来日した方々
プレレートも出てるがそれはひとまず置いて、今年の外国馬についてちょっと書いておこう。
■Warrsan: Caerleon - Lucayan Princess by High Line
まず、去年も来たWarrsan。どうも去年のレースを見る限りでは日本の競馬のペースについていけないという印象でした。再来日したからには陣営は何とかなると考えてるんですかね。一応この馬に関しては
去年も書いたので。
今年は始動戦のJockey ClubでAlkaasedに負け。それだけならまだしも、GumatやらBandariにまで千切られてちょっと待てというくらいやばいかなと思った部分はありました。そこから予定通りに三連覇の掛かったCoronation Cに向かいYeatsの前に歯が立たず。またしてもAlkaasedに先着されて、救いはBandariに先着してたことくらいか。この頃はもうWarrsanも終わりかという雰囲気だったのは確かです。そして今年も10F挑戦でPrince of Wales'sへ行ってAzamourらに歯が立たず。これでもうどうにもならないと思ったらキングジョージで前3頭には差をつけられるものの4着に入ってやや復調。そうするとGrosser Preis von Badenで連覇を決めてGI4勝目を挙げました。その後の凱旋門賞は8着。
とはいってもGI4勝という実績は文句なしで良いと思うんですよね。それがCoronation C2連覇とGrosser Preis von Baden2連覇というかなり微妙なところになってるからいまいち評価されてないのかなってところではあるけれども、それぞれのレースで下した相手もそこそこではあったし。確かに今年のBadenはCherry Mixが一番人気なんて状態でメンバーに恵まれたといわれても否定できないが。
今年こそK. McEvoyが日本に来るのかと思っていたら、この前母国で落ちて怪我をしたため乗れなくなったのが残念。その代わりとしてイギリスリーディングが来るならまあ文句を言ってはいけないところではあるかな。まあJ.P. Spencerとか言うんだけどさ、そのリーディング、なーんか去年やらかしてたような気がするのは気のせいということにしておこうかw。
とにかくCoronation Cが行なわれるEpsomにしろ、Badenにしろ左回りで、2400mなら大抵はこなすのではないだろうかと思ってましたが、左回りを得意にすると言う面はあるのだろう。評価されにくいGIながら、その舞台で下した相手を考えると、今年も欧州馬の中ではBagoの次くらいにしてはいいと思うんだよなあ。
今年は高速決着したキングジョージで4着に来てますし、全く速い競馬がダメということではないんだろうけど、さすがに日本の芝のペースが速すぎるというのはあるのかも知れず。2年目なのできっちりアジャストしてきてくれればとは思う。一応得意な条件なら持ちレート分はきっちり走ってるので、問題は東京の馬場だけってところだろう。それでもBagoとかその他に先着できるイメージは無いんだけどさ。
あとは「Caerleon最後の」ということになりそうなWarrsanですので、あの日本競馬に抜群の適性を示したCaerleonの血を享け継いだというシーンを見てみたいなと。
■Bago: Nashwan - Moonlight's Box by Nureyev
これを最後に引退してそのまま日本で種牡馬入りとなる凱旋門賞馬。高速決着に強い反面、古馬になってからは勝ちきれないところも見せています。というよりもまさか凱旋門賞馬がこんな温いレースを繰り返すようになるとは思いもしなかったと言うべきか。
今年は初戦のGaneyこそ勝ちましたが、その後は勝負に絡んではくるものの勝ちきれず。Tattersalls GCではGrey Swallowの前に2着と敗れ、Saint-CloudではAlkaasedに遅れをとる真逆の3着。King George、凱旋門と連続3着して、力はあるものの何かが足りないという印象のレースをやって、前走のBC TurfはShiroccoのペースにはまってやむなく動いたもののそれがたたる形になっての4着。Better Talk Nowほど惨めな結果に終わらなかったのはやはりこの馬の力の証でしょう。
今年を見ていると12Fでも馬場不問という感じになっているところはありますね。如何に父がNashwanと言ってもMachiavellianを出しているファミリーで、そのMachiavellianの全妹で自身フランスで2歳女王に輝いたCoup de Genieが祖母。母父にはNureyevってことでどちらかと言うと中距離向きではあるでしょうが、これくらい軽い方が日本の馬場には合うような気がします。このファミリーですから古馬になって伸び代ってのは無かろうかと思いますが、これまでの戦績から衰えというのは見られないですし、向こうのトップホースらしいところを見せていただきたいなというところか。
まあ、いくら高速馬場を得意にしているといっても欧州の高速馬場と日本のそれでは質が違うので、そこまで対応しきれたら良いよねというところではあるんだし。去年
怪走快走したのがPolicy Makerってことを考えるとBagoは十分勝負になると言えるでしょう。
■Ouija Board: Cape Cross - Selection Board by Welsh Pageant
去年も来日を予定していましたが、それは叶わず。今年こそやってきました。
英愛オークスをぶっこ抜いて、凱旋門賞で3着に来た去年から一転して今年は初戦のPrince of Wales'sで骨折し長期離脱。なんとか復帰して一叩きしてのBC FMTでしたが、Intercontinentalを捕まえきれずに2着でした。ただ、BCはもう少し距離があれば捕らえきっていたでしょうし、そういう意味ではやはり12Fのレースで能力全開になれば来る可能性はあるかな。結果的に今年まだ3戦しかしておらず疲労の蓄積も無いだろうってところもプラス材料だろう。
■Alkaased: Kingmambo - Chesa Plana by Niniski
今年のJockey Club Sで重賞初勝利。その後Coronation Cでの2着を挟んで出走したSaint-CloudでBagoを3着に下してGI馬になりました。その後はPrix Foyで2着、Champion Sで5着。この馬は凱旋門賞もBC Turfも直前で取り消す羽目になりましたし、本格化して以降は崩れなかったのにとうとうChampion Sで崩れたというところもあって難しいなというところはあります。今年の成績を見ている限りではBagoに次ぐ評価を与えなければいけないでしょうし、Kingmambo産駒ということから日本の馬場でやれる可能性も高いです。
母父のNiniskiはスタミナ方向に振ったNijinsky産駒で、Northern Dancer系を入れるというKingmambo産駒の配合のセオリーは抑えて、更に母Chesa Planaはドイツの活躍馬ですし、その全弟であるSan SebastianもGI Cadran賞を勝っており、良血と言い切れるわけではないものの、スタミナのある良い血統ではあるでしょう。ということでKingmambo産駒の走るパターンをそこそこ抑えたので、後はこのやや重過ぎるようにも見える母系が邪魔さえしなければってところか。
■Better Talk Now: Talkin Man - Bendita by Baldski
昨年のBC Turf馬にして、今年の北米芝をリードしたのがBetter Talk Now。しかし、欧州馬相手のBC Turfではペースメイカーを用意して万全の体制を敷くものの、そのShake the Bankを追いかけなかったShiroccoの策に嵌まりコーナーで無理やりまくりに行きますが、それは無謀すぎて結果は6着。動いての結果だからそう悲観するものでもないでしょうが、それでも欧州馬との差が歴然としたレースではありました。今回もBagoやAlkaased、Ouija Boardを相手に回しては厳しいところがあるだろう。
父Talkin ManはWith Approval X MiswakiということでCaro直系の芝馬。アメリカの馬と言っても父系はカナダのものだし、母系はフランスということで、このフランス色を強く持つ母系はかなり重い。それにCaroの直系を使って芝向きのスピードを手に入れたというところでしょう。そんなだから北米馬とはいえ、12Fがベストだろう。そしていくら展開が向かなかったとはいえ、BC Turfを見るに欧州馬に対して一枚落ちるところはあるだろう。
■King's Drama: King's Theatre - Last Drama by Last Tycoon
北米芝上位として今年のGI戦線を引っ張りました。欧州からの移籍馬で移籍後に開花した面があるとはいえこれもちょっときついか。
■Lava Man: Slew City Slew - Li'l Ms. Leonard by Nostalgia's Star
Hollywood Gold Cupをぶっちぎったときはかなり強い馬にも見えましたが、Jockey Club Gold Cupでは逃げられずに惨敗。体調に問題があったとも言われていますが、少し脆い面もあるのでしょう。
Lido Palace級とまで言うと言い過ぎになるかもしれませんが、Total Impactに続き今年も北米から強力な馬がやってきたことはJCDにとっても良いことでしょうね。
■Tap Day: Pleasant Tap - Day Mate by Dayjur
目立ちませんが、実績で言えばFleetstreet Dancer以上。ちょっと距離が気になるが10FのSuburban Hでも好走しているので何とかこなすかな。
■Eccentric: Most Welcome - Sure Care by Caerleon
今年も懲りずに参戦の欧州馬。一応GIII Winter Hill Sを勝ってますね。ダートで走るような血統には見えません。今年もまたかと言えばそういうことではあるだろう。いい加減にJRAのダートと向こうのオールウェザーは別物ということをちゃんと教えておいた方がよろしいかなと。