRefuse to Bend以下を下して3つ目のGIを手に入れ、欧州のマイル戦線に君臨する女王となりました。Matron Sでは再びAttractionを下してGI3連勝としますが、その後のQueen Elizabeth II Sでは失速して6着。今年も現役に残り、Royal開催のWinsor Forest Sで復帰しますが、まさかの3着。ですが、Falmouth Sではマイルに舞い戻ってきたAlexander Goldrunを差しきって力に衰えのないところを示しました。今回も普通に力を出し切れれば問題なく勝てるでしょう。
昨年のこのレースでSoviet Songにクビ差にまで迫ったNayyirですが、その後のCelebration MileでChicに負けていたりといまいち信頼できません。ここ2戦は7Fを走ったのであまり着順を真に受けないほうが良いかとも思いますが、前走はよりにもよってVortexに負けてます。
ChicはCelebration Mileを勝ち、Sun Chariot SではAttractionの2着に来ましたし、母はCoronation S勝ち馬で伯父にEntrepreneurが出ているという血統背景からもマイルなら安定した存在になるかとも思ったのですが、今年初戦のLingfieldのGIII、例のAll Weatherで行われた初の重賞というやつです、では6着と案外な結果でした。如何に走りなれていないであろうコースとはいえ、メンバーなんかを考えると負けすぎているというところがあって悩みどころ。
Mac Loveも同レースに出走して5着。Lockinge SでRaktiにぶっちぎられているとはいえ2着にきているわけで悪くない。とはいえあまりGIを勝てそうな馬には思えないんだよなあ。
イタリア2000 Guineas馬でVittorio di Capuaも勝っているLe Vie Dei Coloriは今年初戦のListedこそ勝ったもののその後はいまいちでもうGIで勝負になるレベルではなくなってしまったか。
3歳馬のマイル戦は全体としてのレベルが疑問であり、トップクラスが出て来たわけではないので軽視して良さそう。Soviet Songを相手にするのには格が足りません。今年は普段ならいるはずの牡馬の強いマイラーがいないんですよね。今ならRaktiあたりが該当するかと思いますが、それが出てこなかったのが一番痛いということになるのかなと。あとはQueen Anneを持っていったValixirはフランスに戻ってGIIIで見事な弱いものいじめをやらかしたし、Starcraftが故障したのも古牡馬の層の薄さに拍車をかけていることは間違いないか。そして3歳はShamardalがいなくなって、Dubawiもフランスまで復帰しないわけでトップ不在。Ad ValoremはJean Pratが全然ダメで、これに勝たれたくはないなとも思うわけです。その他はKandidateは相手なりにしか走らないし、連勝中の2頭もProclamationは相手が軽く、David Juniorはマイル戦は疑問、最後にTuckerはGIで勝負できるだけの力はない。
1.Proclamation: King's Best - Shamarra by Zayyani
2.Soviet Song: Marju - Kalinka by Soviet Star
3.Ad Valorem: Danzig - Classy Women by Relaunch
4.Nayyir: Indian Ridge - Pearl Kite by Silver Hawk
5.Sleeping Indian: Indian Ridge - Las Flores by Sadler's Wells
6.Le Vie Dei Colori: Efisio - Mystic Tempo by El Gran Senor
7.David Junior: Pleasant Tap - Paradise River by Irish River
8.Quito: Machiavellian - Qirmazi by Riverman
9.Kandidate: Kabool - Valleyrose by Royal Academy
10.Tucker: Inchinor - Tender Moment by Caerleon
11.Mac Love: Cape Cross - My Lass by Elmaamul
12.Chic: Machiavellian - Exclusive by Polar Falcon
FallonのAd Valoremが引っ張る展開でMac Love、Kandidateが先頭集団を形成。Soviet Songは後方追走でした。
Soviet SongはFanshawe師もMurtagh騎手も柔らかい馬場では良場馬ほど伸びてくれないというコメント。
「Soviet Songはまだ女王の地位にあるが、今日はProclamationが王だったね。問題はこの馬場状態だけだった。速い馬場と同じようには加速できないんだ。だから彼女には厳しいレースになって、Proclamationが勝った。でも我々のSoviet Songはとてもよいレースをして2着に入ってくれたよ」--Fanshawe
で、Fanshawe師のコメントによると今年はBreeders' Cupへの出走意思があるようでそれがシーズンの最終戦となるとも。
「このあとはQEII Sかその1週間後のSun Chariot Sに行くつもりだけれども、もしかしたらMatron Sを使うかもしれない。でもそれはきついプランだね」--Fanshawe
Matronに出走するならAlexander Goldrunが手薬煉ひいて待ってますぜ。
では勝ったProclamationの方。King's Best産駒までGI勝ってしまったよというところか。今年になってから全く目立たなかったので忘れ去られてそうですが、King's Bestもこの世代が初年度産駒。Kingmamboの直孫がGIを勝つのはこれが初めてになるのかなと思ったら、昨年Dubai SurpriseがCriterium Internationalを勝ってましたな。勝ってませんねえ。2着でしたか。眠い上にSoviet Songがとんで落ち込み気味の時に無理して書くなという話です…。(7/31追記)King's BestのステークスウィナーはこのProclamation、Dubai SurpriseとElliots Worldの3頭で、Elliots WorldはListedまで。Kingmambo産駒らしく当たり外れの大きなところがあるかも知れんなあというところかなあ。King's Best自身は甥にAnabaa Blue、Galileoが出る彼のドイツのAラインからのスピンアウトファミリーなので、2000 Guineas馬ということでポテンシャルは高かろう。
Proclamationは母父が聞きなれないが、これはDarshaan直仔で三代母に白面の魔女Petite Etoileというなかなかの良血で祖母がZahra。このAga Khan IVが娘の名をとって名付けた牝馬からZのイニシャルを継承した一族がPetite Etoileのボトムラインを受け継ぐ全てとなるかな。超級な馬は出てなくてGIIIを勝ったこのZayyaniあたりが出世頭という事になるかねえ。
Proclamationはこれで4戦3勝で、負けたのはDante Sの最下位のみ。これは距離と見て良さそうで、マイル戦なら相当の能力を持っていそう。今回Soviet Songを下したのは相手が苦手とする重馬場という条件もあるかと思いますが、Proclamation自身に重馬場限定というようなところはなく、Shamardalを失った3歳マイル路線の軸になってくれると楽しいかなとも思う。
No. | Post | Horse | Sire | Dam | Broodmare Sire | Jockey | Trainer |
1 | 2 | Le Vie Dei Colori | Efisio | Mystic Tempo | El Gran Senor | N. Mackay | L.M. Cumani |
2 | 8 | Mac Love | Cape Cross | My Lass | Elmaamul | G. Carter | J. Akehurst |
3 | 1 | Nayyir | Indian Ridge | Pearl Kite | Silver Hawk | E. Ahern | G.A. Butler |
4 | 10 | Quito | Machiavellian | Qirmazi | Riverman | A. Culhane | D.W. Chapman |
5 | 11 | Sleeping Indian | Indian Ridge | Las Flores | Sadler's Wells | J. Fortune | J.H.M. Gosden |
6 | 6 | Chic | machiavellian | Exclusive | Polar Falcon | R.L. Moore | Sir Michael Stoute |
7 | 3 | Soviet Song | Marju | Kalinka | Soviet Star | J.P. Murtagh | J.R. Fanshawe |
8 | 9 | Ad Valorem | Danzig | Classy Women | Relaunch | K. Fallon | A.P. O'Brien |
9 | 5 | David Junior | Pleasant Tap | Paradise River | Irish River | R. Hills | B.J. Meehan |
10 | 12 | Kandidate | Kabool | Valleyrose | Royal Academy | S. Sanders | C.E. Brittain |
11 | 7 | Proclamation | King's Best | Shamarra | Zayyani | M.J. Kinane | J. Noseda |
12 | 4 | Tucker | Inchinor | Tender Moment | Caerleon | T. Quinn | D.R.C. Elsworth |
昨年のこのレースでSoviet Songにクビ差にまで迫ったNayyirですが、その後のCelebration MileでChicに負けていたりといまいち信頼できません。ここ2戦は7Fを走ったのであまり着順を真に受けないほうが良いかとも思いますが、前走はよりにもよってVortexに負けてます。
ChicはCelebration Mileを勝ち、Sun Chariot SではAttractionの2着に来ましたし、母はCoronation S勝ち馬で伯父にEntrepreneurが出ているという血統背景からもマイルなら安定した存在になるかとも思ったのですが、今年初戦のLingfieldのGIII、例のAll Weatherで行われた初の重賞というやつです、では6着と案外な結果でした。如何に走りなれていないであろうコースとはいえ、メンバーなんかを考えると負けすぎているというところがあって悩みどころ。
Mac Loveも同レースに出走して5着。Lockinge SでRaktiにぶっちぎられているとはいえ2着にきているわけで悪くない。とはいえあまりGIを勝てそうな馬には思えないんだよなあ。
イタリア2000 Guineas馬でVittorio di Capuaも勝っているLe Vie Dei Coloriは今年初戦のListedこそ勝ったもののその後はいまいちでもうGIで勝負になるレベルではなくなってしまったか。
3歳馬のマイル戦は全体としてのレベルが疑問であり、トップクラスが出て来たわけではないので軽視して良さそう。Soviet Songを相手にするのには格が足りません。今年は普段ならいるはずの牡馬の強いマイラーがいないんですよね。今ならRaktiあたりが該当するかと思いますが、それが出てこなかったのが一番痛いということになるのかなと。あとはQueen Anneを持っていったValixirはフランスに戻ってGIIIで見事な弱いものいじめをやらかしたし、Starcraftが故障したのも古牡馬の層の薄さに拍車をかけていることは間違いないか。そして3歳はShamardalがいなくなって、Dubawiもフランスまで復帰しないわけでトップ不在。Ad ValoremはJean Pratが全然ダメで、これに勝たれたくはないなとも思うわけです。その他はKandidateは相手なりにしか走らないし、連勝中の2頭もProclamationは相手が軽く、David Juniorはマイル戦は疑問、最後にTuckerはGIで勝負できるだけの力はない。
RESULT
雨の影響で馬場はSoft。Soviet Songは満足に脚を伸ばすことができず、Proclamationを捕まえることができませんでした。1.Proclamation: King's Best - Shamarra by Zayyani
2.Soviet Song: Marju - Kalinka by Soviet Star
3.Ad Valorem: Danzig - Classy Women by Relaunch
4.Nayyir: Indian Ridge - Pearl Kite by Silver Hawk
5.Sleeping Indian: Indian Ridge - Las Flores by Sadler's Wells
6.Le Vie Dei Colori: Efisio - Mystic Tempo by El Gran Senor
7.David Junior: Pleasant Tap - Paradise River by Irish River
8.Quito: Machiavellian - Qirmazi by Riverman
9.Kandidate: Kabool - Valleyrose by Royal Academy
10.Tucker: Inchinor - Tender Moment by Caerleon
11.Mac Love: Cape Cross - My Lass by Elmaamul
12.Chic: Machiavellian - Exclusive by Polar Falcon
FallonのAd Valoremが引っ張る展開でMac Love、Kandidateが先頭集団を形成。Soviet Songは後方追走でした。
Soviet SongはFanshawe師もMurtagh騎手も柔らかい馬場では良場馬ほど伸びてくれないというコメント。
「Soviet Songはまだ女王の地位にあるが、今日はProclamationが王だったね。問題はこの馬場状態だけだった。速い馬場と同じようには加速できないんだ。だから彼女には厳しいレースになって、Proclamationが勝った。でも我々のSoviet Songはとてもよいレースをして2着に入ってくれたよ」--Fanshawe
で、Fanshawe師のコメントによると今年はBreeders' Cupへの出走意思があるようでそれがシーズンの最終戦となるとも。
「このあとはQEII Sかその1週間後のSun Chariot Sに行くつもりだけれども、もしかしたらMatron Sを使うかもしれない。でもそれはきついプランだね」--Fanshawe
Matronに出走するならAlexander Goldrunが手薬煉ひいて待ってますぜ。
では勝ったProclamationの方。King's Best産駒までGI勝ってしまったよというところか。今年になってから全く目立たなかったので忘れ去られてそうですが、King's Bestもこの世代が初年度産駒。
Proclamationは母父が聞きなれないが、これはDarshaan直仔で三代母に白面の魔女Petite Etoileというなかなかの良血で祖母がZahra。このAga Khan IVが娘の名をとって名付けた牝馬からZのイニシャルを継承した一族がPetite Etoileのボトムラインを受け継ぐ全てとなるかな。超級な馬は出てなくてGIIIを勝ったこのZayyaniあたりが出世頭という事になるかねえ。
Proclamationはこれで4戦3勝で、負けたのはDante Sの最下位のみ。これは距離と見て良さそうで、マイル戦なら相当の能力を持っていそう。今回Soviet Songを下したのは相手が苦手とする重馬場という条件もあるかと思いますが、Proclamation自身に重馬場限定というようなところはなく、Shamardalを失った3歳マイル路線の軸になってくれると楽しいかなとも思う。