これも初期ガンガンを絶妙な位置から支えた作品。ある意味ではナーガスよりも暑苦しいと言えよう。西川秀明はドラクエ4コマでも描いていたが、長編としてはこの作品が初めてになるのではなかったか。このためか初期と後期ではかなり違う作品になってしまった。最初の頃は少年漫画然としていたが、後半は何処か切れてるようなものばかり。特に六芒三邪神にまともなのはいなかったんじゃなかろうか。後半で主役を喰ってしまったギャンザとアジャンタのラブストーリーもマンガの印象を変えてしまった気がするし、最後は主役であったはずのナナシを喰ってしまったというところはあった。もっとも作者の描き方自体がかなり変化していて、後半は大ゴマにやたらと入り組んだ描き込みがされていた気はする。
最終的に全11巻という長期連載となったが、初期は明らかにすぐに終われる体制で連載が行われていた。その端的なものが六芒聖神の一角デジベルの扱いであろうかと思われるが、そんなところに突っ込みを入れても仕方がない。
機械生命体イーデアと人間が共存していた時代、イーデアを管理するマザーが暴走し、それを止めるために発動したZイレイザーによって世界が崩壊するという設定で、科学技術喪失世界を舞台にするお話。記憶をなくしたZイレイザーの化身である少年ナナシが主人公として旅をするストーリーである。こういったストーリーでのお約束はしっかり踏まえていて、読ませる話が多かったように記憶している。個人的にはヒルダの話が好きであった。
作者西川秀明の他の(エニックス以外の)作品についてはここではあまり触れない方が良いような気はするので、知りたい人はそれなりのところで探すとよろしかろうということにしておく。