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在りし日々のガンガン 3話

ハーメルンのバイオリン弾き / 渡辺道明 全37巻

ガンガン最長不倒のマンガになってしまったというべきか。いつ頃から人気になったのかがよく分からないが、クラシック音楽で戦うという設定が好きだった。
魔王ケストラーの息子でもある勇者ハーメルが魔王を倒すために旅をしている。その母親は天使の血を引いていてケストラーの手によって水晶の中に封じ込められている。双子の妹が魔王の側の幹部の一人。ハーメルと一緒に旅をしているオーボウは元魔王軍幹部。ハーメルに付いていくことになったフルートは実は王女様。ハーメルのために両親が殺されたライバルがいる。亡国の王子がいる…などなど一つ一つの設定は良くあるものですが、そこに音楽を絡めていることが独特の世界を作り上げた。また、かなりの長期連載だったこともあって、設定が複雑になっている印象が拭えないのは残念な事であった。
それでもスフォルツェンド防衛戦であるとか、リョート王子編は素晴らしい出来であったし、それ程大きく外したエピソードと言うのも無かったのではなかろうか。
また最初からギャグに走ることが多く、シリアスな場面とギャグの場面が入り乱れてしまう事が多かった。この辺りは好き嫌いのあるところであろうが、後半になるとそのギャグがしつこいくらいに繰り返されて、ストーリー展開のテンポを乱す点や、どんなキャラでもギャグに使われてしまうという節操の無さのせいでやや評価を落としてしまうのではないだろうか。ギャグをやりすぎて巻数が多くなったという批判も出るほどである。登場人物は何がしか重たいものを背負わされていたが、ギャグをやりすぎるせいでそれらは霞んでしまった。シリアスな展開の中でいきなりギャグを入れるせいで、話の重みが飛んでしまうなども問題として挙げられよう。まあ、初期の頃のドロップキックをぶちかますちゃいこふすきー様とかはかなりアレで好きだったが…。
戦闘場面はクラシックの名曲を演奏しながら、それによって人を操ったり、精霊を召喚したりして戦っていくのだが、初期にはそのクラシック曲解説(主としてオーボウの役目)が入ったりもしていた。これも話の流れを切ってしまう要素だったが、これこそがこのマンガの特徴でもあり、後半ではほとんど見られなくなったのが残念でならない。
とにかく灰汁の強い作品ではあったが、話が大きく破綻することは無く(とは言えないかも知れないが)完結したことを付け加えておく。
アニメ化もされているが私は見ていないのでわからない。
エニックスのマンガの場合は長期連載でコミックの巻数が増えると次第に新規のファンをつかめなくなり、後半の発行部数はかなり少ないと言われている。ハーメルンのバイオリン弾きの場合は30巻以降で顕著であり、アマゾンのユーズド価格を眺めていると結構愉しくなる。運良くブックオフなんかで発見したなら普通に100円で手に入りそうではあるがね。
なおハーメルの連載が終わった後に連載されたファントムデッドオアアライブという作品についても触れておく。これは戦闘機パイロットのマンガであったが、ハーメル後期の悪ノリをそのまま引き継いでしまい、過剰なギャグのため話はわかりづらく登場人物にも共感できないと最悪のパターンであった。当然のように打ち切られた。
現在ヤングガンガンにおいて続編にあたるハーメルンのバイオリン弾きシェルクンチクが連載されている。


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