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今年のBCを振り返って

天候と馬場
雨が降って極端な馬場になったため、2歳戦なんかで注目したかったダートとオールウェザーの差異については判断材料が与えられなかった。これは来年の三冠戦に大きく関わってくるかとは思われるので、そのあたりで見ていくことになるかなと。
ダートは水が浮く馬場で、スタミナを誤魔化すことが出来たかと思われた。芝はかなり水を含んでいた上に、荒れてもいた印象でどれも厳しいレースにはなった。ただ、Turfの時計は遅すぎる。
金曜の新設レース
とりあえず2年後あたりにこれらが揃ってGIとされたら、所詮グレードなんてそんなもんですよくらいに思っても良いのではなかろうか。BCはシリーズとして更に芝スプリントやらダート長距離のレースを増やそうとしているようだが、ちょっと冷静になれよとは思う。Blood-Horseの記事を読んでいたら、"Belmont S馬に4歳になっても走る意味を与えてやる必要がある"とか、今更それを言うのかよ的な内容で笑うしかありませんでした。
1999年のFM Turf新設は大成功といって良い結果ですが、これは北米芝牝馬路線に対応するレースがBCにおいて抜け落ちていたからではあります。それに芝ということで欧州からの遠征が見込め、全体としてはやや劣る北米芝牝馬だけのレースにはならないということが成功の原因として考えら得るかと思います。
今年からの新設3レースを見れば、現時点で対応する路線が北米に存在しないのがJuvenile Turf、路線はあっても脆弱でレベルに疑問を呈されるのがFM Sprint、ちょっと距離がずれているのがDirt Mileとなるでしょう。
FM Sprintは6FでもPrincess Rooney SなどのGIがある路線ですが、全体としては7Fのレースが多いためどうせやるなら7Fという気がしなくもありません。ただ、それをやると9FのDistaffとの路線分離がやや曖昧になるというのはあるかな。ほとんど重ならないだろうけど、今年だとたとえばHumana DistaffはHystericaladyが勝っていますし。牡牝の使い分けが厳密なので、レースを新設するならSprintに対応した牝馬限定戦の必要性というのはあったかなと。今年の出走メンバーを見るに、上手くすればなんとかGIに出来ないことも無さそうだが、そうするためにはBCに向かうまでの路線をもうちょっと整備する必要がある。古馬が走れる6F牝馬限定GIがPrincess Rooneyだけでは路線そのものの魅力に欠ける。また、プレップレースがほぼ無いのもネックだろう。
Juvenile Turfは重賞もろくに無い路線でBCやっても…というところ。欧州からの遠征馬を当て込むにしても、今年Racing Post Trophyと被ったように日程的に不利。Juvenileへの遠征ならば芝でもダートでもというアピールになるが、北米芝を欧州馬が勝つことで得られるものは何かということになる。翌年にクラシックを控えるような馬がわざわざリスクを冒すほどのものにはならないだろう。そうなると北米での2歳芝路線の整備ということが必要で、現状BC前にはWoodbineくらいにしか存在しない芝重賞をある程度作ってやらないとどうしようもないのではないかな。あと、勝ち馬の将来が悲惨なことにならないためにも、3歳前半で目標になる芝レースを用意してやる必要もあるだろう。
Dirt Mileは北米の競馬場においてダート8Fをまともに取れるかどうかが問題になるとは思われる。実際Monmouthでは8F70ydという距離になった。ダート8FのGIは少なく、今年だとSanta Anitaの3歳牝馬限定Las Virgenes、BelmontのMetropolitan、3歳牝馬限定Acorn、FrizetteとChampagneの2歳戦、AqueductのCigar Mileに留まる。これは標準的な北米の競馬場においてダートコースは1周が大体8Fになるので、8F戦ではスタート直後にコーナーという形にせざるを得ないというのがあるからで、Las Virgenesはそういうレース。Belmontは規格外の競馬場ですし、Aqueductもちょっと直線が長くて1周で9Fを取ることができ、マイル戦はバックストレッチのポケットからスタートする1ターンで行われます。そんな事情もあって、この距離は北米ダートにおいてはあまり重要ではありません。牝馬戦なら8.5Fも目立ちますが、牡馬となるともう9Fにしてしまうのですね、特にGIでは。でも10Fとなると今度は長いと言い出す連中がいたりで、BCとしては悩みどころか。今年ならば勝ったCorinthianがまさにそれでした。まさかダート9Fで新設するわけにもいかんだろうし、こういうところで8.5Fは微妙という判断でもあったのかな。出走メンバーとしては去年のCigar Mileを勝ったDiscreet Catと今年のMet Mileを勝ったCorinthianが揃って出てきた段階でまず成功。他にWanderin Boyもいましたし、このレースはすんなりGIにしても良いのかなという印象。これからも目論見通りに10Fは長いという馬を集めることになるでしょう。それがClassicに影響を与える(玉砕覚悟で飛ばす馬がいるかどうか)ことになるんだろうけど。まぁ、来年はSanta AnitaですからDirt MileならぬAll Weather MileあるいはSynthetic Mileとなりますが、8Fでやるんでしょうな。でもあれ、Las Virgenes程度のレースだったらまだ良いんだろうけど、コースに対する不満は出るだろうなと。Hillside Turfのコーナーの中間からスタートしてメイントラックを横切って1周目の直線に入るFM Turfとどっちが酷いコース設定になるかは知らんが。
2歳戦
どちらもBelmontの1ターンマイルからの馬が逃げ切った形。上位に距離経験の無い馬が来ていたりするので判断は難しい。馬場の影響はあったと思うが。
War Passが来年どうかとなると、やはり父Cherokee Runがどうしても気になる。そう距離をこなすことは出来ないだろうし、このあたりがピークではないかという感覚は消えない。母系は文句無しなんだがなあ…
Indian Blessingは3戦目で無敗でというところを評価しておきたい。こちらは母系がやや弱い。Indian Charlieでどこまでフォローできるかだろう。牝馬に出ているし何とかしてくれるのではと期待する。
芝のレース
馬場状態の影響もあってどのレースも時計が掛かっていることは違いないが、Turfは掛かりすぎ。2Fのラップが27秒台というのはどうよ。
FM Turfは欧米のこの路線のレベル差を考えれば基本的に欧州馬の見立てでも良いレースではあるが、これまで勝った欧州調教馬はBanks Hill、Islington、Ouija Boardとモンスターばかり。向こうでのシーズンのまとめをやってから来るパターンになるだけに、それくらい抜けていないと厳しい点はあるのだろう。そう思うと、Passage of Timeは確かにその領域には到達していない。で、勝ったのがこれまた有力になるタイプのフランスからの移籍馬(過去にIntercontinentalとStarineが勝つ)であるLahudoodというあたりは上手く出来ているのかなと。もともとフランスからの移籍馬が幅を利かせるっちゃあそうなんだが。最初の2年以降勝てない北米の叩き上げはまたも涙を呑むことになった。近年はDynaformerが負けまくったからなという感もあるがな。Nashoba's Keyは血統的にも来年成長して戻ってきたら勝てそうではあるのだが。
MileでExcellent Artの追い込みが決まらなかったあたりは、コース形態と多頭数のなせる業。きっちり勝てないパターンに嵌められたのはあるが、まぁKip Devilleもマイルに関しては良い馬ですね。CosmonautがGIを勝てる日は来るんだろうかw
Awesome Again
2年連続でDistaffを持っていった。去年がRound Pondで今年がGinger Punch。他にも思い浮かぶ活躍馬がSpun SugarやSugar Shakeとかなんでフィリーサイアーではあるかなとも思うが、その一方で牡馬でもGhostzapper、Wilkoとビッグタイトルを持っているし、今年のClassicでもAwesome Gemが3着に入っていた。
上位で勝負できる馬は強いけど、割と極端なところはあるんだよね。
Smart Strike
English ChannelとCurlinで芝ダート双方のトップレースを持っていった。この2レースで軽く400万ドルを超える賞金を加算して、リーディング2位のA.P. Indyに500万ドル差が付き、こんなのひっくり返せるわけがありません。Mr. Prospector直仔としてはForty Niner以来の北米リーディングは確実。BCでTurfとClassic両方の勝ち馬を出しているのはこれまでにCozzeneのみ。同一年となると初めてのことではあるし、Cozzeneの場合はTikkanenにしてもAlphabet Soupにしても人気薄での勝利ではあるわけで、どちらも人気を背負って勝ったというのは芝でもダートでも適度なスタミナとスピードを与えるSmart Strikeの万能性を知らしめるに十分すぎるとは言えるかと。ただ、English Channelの引退が発表されましたし、来年以降この2頭に続くトップホースが台頭してくるかというあたりは課題になるか。3歳の芝にStrike a DealやPleasant Strike、Twilight Meteor、牝馬ではBel Air Beauty、Super Freakyとプロスペクトは多いのだが、まだ物足りない。ダートはAsmussen師があと1年Curlinを引っ張りたい様子なので待てないことは無いだろうが。
O'Brien
Juvenile TurfのAchill Islandには流石だと思わされた。来年以降もこれという馬を選んで連れてきたら有力だろう。
GIではExcellent ArtとDylan Thomasが勝ちに来たレースで、Simply PerfectとGeorge Washingtonはレース前から無謀な挑戦ではあった。そして最悪の結果になってしまった。
George Washingtonに関しては、なぜ今年もBC Classicを走らせたという想いは確かにある。その一方で、O'Brien師とBallydoyleにとってこのレースは何としても勝ちたいレースであるということも理解できる。思えばGiant's Causewayはなんと罪深いことをしたのだろうか。あの僅差の2着が無ければ、ここまでの執着は無かったかもしれない。Galileo、Black Minnaloushe、Hawk Wing、Hold That Tiger、Oratorio、そしてGeorge Washington。
George Washingtonは2歳と3歳でCartier Awardを得たほどの馬である。その2度目のCartier Awardから1年も経たないうちに、斯様な非業の死を迎えるとは誰が思ったろうか。世界はときどき必要以上に残酷になる…
この一件は北米ではBarbaroを思い起こさせるでしょうし、欧州ではHolatio Nelsonということになろうか。北米ダートだと、どうしてもこういうスピードの出せる馬場状態になったら危険というのはあるわけで、だからダートはダメだというのは短絡過ぎるでしょうけど、そういう意見が出るのも仕方が無いのではあるでしょう。ただ、人工馬場だと安全かとなると、どちらにしろコンディション次第なんだということは指摘されるべきかとも。
Racing Postの記事を見ていたらBolger師が言わなくてもいいことを言ってしまってます。
Ballydoyle's enigmatic star was humanely destroyed after the $5 million Classic at Monmouth Park in New Jersey on Saturday, prompting calls from leading trainer Jim Bolger for an end to dirt racing and drug use in US racing.
(途中略)
“His legacy, apart from being a very exciting champion, will be that from now on Breeders' Cups will only be run on Polytrack.
“The sooner they're all Polytrack and they cut out the drugs, it will be a better competition.
“If they had Polytrack and turf tracks without the drugs, it would sort the men from theboys.”
Racing Post: O'Brien praises ‘unbelievably talented horse'
ちょっと一方的に過ぎる見方かと。そしてこのフェイズでは薬物は無関係だし…。

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IRCやmixiにもいますが、そっちは適当に探してください。
ここしか見ない人もいるので一応。

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October 30, 2007 2:21 AMに投稿されたエントリのページです。

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