Sussex S
1.Court Masterpiece: Polish Precedent - Easy Option by Prince Sabo
2.Soviet Song: Marju - Kalinka by Soviet Star
3.Rob Roy: Lear Fan - Camanoe by Gone West
4.Aussie Rules: Danehill - Last Second by Alzao
5.Araafa: Mull of Kintyre - Resurgence by Polar Falcon
6.Echo of Light: Dubai Millennium - Spirit of Tara by Sadler's Wells
7.Vanderlin: Halling - Massorah by Habitat
レースを引っ張ったのはEcho of Lightで、その後にAraafa、外にVanderlin。コーナーを回ってから内埒沿いをさっと抜けたCourt Masterpieceが完勝。
Queen Anne Sでも2着に来ていたしCourt Masterpieceは十分強いのでしょう。ここはQneen Anne Sでの2着は直線での不利がすべてということを示し、マイル路線のトップに立ったとは言えそうです。6歳馬ということで、23年前のNoalcoholic以来の6歳馬の勝利となりました。といっても2着Soviet Songも6歳だがな。まあ、6歳程度でこれまでで最高齢となるのは、欧州のトップホースの引退の早さというのもあったんだろうけど、なにより現在この下の世代から強い馬が出てきていないということを示しているのではないかなとも。
Soviet Songは昨年の負けはまだ言い訳が立つが、今年は言い訳できない負けであるということで、完敗である事だし仕方ないといえば仕方ないか。速いペースについていけず、最後の1FでCourt Masterpieceが抜け出したときも追いすがれずといったあたり。それでも牝馬相手なら何とかなるかというレベルはあろうところでMatronなりSun Chariotなり出てくれば有力ではありましょうが…。
逆に言えばこの状態のSoviet Songに2着されていてはいけないんですよね。特に2頭の3歳馬。Araafaは前半にEcho of Lightの速いペースについて行ったことが全てであるという感じではありますが、それにしても古馬初挑戦とはいえ、そんな脆さを見せるのはちょっとなあ。
欧州前半戦を振り返る
結構前に
1972さまに振られた話ですが、キングジョージとSussex Sの結果も出たことですし、今更やってみる。
あさ◎コラム:1972のあさってに向かって大放談>上半期トップはどの馬?(アメリカ編)
元ネタになるような記事を見つけられなかったので、私の記憶だけが頼りです。
■古馬10-12F路線
今年の12路線には昨年の凱旋門賞馬Hurricane Run、BC Turf馬ShiroccoというFabre厩舎のトップ2頭が現役に残り、牝馬でも昨年が不完全燃焼のOuija Board、GodolphinにトレードされたShawandaと豊富なタレントが凌ぎを削ると考えられていました。更に3月のドバイでOuija Boardらを相手に逃げて完勝したHeart's Cryがキングジョージに参戦を表明し、また、シーズン序盤にはDeep Impactのキングジョージ参戦も囁かれるなど例年に無く日本馬にも注目が集まっていたとはいえるでしょう。
一方10Fを見ても、昨年のChampion Sを制してトップクラスにのし上がったDavid Junior、Godolphinの期待を背負うElectrocutionist、Irish Champion S3着の牝馬Alexander Goldrunなどが現役を続行しました。
これらのうちドバイで走ったのはOuija Board、David Junior、Electrocutionist、Alexander Goldrunで、David JuniorがDuty Freeを、ElectrocutionistがWorld Cupを勝って今後に期待を持たせた反面Sheema ClassicではOuija Board、Alexander GoldrunがHeart's Cryに完敗し、Alexander Goldrun陣営は12F制覇を諦めて10F専念を決意しました。ドバイで見せ場を作れず敗れ去ったOuija Boardはその後香港に出向きQueen Elizabeth II Cに出走するものの、囲まれ直線でようやく抜け出して追い込んだもののわずかに届かない3着に終わっています。ここまでがプレシーズン戦の様相。
欧州のシーズンが本格的に幕を開けるとまずShiroccoがGII Jockey Club Sを快勝。更に3頭立てとなったTattersalls GCではHurricane RunがAlexander Goldrunに付け入る隙を与えず、またCoronation Cに出走したShiroccoもOuija Board、Aceらを相手に完勝し、Fabre厩舎の2強は万全の体制でした。ここで凱旋門賞に狙いを絞ったShiroccoはキングジョージなどには見向きもせずに、このあと休養に入ります。
しかしRoyal Ascot開催でこの状況に変化が訪れます。まずはHardwicke Sで復帰予定だったShawandaが結局回避し、目標をシーズン後半戦にスライドさせることになってしまいます。また、ドバイ帰りのElectrocutionistとDavid Juniorが揃って出走したPrince of Wales's Sは最後にOuija Boardの末脚が決まって念願の10F戦勝利。Ouija Boardは今後も10Fを中心に出走することになりました。更に地元のGrand Prix de Saint-Cloudに出走したHurricane RunはPrideに真逆の敗北を喫してこの路線はやや混戦気味にキングジョージへと向かいます。
今年のキングジョージは6頭立てで3強のレースとなり、接戦をHurricane Runが制して欧州王者。後半戦は三歳馬を迎え撃つことになりそうです。
一方David JuniorはEclipse SでOuija Boardが直線で行き場を無くす外を悠々と差し切って復権。負けたとはいえOuija Boardは不利が全てで力負けしたのでは無く、David Juniorとの再戦が叶えばよいとは思う。Alexander Goldrunも牝馬相手のPretty Polly Sを勝って面目を保ち、10F路線の役者は揃いました。そして早速Nassau SでAlexander GoldrunとOuija Boardがぶつかります。
■欧州マイル路線
Raktiが去ったがSoviet Songが現役続行で、Proclamationらの復帰が期待されたマイル路線。Soviet Songは今年はシーズン初戦のLockinge Sに出走してきましたが、これを勝ったのは昨年のWindsor Forest SでSoviet Songに先着した実績を持つPeeress。その後Royal AscotではSoviet Songが牝馬相手に格の違いを見せWindsor Forestを快勝します。一方Queen Anne Sはラフなレースになりましたが、PeeressとProclamationが揃ってAd Valoremに敗れます。Ad Valoremはこの勝利で今シーズンからの南半球での種牡馬入りをキャンセルして現役続行となりました。しかしQueen Anne Sの評価は高くなく、Ad Valoremは直線でふらつくなど降着スレスレ。これによってPeeressやCourt Masterpieceらは不利を受けています。また馬場状態にも恵まれたという評価でしかありません。
そしてSoviet SongとCourt Masterpieceが3歳のギニー馬2頭を迎え撃つ形となったSussex SはLockinge Sを3着、Queen Anne Sを2着と着実に上位に顔を出していたCourt Masterpieceの完勝。やや翳りが見られるとはいえSoviet Songも2着に入りました。
■欧州スプリント路線
レースのたびに上位のメンバーががらっと変わる相変わらずのスプリント路線でしたが、今年になって急に台頭してきたLes ArcsがGolden Jubileeを勝つと更にJuly Cまで制してひとまずこの路線のトップに立っている形。しかしLes ArcsはGlobal Sprint Challengeへの参戦を表明し、今年の後半戦は全て遠征に充てることを表明しましたので、後半戦のスプリント戦線は来年このLes Arcsに挑戦する馬を決める戦いとなりそうです。
■各国ダービー馬
Epsom: Sir Percy: Mark of Esteem - Percy's Lass by Blakeney
Chantilly: Darsi: Polish Precedent - Darashandeh by Darshaan
Curragh: Dylan Thomas: Danehill - Lagrion by Diesis
Capannelle: Gentlewave: Monsun - Saumareine by Saumarez
Hamburg: Schiaparelli: Monsun - Sacarina by Old Vic
とりあえずとっさに仏馬が思い浮かばないですよw。というか現状ではパリのグランプリの方がここに並べるに相応しいような気がしてなりませんが。
イギリスのダービー馬はその後、Irish Derbyへの出走に向けて調整されていましたが、結局回避。キングジョージにも出走せず後半戦の復帰を目指すということになってしまいました。また、このダービーはSir Percyがこれまで8Fまでの経験しかもっていない、2着が未勝利馬、直線でまっすぐに追えずに勝ちを逃す形になった4着Hala Bekも1勝馬に過ぎず、レベルが疑問視されるきらいもありましたが、Irish DerbyでDylan Thomasが勝ち、Dragon Dancerも好走を見せるなどレベルは高かったと言えそうです
。
フランスのDarsiはその後Irish Derbyに出走して5着。2着Best Nameも沈んでしまいこちらはちょっとレベルが怪しいと言われても仕方無しか。
イタリアはFabre厩舎所属の遠征馬Gentlewaveが4馬身差で抜け出して勝ち、その後Irish Derbyを2着と今年は十分イタリアの外でやれるイタリアダービー馬ということにはなるでしょう。Fabre厩舎は今年の3歳ではGentlewaveのほかにパリ大賞勝ちのRail Linkまで持ってるわけで、2400mの路線では圧倒的な布陣。と思ってたのですがどうもGentlewaveは腱を怪我して休養というらしいですね。
アイルランドはO'BrienのDylan Thomasが完勝して、この辺りのレースでの強さはさすがといったところではあるだろう。
ドイツは変則日程になったため前走で古馬相手にGIを戦い2着となったSchiaparelliが勝つ。Samum、Salve Reginaの全弟という優れたプロフィールでもあり、今後の活躍にも期待が持てるでしょう。
■各国オークス馬
Epsom: Alexandrova: Sadler's Wells - Shouk by Shirley Heights
Chantilly: Confidential Lady: Singspiel - Confidante by Dayjur
Curragh: Alxandrova: Sadler's Wells - Shouk by Shirley Heights
San Siro: Dionisia: Tejano Run - Essies Maid by Linkage
Düsseldorf: Almerita: Medicean - Averna by Heraldiste
今年は英愛のオークスを完勝したAlexandrovaが抜け出して強いということにはなるでしょう。今後は10F挑戦も検討されているとのこと。Confidential LadyはIrish Oaksで惨敗し、12Fは無理な印象。Almeritaも中距離向きだろうとは思います。実際Bayerisches Zuchtrennenを走って3着ですし。Dionisiaもイタリアではダントツだろうが、国外に撃って出てこないことには分からないかなと。
■三歳マイル
牝馬は混戦でギニー戦で惨敗していたNanninaがCoronation Sを勝ち、一方ではSpeciosaらのギニー好走馬がAscotで沈む。ドイツで惨敗のRajeemがFalmouth Sでしてやったりとかもありますが、どうにもレベルが高いとはいえないでしょう。フランスではAstarteを勝ったMandesha、2着Impressionnante、3着Tie Blackあたりまでか。この辺はフランスから出るとどうなるか分からんのだが、Moulin de Longchampあたりで力試しして欲しいと思うところではあり。
牡馬の方はひとまずSt. Jamesを勝ったAraafaがトップ。仏ギニー2着でJean Pratを勝ったStormy Riverも安定感があって良さそうと言うところではある。しかしAraafaと仏ギニーのAussie RulesがSussex Sに出走して5着、4着と敗北。ここは英ギニー馬George Washingtonの復帰待ちか。
後半戦の展望
今年はキングジョージに3歳馬が出走せずで、12Fクラスの3歳と古馬の力関係が図りにくいのですが、レート的には低評価となってしまったキングジョージ勝ち馬Hurricane Runがどこまでというのが注目になるか。しかし、過去を遡っても古馬でキングジョージと凱旋門賞を連勝するというのは並大抵のことではなく、Ribot唯一頭がそれを成し遂げています。もしHurricane Runがこれに続くとなれば、凱旋門賞連覇もつくわけではあります。そのHurricane Runを脅かすのが、同厩のShirocco。Hurricane RunがPrix Foyを使うならShiroccoは一旦郷帰りしてGrosser Preis von Badenかとも言われていますが、さてどうだろ。3歳馬はパリを勝ったRail Linkと愛ダービーのDylan Thomasか。SchiaparelliはBadenで走るだろうから、もしShiroccoが遠征していれば面白いかなとも思うが。
12Fの牝馬は古馬に2頭、3歳に1頭。Hurricane Runに土をつけたPrideがYorkshire Oaksから凱旋門賞を目指して始動ということで、そう何度も上手くは行かないだろうが、活躍してくれれば面白いだろう。一方前半戦では走れなかったShawandaも適当なレースで復帰して凱旋門賞を狙って欲しい。英愛オークス馬のAlexandrovaもそんな感じで。
で、Electrocutionistはどうすんのかねとは思うが、Shawandaが復帰できてりゃ10Fに戻ってきても良いのではないかなと。
その10FはとりあえずDavid Junior。そしてOuija Boardの古馬2強になるかなと思われつつ、Alexander Goldrunも牡馬相手に走るだろうからそれに期待。3歳ではNassau Sで10F挑戦をするNanninaが通用すれば良いかなとは思われ、いきなりOuija BoardとAlexander Goldrunという相手はきつそうですが、ガンガレ。
マイル戦はCourt Masterpieceがちょっと抜けた存在ではあるのでしょう。Soviet Songも今年は牡馬相手では厳しいか。3歳はちょっとまだ期待できないのかなと。Araafa、Aussie Rulesの巻き返しか、George Washingtonの復帰あるいはStormy Riverがフランスでやるかどうかかな。Stormy RiverはDeauvilleかLongchampで走るだろうし。
BROTHER'S KEEPER / FAIR WARNING / AVALON MICP-10604
シングルカット曲のタイトルが[Don't keep me waiting]だったのですが、そりゃこっちのセリフだと思わず突込みを入れてしまったMariusさんです。
とりあえずFAIR WARNINGの歴史ということでこんなものを用意しました。
FAIR WARNINGの前身はZeno Roth率いるZENOで、そのZeno Roth本人が止めてしまったため、新たにHelge EngelkeとAndy Malecekを加入させてスタートすることになります。Helge EngelkeはZENOのセカンドアルバムのレコーディングには参加していたといわれてますが…。
ファーストアルバムFAIR WARNINGが日本で評判となり、本国の売り上げを軽く上回って来日公演の機会を得て、これが大成功。更にセカンドのRAINMAKERでその評価を確固たるものとしました。RAINMAKERはゴールドディスクを獲得。ただしこれらは日本での話で、本国ドイツなどでは苦戦したため、契約を切られてしまいます。
日本では評判が高かった事もあり、日本でそういった方面に強いレーベルと契約してサードアルバムGOをリリース。その後レーベルが倒産という事態に見舞われるも、すぐに新たな契約を得てFOURがリリースされた。
一方でGOは収録中にAndy Malecekの病気でほぼHelge Engelkeが二人分のギターを担当する事になったし、リリース後にC.C. Behrensが脱退となってしまう。また、アルバムのリリース間隔が長く、ライブにも積極的でないUle Ritgenに対する不満が特にTommy Heartに溜まっており、FOURのリリース後にはAndy Malecek、Tommy Heartが相次いで脱退して、事実上バンドが崩壊した。
Tommy Heartがいち早く動き、FAIR WARNINGよりもアメリカンなハードロックを志向してSOUL DOCTORを結成。また、バンドに対して積極的にならないUle Ritgenに見切りをつけたHelge EnglekeはC.C. Behrensと組んでDREAMTIDEを結成し、FAIR WARNINGの後継者たらんとします。遅れてAndy Malecekも自身のバンドLAST AUTUMN'S DREAMで復活。Ule Ritgenは旧知のUli John Rothのアルバムに参加するなどしていたが、目立った活動はしなかった。
SOUL DOCTORは3枚のアルバムを、DREAMTIDEは2枚のアルバムをリリースするもののFAIR WARNINGで得た成功には程遠く、次第にFAIR WARNING再結成に向けて動く事になります。HelgeとC.C.が組んでいることからも分かるようにFAIR WARNINGの崩壊は特に人間関係の問題に起因するものではなかったので、Andyを除いたメンバーでの再結成が実現しました。Andyは元々独特な音を出すスカイギターを持つHelgeの方が前面に出てしまいやすかったという部分はあって、それが不満ではあったんだろうなと。LAST AUTUMN'S DREAM自体コンスタントにアルバムをリリースしているので、まだSOUL DOCTORやDREAMTIDEのように行き詰まったというところがないのも大きいか。
ブックレットの解説によるとSOUL DOCTORもDREAMTIDEもまだ存続していて、並行してやるという事ではあり、Ule Ritgenがやる気の無いときは自分のバンドでということでも考えているんでしょうかねえ。
ということで、待望の再結成となったFAIR WARNINGですが、このアルバムを聴いているとかなりDREAMTIDEにダブります。当然Helge Engelkeがギターを弾いているんだから、DREAMTIDEに似るのでしょうけど、Tommy Heartってこんなだったかなというところがちょっと引っ掛かる。あとは曲作りの中心だったUle Ritgenがまだまだ感覚を取り戻していないのかなというあたり。Helge Engelkeのギターの寄与がかなり大きいのではないかなと。ただ、印象が似ているとはいえ、DREAMTIDEよりはっきりと上回ってはいて、DREAMTIDEがあまり人気を得られなかったのはこのあたりに差があるのかな。Tommy HeartとOlaf Senkbeilの違いもあろうが。
とにかくFAIR WARNINGが帰ってきたことは喜ばしい事。アルバムの内容もちょっと引っ掛かる部分があるとはいえ十分ではある。Burning Heartに匹敵するレベルにまでは行かないが、Don't Keep Me Waitingは確かに良い曲ではある。Tell Me LiesがDREAMTIDEっぽいところがありすぎて困ってしまうが…。
10月に来日公演ということで、行くかどうか迷ってます。もう随分こういったライブに行ってないもので…。で、さっきちょっと調べたら10月にIRON MAIDENも来るんだとよ。どっちかは行きたいなと。