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2006 North American Report of Mares Bred

毎年10月に出るのは速報ではあって、最終確定値ではありません。大体ここから後10%くらい増えるんですが、ただそれで確定した値が出るのは来年になってからになるし、そこからデータを整理してたらなんか時期を逃してしまいそうですし、傾向を掴むのならば問題なかろうということで、毎年このデータを見てるのですよ。
2006RMB.csv
ほぼ昨年と同じ基準で、種付け頭数10頭以上の種牡馬をAmerican Jockey Clubが公表しているReport of Mares Bredから抜き出して、Pedigree Queryで調べた血統データを加えたものです。10頭以上に限定したのは、正直な話とてもじゃないが全部の種牡馬なんて見てられんからです。目視でデータの抜き出しをするのに、最も楽な基準が10以上なだけです。まあ、種付けが10頭未満だとLive Foalが0ということにもなりかねないわけでもありますし、かかる手間の割りに結果への寄与が小さすぎます。それにその辺のマイナー種牡馬になるとPedigree Queryにデータが無い可能性もありますので、正直やりたくありません。とはいえ今年は昨年のデータを流用したので、今年10頭を割っていても、昨年10頭以上ならば入っています。血統を調べる手間がかからんですので。
父系と母系は私の主観で大雑把。特に母系に顕著です。まあ、そんなところを気にする人はほとんどいないだろうし、気にする人は自力でなんとでも出来るでしょう。言うまでも無く、どこまで正しいかは保証しません。
それで、どうしても血統が分からなかった種牡馬は1頭。イリノイのSupeona。River Oaks Farmというところにいるみたいなのだが、かろうじてStallion Registerで引っかかったので、場所と父だけ分かる。この父の繁殖成績なんかを見るにこの牧場のハウスブリードでしょうかという印象。
さて、一年でそんな大きく変わるわけも無いのだが、雑把に見ておこうか。
A.P. Indy系は55頭。孫世代の種牡馬はまだPulpit産駒だけ。Malibu Moonの156頭がトップ。他にStephen Got Even、Dance With Ravens、Full Mandate、Sky Mesa、A.P. Indy、Oratory、Tapit、Friends Lake、Mineshaft、Mingun、Pulpitが100頭を超えた。このうちSky Mesa、Oratory、TapitがPulpit産駒。
Seattle Slewは80頭。A.P. Indyを抜いてもこれだけある。ただ産地が散らばって、それぞれのところで中堅クラス程度の種牡馬になっているパターンが多いのかなとも。Slew City Slewが97頭、Vindicationが136頭。他にLeestownがルイジアナで120頭を記録。3世以降の種牡馬となるとCapoteが目立つ。その一方まだ直仔のVindicationが産駒デビュー前だったりもするが。
Secretariatが5頭。父系としてはこのまま滅び去るかなと。
Bold Rulerのマイナーな分岐は合わせて37頭。Yes It's Trueがいるくらいか。
Blushing Groom系は46頭。トップはYonaguskaの153頭。他に3桁に届いたのはCherokee Run、Orientate、Leroidesanimaux、Kafwain。なんか、Mt. LivermoreとRunaway Groomばっかしな感じも受けるんだが…。Rahyは57頭。
Caroのラインは28頭。ここは父系の更新が速いが、Indian Charlieが121頭を集める。In Excessが85頭で続いていて、Cozzeneのラインより優位。
Riverman系9頭、Fleet Nasrullah系4頭、Nashua系4頭、Never Bend系2頭、T.V. Lark系2頭、Mill Reef系1頭、Nasram系1頭、Naskra系1頭、Jaipur系1頭。以上がNasrullah直系かな。
Fappiano系が88頭。人気種牡馬が多く、Eddington、Empire Maker、Eurosilver、Even the Score、Domestic Dispute、Candy Ride、Broken Bow、Buddha、Unbridled's Song、Value Plus、Victory Gallop、Werblin、Wheelaway、Saarland、Songandaprayerが100頭を超える種付け。
Forty Niner系は48頭。Ecton Park、Distorted Humor、Trippi、Peace Rulesが100頭を超えた。孫世代ではCoronado's Quest、End Sweepあたりの産駒が目立つというところ。とはいえ最早トップサイアーのDistorted Humor次第ではあるのか。
Gone West系は61頭。Limehouse、Grand Slam、Alke、Elusive Quality、El Corredor、Double Honor、Strong Hope、Speightstown、Mr. Greeley、Omega Code、Smarty Jonesが100頭オーバーで、Fappianoと並ぶMr. Prospector系の中心。Gone West自身は73頭。
Gulch系は17頭。Thunder Gulchの140頭が救いか。Point Givenでも78頭止まり。Gulch自身は67頭。
地味に人気のMr. Prospector系なCarson Cityは26頭。City Zip、Cuvee、Five Star Day、Pollard's Visionが人気で、他はいまいちか。
Conquistador Cielo系としては13頭。Kingmambo系も北米には13頭。ま、北米よりは日本とか欧州に良い種牡馬がいるわけですが。Woodmanは9頭とはいえケンタッキーに残っているのはWoodman自身しかいない。
その他のMr. Prospector系が158頭。直仔レベルにもFusaichi Pegasus、Smart Strike、Pioneeringがいて、Fusaichi Pegasusからは早くもRoman Rulerが出ている。あとはAfleetのラインからAfleet AlexとNorthern Afleetの親仔。北米だとほとんど無いMachiavellianとしてStreet Cryがいるといった状況。
Raise a Native系31頭。ケンタッキーで165頭のMaria's Monとカリフォルニアで112頭のBenchmarkの2頭が中心。
Deputy Minister系で69頭。Forest Champ、Ghostzapper、Touch Gold、Posseが100頭を超え、Awesome Againが99頭。
Dixieland Band系は25頭。Dixie Unionが130頭と突出。来年からKentuckyに移るBowman's Bandはメリーランドで74頭。Dixieland Band自身が59頭。
Nijinsky系は26頭。Royal Academyが107頭でほとんどこれだけといった感じもあったり。
Nureyev系が21頭。トップはカリフォルニアで88頭のAtticus。なぜかカリフォルニアに種牡馬が多い。ケンタッキーだとCastledaleの51頭、Theatricalの50頭ということに。
Sadler's Wells系は14頭。Medaglia d'Oro153頭、Kitten's Joy127頭とEl Prado後継が強い。El Prado自身も76頭。直仔レベルではPowerscourtとPerfect Soulがそれぞれ100頭。直仔とEl Pradoの仔以外ではHorse Chestnutがいるだけ。
Storm Catに行かないStorm Bird15頭。今後はSummer Squallの後継次第ではあろうが、既にケンタッキーに種牡馬がいない。カリフォルニアで44頭のGlobalizeがトップ。
Storm Cat系は160頭。Forestry、Forest Wildcat、Forest Danger、Harlan's Holiday、Grand Reward、Giant's Causeway、Cactus Ridge、Bernstein、D'Wildcat、Consolidator、Johannesburg、Storm and a Half、Tale of the Cat、Storm Day、Storm Cat、Indian Ocean、Stormy Atlantic、Wildcat Heir、Teton Forest、Tomorrows Cat、Lion Heart、Yankee Gentleman、Roar of the Tigerが100頭を超えた。まさに圧巻。ケンタッキーに集中しているが、良血のStorm Cat系種牡馬はどこでも人気ではあります。
Danehill系は北米ではあまり人気無く4頭。North Lightの92頭があるだけ。
とはいえDanzig系自体は人気で70頭。直仔種牡馬が目立つ。大台に乗せたのはLangfuhrだけ。
Deputy Ministerに行かないVice Regentで10頭。もともとカナダ出身だけにオンタリオに集中。One Way Loveの117頭はオンタリオのトップ。昨年と比べて倍増してます。
Lyphardは直系としては2頭しか出てこず。
傍流のNorthern Dancer系として33頭。Lit de JusticeとLouis Quatorzeが100頭を超えたが、フロリダとメリーランド。
Nearctic系として51頭。Milwaukee BrewとSaravaの2頭はともにフロリダで100を超えた。ケンタッキーだとOfflee Wildの97頭がトップ。
Halo系が51頭。Devil His Due、Sweetsouthernsaint、Southern Image、Saint Liam、More Than Readyでふんばる。Saint Liamを失ったのは大きな痛手かとは思われ。
Roberto系25頭。Dynaformer112頭、Rock Hard Ten118頭。今年3頭の産駒がGIを勝っているArchは82頭。Kris S.の後継ではAction This Dayも82頭。
Damascus系で38頭。Old Topperがカリフォルニアで111頭、Say Florida Sandyがニューヨークで103頭、Swiss Yodelerがカリフォルニアで98頭あたりが目立つ。ケンタッキーにはGilded Time60頭、Skip Away44頭。
Round TableをPrincequilloに統合して19頭。ほとんどMeadowlakeとなっている。Round TableのラインだとK One Kingくらいか。
Buckpasser系としては16頭。Chapel Royalの165頭とPico Centralの75頭が目立つが、Pico Centralはフロリダ。
His Majesty系20頭。GraustarkもTom RolfeもArts and Lettersもまだ直系を残しているとはいえ北米のRibotとなるともうここに集約されて来つつはある。Pleasant Tapが112頭を記録。一方種付け料が高いPleasantly Perfectは53頭とちょっと少ないかなと。
In Reality系として50頭。Honour and Glory、Closing Argument、Tiznow、Successful Appeal、Officerといるのでまだまだ安泰なのはそうかなと。
主要産地ということで見てみる。
カリフォルニアはBenchmark112頭、Old Topper111頭、Swiss Yodeler98頭とかなり独自色があります。北米のトレンドとは一線を画していて、Storm Catは何頭か目に付くものの、Fappianoがほとんど見当たらないというのは凄い。その代わりなんでかNureyevが目立つ。というか北米のNureyev系の拠点。
フロリダはSongandprayerの182頭がトップで、Wildcat Heir173頭、Roar of the Tiger165頭で続く。Fappiano、Storm Cat、In Reality、Forty Niner、Gone West、A.P. Indy、Haloという感じか。とにかく上位は現役実績より血統背景がものを言っているような種牡馬が目立ちます。
ケンタッキーはRoman Ruler197頭、El Corredor195頭とSilvery Swanの仔が人気を集め、Stormy Atlantic191頭、Giant's Causeway191頭、Grand Reward187頭、Johannesburg183頭とStorm Cat系が迫る。さらにEurosilver179頭、Buddha172頭はともにUnbridled's Songの仔。なんかもうシャレにならんですね。Fusaichi Pegasusは前年213頭から今年131頭とかなり落ち込んだ。増えた方で目立つのはCity Zip、Stephen Got Even、Thunder Gulch、Pioneeringあたり。なんで今更Pioneeringかという気もしますが。
メリーランドはDomestic DisputeとDance With Ravensがそれぞれ126頭でトップ。Oratoryが108頭。この3頭は新種牡馬。一方昨年トップだったLion Heartedは100頭以上減らして139頭からわずか25頭に。ルイジアナはLeestownが120頭でトップ。Grand Slamの半弟です。その次がStorm Dayの109頭。ニューヨークはWheelawayの128頭がトップ。
昨年はもっとStorm Cat系の種牡馬が目立ったような感じはあって、今年は随分Fappiano系がそれに拮抗して牝馬を取り合ってるというような印象。Storm Catが減ったとかではなくてFappianoの伸び方が異常なだけですが。後Deputy Ministerもかなり増えた。Storm Cat、Seattle Slew、A.P. IndySadler's Wellsあたりは堅実に伸びると言う感じか。HaloとRobertoはSaint LiamやRock Hard Tenの寄与が大きい。Forty Ninerあたりが大きく減らしたんだが、なんだろうなこれ。Peace Rulesの減りだけでは説明つかん。リストから消えた大物もいない、つかLuhukが消えただけか、というところでなんか中堅以下も含めて満遍なく減らしてるという頭の痛い事態ではあるかと思われ。あとマイナーと思われるラインはどれも減る傾向ってのはあまり言うまでも無いことかなと思いますけど一応。

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ここしか見ない人もいるので一応。

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November 17, 2006 2:56 AMに投稿されたエントリのページです。

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