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在りし日々のガンガン 0話

■少年ガンガン前史

ドラクエのブームがその頂点に達していたのはドラクエIIIからドラクエIVにかけての時期であろう。エニックスはそのブームを利用する形で出版事業を展開し、ドラクエの小説化やゲームブック化などが行われた。そして、そのドラクエにある種特化していた当時のエニックス出版局から発行されたのが4コママンガ劇場である。
今ならば、同人誌を著作者が版元になって公然と売ってるようなものといけしゃあしゃあと言ってのけることもできるが、当然リアルタイムでそんなことを考える頭は無く、とにかくドラクエの世界が広がっていくということに感激していたものである。いまだに家に初期のドラクエ4コマの単行本が残っているが、今になって読み返してみるとこれが商業ベースで展開されたということに多少の恐怖を覚えないでもなかった。特に1巻目は下手な鉄砲を撃ちまくったと評してよく、マンガとして最低限必要な画力すらないままに書かれた作品も見受けられる。
そんなことを考えられるのは今になって懐かしさのあまり読み返してしまったという事情があるものの、驚いたことにいくつものネタを憶えていた自分はどうかしてると思った。あの時期に刷り込まれたものの影響の大きさを感じさせる。
話が逸れてしまったが、このドラクエ4コマシリーズは巻を重ねるごとに作家を重視する方向に転換していった。2巻あたりでその兆候はあったが、はっきりと示されたのは4巻であろう。また、この時期に支えていたのがすずや那智、石田和博、栗本和彦、柴田亜美の4人であったということもおよそ疑いの余地は無いところであろうが、その他にも衛藤ひろゆきを始めとして後にガンガンで連載を持つマンガ家が何人もいたことは特筆しておくべきである。また、このドラクエ4コマは同時に読者からの投稿作品を受け付けていて、後にはそういった読者投稿からレギュラーで4コマを連載し、最後にはマンガ家としてデビューした人間も多くいたことを付け加えておく。
このようなガンガン創刊直前に位置する時代を顧みるに、今のガンガンが月刊同人ガンガンなどと揶揄されても、元がそうだったと言えてしまいそうでなかなかに怖いものがある。もっともそういう意味で揶揄されているわけではないが…

少し話が違う方向に行ってしまうことになるが、ドラクエブームという状態を検証しておくならば、テレビアニメ版のドラゴンクエストと少年ジャンプで連載されたダイの大冒険を挙げなければならないだろう。テレビアニメ版はオリジナルストーリーで確か主人公の名をアベルとか言っていたと記憶している。肝心の話の内容などについては全く記憶に無いが、徳永英明の歌っていたED曲だけは鮮明に記憶に残っている。[夢を信じて]というのがそれであり、私と同じような方は多いのではなかろうか。さらに余談だが、このアニメ版は一度終わってから、時間帯を移して続編が放送されていたようにも憶えている。単なる再放送ではなかったと思うが、例によって記憶が曖昧なのであてにしないでいただきたい。
さて、ダイの大冒険については読み切りとして掲載されたものは、ドラクエIVのプロモーションの一環であったろうが、それが人気となったため本格的に連載されたのである。ジャンプ誌においても人気を博し、後にアニメ化もされた。こちらのアニメ版も理不尽な終わり方をしていたが、どうもストーリーが原作に追いついてしまったことが原因などとも言われている。アニメ放送の終了後も連載自体は続き、ジャンプのお約束を繰り返しながらも、なかなか良い終わり方をしたと思える作品だった。
しかし残念なことにアニメオリジナルのものもダイの大冒険もそこにドラゴンクエストであるという必然性は存在していなかった。ドラゴンクエストの世界とは言えないものであった。呪文やモンスター等の固有名詞を共有していたものとして受け止めるべき作品だったのかもしれない。そう考えると両作品ともアニメでのBGMにドラクエの曲をアレンジしたものを使ったり、ダイの大冒険に至ってはED曲でドラクエへの配慮を見せていたりした理由も自明のことであると思われる。なお、ガンガンの創刊はダイの大冒険が連載されてしばらくしたくらいの時期であったと記憶している。そこにエニックスがドラクエである必然性を持った作品を掲載したのは当然の流れであった。


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