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April 2007 Archive

April 1, 2007

ARB報告から見る長距離戦の現況

ThoroughbredNewsなどを見ていましたらちょっと面白い記事があったので紹介します。
ThoroughbredNews: The future of staying races in Australian Racing
Australian Racing Boardが発表したレポートについての記事で、原文はARBのサイトにでもあるんじゃないかなと思いますけど、ざっと見て見当たらなかったのでパス。プレスリリースにARBのチェアマンBob Pearsonのコメント付きの要約なら見つけましたが、ThoroughbredNewsの記事の方が詳しいです。
オーストラリアの長距離戦は各地区でカップ戦が行われており、その頂点のようなレースがMelbourne C(Victoria)なのですが、この他Adelaide C(South Australia)、Sydney C(NSW)、Brisbane C(Queensland)、Perth C(Western Australia)という3200mのレースが行われています。このうちレベルの劣る西オーストラリアのPerth Cは1992/93シーズン以降GIIに降格していましたが、今シーズンはさらにAdelaideとBrisbaneのカップ戦がGIIに降格しました。またBrisbane Cは2400mに短縮される可能性があります。事情はニュージーランドも同じで、Wellington C、Auckland C、New Zealand Cというレースが3200mで行われていますが、このうちNew Zealand CはGIIです。また、Makybe Divaのようなチャンピオンステイヤーを擁していなかったとはいえMelbourneでDelta BluesとPop Rockに全く敵し得なかったのがオーストラリアのステイヤーの現状です。
ARBも何も手を打たないわけではなく、2300m以上のレースを対象にしたAustralian Stayers Challengeと銘打ったシリーズを開催しているのですが、あまり効果を上げてはいないようです。昨年もあったのですが、1年間のシリーズなのに残りの1ヶ月でGIを2勝しただけのTawqeetがチャンピオンになってしまっては興醒めもいいとこでしょう。
さて、ARBのレポートはこうした状況にあるオーストラリアの長距離戦の将来に向けての戦略を立てるための議論を惹起するためにまとめられました。では、レポートの内容を少しずつ紹介します。
レポートによるとオーストラリア競馬界が長距離戦に関して抱える問題は以下のとおりです。
  • オーストラリアにおけるステイヤーの質の低下及び裾野の減少
  • ステイヤーのレース出走機会が不十分であること
  • ステイヤーを所有するオーナーに対するインセンティブの不足
  • オーストラリアの生産界がスピード重視であること
  • オーストラリアがスプリントレースに制圧されかけている事
ステイヤーの質に関しては先のMelbourne Cを見れば明らかでしょう。また、Makybe Divaの同レース三連覇は賞賛されるべきことですが、それは同時に層の薄さの反映でもあったと考えられます。後半3つはほぼ関連した内容であって、スピードに優れる短距離馬には活躍の馬が豊富に用意されていますし、牡馬であれば人気のある種牡馬になることが可能です。長距離戦ではGIであるThe BMW、Sydney C、Caulfield C、Melbourne Cこそ高額な賞金を誇りますが、それ以外は低い賞金であり、また引退後の種牡馬入りに関しても厳しいものがあります。これは生産界がステイヤーを欲していないという事情があり、そしてそれはステイヤーの層を薄くしています。オーストラリアではDanehillを中心にスピードのある種牡馬が優位を占めているのは今更指摘するまでもありません。Desert Kingはステイングパワーに富んだ種牡馬で、Makybe Diva以外にも長い距離で活躍する産駒をだしますが、スタミナインデックスは10.3Fで、それほど本格派のステイヤー種牡馬ではありませんし、Desert Warのようにむしろ短い方を好む産駒というのも多いです。
ステイヤーの出走機会については統計が出ており、オーストラリアの全レース(19821戦)中2200m以上のレースは508戦でわずかに2.6%。それらのレースの出走馬も全体の2.67%にしかなりません。これは他の競馬主要国(ダート主体のアメリカを除く)と比較しても少ないとは言えます。しかし、リステッド以上のレースとなるとオーストラリアは542戦中64戦が2200m以上であり、その割合は11.8%に急上昇します。それをまとめると以下のようになります。元記事中にもありますが、見難いので表を作りました。
Country総レース数2200m超2200m超の割合上級レース数2200m超2200m超の割合
Australia198215082.6%5426411.8%
Britain55543656.6%286269.1%
France5482180839.5%2335624.0%
Ireland227049922.0%1041413.7%
NZ27231174.3%1482114.2%
US514911580.3%1965562.8%
Japan(Total)168541941.2%2173214.7%
JRA33201775.3%1802916.1%
NAR13534170.1%3738.1%
フランスにおける長距離戦の突出振りってのも目に付きますが、オーストラリアやニュージーランドは全体のレースに占める長距離戦の割合に比してリステッド以上のレースでの長距離戦の割合が極端に多く歪な印象を受けます。そしてそれは日本も同じであるということは注意しておいた方が良いのかもしれません。
ところで、このような状況ながらオーストラリアにおいては12年前に比して長距離戦のレース数及び全体に占める割合は増加しているのです。レース数では476から508に、割合でも2.04%から2.56%への上昇です。ただし、メトロクラスのレースでの割合は5.4%から5.2%とわずかに落ちており、レベルの劣るカテゴリーで長距離レースが増えているようです。出走頭数としては一旦99/00シーズンまで減少し、底を打ってから05/06シーズンには12年前の水準に回復しました。出走数に占める割合は上昇していますが、これは全体的にレースの出走数が減ったのではないかと考えられます。2700mを超えるようなレースを見ても20戦から38戦と倍ちかく増えておりますが、このカテゴリーの出走馬の割合は減少しました。
それぞれが都市の名を冠することからも分かるようにオーストラリアにおいて長距離戦は各地のカーニバルの中心に位置するレースとして重要な位置を占めていました。現在でもそうであるのはMelbourne Cだけで、大目に見てもSydney Cは既にそうではないと言わなくてはならないでしょうし、その他は言わずもがなです。Melbourne Cにしても観客数でVictoria Derbyに負けて安泰と言い切れる状況でもないのでしょう。オーストラリアパターンレース委員会はAdelaide CとBrisbane Cの降格によって、重賞の格付けについては現在のレースのレベルを以って評価し、過去において果たした役割或いは将来的な可能性については考慮しないことを明確にしました。ARBのAustralian Stayers Challenge以外にも長距離戦振興のために対策を講じられていますが、なかなか上手くいかないというところはあるのかなと。
ARBがこういった報告書をまとめた原因の一端にMelbourne Cがあったのは間違いないかとは思いますが、日本も部分的には同じ問題を抱えているとは言えるでしょう。長距離戦が極端に無いNARは別にしても、JRA単独でも5.3%に対して16.1%というのは差が大きいと言えます。JRAがレース体系の中で長距離戦をどう扱うかというのがARB同様問題になっては来ると思います。実際春の天皇賞の出走メンバーが問題になるようなこともありましたし、この手の長距離戦の低落は決して日本にとっても無関係ではありえないでしょう。下級条件での長距離戦の不足(とはいえ出走馬も少ない)も時折指摘される事ではあります。おそらくその決壊をかろうじて防いでいるのが菊花賞(及び春の天皇賞)が持つ旧八大競争という権威でありましょうし、最近は避ける馬も多くなりつつあるとはいえ、3歳馬の多くが秋に菊花賞に照準を合わせようとするというクラシック三冠体系の霊威(仮にディープインパクト、メイショウサムソン或いはネオユニヴァース又は将来も現出するであろう春の二冠馬が菊花賞ではなく天皇賞に向かったとしてあなたはそれを賞賛できるかという問題)でもあるのでしょう。藤沢厩舎や松国厩舎のように菊を軽視する厩舎から二冠馬が出たときにどうなるかというところでもあるでしょうけど。
ただ、日本とオーストラリアの間の決定的な差異はオーストラリアが短距離に傾くのに対して、日本は中距離に傾くというところ。先の高松宮記念を見れば分かるように、日本においては今のところ短距離戦は十分な求心力を持ちえませんし、種牡馬に対する要求も短距離のスピードではなく中距離のスピードとスタミナであることもポイントになります。ステイヤーもスプリンターも日本における種牡馬需要としては少なく、1600-2400の実績を要求されるってのはあると思います。だからこそ、サクラバクシンオーのような存在に意味が出てくるのでしょう。そういった面では日本の、というかJRAの競馬がこれから直面するかもしれない問題としては1200mと3000m級のエクストリームな部分をレベル的に切り捨ててマイルからマイルハーフに集約していくのかどうかということなのかなあとも。それが良い事なのかどうかはわかりません。
まあ、マンハッタンカフェがあの競争実績で人気種牡馬になるというのは日本以外から見れば不可解な現象でもあるでしょうし、今のところはまだ、欧州以上に3000mクラスのGIを評価しているのが日本です。ただ、一度流れ始めるとドラスティックに行ってしまうかなと思うところもあったりするのです。

April 6, 2007

2007 Worldwide GI Races 3

2007/03/03MRC Futurity SAUSCaulfield1600mAqua d'AmoreDanehillRomantic RiverIrish River1-tDanehill
2007/03/03AJC Chipping Norton SAUSWarwick Farm1600mHe's No Pie EaterCanny LadLadie's DayAscot Knight8-f Best In ShowStar Kingdom
2007/03/03ARC New Zealand DerbyNZEllerslie2400mRedoute's DancerRedoute's ChoiceCondescendanceEl Gran Senor5-h Carpet SlipperDanehill
2007/03/03Santa Anita HUSASanta AnitaD10FLava ManSlew City SlewLi'l Ms. LeonardNostalgia's Star8-kSeattle Slew
2007/03/03Frank E. Kilroe MileUSASanta Anita8FKip DevilleKiplingKlondike KaytieEncino2-sGulch
2007/03/03CriadoresARGPalermoD2500mBartolaRoyBaronesitaPolitical Ambition9-gFappiano
2007/03/04Hong Kong Gold CHKSha-Tin2000mVengeance of RainZabeelDanelaghDanehill1-oSir Tristram
2007/03/04Chairman's Sprint PrizeHKSha-Tin1200mAbsolute ChampionMaraudingBeauty BelleIdeal Planet18Sir Tristram
2007/03/04SA Fillies ClassicSAFTurffontein1800mDane JuliaCaesourPrecious JuliaDanehill2-sNureyev
2007/03/04SA ClassicSAFTurffontein1800mDivine JuryJalladDivine NymphAl Mufti10-cBlushing Groom
2007/03/04Empress Club SSAFTurffontein1600mLittle Miss MagicJet MasterAl NibariAl Mufti3-iNorthern Dancer
2007/03/07ARC Auckland CupNZEllerslie3200mPrize LadyPrizedPen Bal LadyMummy's Game6-fRoberto
2007/03/10VRC Australian CupAUSCaulfield2000mPompeii RulerGenuineWest With NightPompeii Court2-bSunday Silence
2007/03/10VRC Australian GuineasAUSCaulfield1600mMiss FinlandRedoute's ChoiceForest PearlWoodman1-s Moon CactusDanehill
2007/03/10VRC New Market HAUSCaulfield1200mMiss AndrettiIhtiramPeggie's BidMarooned8-iNijinsky
2007/03/10AJC Randwick GuineasAUSRandwick1600mMentalityFlying SpurSynaesthesiaQuiet AmericanA5Danehill
2007/03/10ARC Starcraft NZ SNZEllerslie2000mGazeCape CrossEye FullPalatable8Danzig
2007/03/10ARC Ford Diamond S (Sires Produce)NZEllerslie1200mAlamosaO'ReillyLodore MysticCentaine10-aTry My Best
2007/03/10Santa Margarita Invitational HUSASanta AnitaD9FBalanceThunder GulchVertigineuxKris S.4-rGulch
2007/03/11Santa Anita OaksUSASanta AnitaD8.5FRags to RichesA.P. IndyBetter Than HonourDeputy Minister8-f Best In ShowA.P. Indy
2007/03/11Saturnino J. UnzueARGPalermoD1200mStormy VilBernsteinForty VillaRoar3-jStorm Cat
2007/03/11Santiago LuroARGPalermoD1200m Saludable NovRomanovSuldeableNew Dandy8-dNureyev
2007/03/11Grande Premio DianaBRZGavea2000mImmortelleVettoriBaby RafaelaBeau Genius1-aMachiavellian
2007/03/17WRC New Zealand OaksNZTrentham2400mPrincess CoupEncosta de LagoStoneyfell RoadSovereign Red1-nFairy King
2007/03/17STC Coolmore ClassicAUSRosehill1500mTuesday JoyCarnegieJoie DeniseDanehill16-cSadler's Wells
2007/03/17STC Ranvet SAUSRosehill2000mDesert WarDesert KingHigh HeelsCanny Lad9-hDanehill
2007/03/17LatinoamericanaARGLa PlataD2100mGood ReportRide the RailsGood PearlSenor Pete7Fappiano
2007/03/18Hong Kong DerbyHKSha-Tin2400mVital KingAlmutawakelWauwinetBassenthwaite13-aMachiavellian
2007/03/18Francisco Eduardo de Paula MachadoBRZGavea2000mIvoireKnow HeightsChan TongHampstead4-bShirley Heights
2007/03/24STC Rosehill GuineasAUSRosehill2000mHe's No Pie EaterCanny LadLadie's DayAscot Knight8-f Best In ShowStar Kingdom
2007/03/24Gilberto LerenaARGPalermoD1600mEstrictaRoyEnmendadaMari's Book6-fFappiano
2007/03/25高松宮記念JPN中京1200mSuzuka PhoenixSunday SilenceRose of SuzukaFairy King1-tSunday Silence
2007/03/25AJC The GalaxyAUSWarwick Farm1100mMagnusFlying SpurScandinaviaSnippets1-pDanehill
2007/03/31STC Arrowfield Stud SAUSRosehill2000mMiss FinlandRedoute's ChoiceForest PearlWoodman1-s Moon CactusDanehill
2007/03/31STC The BMWAUSRosehill2400mBlutigerooEncounterShanghai SkyZamazaan5-aSir Ivor
2007/03/31STC George Ryder SAUSRosehill1500mHaradasunFusaichi PegasusCircles of GoldMarscay22-bMr. Prospector
2007/03/31STC Golden Slipper SAUSRosehill1200mForensicsFlying SpurProve ItDehere20-aDanehill
2007/03/31STC Queen of the Turf SAUSRosehill1500mDivine MadonnaHurricane SkyMy MadonnaPrego4-oStar Kingdom
2007/03/31WATC Australian DerbyAUSAscot(AUS)2400mGuynoO'ReillyRiver CenturyCentaine2-eTry My Best
2007/03/31Manawatu Sires Produce SNZAwapuni1400mNightlignAlignIndian SquawCarolingian22-bNight Shift
2007/03/31Dubai Golden ShaheenUAENad Al ShebaD1200Kelly's LandingPattonBest GameGreat Above9-cBrigadier Gerard
2007/03/31Dubai Sheema ClassicUAENad Al Sheba2400mVengeance of RainZabeelDanelaghDanehill1-oSir Tristram
2007/03/31Dubai Duty FreeUAENad Al Sheba1777mAdmire MoonEnd SweepMy KatiesSunday Silence7-f KatiesForty Niner
2007/03/31Dubai World CupUAENad Al ShebaD2000mInvasorCandy StripesQuendomInterprete14-cBlushing Groom
2007/03/31Florida DerbyUSAGulfstreamD9FScat DaddyJohannesburgLove StyleMr. Prospector1-wStorm Cat
2007/03/31SA DerbySAFTurffontein2450mRavishingJet MasterCrimson LilyRoyal Prerogative11-bNorthern Dancer
2007/03/31Horse Chestnut SSAFTurffontein1600mElusive FortFort WoodEver SeekingSecret Prospector6-fSadler's Wells
Redoute's Choice産駒がぱっとしなくても代わりに勝ってるのがFlying Spurという状況ですから、オーストラリアのDanehill人気は止まるところを知らないという事になるんだろう。まあ、こういった状況がこの前のARBの報告書に指摘されるスプリント偏重を加速しているというのはあるのでしょう。
End Sweepは夭折したのが惜しまれるとは思うところです。この種牡馬の場合は牝馬の方で強く出るというところもありましたのでAdmire Moonが現れて、日本産馬での後継種牡馬になれそうなのはまず良しという感じはありますかね。とにかく母父サンデーサイレンスに対してうまくかみ合ったのが成功の理由の一つではあるともいます。
Northern Dancer
|Rakeen
||Jet Master>Little Miss Magic, Ravishing
|Danzig
||Danehill>Aqua d'Amore
|||Redoute's Choice>Redoute's Dancer, Miss Finland
|||Flying Spur>Mentality, Magnus, Forensics
|||Desert King>Desert War
||Green Desert
|||Cape Cross>Gaze
|Nureyev
||Caesour>Dane Julia
||Romanov>Saludable Nov
|Nijinsky
||Royal Academy
|||Ihtiram>Miss Andretti
|Try My Best
||Last Tycoon
|||O'Reilly>Alamosa, Guyno
|Storm Bird
||Storm Cat
|||Bernstein>Stormy Vil
|||Hennessy
||||Johannesburg>Scat Daddy
|Fairy King
||Encosta de Lago>Princess Coup
|Sadler's Wells
||Carnegie>Tuesday Joy
||Fort Wood>Elusive Fort
|Night Shift
||Align>Nightlign

Turn-to
|Hail to Reason
||Roberto
|||Kris S.
||||Prized>Prize Lady
||Halo
|||Sunday Silence>Suzuka Phoenix
||||Genuine>Pompeii Ruler
|Sir Gaylord
||Sir Ivor
|||Sir Tristram
||||Zabeel>Vengeance of Rain
||||Marauding>Absolute Champion
|||Imperial Prince
||||Victory Prince
|||||Tierce
||||||Encounter>Blutigeroo

Seattle Slew
|Slew City Slew>Lava Man
|A.P. Indy>Rags to Riches

Blushing Groom
|Jallad>Divine Jury
|Candy Stripes>Invasor

Shirley Heights
|Know Heights>Ivoire

Mr. Prospector
|Gulch
||Thunder Gulch>Balance
||Kipling>Kip Deville
|Fappiano
||Roy>Bartora, Estricta
||Cryptoclearance
|||Ride the Rails>Good Report
|Machiavellian
||Vettori>Immortelle
||Alumutawakel>Vital King
|Fusaichi Pegasus>Haradasun
|Forty Niner
||End Sweep>Admire Moon

Star Kingdom
|Biscay
||Bletchingly
|||Canny Lad>He's No Pie Eater
|||Star Watch
||||Hurricane Sky>Divine Madonna

Brigadier Gerard
|General
||Lord at War
|||Patton>Kelly's Landing

April 7, 2007

4/7 Wood Memorial S GI Aqueduct NY Dirt 9F

Circular Quayが回避してしまって興味半減ではあるが、それでもSanta Anita Derbyより重要なレースにはなった。未だ人気の衰えないNobiz Like Shobizと前走Street Senseに食らいついたAny Given Saturdayが決戦。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Nobiz Like ShobizAlbert the GreatNightstormStorm CatCornelio H. VelasquezBarclay Tagg
2SightseeingPulpitResortPleasant ColonyJavier CastellanoClaude R. McGaughey III
3FlashstormStorm CatKristiSt. JoviteJohn JacintoD. Wayne Lukas
4Cowtown CatDistorted HumorTom's CatStorm CatFernando JaraTodd A. Pletcher
5Summer DoldrumsStreet CryDance for DixieDixieland BandMichael J. LuzziRicahrd A. Violette Jr.
6Any Given SaturdayDistorted HumorWeekend in IndyA.P. IndyJohn R. VelazquezTodd A. Pletcher
7Reptillian SmartsIncludeForever YoungShadeedDavid Romero FloresTimothy Ritvo
Nobiz Like Shobizは前走Fountain of Youth Sで3着。勝ったScat Daddyとの差は半馬身と大きく負けたというわけではありませんが、ちょっと見所のないレースには見えました。レース自体も楽なペースで進んでいましたので、Scat Daddyに交わされ、Stormelloを捉えられなかったというのは期待はずれです。Derby戦線で前人気は高いのですが、これまでのところその人気に応えるだけのものを見せたとは思えません。Circular Quayもいないこのレースでしっかり結果を残せないと厳しいのではないかなと思われます。
Any Given Saturdayは前走Tampa Bay DerbyでStreet Senseのレコード駆けにハナ差の2着。Street Senseとの差は4コーナーで通った部分の差ではありました。無論Any Given Saturdayはそれまでに使われていたことと、Street Senseが今年初戦であったということも考えなければなりませんが、この馬の実力も非凡なものがあるとは思われます。Nobiz Like Shobizを倒してNYから名乗りを上げるということになるかなと思います。Pletcher師としてはCircular QuayとAny Given Saturdayをこんなところでぶつける必要もないという判断でCircular Quayを直行に変えたのかなとは思われます。まあ、今年何頭出て来るつもりかというPletcher厩舎ですが、これまでDerby戦線にはあまり縁が無かったので(といっても昨年Bluegrass Catで2着に入っていますが)いろいろなやり方を模索しているという部分もあるのかなとも。
Cowtown CatはSwale Sを3着とした後、距離を延ばしたGotham Sで、Summer Doldrumsを下しています。レベルとしてはまだまだかなと思うところもありますし、Derby路線に有力馬を多く抱えるPletcher厩舎ですから、ここもAny Given Saturdayと比べるとどうも落ちる部分はあるというところです。それぞれオーナーが異なるので露骨にサポートということにはならないでしょうが。
Flashstormは勝ち上がるまでに手間取っています。MaidenでCircular Quayの2着とかもあったりしますが、勝ち上がるまでに8戦を要しました。前走のAllowanceで5馬身千切っていますが、時計は平凡です。Reptilian SmartsはAqueductでMaiden、Allowanceを連勝しました。その勢いであわよくばというところなんだろう。Sightseeingは7戦してMaidenの1勝だけ。Nashua S2着とかあるけど、千切られてるし、何らかのファクターになるとは思えない。Summer DoldrumsはWhirlaway SでNY戦線をリードしてきたLawrence the Romanを下して地区のトップになりましたが、続くGotham Sで敗れています。あまり良くないか。

Result

1.Nobiz Like Shobiz: Albert the Great - Nightstorm by Storm Cat
2.Sightseeing: Pulpit - Resort by Pleasant Colony
3.Any Given Saturday: Distorted Humor - Weekend in Indy by A.P. Indy
4.Summer Doldrums: Street Cry - Dance for Dixie by Dixieland Band
5.Reptillian Smarts: Include - Forever Young by Shadeed
6.Flashstorm: Storm Cat - Kristi by St. Jovite
Non Runner: Cowtown Cat
Cowtown Catはイリノイに回って快勝しています。
Flashstormがハナを狙い、これにSummer Doldrums外から並びながら行って、内からはNobiz Like Shobizで、この3頭の外にはAny Given Saturdayという形になったのですが、スタート後の1コーナーで最内にいたNobiz Like Shobizが大きく外に膨れて、馬群全体が外に振られる形になってしまいました。ちょっとラフだったかなという印象もあります。この影響をまともに受けたのがAny Given Saturdayで、3頭から少し遅れる形になります。向こう正面でFlashstormが脱落し、Summer Doldrumsもコーナーで離されると、直線ではNobiz Like ShobizとAny Given Saturdayの争いに見えましたが、Any Given Saturdayに余力が無く、外からSightseeingが伸びてきますが、Nobiz Like Shobizとの差を詰めるだけで並ぶところまでは行けませんでした。
これまで人気先行という印象しか持っていなかったNobiz Like Shobizが最終プレップで結果を残したという事になりますし、この展開を押し切れたということは本番でも鍵を握る一頭となる事は出来るかなとは思われます。ただ、前半がやや厳しかったという部分もありそうなんですが、最後に脚が鈍ってSightseeingに詰めてこられたというのはちょっと不満でもあるか。
Any Given Saturdayは1コーナーで外に振られてしまったというのもありますが、これくらいで根を上げてしまうようでは本戦の厳しさでどうかとも思われます。

4/7 Carter H GI Aqueduct NY Dirt 7F

Keyed EntryとLatent Heatには期待している。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Wild JamForest WildcatGold PlumCahill RoadMichael J. LuzziBenjamin W. Perkins Jr.
2KazooTabasco CatVennila CreamValid AppealRudy R. RodriguerzRichard E. Dutrow Jr.
3Ah DayMalibu MoonEndetteThirty Eight PacesMario G. PinoKing T. Leatherbury
4Silver WagonWagon LimitSo RitzyDarn That AlarmJavier CastellanoRichard E. Dutrow Jr.
5DiabolicalArtaxBonnie ByerlyDayjurCornelio H. VelasquezSteve Klesaris
6Latent HeatMaria's MonTrue FlareCapoteDavid Romero FloresRobert J. Frankel
7Keyed EntryHonour and GloryAva knowsthecodeCryptoclearanceJohn R. VelazquezTodd A. Pletcher
6F系のスプリンターはドバイに行ってしまうので、こっちはもうちょっと距離があるタイプのスプリンターのレースという感覚ではあり、まあ前走でそれなりに復活して見せたKeyed EntryとかSanta Anitaで連勝してきたLatent Heatあたりでしょう。
Keyed Entryは昨年のDerby ContenderでWood Memorial3着から本番に挑み、レースを引っ張ったもののあっさり脚を無くして最下位に終わりました。その後、Dwyer Sにも出走しましたが、ここも先頭に立ったものの中盤で捕まって最下位に終わるという結果でした。今年になって6.5FのGIII Deputy Minister Hで復帰するとこれを5馬身差で圧勝。この馬スプリンターだったのなと。
Latent HeatはMalibu Sを勝って台頭し、前走のSan Carlos Hも僅差とはいえ勝ちました。その2着がProud Tower Tooならまあよしと言ったところでしょう。
Silver Wagonはこの路線の常連。前走でGeneral George Hを勝って来ました。そのときの2着はLaurelで活躍中のAh Dayでした。

Result

1.Silver Wagon: Wagon Limit - So Ritzy by Darn That Alarm
2.Diabolical: Artax - Bonnie Byerly by Dayjur
3.Ah Day: Malibu Moon - Endette by Thirty Eight Paces
4.Latent Heat: Maria's Mon - True Flare by Capote
5.Keyed Entry: Honour and Glory - Ava knowsthecode by Cryptoclearance
6.Kazoo: Tabasco Cat - Vennila Cream by Valid Appeal
Non Runner: Wild Jam
並んで外枠から発走のLatent HeatとKeyed EntryにKazooが絡んで前半から飛ばしまくる北米ダートスプリントらしい一戦。入りの2Fを21.76、次が44.34という狂ったラップを刻んでいます。その後ろに離れてDiabolical、さらに大きく差が開いてSilver Wagon、Ah Dayという隊列。さすがに前は持たず、コーナーでDiabolical、Silver Wagonが差を詰めて直線に入ると3頭の中からLatent Heatが抜け出しますが、これも残り1F程度までで力尽き、差しで決着。Latent Heatは今年のスプリント戦線を支えるという気がします。これだけ飛ばしてますから最後はダメになったけど、もうちょっとまともなペースならなんてことは無いだろうし、逆にここまでスピードがあるなら6Fでも良いかなと。

4/7 Apple Blossom H GI Oaklawn AR Dirt 8.5F

BC Distaff馬の登場。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Lemons ForeverLemon Drop KidCritikolaTough CriticMark GuidryDallas Stewart
2Rahy's AppealRahyAppealing KrisKris S.Alex O. SolisThomas M. Bush
3IndiaHennessyMisty HourMiswakiJoe BravoTodd A. Pletcher
4ErmineExchange RateRed MischiefThirty Six RedEddie CastroRonny W. Werner
5Take d'TourTour d'OrCherry FlareMr. WashingtonEibar CoaDavid Fawkes
6River SavageFirst AmericanDouble WhistleGibouleeOmar A. BerrioA.C. Avila
7Round PondAwesome AgainGift of DanceTrempolinoEdgar S. PradoMichael R. Matz
8BaghdariaRoyal AcademyOatseeUnbridledEusevio Razo Jr.Thomas M. Amoss
今年の初戦を4着と落としたRound Pondですが、Oaklawnは得意としています。トップハンデを背負いますが、このくらいなら何とかなるだろうと言うレベル。
GIとなるとマークが厳しく毎回潰されるTake d'Tourは今回もどのあたりで仕掛けてこられるかというのが問題になるでしょう。序盤から競られると厳しいのですが、ハンデの重いRound Pondはそんなことをしている場合ではないでしょう。仕掛けどころを間違えるとLemons Forever、Ermineという差し馬に行かれそうではありますし。

Result

1.Ermine: Exchange Rate - Red Mischief by Thirty Six Red
2.Take d'Tour: Tour d'Or - Cherry Flare by Mr. Washington
3.Round Pond: Awesome Again - Gift of Dance by Trempolino
4.Baghdaria: Royal Academy - Oatsee by Unbridled
5.Rahy's Appeal: Rahy - Appealing Kris by Kris S.
6.River Savage: First American - Double Whistle by Giboulee
7.Lemons Forever: Lemon Drop Kid - Critikola by Tough Critic
8.India: Hennessy - Misty Hour by Miswaki
いつも通りにTake d'Tourの逃げ。半馬身差で外からRiver Savegeが来て、後ろにはIndia、Baghdaria、Round Pondがいましたが、えげつない絡み方をしてくるような馬はおらず、望みどおりのペースに持ち込むことが出来ました。こういう展開になるとTake d'Tourは強くて、直線を向くと後続を突き放しにかかるのですが、これをErmineが差しきりました。ErmineはBalanceと並んで、今年の古馬牝馬の中心になるかなと。
Lemons Foreverもいつも通り、最後方にぽつんといて、追い込もうという体勢でしたが、全く伸びてきませんでした。こっちはもうちょっとなんとかなりませんかね。

4/7 Ashland S GI Keeneland KY AW 8.5F

この世代の牝馬はレベルに疑問が持たれているわけではあるし、Rags to Richesが抜けて強いという事なのかなとは思っているが。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1ElitistHonour And GlorySubtle WaceWavering MonarchWilliam D. TroiloPaul J. McGee
2Mistical PlanGame PlanMistical BelBel BolideRobby AlbaradoDoug F. O'Neill
3Dawn After DawnSuccessful AppealJhenais JewelSword DanceShaun BridgmohanWesley E. Hawley
4Grace HappensAptitudeWoodman's PrizePrizedJames GrahamD. Wayne Lukas
5OctaveUnbridled's SongBelle NuitDr. CarterGarrett K. GomezTodd A. Pletcher
6Christmas KidLemon Drop KidChristmas GiftGreen DesertRene R. DouglasJames A. Jerkens
7Hucking HotDesert PrinceTrue LoveRobellinoRafael BejaranoPatrick Gallagher
8High AgainHigh YieldMiss BelleOlympioJulien R. LeparouxWilliam I. Mott
9Silver KnockersSilver DeputyKnock TwiceTwo PunchJeremy RoseNicholas P. Zito
Octaveくらいしか知らんですよ。
Cash Included、Romance is Diane、Dreaming of Annaが3歳になってからパッとせず、期待したPoint Ashleyに至ってはStorm Catを付けるとかでさっさと引退してしまったこの世代。2歳時の実績でBCJF2着があるOctaveですが、それをどこまでアテにして良いものか。前走Fair Grounds Oaksは2着に終わっています。
そのFair Grounds Oaksを勝ったのがMistical Plan。Sunshine Millions Oaksも勝っていて、この世代の中では上位に位置付けられる1頭です。
まあ、ポリトラックはどうかというところもあるので厄介なレースではありますし、Kentucky Oaksには繋がらないだろうなあとは思う。

Result

1.Christmas Kid: Lemon Drop Kid - Christmas Gift by Green Desert
2.Octave: Unbridled's Song - Belle Nuit by Dr. Carter
3.Dawn After Dawn: Successful Appeal - Jhenais Jewel by Sword Dance
4.High Again: High Yield - Miss Belle by Olympio
5.Mistical Plan: Game Plan - Mistical Bel by Bel Bolide
6.Grace Happens: Aptitude - Woodman's Prize by Prized
7.Silver Knockers: Silver Deputy - Knock Twice by Two Punch
8.Elitist: Honour And Glory - Subtle Wace by Wavering Monarch
Non Runner: Hucking Hot
馬群が固まって直線に入ると、最内のChristmas Kidが抜け出していて、猛追してきたOctaveを抑えきってゴール。4コーナー出口で内が綺麗に開いていたのと、コーナーリングのスピードが違ったかなという感じでした。Octaveは後少しだったんですがね。
このポリトラックの結果がKentucky Oaksでどう出るかというのが、Bluegrass組の判断材料の一つくらいにはなるのかなあ、くらいのつもりで。

4/7 Santa Anita Derby GI Santa Anita CA Dirt 9F

それにしても見所の無いレース。
Rags to Richesが出てきていたら楽勝したんじゃないかなと思います。だってGreat Hunter出てこないし…
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Court the KingDoneraile CourtSmart'n RareRare PerformerJose Valdivia Jr.John W. Sadler
2Sam P.Cat ThiefAffirmed LegacyAffirmedRamon A. DominguezTodd A. Pletcher
3Bwana BullHoly BullShahaloHaloRussell A. BazeJerry Hollendorfer
4BoutrousTiznowNine FlagsForty NinerKent J. DesormeauxCraig Dollase
5LiquidityTiznowBoaRahyCorey S. NakataniDoug F. O'Neill
6Black SeventeenIs It TrueFuzzy NavelStrike the GoldClinton L. PottsBrian J. Koriner
7Laevel RedAptitudeSedona BerryStrawberry RoadAaron T. GryderDavid E. Hofmans
8King of the RoxyLittleexpectationsMarrakeshBold ForbesRichard MiglioreTodd A. Pletcher
9TiagoPleasant TapSet Them FreeStop the MusicMike E. SmithJohn A. Shirreffs
10Medici CodeMediceanFiveofiveFairy KingJorge F. ChavezDarrel Vienna
King of the RoxyはBCでどうしようもないレースをしてしまいましたが、今年になってHutcheson Sを勝ちました。距離や相手関係という部分も大きいとは思われますが、相手関係を言うならばこのSanta Anita Derbyも大したことはありません。距離をこなせるかどうかくらいしか見るところがないんじゃないかなと。
LiquidityはLouisiana Derbyがあまりにも見所なく、サバイバルのDerby路線という見方をすれば、すでに脱落した馬という認識ではいます。それでもこのくらいのメンバーなら楽に上位に来てしまいそうなのが怖いところ。レース内容がよほど良くない限りは考え直すつもりはないですけど。
Sam P.はSanta Catalina改めRobert B. Lewis Sの2着馬で一応西海岸の上位ではある。Level RedはSan Felipe Sの3着馬。このあたりの西海岸のバイプレイヤーを舐めてかかって痛い目にあったのがGiacomoなんですが、その半弟Tiagoも登場。まだまだだろうなとは思います。Pleasant Tap産駒だけに忘れた頃に大穴空けるというパターンかと。
北カリフォルニアで連勝してきたBwana Bullが持っていったらしっかり評価しないといけないかなといったところで。

Result

1.Tiago: Pleasant Tap - Set Them Free by Stop the Music
2.King of the Roxy: Littleexpectations - Marrakesh by Bold Forbes
3.Sam P.: Cat Thief - Affirmed Legacy by Affirmed
4.Liquidity: Tiznow - Boa by Rahy
5.Bwana Bull: Holy Bull - Shahalo by Halo
6.Medici Code: Medicean - Fiveofive by Fairy King
7.Court the King: Doneraile Court - Smart'n Rare by Rare Performer
8.Black Seventeen: Is It True - Fuzzy Navel by Strike the Gold
9.Boutrous: Tiznow - Nine Flags by Forty Niner
10.Level Red: Aptitude - Sedona Berry by Strawberry Road
早くもここで穴を開けるかw
Sam P.とBlack Seventeenが先行し、その後ろにLiquidityとKing of the Roxyがつける展開。Bwana Bullはさらに後ろで、Tiagoは後方待機。直線でKing of the RoxyがLiquidityとSam P.を置いて先頭に立ったが、追い込んできたTiagoが内に潜り込んで差しきりました。
兄があのGiacomoで、父があのPleasant Tap。こんなものはGIで穴を開けるために産まれてきたようなもんです。Pleasant Tap産駒はタップダンスシチーもDavid JuniorもPremium TapもGIで穴を開けてから活躍したですし、Pt's Grey Eagleというとんでもない馬もいました。癖がありすぎるので二番が効くとも思えないのですが、面白い事は面白いと言えるでしょう。
King of the Roxyはここまでやれるとは思いませんでした。最後に脚が止まったところをやられたという感じではあって距離の限界を露呈した面もありますが、思ってたより強いなあと。ただ、Kentucky Derbyは走らなくて良いでしょう。Pletcher厩舎は他にも多くの馬を抱えているので、無理に出す必要なんてどこにもありません。Sam P.は前半がやや厳しかったか。Liquidityに関してはKing of the Roxyと並ぶ位置からのレースでこの結果ならさようならを言う以外ないでしょう。

April 8, 2007

4/8 桜花賞 GI 阪神 芝1600m

なんでこんなにアグネスタキオンが多いのやら。
馬名母父騎手調教師
1ショウナンタレントアグネスタキオンシャンランGreat Commotion柴田善臣二ノ宮敬宇
2アポロティアラパラダイスクリークタイキフレグランスTopsider勝浦正樹柴崎勇
3カタマチボタンダンスインザダークタヤスブルームCaerleon藤田伸二加藤征弘
4クーヴェルチュールブラックホークヒカリクリスタルラッキーソブリン鮫島良太国枝栄
5レインダンスダンスインザダークレンBob Back武幸四郎宮徹
6ローブデコルテCozzeneColor of GoldSeeking the Gold福永祐一松元茂樹
7イクスキューズボストンハーバークリスティキャットMajestic Light北村宏司藤沢和雄
8ピンクカメオフレンチデピュティシルバーレーンSilver Hawk蛯名正義国枝栄
9アマノチェリーランデザートキングニキトートMtoto池添謙一湯窪幸雄
10ハギノルチェーレダンスインザダークフランカSeeking the Gold岩田康誠松永幹夫
11ニシノチャーミーサクラバクシンオーブランドミッッシェルニシノエトランゼ藤岡佑介浅見秀一
12カノヤザクラサクラバクシンオーウッドマンズマジックWoodman上村洋行橋口弘次郎
13フローラルカーヴアグネスタキオンインディアナカーヴA.P. Indy柴山雄一堀宣行
14ウオッカタニノギムレットタニノシスタールション四位洋文角居勝彦
15アストンマーチャンアドマイヤコジーンラスリングカブスWoodman武豊石坂正
16ベリーベリーナイスブラックタキシードピーチグルームダンサー秋山真一郎増本豊
17エミーズスマイルアグネスタキオンエミスフェールホワイトマズル内田博幸出川龍一
18ダイワスカーレットアグネスタキオンスカーレットブーケノーザンテースト安藤勝己松田国英
いや、アグネスタキオン産駒って先が無いというようなイメージなのよね。底が浅いというか、まあそんなところであまり好きではないです。
今年はウオッカに死角があるのかどうかということに尽きるのだとは思われ、この新装阪神のマイルコースを既に2勝しているあたり、万全に近いものはあるのでしょう。そのどちらも2着との差はわずかではありますが、チューリップ賞でも狙いどおりのレースっぽくはあって着差以上に差はあったかとは思わせるところ。3強と言われるこの桜花賞で、その3頭の中でも抜きん出た支持を集めるのも当然ではあるだろう。明日はこの馬を見るレースになるかとは思う。ダービーに行きたいならそれでもいいと思うくらい。
そしてチューリップ賞でちょっとウオッカに差を見せられてしまったダイワスカーレットですが、この馬自身も3着のレインダンスに6馬身という決定的な差をつけていたわけで、普通に考えればこれで何故負けるというところはあるだろう。それだけウオッカがやばいわけでもあるが、ちょっと同世代に強すぎる馬がいるという不運を味わう事になるかなと。
一方阪神JFでウオッカの2着になったアストンマーチャンもフィリーズレビューを快勝して来ましたから、逆転の目が無いというわけでもなさそうですが、その線は薄いか。
この3頭以外となると、3強の一角が崩れるのを待つと言う形にはなるかと。崩れそうなのはアストンマーチャンかなという気はしていますが、じゃあどの馬が突っ込んでくるかと考えても、ちょっと思いつかない。

Result

1.ダイワスカーレット: アグネスタキオン - スカーレットブーケ by ノーザンテースト
2.ウオッカ: タニノギムレット - タニノシスター by ルション
3.カタマチボタン: ダンスインザダーク - タヤスブルーム by Caerleon
4.ローブデコルテ: Cozzene - Color of Gold by Seeking the Gold
5.イクスキューズ: ボストンハーバー - クリスティキャット by Majestic Light
6.レインダンス: ダンスインザダーク - レン by Bob Back
7.アストンマーチャン: アドマイヤコジーン - ラスリングカブス by Woodman
8.ハギノルチェーレ: ダンスインザダーク - フランカ by Seeking the Gold
9.カノヤザクラ: サクラバクシンオー - ウッドマンズマジック by Woodman
10.アマノチェリーラン: デザートキング - ニキトート by Mtoto
11.フローラルカーヴ: アグネスタキオン - インディアナカーヴ by A.P. Indy
12.クーヴェルチュール: ブラックホーク - ヒカリクリスタル by ラッキーソブリン
13.ショウナンタレント: アグネスタキオン - シャンラン by Great Commotion
14.ピンクカメオ: フレンチデピュティ - シルバーレーン by Silver Hawk
15.エミーズスマイル: アグネスタキオン - エミスフェール by ホワイトマズル
16.アポロティアラ: パラダイスクリーク - タイキフレグランス by Topsider
17.ベリーベリーナイス: ブラックタキシード - ピーチ by グルームダンサー
18.ニシノチャーミー: サクラバクシンオー - ブランドミッッシェル by ニシノエトランゼ
ラップタイム: 12.7 - 11.6 - 11.4 - 12.1 - 12.0 - 11.6 - 10.6 - 11.7
パドックではアストンマーチャンがやや入れ込んでいたのですが、この馬はこんなものか程度にしか思いませんでした。他にはエミーズスマイルの弱々しい歩き方が気になった程度で、あとはこんなところに馬体重を二桁も減らしてくるような馬は最初から見てません。
スタートからしばらくして、アストンマーチャンが掛かり気味に行った時はあーあやってしまったかと思い、その後ろにダイワスカーレットがいるのに気付いて、巻き込まれたかという印象でした。対するウオッカは良い位置につけていたと思ったほど。ところがラップタイムを見てみるならば、アストンマーチャンが行ったあとに12.1-12.0などと言うラップがあるので、そうガツンと行ってしまったというわけではなかったかな。確かにアストンマーチャンが行ったのが11.4のところだとは思うので、ペースを上げてはいるのだけど、そこからコーナーに入って落ち着いたという事になるかな。とはいえマイルがギリギリくらいのアストンマーチャンにとってはそれだけでも消耗したのが問題ではあって、直線の最後200mで踏ん張りきれなかった。
ウオッカは直線に向いた時には絶好の位置に思えたし、あそこからチューリップ賞の時のように前を行くダイワスカーレットを捕らえに行く状況ではありました。しかし、直線の序盤で一度内にふらつき、その後ダイワスカーレットを追い上げるものの、またふらつくという辺りで調子に問題を抱えていた部分というのはあったかなと。そして、直線でダイワスカーレットに一度突き放されかけるシーンがあるのですが、どうにもそれが阪神の直線で坂を上る部分に相当しているように思われ、坂がよろしくないというところもあるのかなと。これまでのレースでも直線に入ってからの手応えの割に梃子摺る印象を受けていたのはそれなのかなあと。
アストンマーチャンが行ったときにそれに対応して動けた安藤勝己と自身のレースを完遂しようとした、あるいは動けなかった四位洋文の差というのもあったかもしれません。ただ、それを抜きにしてもダイワスカーレットも強かったという評価を下すべきではありますか。シンザン記念でアドマイヤオーラと接戦を演じ、チューリップ賞では2着に敗れたとはいえ3着以下には6馬身という決定的な差をつけていたわけですし、もうちょっと勝負強さなり粘りなりがあればこの舞台に4戦無敗で参戦していてもおかしくは無かった馬なのですし。
とはいえオークスに向いていると思われるのはウオッカの方ではあると思われますし、このレースで不調に陥るという事さえなければ有力なんではないかなと。角居厩舎は一度悪くなると直ぐには立て直せないというところもあるので、その辺りがちょっと心配ではありますか。ダイワスカーレットは兄もそうですが並ばれてからに課題を残しているとは思いますし、父がアグネスタキオンでは距離が持つかどうかという不安も付き纏います。これだけ差があれば今日のメンバー相手ならウオッカ以外に逆転される事はないかと思いますけどね。

April 15, 2007

4/14 Bluegrass S GI Keeneland KY AW 9F

ポリトラックで行われるレースが本番にどういった影響を与えるかというのは、Kentucky Derbyに限らず注目すべき事ではあると思われる。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1ZanjeroCherokee RunCheckered FlagA.P. IndyGarrett K. GomezSteven M. Asmussen
2DominicanEl CorredorFirst ViolinDixieland BandRafael BejaranoDarrin Miller
3Love DubaiE DubaiOmniaGreen DancerMiguel MenaMichael J. Maker
4Street SenseStreet CryBedazzleDixieland BandCalvin H. BorelCarl A. Nafzger
5Time SquaredFusaichi PegasusIndy GloryA.P. IndyJulien R. LeparouxPatrick L. Biancone
6TeuflesbergJohannesburgSt. MicheleDevil's BagEdgar S. PradoJamie Sanders
7Great HunterAptitudeZenithRoyCorey S. NakataniDoug F. O'Neill
人気はStreet Senseに集中しています。BC Juvenileの勝ち馬がこの時期にまだ最有力として残っているというだけでも大したものだとは思います。トップホースをレースに使うのを控えるという最近の傾向はこの馬にも当てはまり、今年はまだTampa Bayで1戦してきただけ。そこではAny Given Saturdayを下してレコード勝ちでしたから、まあ問題はないかとは思われます。このレースでの問題はポリトラックの馬場が合うかどうかと、Keenelandのコースでこれまでのように4コーナーで内を掬って直線を向けるかということになるのかなと。出走頭数が少ないので気にしなくても良いかと思いますけど。
Great HunterはSanta Catalina Sの勝ち馬です。後ろから捲る馬で少頭数は歓迎すべきところでしょう。今年の西海岸はぱっとしないという印象もありますが、Street Sense相手にどれくらいやれるかってのは注目しておくべきところかなとは思われます。
Southwest Sを勝ったTeuflesbergですが、レベル的にはこのレースを勝つくらいじゃなければ評価できないですかね。今年に入ってからもちゃんと数を使ってるという部分では評価できない事も無いんですが…
3歳でキャリア不足ってのは、もうファクターとしては忘れた方が良いのかもしれない。ま、休みの内にちゃんとFinalのFuture Wagerの記事を書くつもりなのでそのときにでも。

Result

1.Dominican: El Corredor - First Violin by Dixieland Band
2.Street Sense: Street Cry - Bedazzle by Dixieland Band
3.Zanjero: Cherokee Run - Checkered Flag by A.P. Indy
4.Teuflesberg: Johannesburg - St. Michele by Devil's Bag
5.Great Hunter: Aptitude - Zenith by Roy
6.Time Squared: Fusaichi Pegasus - Indy Glory by A.P. Indy
7.Love Dubai: E Dubai - Omnia by Green Dancer
こんなレース参考になりやしないですよ。スローペースの直線勝負で、肝心のGreat Hunterは挟まれて終了。外を回したStreet Senseはゴール直前で大外から伸びてきたDominicanに交わされる。とはいえここはポリトラックであってダートではない。

4/15 皐月賞 GI 中山 芝2000m

ブラックタキシードですら桜花賞に続いて皐月賞にエントリーさせてくるのだからサンデーサイレンスの後継種牡馬が一定の人気を集めるのは当然のことかなと思う部分はある。
馬名母父騎手調教師
1フサイチホウオージャングルポケットアドマイヤサンデーサンデーサイレンス安藤勝己松田国英
2ローレルゲレイロキングヘイロービッグテンビーテンビー藤田伸二昆貢
3マイネルシーガルゼンノエルシドエイシンアイノウタサンデーサイレンス後藤浩輝国枝栄
4ブラックシャンツェブラックタキシードシノギトップガダボート上村洋行長浜博之
5フェラーリピサTouch GoldDolly TalboCapote岩田康誠白井寿昭
6ドリームジャーニーステイゴールドオリエンタルアートメジロマックイーン蝦名正義池江泰寿
7サンライズマックスステイゴールドグリーンヒルマックダンシングブレーヴ池添謙一増本豊
8ナムラマースチーフベアハートビストロドゥパリフレンチグローリー藤岡祐介福島信晴
9サンツェッペリンテンビープラントオジジアンオジジアン松岡正海斉藤誠
10メイショウレガーロマンハッタンカフェコッコレCarson City福永祐一小島太
11ニュービギニングアグネスタキオンウインドインハーヘアAlzao四位洋文池江泰郎
12アサクサキングスホワイトマズルクールピアスターサンデーサイレンス武幸四郎大久保龍志
13モチスターオブコジーンイートンカラーサーペンフロ川田将雅田中章博
14エーシンピーシーFusaichi PegasusCatalinaStorm Cat柴田善臣久保田貴士
15アドマイヤオーラアグネスタキオンビワハイジCaerleon武豊松田博資
16フライングアップルRahyローザロバータFire Maker横山典弘藤沢和雄
17ヴィクトリーブライアンズタイムグレースアドマイヤトニービン田中勝春音無秀孝
18ココナッツパンチマンハッタンカフェココパシオングルームダンサー吉田豊大久保洋吉
牝馬戦線と違って、いまいちこれと言った軸が存在しない皐月賞。いくらなんでも親父に似すぎているフサイチホウオーがこの舞台を勝ち切るとは思い難い。ジャングルポケットは好きですし、フサイチホウオーは初手から血統が嵌まりすぎてるというところも無きにしもあらずなので、勝って欲しいとは思いますけどね。祖母Moon Indigoの段階でHyperionが3本。Northern Dancerはどうでも良いとしても、Traffic Judgeを経由するAlibhaiと母系に直接入る2本はなかなか良い形です。そしてTom Fool、Caroと入れてEl Gran Senorと来るわけですが、このEl Gran Senorが持つBuckpasserに対してTom FoolとCaroが持つRelicの組み合わせでMan O' War、Black Toney、Vaila辺りの保障を得る事になりつつ、トニービンに対してはGrey Sovereign、Precipitationをフォローします。とはいえ結局のところトニービンにしてもサンデーサイレンスにしてもHyperionの恩恵を受けまくるという部分はあって、ジャングルポケットは五代母PaloriotにSickle=Pharamondの3X3を作った後Hyperionを集め、9本というHyperionを持つ事になります。フサイチホウオーにおいては血統内での位置がかなり後退しているとはいえ14本のHyperionが存在します。サンデーサイレンスがトニービンにもNureyevにも相性が良かったということも考えるとジャングルポケットというのはこれからの母父サンデーサイレンスの時代の恩恵を強く受けられるんではないかなと思うところもあります。
アドマイヤオーラはビワハイジの息子ですから、アドマイヤジャパンの半弟。ビワハイジ自身もそうでしたし、アドマイヤジャパンもそうですが、良い期間が長続きしないという印象はあります。それで、父がサンデーサイレンスからアグネスタキオンに変わったとなれば、それら以上に長持ちしないんだろうなあという気もして、まあこの皐月賞がギリギリというところではないだろうか。弥生賞もそんな良いレースではなかったと思うので微妙。フサイチホウオーが元からこの舞台を苦手にしそうなところに1枠なんて引いたから一番人気になってるようですけどね。外を回して差しきれるかということになるかな。
ドリームジャーニーが一番分からない馬ではあるかな。弥生賞で思ったより伸びてこなかったのを休み明けだったからという理由で納得するかどうか。ステイゴールド、メジロマックイーンという血統は長距離っぽく見られるところであるかとは思いますが、メジロマックイーンは種牡馬としてはそんなに長距離に強くなく、マイル近辺の活躍馬をよく出していました。ステイゴールドが種牡馬としてどの程度の距離をカバーするかというのはまあ考えても無駄かなと思います。でもステイゴールドにステイヤーというイメージを持った事はありません。で、ドリームジャーニーが3着に負けたのは1800mの東京スポーツ杯と2000mの弥生賞ということで、距離に問題があるという可能性を考えた方が良いのかもしれません。
ココナッツパンチはキャリア1戦で弥生賞2着なんだから非凡な馬ではあるでしょう。マンハッタンカフェはスローのレースで差して勝った馬で、ココナッツパンチもその特徴を受け継いでいるとは言えそうです。血統を見て気になるのはグルームダンサーの父Blushing GroomとLomondの母My Charmer。どちらもサンデーサイレンスが苦手とした血であるかと思います。Blushing Groomの方はサンデーサイレンスがHyperionを好むくせにKhaledの効きが弱いという事に尽きるんでしょうが、Tudor Minstrelなども入るのでまだマシかと。マンハッタンカフェは血統表でかなり後退しているというのが気になるところですが、ちゃんと必要なところを持っているのでフォローされるでしょう。ただ、My Charmerに関しては手が打てないかなと。その部分で足を引っ張られるかなあ。
ナムラマースは母父フレンチグローリーでガクっと来るものの、祖母父がMr. ProspectorでGold Diggerがクロスする事になるし、その前にはHoist the Flagを入れてRibotのクロスも作るし、さらにもう一つ戻ったDouble JayからBalladierとチーフベアハートに対してかなり良い血統になってはいます。フレンチグローリーの持つフランス血脈に対しても、Sir Gallahad、Bull Dog、Admiral Drake、Bois RousselのPlucky Liege四兄弟をちりばめて、またBlandfordが随所に絡んで対処してるかとは思えます。Chief's Crownは重いDanzigですが、チーフベアハートは母からアメリカ的なスピードを注入されて多少は軽さを持ったかというところ。ナムラマース自身のファミリーは北米中心に活躍馬を多く出すCourtesyのファミリーで、例えば祖母のDoffはForty Ninerの従姉であり、母父がTom RolfeからHoist the Flagに替わるのですが、ここでHoist the FlagにしてTourbillon経由でFrizetteがもう一本入る形なのは良いのではないかなとも。まあ、中途半端な距離ばっかり勝つチーフベアハート産駒の例に漏れず、この馬もこれまでの4勝が全て1800mというのが気になるかな。
アサクサキングスはジェニュインの全妹の仔ということで注目されるところはあるだろうし、それなりの実績も残しています。ただ、ホワイトマズル自体がどっちかと言うと牝馬に強い種牡馬ですし、ジェニュインもサンデーサイレンス産駒としての血統の完成度はやや低いと思わされます。Tudor Minstrelが入って、Sir Gallahad=Bull Dogも豊富なのは良いのですが、Bull DogはBull Leaから牝馬というルートでないと威力半減といったところ。ホワイトマズルのEla-Mana-Mouが持つRockefellaとHigh Hatはやや扱いが難しいHyperionでしょうが、同時にFair Trialのクロスがあるのは良いと言えるでしょう。LyphardからもFair Trialを貰う事ができます。きさらぎ賞からの直行という何頭も失敗しているローテーションなのがどうかと思います。使い込んだわけでもないので、3月に走らせておくべきではなかったかなと。
ヴィクトリーはここでブライアンズタイムはどうよという話に集約されてしまうのではないかな。母方にGraustarkなりHasty RoadなりNashuaなりBull Leaを活かすのが欲しいんですが、トニービンにそんな芸当が出来るわけも無く、Sadler's Wellsもまあ無いな。ま、トニービンからNasrullahが入るし、Sadler's WellsからLalunが入るので、全くダメって事にはならんでしょうが、かなりの部分を母系のポテンシャルのみにを依存した形に見えます。そういう意味では父が逆になるが、ノーリーズン、グレイトジャーニー兄弟に似た趣か(あの母はBT向き)。
スプリングSを勝ったフライングアップルは安定感があるものの、突き抜けきらないという印象。スプリングSがメンバーが揃わない上にレースそのものも酷い有様で、トライアルの勝ち馬ながら人気になれないのも仕方なしか。
ローレルゲレイロはどう見ても皐月賞を勝とうと思うレース選択ではないように見える。キングヘイローはそもそも遡ってSquanderがBuckpasserとBetter SelfでLa Troienne、War Admiralの組み合わせクロスを組んだところに始まり、Proud FoolishではPrincequillo、Menow≒Athenia、Sir Gallahad=Bull Dogの多重、グッバイヘイローに至ってTurn-to、Mahmoud、Pharamondがクロスし、キングヘイローでSir Gaylord、Tom Fool、Almahmoudを追加と、多重近交を繰り返して来た血統です。Turn-to→Sir Gaylord、Princequillo→Sir Gaylord、Mahmoud→Almahmoud、Pharamond→Menow→Tom Fool→Buckpasserのようにきっちり繋がっているし、HaloがBlue LarkspurクロスであることはBuckpasserとBetter Selfに対するアプローチになるでしょう。母ビッグテンビーに目を向けてみると、まずマルゼンスキーがFlaming PageとBuckpasserの組み合わせでMenow、Bull Dog、Blue Larkspurの多重、このマルゼンスキーにボールドラッドUSAが居てPrincequilloとNearco、カコイーシーズがいるのでNasrullahやBull Leaを足しつつ、テンビーはRound TableとMill ReefからPrincequilloを享け、マルゼンスキーとの間でNijinskyをクロス。そんなわけで、ローレルゲレイロの両親は同じ指向性を持っているとは言えるでしょう。母方の中心がマルゼンスキーに対して父方はDroneという組み合わせになっているのがどうかなとは思われるところです。ということはやはりTurn-toのバランスが悪いという事になるかと。キングヘイローにとっては仕方ないとしか言えないですけどね。カワカミプリンセスもSeattle Slew、Secretariat、Key to the MintとPrincequilloを重ねてるので、キングヘイローにとってはPrincequilloをいかに使いこなすかというのが重要になってくるのでしょう。

Result

ヴィクトリーですか…
1.ヴィクトリー: ブライアンズタイム - グレースアドマイヤ by トニービン
2.サンツェッペリン: テンビー - プラントオジジアン by オジジアン
3.フサイチホウオー: ジャングルポケット - アドマイヤサンデー by サンデーサイレンス
4.アドマイヤオーラ: アグネスタキオン - ビワハイジ by Caerleon
5.メイショウレガーロ: マンハッタンカフェ - コッコレ by Carson City
6.ローレルゲレイロ: キングヘイロー - ビッグテンビー by テンビー
7.アサクサキングス: ホワイトマズル - クールピアスター by サンデーサイレンス
8.ドリームジャーニー: ステイゴールド - オリエンタルアート by メジロマックイーン
9.ココナッツパンチ: マンハッタンカフェ - ココパシオン by グルームダンサー
10.マイネルシーガル: ゼンノエルシド - エイシンアイノウタ by サンデーサイレンス
11.ナムラマース: チーフベアハート - ビストロドゥパリ by フレンチグローリー
12.フライングアップル: Rahy - ローザロバータ by Fire Maker
13.サンライズマックス: ステイゴールド - グリーンヒルマック by ダンシングブレーヴ
14.ブラックシャンツェ: ブラックタキシード - シノギトップ by ガダボート
15.ニュービギニング: アグネスタキオン - ウインドインハーヘア by Alzao
16.フェラーリピサ: Touch Gold - Dolly Talbo by Capote
17.モチ: スターオブコジーン - イートンカラー by サーペンフロ
18.エーシンピーシー: Fusaichi Pegasus - Catalina by Storm Cat
ラップタイム: 12.2 - 11.2 - 12.1 - 11.6 - 12.3 - 12.3 - 12.3 - 11.6 - 12.0 - 12.3
ヴィクトリーは17番枠からのスタートだった割にはスムーズに逃げる体勢に入れたということと、他の馬が積極的に仕掛けてはこなかったというのがまず大きかったとは思う。スタート直後にハナを取りに行くのではなくて、1コーナーを回りながらすっと出られたのが良かったのだろう。サンツェッペリンが飛ばした2F目をやり過ごす事が出来ている。後はモチが完全に後ろからの競馬になってしまったし、アサクサキングスも来ず、サンツェッペリンも2番手で満足してくれたというところで、レース前に予想した展開が完全に外れた。その上でフサイチホウオーという末脚の強力な馬がいたことで前より後ろを警戒するという部分が強かったのだろう。結果として、ペースを落とす部分こそなかったとはいえ、淡々と逃げるヴィクトリーに対して後続は差を広げられすぎた。レースを見ていて後続馬群との差が開いたことからヴィクトリーの逃げは速い逃げかとも見えたが、1000mの通過タイムは平均ペースに近いものだった。直線でサンツェッペリンに並ばれ、一度はわずかに前に出られていたのを差し返すような力があるとは意外だったが、最初に無駄脚を使わずにすんだことが最後の局面で効いたのではあるだろう。さすがにきつくなってたとはいえ最後を12.3でまとめたのだから、この日の田中勝春は素晴らしい乗り方をしたと言えるだろう。あと松岡はデムーロではなかったともw
サンツェッペリンはスプリングSがあまりにも酷くて、最初から検討の対象外にしてしまっていたし、そこにはテンビー産駒という侮りもあったんだろう。京成杯の一発で終わる馬と思いこんでしまった。まあ、スプリングSからの短い期間で立て直してきた陣営がすばらしかったか。
フサイチホウオーはスタートをゆっくりと出て外に向いていたので、一瞬外に出してしまって勝負するのかなとも思ったが、結局内を回るという形になった。まあ外に向かおうにも壁があったし、ディープインパクトの真似事までやることは出来ないというところか。結局、4コーナーでフライングアップルを外に追いやりながらという形で出した。またもラフな競馬。フサイチホウオー自身の癖もあるんだろうが、このレースに関しては騎手の責任だろう。直線に入って競馬をやめてしまうことになったフライングアップルはかわいそうだった。結果論としては包まれるのを嫌って最初から外に出していた方がもうちょっと臨機応変に対応出来ただろうし、それなら直線でまとめて始末していたんではないかな。パトロール映像を見る限り、スムーズに外に出すチャンスはなさそうではあったが。それにしても直線に向いて加速がついた後は面白かったし、結果がある意味において期待に応えるような3着だったというのは、やはり父親に似すぎているよなあと。
アドマイヤオーラは4着に突っ込んできて驚いたというか、前の2頭とフサイチホウオーしか見てなかったので、どこから飛んできたんだと。

2007 Kentucky Derby Future Wager Final

今年は有力馬がレースを使わないので難しいですね。ちゃんとレースを使ってくれてても中りませんが…。年明けからのキャリア2戦ではSunny's Halo以来勝てないというのは忘れた方が良いのかもしれません。では、今回も簡単に見ていきます。
土曜のレース結果見てから上げようかと思ってましたが、全部書いてしまったのでとりあえず上げる。また、結果をチェックしたらフォローしておきます。
土曜の最終プレップの結果を受けてちょっと追記しました。
Any Given Saturday
Aqueductの最終プレップWood Memorialで3着と敗北。Nobiz Like Shobizが1コーナーで膨らんだ影響をまともに受けて不運なレースではありましたが、あれくらいは軽くいなせないと本番は厳しいかなとも思われました。
Belgravia
こんな馬いたっけと思ったら初回からの復活か。印象的なパフォーマンスを見せたというわけでもないですし、単なる数合わせかと。というか出られるのか?賞金的に。
Birdbirdistheword
Florida Derbyに出走も7着と惨敗。ダメでしょう。
Chelokee
新登場。
父Cherokee Run、母Dixie Ghost、母父Silver Ghost、9-c族Mah Mahalのファミリー、フロリダ産馬。
Florida Derbyで3着した程度の実績。獲得賞金が出走には微妙なラインでしたが、賞金上位から何頭か離脱しているため出走するのは問題無さそうです。今のところ。
Circular Quay
出走を予定していたWood Memorial Sをパスして本番直行となりました。この馬もRisen Star SとLouisiana Derbyの2戦で本番となりました。間隔が開く事と合わせてどうかなと思う部分もあるのですが、Pletcher厩舎のエースとしてVelazquez騎乗となるでしょうし、何とかならん事もないかなと。後は即死しそうな枠さえ回避できればと言うところでしょうか。Belmontと後一つという形の二冠なら達成出来るんじゃないかなと思ってます。Kentuckyを勝つかPimlicoを勝つかまでは知りません。
Cowtown Cat
新登場。
父Distorted Humor、母Toms Cat、母父Storm Cat、8-k族。
Pletcher厩舎の伏兵。Gotham Sを勝ち、更にはIllinois Derbyを勝っています。ということで、上がり馬的なところもありますが、それなりに人気。Pletcher厩舎は有力馬を多く抱えて使い分けるという事になってますが、Circular Quay、Scat Daddyとともに勝って本番に挑めるってのは大きいのではないかなと。
Curlin
調教師はAllowanceを使うかもしれないと言っていましたが、Rebel Sに出てきてきっちり勝ちました。Arkansas Derby出走予定で、これを勝つならさらに人気が上がるか。無敗のDerby馬誕生なるかと話題にもなるだろうし。
結局余裕で10馬身1/4差の圧勝でした。Smarty Jones、Afleet Alexを出して近年特に重要度を増しているOaklawn戦線でこれだけのパフォーマンスを見せましたし、何より3戦無敗というプロフィールは強力に惹きつけるものがあります。現時点での一番人気に踊り出ましたし、本番でも一番人気を背負う事になるかと思います。
Deadly Dealer
新登場。
父Concerto、母Deadly、母父Williamstown、9号族、フロリダ産馬。
Arkansas Derby出走予定。Pletcher厩舎所属。6FのAllowanceを7馬身ぶっちぎりました。まあ、これから。
Arkansas Derbyは好ペースで逃げましたが、3コーナーからCurlinに捕まって結局3着。最後ズルズルと行かなかったのは評価しますが、距離はどうかという疑問が残りました。
Dominican
新登場。
父El Corredor、母First Violin、母父Dixieland Band、23-b族Miss Carmieという名門出身ながら既にセン馬。
Blue Grass Sにエントリー。この辺の見極めが必要な馬が、ポリトラックのKeenelandで最終プレップというのはかなり難しい判断を迫られる事になりそうなところではある。どうにかしてくれw。
大外から追い込んでBlue Grass Sを制覇。レースそのものはスローの直線勝負で物足りない。追い込みが決まりやすいといわれるポリトラックだけにそれも割り引く必要はありそうです。ただ、レベルが高かったといわれるKentucky Jockey Club Sの3着馬なので、そこそこはやるのかなと。
Great Hunter
旧Santa Catalina S勝ち馬。Blue Grass S出走予定。父親譲りの勝負弱さを期待していますよ。
Blue Grass Sでは直線で挟まれて終了。5着に終わりました。期待通りでした。不利が無ければ勝ち負けのところまで行ったとは思われるのでそう悪くは無いでしょう。レースそのものがダメってのはどうしようもなくありますが。
Hard Spun
Blue Grass S出走を予定していましたが、天候不順による調整遅れにより回避。これがどう影響しますか。
Liquidity
決してメンバーが揃っていたとは言えないSanta Anita Derbyで4着に終わりました。完全に脱落していると思ってます。
Nobiz Like Shobiz
Wood Memorial Sを勝って実力を証明しました。1コーナーがちょっとラフだったのが気になりますが、本番でも前で勝負すれば可能性があるかなというところ。
Notional
Florida DerbyでScat Daddyの2着。悪くない結果だったと思います。癖の無いレースが出来るので、本番でも良いところに来るんじゃないでしょうか。
Officer Rocket
まだ、残ってたのか…。Rebel Sで2着。Arkansas Derby出走予定。
見せ場無く7着に惨敗して脱落です。
Reporting for Duty
新登場。
父Deputy Commander、母Expanse、母父Distant View、A5族。
Illinois Derbyの2着馬。あのレースは勝ったCowtown Cat以外はいらないと思いますが…。A5というマイナーファミリーなりの累代です。
Sam P.
Santa Anita Derbyで3着に入りました。King of the Roxyに負けているようではなあとも。
Scat Daddy
Florida Derby馬。距離がどうかというのは常に付き纏うことなんだと思います。別にこの馬に限った事ではありませんが、血統とレース振りからより気に掛かる馬であるというのは仕方ないことではあるかなと。Mr. Prospectorの4X2はどうも…。
Stormello
Florida DerbyはAdore the Goldに絡まれたとはいえ4着では人気落ちも已む無しか。とはいえ、フロリダへの輸送に40時間掛かって本調子ではなかったというところもある模様。ただ2度のフロリダへの輸送の影響は気になります。また、本番に向けて何もかも変えてやるというつもりらしく、調教方法も変えるし、輸送会社もFedExからTex Suttonに変更するんですと。
Street Sense
Tampa Bay Derbyをトラックレコードとはいえ、Any Given Saturdayについてこられたので、そこまで凄い時計ということでもないか。Blue Grass S出走予定です。
Blue Grass Sは外から差しにきましたが、最後にDominicanにハナ差交わされて2着に終わりました。結果を信用しづらいレースではあるので、酷いレースをしなかったと前向きに捕らえておけばよいのだと思います。本番では多頭数で、BCのように内に潜り込んで出てこられたら十分チャンスがあると思います。
Teuflesberg
この馬もBlue Grass S出走予定。Rebel Sで千切られた3着では評価できない。
Blue Grass S4着。Blue Grass Sは本当に分からないので調教だったというくらいに思ってしまったほうが良いのかも。
Tiago
新登場。
父Pleasant Tap、母Set Them Free、母父Stop the Music、2-d族。
Giacomoの半弟。繰り上がりでMaiden Breakingだったので、1位入線はSanta Anita Derbyが初めてという、如何にも穴血統のPleasant Tapらしい事をしてくれました。まあそういう馬なのであまり人気で買うのもどうかというところはあるでしょうか。
Zanjero
Blue Grass S出走予定。そこそこ走って着を拾うってのはまあ、Cherokee Run産駒だからなと納得しておくところかなとも思われる。
Blue Grass S3着。この馬も堅実に着を拾いますねとしか…。
結論として
BCの上位馬が安泰というのは結局その辺りの馬がレースを絞って使うという事になったからであると思われます。Street Sense、Circular Quay、Great Hunter、Scat Daddy、Stormelloというそのレースの上位5頭はScat Daddyだけが今年3戦で、他4頭は2戦で本番を迎える形になりそうです。BCの上位5頭が質的にも脱落せずにKentucky Derbyに駒を進められそうだというだけでもこれまでとは違った様相を呈していますし、これが成功すれば2歳でキャリアを持った馬は年明けのレースに使う数を減らしていくという事になるんだろうなあと。
また、KeenelandのBlue Grass Sは元々Kentucky Derbyには結びつかないというレースでしたが、オールウェザー化されて、さらに別物のレースになったのではないかという気がしてなりません。Santa Anitaもオールウェザーになる予定ですから、今後はSanta Anita Derbyもアテに出来なくなるんじゃないかなと。今年は単純にメンバーが酷すぎたんですが…
その一方でGIIのArkansas DerbyやIllinois Derbyの重要性が増してくるような気がします。ミリオンレースのArkansas DerbyはGIにしてしまっても良いんじゃないかと。カリフォルニア全場の人工馬場導入は北米競馬に決定的な変化を迫るのかなあ。
私としてはPool-1から追いかけつづける形になったCircular QuayとStormelloの2頭がこの段階でも残っているのでもうその2頭で良いやと思ってます。どちらも最終段階でやや気に掛かるところが出てきてしまったのですが、Stormelloの最終プレップに関してはCurrin師の言い訳に納得しておいてあげます。Circular QuayにしてもPletcher師がこの方が良いと判断したのならそれを信じるまでですよ。

April 23, 2007

北米の高額種牡馬

忙しいときほど無駄なことに注力するという典型。
Stallion Registerからざっくり拾ってみましょう。
  • Storm Cat: 500,000 (Overbrook)
  • A.P. Indy: 300,000 (Lane's End)
  • Kingmambo: Private (Lane's End)
  • Giant's Causeway: Private (Ashford)
  • Distorted Humor: 225,000 (WinStar)
  • Unbridled's Song: 200,000 (Taylor Made)
  • Awesome Again: 150,000 (Adena Springs)
  • Ghostzapper: 150,000 (Adena Springs)
  • Dynaformer: 150,000 (Three Chimneys)
  • Gone West: 125,000 (Mill Ridge)
  • Seeking the Gold: 125,000 (Claiborne)
  • El Prado: 125,000 (Adena Springs)
  • Forestry: 125,000 (Taylor Made)
  • Elusive Quality: 100,000 (Darley)
  • Smarty Jones: 100,000 (Three Chimneys)
  • Mineshaft: 100,000 (Lane's End)
  • Bernardini: 100,000 (Darley)
  • Empire Maker: 100,000 (Juddmonte)
  • Pulpit: 80,000 (Claiborne)
  • Fusaichi Pegasus: 75,000 (Ashford)
  • Smart Strike: 75,000 (Lane's End)
  • Mr. Greeley: 75,000 (Gainsway)
  • Johannesburg: 65,000 (Ashford)
  • Hennessy: 60,000 (Ashford)
  • Rahy: 60,000 (Three Chimneys)
  • Vindication: 60,000 (Hill 'n' Dale)
  • Maria's Mon: 60,000 (Pin Oak)
  • Dixieland Band: 50,000 (Lane's End)
  • Bluegrass Cat: 50,000 (WinStar)
  • Rock Hard Ten: 50,000 (Lane's End)
  • Dixie Union: 50,000 (Lane's End)
  • Street Cry: 50,000 (Darley)
  • Songandaprayer: 45,000 (Walmac)
  • Theatrical: 40,000 (Hill 'n' Dale)
  • Successful Appeal: 40,000
  • Speightswotn: 40,000
  • Officer: 40,000 (Taylor Made)
  • More Than Ready: 40,000 (Vinery)
  • Medaglia d'Oro: 40,000 (Stonewall)
  • Malibu Moon: 40,000 (Castleton)
  • Henny Hughes: 40,000 (Darley)
  • First Samurai: 40,000 (Claiborne)
  • Cherokee Run: 40,000 (Darley
  • Anabaa: 40,000 (Castleton)
  • Afleet Alex: 40,000 (Gainsway)
  • Roses in May: 40,000 (Big Red)
  • Tale of the Cat: 37,500 (Ashford)
  • Yes It's True: 35,000 (Three Chimneys)
  • Grand Slam: 35,000 (Ashford)
  • Forest Wildcat: 35,000 (Brookdale)
  • Agnes Digital: 30,000 (Big Red)
  • Aldebaran: 30,000 (Darby Dan)
  • Aragorn: 30,000 (Lane's End)
  • Bernstein: 30,000 (Castleton)
  • El Corredor: 30,000 (Hill 'n' Dale)
  • Gulch: 30,000 (Lane's End)
  • Kitten's Joy: 30,000 (Ramsey)
  • North Light: 30,000 (Adena Springs)
  • Pleasantly Perfect: 30,000 (Lane's End)
  • Point Given: 30,000 (Three Chimneys)
  • Roman Ruler: 30,000 (Hill 'n' Dale)
  • Silver Deputy: 30,000 (Brookdale)
  • Sky Mesa: 30,000 (Three Chimneys)
  • Stormy Atlantic: 30,000 (Hill 'n' Dale)
  • Strong Hope: 30,000 (Claiborne)
  • Thunder Gulch: 30,000 (Ashford)
  • Touch Gold: 30,000 (Adena Springs)
  • War Chant: 30,000 (Three Chimneys)
  • Arch: 25,000 (Claiborne)
  • Broken Vow: 25,000 (Pin Oak)
  • Came Home: 25,000 (Lane's End)
  • Flower Alley: 25,000 (Three Chimneys)
  • Forest Camp: 25,000 (Airdrie)
  • Include: 25,000 (Airdrie)
  • Langfuhr: 25,000 (Lane's End)
  • Leroidesanimaux: 25,000 (Stonewall)
  • Lion Heart: 25,000 (Ashford)
  • Not For Love: 25,000 (Northview)
  • Silver Train: 25,000 (Vinery)
  • Smoke Glacken: 25,000 (Gainesway)
  • Tiznow: 25,000 (WinStar)
  • A.P. Warrior: 20,000 (Stonewall)
  • Aptitude: 20,000 (Juddmonte)
  • Borrego: 20,000 (Wintergreen)
  • City Zip: 20,000 (Lane's End)
  • Consolidator: 20,000 (Darley)
  • Dehere: 20,000 (Ashford)
  • Eddignton: 20,000 (Claiborne)
  • Five Star Day: 20,000 (Wintergreen)
  • Forest Danger: 20,000 (Taylor Made)
  • Jump Start: 20,000 (Overbrook)
  • Lemon Drop Kid: 20,000 (Lane's End)
  • Orientate: 20,000 (Gainesway)
  • Purge: 20,000 (Vinery)
  • Quiet American: 20,000 (Darley)
  • Rockport Harbor: 20,000 (Darley)
  • Stephen Got Even: 20,000 (Lane's End)
  • Toccet: 20,000 (Castleton LYnos)
  • Woodman: 20,000 (Ashford)
2万ドルで切った事にたいした意味はありません。
なんか紛れ込んでるのがいますが、Big Red FarmはRoses in May、Agnes Digital、Meiner Loveの3頭がFeatured Stallionとして登録されています。種付け料もドル建てのアナウンスがあったりというのは面白いなと。Stallion Directoryの方はそうはなってないですけど。
1980年産のDixieland Bandが最高齢。次点は1982年産Theatrical。続いて1983年産のStorm CatとWoodman、1984年産Gone WestとGulch、1985年産DynaformerとSeeking the Gold、Rahy、Silver Deputy。といったあたりが古い種牡馬かな。あとはQuiet Americanとかその辺になる。
STORM CAT
|GIANT'S CAUSEWAY
||FIRST SAMURAI
||ARAGORN
|FORESTRY
||FOREST DANGER
|HENNESSY
||JOHANNESBURG
||HENNY HUGHES
|BLUEGRASS CAT
|TALE OF THE CAT
||LION HEART
|FOREST WILDCAT
|BERNSTEIN
|STORMY ATLANTIC
|CONSOLIDATOR

Deputy Minister
|AWESOME AGAIN
||GHOSTZAPPER
||TOCCET
|SILVER DEPUTY
|TOUCH GOLD
|FOREST CAMP
|DEHERE

Sadler's Wells
|EL PRADO
||MEDAGLIA D'ORO
||KITTEN'S JOY
||BORREGO

DIXIELAND BAND
|DIXIE UNION

Danzig
|ANABAA
|WAR CHANT
|Danehill
||NORTH LIGHT
|LANGFUHR

THEATLICAL

Seattle Slew
|A.P. INDY
||MINESHAFT
||BERNARDINI
||PULPIT
|||SKY MESA
|||PURGE
||MALIBU MOON
||Old Trieste
|||SILVER TRAIN
||A.P. WARRIOR
||APTITUDE
||JUMP START
||STEPHEN GOT EVEN
|VINDICATION

YES IT'S TRUE

Blushing Groom
|RAHY
|Runaway Groom
||CHEROKEE RUN
|Candy Stripes
||LEROIDESANIMAUX
|Mt. Livermore
||ORIENTATE

Roberto
|DYNAFORMER
|Kris S.
||ROCK HARD TEN
||ARCH

MORE THAN READY
ROSES IN MAY

Mr. Procpector
|KINGMAMBO
||LEMON DROP KID
|Forty Niner
||DISTORTED HUMOR
|||FLOWER ALLEY
|Fappiano
||Unbridled
|||UNBRIDLED'S SONG
||||SONGANDAPRAYER
||||ROCKPORT HARBOR
|||EMPIRE MAKER
|||BROKEN VOW
|||EDDINGTON
||QUIET AMERICAN
|GONE WEST
||MR. GREELEY
|||EL CORREDOR
||ELUSIVE QUALITY
|||SMARTY JONES
||SPEIGHTSTOWN
||GRAND SLAM
|||STRONG HOPE
||CAME HOME
|SEEKING THE GOLD
|FUSAICHI PEGASUS
||ROMAN RULER
|SMART STRIKE
|Machiavellian
||STREET CRY
|Afleet
||Northern Afleet
|||AFLEET ALEX
|Crafty Prospector
||AGNES DIGITAL
|ALDEBARAN
|GULCH
||THUNDER GULCH
|||POINT GIVEN
|Two Punch
||SMOKE GLACKEN
|Carson City
||CITY ZIP
||FIVE STAR DAY
|WOODMAN

MARIA'S MON

TIZNOW

INCLUDE

PLEASANTLY PERFECT

SUCCESSFUL APPEAL
OFFICER
かなり恣意的でかつ適当ですので要注意。
Storm Cat系については意外と少ないという印象。まあ、自身の50万ドルに、Privateながらおそらく20万ドル後半は取るであろうGiant's Causeway、12.5万ドルのForestryといて何が不満かという事になるかもしれないが…。Storm Cat産駒は今年はまだステークスを勝てず、Derby戦線に産駒が出てこないどころの話ではなかったりする。Giant's Causewayは全くDerby路線に乗せられないのが今後どうなるかなとは思ったり。今年もこれまでの稼ぎ頭がMy Typhoonということで初年度産駒に頼る状況。まあ4歳から強い馬が出てきたらちょっとは変わるか。層は厚いが、ちょっとGIで勝負できる馬が欲しいところ。相変わらず芝で稼ぐというところもあるのかなと思えるが。Forestryもさっぱり。初年度産駒からScat Daddyを出してきたJohannesburgはこの先どこまで勝負出来るかというのがポイントではあるか。他にTeuflesbergやBaroness Thatcherが出ているわけで、意外とと言うと失礼だが成功したなあと。
A.P. IndyはMineshaftに続いてBernardiniが種牡馬入りして、後継種牡馬の駒が揃ってきたというところか。PulpitやOld Triesteといった初期の後継種牡馬からは既にその後継が出ているわけで、しばらくは発展するかと。A.P. Indyは今年の3歳牡馬に大物がいないのですが、牝馬にRags to Richesを得ているほか、古馬にMaster CommandやA.P. Arrowがいて、現時点でリーディングトップ。Pleasant TapはPremium Tapの寄与が大きいので実質Royal Academy、Distorted Humor、Smart Strikeと言ったところがライバルか。Aptitudeは今年はまだGreat Hunter1頭が目立つというところ。Steppenwolferを持ち出すまでも無く詰めの甘い馬が多すぎるのでそのあたりが何とかなれば良いんだろうとは思う。Pulpitはさっぱり分からん。産駒にばらつきが大きい感じです。今年はCorinthianが頑張れば良いと思います。Malibu Moonはそう連続して活躍馬を出せる環境ではなかったろうからこんなものか。スピード任せの短距離馬が目立つような気もします。
Kingmamboは今更北米で期待しようとも思いません。Bobomanもどうにもと言ったところではあるし。で、今年は不思議とLemon Drop Kidが好調です。Christmas KidのAshland Sは怪しいものですが、Davona Dale Sも勝っていますし、そう悪い馬でもないでしょう。Santa Anitaで芝のGIIを2勝したCitronnadeもいますし、気が付けばそこそこの種牡馬になってます。初年度の悲惨さは何だったんでしょう。
Distorted Humorは今年もAny Given SaturdayとCowtown CatをDerbyに出走させる事が出来そうということで、この人気も当然というところはあるかな。古馬でも強いし、いずれ頂点に立てる種牡馬かとは思いますが。
北米のMr. Prospector系の中軸にある種牡馬として種付け料が20万ドルに達したUnbridled's Songですが、ちょっとこれは見込まれすぎたと言えるでしょう。何気にフィリーサイアーっぽいところもあったりしますが、もうちょっとなんとかならんかなとも。亡き父Unbridledの余光ではあるだろうが、Empire Makerとかもいるのでいつまでこの地位を守れますかね。
Awesome Againはフィリーサイアーの特徴を示していますが、GhostzapperやWilkoを出せるのでまだましか。今年に入ってSpun Sugar、Round Pondが引退しましたし、Dubai Escapadeも引退してますからこれから稼げる馬が出てくれば良いんですけどね。Ghostzapperは種牡馬入り当初の20万ドルからは減じたとはいえ、15万ドル。これがどうでるかは分かりませんが、とりあえずセリでは人気のようです。
Gone Westの部分も人気先行の種牡馬が多いという印象。Mr. GreeleyやGrand Slamがそんなに良いとは思わないし、Came Homeも産駒がデビューしてみればこんなものかと言ったところがあるかと思われる。同期のJohannesburg、Street Cryが華々しい成功を収めつつあるのに比べるとどうにもならない。Elusive QualityもSmarty Jones以外は案外の成績で10万ドルを取れる種牡馬ではない。スピードはあるし、芝もこなせるようなのでどうしようもないという事ではないだろうが、Smarty Jonesではしゃぎすぎたんじゃないかなあ。
DynaformerはBarbaroをなんとかして種牡馬にしたかったという事になってしまうか。この馬がもう一度牡馬の強力な産駒を送り出せるかとなると怪しい。強い牝馬ならいくらでも出してきそうではありますが。
Seeking the GoldはJazilがいるとはいえ、Dubai Millenniumの遺児Dubawiに託されたという部分はあるかな。Jazilは母系が良いので種牡馬としての可能性は大きいでしょうが、今の実績では足りないと思うので今年何とかすればね。
El Pradoは後継種牡馬を得て、北米にSadler's Wellsの血を広めてはいますが、昨年からちょっと活躍馬を欠く状況です。今年になってもさっぱりですので嫌な状況か。稼いでくれていた産駒がほぼ現役を去ったので、その次が出てこない。Derby戦線に乗るかと思われたBuffalo Manがあっさり故障で戦線離脱などついてない面もあるんですが、Keenelandのポリトラック専用機っぽいAsi Siempreだけでは厳しいでしょう。
Fusaichi PegasusはGiant's Causewayに大きな差を付けられました。Giant's Causewayは主に欧州での産駒の活躍によるところが大きいとはいえAragornなどが出ていて、古馬の活躍という部分での差が大きい。オーストラリアにシャトルされていたときの産駒からFloral Pegasus、Haradasun、Zizouなどが出ているので活路を見出せない事は無いだろう。
Rahyは種付け料が徐々に落ちてはいますが、昨年もDreaming of AnnaとShining EnergyがGIを勝ちました。かなりしぶといですね。活躍馬が牝馬に寄る傾向があって後継種牡馬となるとほぼFantastic Lightという事になるかなとは思われるので、Darleyがどういうつもりで日本に連れてきたのか知りませんが、何とかなると良いですな。まあ、日本で割と走ってはいるんですが>Fantastic Light産駒。
Smart Strikeは今年のDerbyで一番人気になりそうなCurlinの父です。このままCurlinがKentucky Derbyまで勝ったらすごい事ではあります。芝をこなせる事と、成長力があるというところで評価が高くなってるという気はします。

April 28, 2007

4/29 Champions Mile GI Sha-Tin HK Turf 1600m

香港の芝マイルは現時点で世界最強の陣容かと思われる。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
16LinngariIndian RidgeLidakiyaKahyasiK. SheaH. Brown
29KapilJalladOutstanding StarBletchinglyW.C. MarwingM.F. de Kock
32The DukeDanehillMer du SudBluebirdD. DunnC. Fownes
41Good Ba BaLear FanElle MemeZilzalO. DoleuzeA. Shutz
54Joyful WinnerEl MoxieNorthern TycoonLast TycoonD. BeadmanJ. Moore
63Bullish LuckRoyal AcademyWild VintageAlyshebaB. PrebbleA.S. Cruz
78Floral PegasusFusaichi PegasusCrown CrestMill ReefG. MosseA.S. Cruz
87Able OneCape CrossGardeniaDanehillM. KinaneJ. Moore
95Casino PrinceFlying SpurLady CapelLast TycoonD. WhyteA. Cummings
安田記念を勝ち、今年はDubai World Cに出走して3着という実績を持つBullish Luckに、現香港5歳世代の最強格であるFloral Pegasus、年末の香港哩を勝っているThe Duke、安田記念3着以降は不振でしたが前走のQueen's Silver Jubileeで復活勝利を挙げたJoyful Winnerと地元のタレントが豊富。遠征馬はDuty Freeで最後Admire Moonに迫る2着のLinngariが上位。距離短縮はプラスだが、年末の香港哩で5着とやや足りないところもある。de Kock師のKapilでは荷が重いと思われる。
ところで、Good Ba BaはLear FanにZilzalとなかなか楽しい血統をしておるのですが、こいつの三代母はSanta Quilla。あのMiesqueの祖母なのですな。実に分かりやすいですね。現在3連勝中で、前走ではArmadaやJoyful Winnerを下しています。結構面白いかなと。去勢すんなやとも思いましたが。

Result

1.Able One: Cape Cross - Gardenia by Danehill
2.Joyful Winner: El Moxie - Northern Tycoon by Last Tycoon
3.The Duke: Danehill - Mer du Sud by Bluebird
4.Floral Pegasus: Fusaichi Pegasus - Crown Crest by Mill Reef
5.Good Ba Ba: Lear Fan - Elle Meme by Zilzal
6.Linngari: Indian Ridge - Lidakiya by Kahyasi
7.Kapil: Jallad - Outstanding Star by Bletchingly
8.Bullish Luck: Royal Academy - Wild Vintage by Alysheba
9.Casino Prince: Flying Spur - Lady Capel by Last Tycoon
香港勢が上位独占。そしてKinaneがしてやったりというところかと。半マイル通過が49秒フラットで1分34秒台の決着なのだから、上がり4F勝負。これを22.9-22.6でまとめられたら後続は手が出せないだろう。2番手追走のThe Dukeあたりが手を打たなければならなかったレースではあった。そんな中後ろから2番手という位置から差して2着のJoyful Winnerは評価できるレースで、今年も安田記念に参戦してくるなら有力だろう。馬群の間を抜けてきたBeadmanの手綱捌きも冴えていた。一方DWC3着からのレースとなったBullish Luckは直線で沈む。これも遠征の疲労などが影響したように思われる。

4/29 Queen Elizabeth II C GI Sha-Tin HK Turf 2000m

ドバイから香港、そして日本へというアジアの国際競争サーキットはもう少しちゃんと整理されると良いんだろうが、どうしても宝塚記念の扱いが難しくなってしまうという部分はあるかな。マイルでDuty Free、Champion Mile、安田記念がほぼ理想的になるだけに、宝塚記念の開催時期ってのはこの側面からは遅い。ただ、国内的に見れば3歳馬出走の可能性とか安田記念からの参戦があるので、開催時期を動かすわけにも行かないんでしょうが。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
110Admire MoonEnd SweepMy KatiesSunday SilenceY. TakeH. Matsuda
28Vengeance of RainZabeelDanelaghDanehillA. DelpechD.E. Ferraris
35Oracle WestWestern WinterNoble ProphetNoble AmbitionW.C. MarwingM.F. de Kock
44SushisanFuji KisekiMeine TochterBataanK. SheaH. Brown
53SeihaliAlzaoEdwinaCaerleonJ. MurtaghD. Selvaratnam
67Viva PatacaMarjuComicBe My ChiefM. KinaneJ. Moore
79Vital KingAlmutawakelWauwinetBassenthwaiteB. PrebbleP. O'Sullivan
86Sir ErnestoDanehillBrise de MerBeringF. CoetzeeD. Cruz
92Viva MacauSendawarDiyawaraDoyounD. BeadmanJ. Moore
101Supreme GainsAnabaaZebizanZabeelD. WhyteK.L. Man
さて、年末の香港Cの上位馬のうち、勝ったPrideは引退し繁殖入りしましたが、2着Admire Moon、3着Vengeance of Rainはそれぞれドバイ遠征を行い、当日の芝GIのタイトルを勝ち取っての香港凱旋となりました。これを迎え撃つ体勢になるのが同レース4着のViva Pataca。
Vengeance of RainはSheema Classicに出走したわけですが、香港からそのレースにチャレンジすべきはViva Patacaの方であるとは思っていました。Vengeance of Rainが2000mにおいて香港最強を名乗るならば、2400mにおいてはViva Patacaの方であったからです。Vengeance of RainがSheema Classicを勝ったとき、Viva Patacaの陣営は何を思ったのでしょうか。Vengeance of Rainの凱旋レースでもあるこのレースに彼らはM. Kinaneを呼び寄せてViva Patacaの手綱を託し、更にはステープルメイトViva Macauを用意するほどに念を入れてきました。 Vengeance of Rainは遠征帰りであるというところで、どの程度仕上げられているかでしょう。HKJCが割とはしゃいでいるので下手なレースは出来ないのですが、Viva Pataca陣営の本気を見るとやや分が悪くなるかなとは思います。
Admire Moonはドバイから香港に直行というローテーションで、2002年にAgnes DigitalがこれをやってEishin Presstonに撃墜されていましたが、このレースだけを見れば基本的にはそう悪いローテーションではないとは言えるでしょう。2ヶ国に渡っての出走になるので検疫の問題が無視できないこともありますし、本気で勝ちに来る選択ではあるはずです。ただ、あのAgnes Digitalでさえもその後1年のブランクを余儀なくされたという事もあって、負担の掛かる部分も無視できないのでしょう。まあ、今年日本で使うということを諦めて欧州に飛んだら面白くはあるんですけどねえ。
遠征馬が他にSheema Classic2着のOracle West、5着Sushisan、Duty Free4着のSeihaliならば、昨年Irridescenceを勝たせたde Kock師のOracle West程度が強敵とはいえ、Vengeance of RainとViva Patacaの香港2騎が最大の敵であり、今年のDerby馬であるVital Kingはその地元2頭とAdmire Moon、Oracle Westとドバイで実績を挙げてきた遠征馬2頭を相手にどこまでのレースを見せられるかという事になりそうか。
Viva MacauはフランスでPrix Daphnisを勝っているDilekです。父Sendawarに母父Doyounというだけでもはっきりとしますが、かのBoussac由来の13-c族でDarshaanとDiyawaraでやや弱いながらもMill Reef、Abdos、Alvanillaが相似形を形成してクロスする如何にもAga Khanといった風な血統を持っています。Derbyでは9着と大敗しましたが、Trialは2着でしたし、もう少し先があるかなと思われる部分もあります。さすがにここで何とかなるとは思えませんけど。

Result

1.Viva Pataca: Marju - Comic by Be My Chief
2.Vengeance of Rain: Zabeel - Danelagh by Danehill
3.Admire Moon: End Sweep - My Katies by Sunday Silence
4.Sir Ernesto: Danehill - Brise de Mer by Bering
5.Sushisan: Fuji Kiseki - Meine Tochter by Bataan
6.Oracle West: Western Winter - Noble Prophet by Noble Ambition
7.Vital King: Almutawakel - Wauwinet by Bassenthwaite
8.Supreme Gains: Anabaa - Zebizan by Zabeel
9.Viva Macau: Sendawar - Diyawara by Doyoun
10.Seihali: Alzao - Edwina by Caerleon
周到にドバイ勝ちの2騎を迎え撃つ体勢を整えて挑んだViva Patacaがきっちりと勝った。Vengeance of Rainを直線で楽に交わした様はさすがとしか言いようのないものではあった。ただ、やはりVengeance of Rainらが遠征から1ヶ月でのレースということもあったし、Viva Macauを用意して、Vengeance of Rainの前でレースをさせたというあたりの作戦勝ちの側面も否定する事は出来ないかと思う。逆に言えばこれだけの勝負レースにしておいて負けなくて良かったという気持ちもどこかにある。条件は何もかもViva Patacaに向いていたし、これで負けたら相当ガックリ来ただろう。こういう局面でしっかりと仕事をするM. Kinaneもさすがではあった。
そのVengeance of Rainも直線で手応えが悪かった時は惨敗を覚悟しなければならなかったかとも思えたが、そこからちゃんと2着を確保したのだから非凡だし、香港の2000mに君臨する王者としての輝きを見せたとは思う。ドバイ遠征直後のレースは難しいというのはどこの馬にも言えることではあるし、疲労が溜まっているようなら無理せず、今年後半のキャンペーンに賭けてくれたほうが面白そうです。
Admire Moonもドバイからの転戦で、困難さはVengeance of Rain以上ではあったろうし、Sha-Tinの2000mで大外を引くという不運もあった。スタート直後にチャンスがあればどこかで内に入れようとはしたような場面はあったが、結局スローになりやすい香港のこの距離のレースでは3コーナーから外外を回すしかなくなったし、厳しいレースになったのは仕方ないかと思う。ただ、馬体の出来が落ちていたようなのでそのあたりも影響したか、直線での伸びがいまいちであったようにも見えた。
その他のドバイからの転戦馬ではSushisanがAdmire Moonに釣られるように伸びていた、というよりAdmire Moonがちょっと直線に入って鈍いという印象だったが、のは評価が出来るかなと。Oracle Westあたりは勝負に絡めなかったが、2400mないと厳しいのだろうか。
香港勢としてはレースを引っ張ったSir Ernestoが面白い馬になった反面、ダービー馬Vital Kingの案外さというのも目に付いてしまったか。ちょっと2頭とは差があるので、この先の香港の2000m級のレースはViva Patacaで支えるということになりそうか。

天皇賞春 京都 GI 芝3200m

ロートルか若僧か。
馬名母父騎手調教師
1マツリダゴッホサンデーサイレンスペイパーレインBel Bolide横山典弘国枝栄
2ファストタテヤマダンスインザダークメインゲストターゴワイス武幸四郎安田伊佐夫
3ユメノシルシフジキセキユメシバイトニービン吉田豊大久保洋吉
4アドマイヤモナークドリームウェルスプリットザナイトトニービン村田一誠松田博資
5アドマイヤタイトルアドマイヤベガアドマイヤモンローCaerleon四位洋文河野通文
6メイショウサムソンオペラハウスマイヴィヴィアンダンシングブレーヴ石橋守高橋成忠
7トウカイエリートサンデーサイレンストウカイナチュラルナイスダンサー川田将雅松元省一
8アイポッパーサッカーボーイサンデーアイサンデーサイレンス安藤勝巳清水出美
9ウイングランツダンスインザダークアリシーナAlysheba秋山真一郎高市圭二
10トウショウナイトティンバーカントリーミッドナイトオアシスJava Gold武士沢友治保田一隆
11マイソールサウンドタマモクロスチアズスミレサンデーサイレンス角田晃一西浦勝一
12トウカイトリックエルコンドルパサーズーナクアSilver Hawk池添謙一松元省一
13ダークメッセージダンスインザダークエヴリウィスパーノーザンテースト佐藤哲三佐々木晶三
14ネヴァブションマーベラスサンデーパールネックレースMill Reef北村宏司伊藤正徳
15デルタブルースダンスインザダークディクシースプラッシュDixieland Band岩田康誠角居勝彦
16エリモエクスパイアスキャターザゴールドエリモブラウニーコマンダーインチーフ福永祐一大久保龍志
昨年の二冠馬メイショウサムソンは今年初戦が大阪杯というあたりが引っ掛かる。昨年秋の不振から立て直してきっちり勝ったのは良いと思うが、距離が持つのかどうかという部分に対しての証明はなされなかった。オペラハウスにダンシングブレーヴで何が不満かと言われそうではあるが、大阪杯から天皇賞ってのはテイエムオペラオーの2度目とヒシミラクルくらいしか記憶に無い。で、ヒシミラクルは阪神大賞典、大阪杯と叩いての本番というパターンだったし、テイエムオペラオーなんて参考になりません。菊花賞のラストが距離のせいなのか不調だったのかの判断になるかなというところ。
ダンスインザダークという種牡馬は菊花賞には強い反面、この春の天皇賞は苦手ではないかと思える。ここ数年このレースにも有力馬をそれなりに出走させているが、掲示板に入ったのはダイタクバートラムとツルマルボーイのみであり、この2頭も連対するところまでは行けなかった。今年は4頭がエントリーしているが、人気になるのはデルタブルース。Melbourne Cを勝つ偉業を達成したが、昨年の天皇賞春では10着と大敗している。古馬になってからは国内のGIではアテにならないという馬だけに、今年もどうだかと思われる。ファストタテヤマは前走でスローの大阪-ハンブルクCの上がり勝負を制した。これまで阪神競馬場ではお話にならなかった馬が今更何をするかというところではあるのだが、外回りコースの恩恵であろうか。内回りの阪神大賞典ではこれまで通りではあった。この年齢になっても末脚の鋭さが健在であるというだけで京都のレースで何らかの期待を持っておきたいなと思うところ。幸四郎が何をしでかすか分からないという部分での楽しさもあります。ダークメッセージは大阪-ハンブルクCでファストタテヤマに差し負けました。2k重い馬に後ろから行かれてはと思います。距離も微妙なところです。ウイングランツは長期休養明けを一叩きしてのGI。休養前にダイヤモンドSなんかを勝ってますが、ちょっとどうにもならないかなと。
トウカイトリックは近走がステイヤーズS、万葉S、ダイヤモンドS、阪神大賞典と3000m超のレースばかりを使って2,2,1,3という着順。スタミナは文句無く、後はそれがGIで通用するのかということになるのだとは思います。昨年よりはましだろうが…
3連勝で日経賞を勝った上がり馬ネヴァブション。菊花賞を10着に負けた後、今年になってから3連勝。父がマーベラスサンデーで母父Mill Reefという血統で古馬になって本格化しつつあるといったところでしょう。三代母Pistol Packerは凱旋門賞でMill Reefの2着に入った馬。
トウショウナイトはWoodmanの直孫で、祖母はStorm Birdの全姉という血統ながら長距離の常連。2年前に4着に入っているし、最近調子が良いのかなと思うところもあるので期待できないことも無いと思うが。
マツリダゴッホはナリタトップロードの甥。AJCCが強かったけど、距離が延びてどうなるかということでしょう。でもまあ勝ったらさすがはサンデーサイレンスですねとしか言えなそうです。
今年の阪神大賞典を勝ったのはアイポッパー。過去の天皇賞は3着と4着。阪神大賞典もかなりスローなレースだったのでちょっと微妙なところですが、3つのGIIを比較すれば最もメンバーが揃っていたレースでもあるわけですし、それを勝ったアイポッパーはもうちょっと高く評価されて良いかなと。

Result

1.メイショウサムソン: オペラハウス - マイヴィヴィアン by ダンシングブレーヴ
2.エリモエクスパイア: スキャターザゴールド - エリモブラウニー by コマンダーインチーフ
3.トウカイトリック: エルコンドルパサー - ズーナクア by Silver Hawk
4.アイポッパー: サッカーボーイ - サンデーアイ by サンデーサイレンス
5.トウショウナイト: ティンバーカントリー - ミッドナイトオアシス by Java Gold
6.トウカイエリート: サンデーサイレンス - トウカイナチュラル by ナイスダンサー
7.アドマイヤタイトル: アドマイヤベガ - アドマイヤモンロー by Caerleon
8.ダークメッセージ: ダンスインザダーク - エヴリウィスパー by ノーザンテースト
9.アドマイヤモナーク: ドリームウェル - スプリットザナイト by トニービン
10.ファストタテヤマ: ダンスインザダーク - メインゲスト by ターゴワイス
11.マツリダゴッホ: サンデーサイレンス - ペイパーレイン by Bel Bolide
12.デルタブルース: ダンスインザダーク - ディクシースプラッシュ by Dixieland Band
13.ネヴァブション: マーベラスサンデー - パールネックレース by Mill Reef
14.ウイングランツ: ダンスインザダーク - アリシーナ by Alysheba
15.ユメノシルシ: フジキセキ - ユメシバイ by トニービン
16.マイソールサウンド: タマモクロス - チアズスミレ by サンデーサイレンス
ラップタイム: 13.2 - 11.9 - 11.8 - 11.6 - 11.8 - 11.6 - 11.8 - 13.0 - 12.9 - 12.4 - 13.0 - 12.5 - 11.8 - 11.2 - 11.3 - 12.3
今年も京都の芝は速かったとはいえ、マヤノトップガンを上回る3:14.1ならメイショウサムソンは相当よいレースをしているとは思う。ハナ差でよりにもよってスキャターザゴールド、福永という組み合わせのエリモエクスパイアなあたりが困ってしまうが。
メイショウサムソンはむしろ距離がどうかなと思っていたくらいだが、オペラハウスにダンシングブレーヴならこれくらいは当然といったところか。むしろこの高速決着をこなしたことに驚いてみたり。エリモエクスパイアに関しては、戦績とかほとんどチェックせずにこういうなめたことをすると痛い目にあうのだなという感じですよ。
さて、トウカイトリックですが、3,4コーナーでペースが上がるあたりでやや置いていかれていたようには見えた。この辺のズブさというのは仕方のない面もあるように思うが課題か。阪神大賞典なんかもそんな感じであったし。
アイポッパーはいくらなんでも下げすぎといった印象。とはいえ、中団で外外を回してもどうにもならんかったろうし。改めてトウカイトリックの位置取りは良かったと思わされる。スタートはトウカイトリックのせいでゲートに時間がかかったのも影響したのかなあ。
で、終了してるダンスインザダーク産駒の体たらくは…。デルタブルースは早仕掛けで直線ぱったり。強引に行き過ぎたんじゃないかなと。

April 29, 2007

4/29 Prix Ganey GI Longchamp FR Turf 2100m

いよいよ本格的にシーズン開始というこのレース。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
12Boris de DeauvilleSoviet StarLogjamRoyal AcademyY. BarberotS. Wattel
25Doctor DinoMuhtathirLogicaPrioloO. PeslierR. Gibson
33Dylan ThomasDanehillLagrionDiesisC. SoumillonA.P. O'Brien
41Blushing KingBlush RamblerStorm WarningTumble WindF. VeronJ.L. Guillochon
58EgertonGroom DancerEnricaNiniskiC. LemaireP. Rau
66Irish WellsPoligloteSign of the VineKendorD. BoeufF. Rohaut
77Sign of the WolfLoup SolitaireSign of the VineKendorF. BertrasF. Rohaut
84Pearl SkyKahyasiPatissimaLightningA. CrastusY. de Nicolay
とにかくDylan Thomasということになるのだろう。今年は地元Curraghで一戦使っての参戦。まあ、いろいろと言われますが、昨年はInternational SとJockey Club GCで負けて評価を落としたというところですが、前者は割と3歳馬には難しいレースで、後者がアメリカ遠征となればどちらも言い訳可能。Irish Championを勝っていることは評価されるべきで、ここはメンバーも軽いのでクリアしてもらわないと困るかなと。
地元フランスのトップがIrish Wellsでは心もとなく、2番手はEgertonということになるでしょう。こちらも地元で一戦こなして、この馬としてはアレなことにきっちり勝って来ました。ルメールを用意して本気ですよねと。
Irish Wellsは今シーズン初戦のPrix d'Harcourtを3着。これを勝ったのがBoris de Deauville、2着が上がり馬Pearl Skyということで、このあたりから路線を支えられる存在が出てくればといったところかと。

Result

1.Dylan Thomas: Danehill - Lagrion by Diesis
2.Irish Wells: Poliglote - Sign of the Vine by Kendor
3.Doctor Dino: Muhtathir - Logica by Priolo
4.Boris de Deauville: Soviet Star - Logjam by Royal Academy
5.Egerton: Groom Dancer - Enrica by Niniski
6.Pearl Sky: Kahyasi - Patissima by Lightning
7.Blushing King: Blush Rambler - Storm Warning by Tumble Wind
8.Sign of the Wolf: Loup Solitaire - Sign of the Vine by Kendor
Dylan Thomasが勝って良かったねとしか言えませんな。向こうの馬場としてはかなり速かったようですが、それを置いても速い時計でした。Dylan Thomasがきっちりと実力を見せたということでしょう。Irish Derby馬ですが、10Fの方が向いてるのかな。

Kentucky Derby Contenders: My Choice

全部やるつもりはないけど適当に。とりあえずこの3頭から勝ち馬が出たら喜びます。
CIRCULAR QUAY: Ace of Pletchers
Thunder Gulch Gulch Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Jameela Rambunctious
Asbury Mary
Line of Thunder Storm Bird Northern Dancer
South Ocean
Shoot a Line High Line
Death Ray
Circle of Life Belong to Me Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Belonging Exclusive Native
Straight Deal
Concentric Shadeed Nijinsky
Continual
Magic Circle Alydar
Golden Circlet
Pedigree generated by PedigreeQuery.com

父Thunder Gulchは現役時はKentucky Derby、Belmont Sを制した二冠馬。他にFlorida DerbyとTravers Sも制してGI4勝の3歳チャンプでした。種牡馬入りしてからは初年度産駒に北米牝馬の賞金記録を塗り替えたSpain、二年目の産駒に同じく二冠馬の三歳王者Point Givenを出しました。その2頭が大暴れした2001年にサードクロップながら北米リーディングサイアーを獲得していますが、その後はあまり良くなく、リーディングでも低迷しました。ところがPoint Givenの産駒がデビューするような時期になって再びBalanceという活躍馬を得て、更にCircular Quayが続いた形。自身と仔Point GivenがBelmont Sを勝ち、またPoint Givenと同期のTweedsideがCCA Oaksを勝っているように距離が延びて強いという特徴を持ちます。このスタミナはThunder Gulchの祖母Shoot a Lineに依るものです。父が重いHyperionであるHigh Lineを持つこの牝馬は当時はまだ3歳限定のGIだったYorkshire Oaksを勝ち、古馬となってからはAscot Gold Cupで2着に入る活躍を見せました。このスタミナにStorm BirdやGulchという適度な軽さを持った種牡馬を入れたのがThunder Gulchです。このあたりはPrincequilloやBuckpasserあたりをスタミナの頼りにする北米では異色なところのある種牡馬とは言えるでしょう。産駒の出来に波があるのはこのあたりが理由でしょうか。反面オセアニアでもそこそこには活躍馬を出せるのですが。このShoot a Lineのファミリーは多くが日本に輸入されています。バイオレットSを勝ったシャドウストライプは記憶に新しいところ。
Circular QuayはNothern DancerとRaise a Nativeをそれぞれ3本持ちます。父、母父、祖母がそれぞれNorthern DancerとRaise a Nativeを組み合わせた血統をしています。Northern DacnerはStorm Bird、Danzig、Nijinskyという形で入り、Raise a NativeはMr. Prospector、Alydar、Exclusive Nativeから入ります。
Belong to MeはLa Troienneの一門で、Hail to Reasonを持つのがポイント。Hail to Reasonは母NothirdchanceがBlue LarkspurとSir GallahadをMan O' Warで支える形になっており、SpearmintやSundridge、更には名繁殖Plucky LiegeをTurn-toと共有する事になります。また、ExclusiveはFairy GoldとRock Sandに絡むクロスを持ち、Raise a NativeからMan O' Warを享けてこれを強化するほか、Whisk BroomやDominoも呼応させる事になります。DanzigからはAdmirals VoyageがSir Gallahad=Bull Dogを持つほかWar Admiralなどを持ちMan O' WarやDomino、Ben Brushを確保しています。NijinskyとStorm BirdはNorthern Dancer、Bull Page、Gallant Foxを共有し、TeddyとDominoの組み合わせを強く意識させます。また、Alydarはその母Sweet ToothがBull Lea、Blenheim、Chicleの牝馬経由クロスという綺麗な相似系を描いています。
特に母方にPharamond、Sickle、Hyperionの三兄弟を多く持ち、TeddyやDominoも豊富というのが特徴になり、そういうところで、Damascusなどを使えているのはポイントが高いかなと。
前にも書きましたが、多頭数になるKentucky DerbyではCircular Quayのような差し馬は、Pletcher厩舎のエース格としてJ.R. Velazquezを確保して打てるだけの手は打ったとはいえ、運が向いてなければどうしようもないところは出てしまいます。Belmont Sなら余裕でしょうけどね。
3歳になってからはRisen Star Sで落馬の不利を受けて5着でしたが、Louisiana Derbyを快勝しています。そのLouisiana Derby以来のレースとなるのでやや実戦間隔が開いてしまいましたが、今年は気にするほどのことも無いかとは思います。あとは枠順次第でしょう。

STORMELLO: Westcoastal Traveller
Stormy Atlantic Storm Cat Storm Bird Northern Dancer
South Ocean
Terlingua Secretariat
Crimson Saint
Hail Atlantis Seattle Slew Bold Reasoning
My Charmer
Flippers Coastal
Moccasin
Wilshewed Carson City Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Blushing Promise Blushing Groom
Summertime Promise
So Cozy Lyphard Northern Dancer
Goofed
Special Warmth Lucky Mike
Piece of Pie
Pedigree generated by PedigreeQuery.com

Stormy Atlanticの三代母であるMoccasinは2歳にしてアメリカ年度代表馬の地位を4歳馬Roman Brotherと分け合った早熟の名牝。現在までに2歳牝馬の年度代表馬は彼女しかいません。無論それには、それまで5年連続でその地位を独占したKelsoが去った後、Buckpasser(1966)、Damascus(1967)、Dr. Fager(1968)が舞台に現れる直前の1965年が古馬にも3歳馬にもやや駒を欠いたという事情はあります(同年の3歳王者はTom Rolfeで三冠戦を3-1-2着でクリアしたあとArlingtonで4連勝して凱旋門賞に出走、Sea-Birdに17馬身離された6着に終わる)。しかし同期のBuckpasserが2歳でいくつかの敗戦を喫していたのに対してMoccasinが牝馬相手とはいえ無敗だったという事実は、この年の年度代表馬を決するにあたり重要なポイントであったかと思わされるところ。Rough Shodの娘でRidanやLt. Stevensの全妹、一つ下の全妹がThongという血統です。4歳まで現役を続け、21戦11勝、ステークス7勝という戦績を残して引退しました。彼女は繁殖牝馬としても一流で直仔に2頭のチャンピオンをだすなど、直仔レベルの活躍では全妹Thongにも引けを取りません(ThongはForliを父とした最初の3頭の繁殖成績が凄まじいのです)。Round Tableの代表産駒に挙げられるApalacheeはMoccassinの、King PellinoreはThongの仔です。Apalacheeは競走馬としてイギリスに渡り、英愛2歳王者になっています。5戦4勝という成績を残して引退したApalacheeは種牡馬となって764頭の産駒から56頭のステークスウィナーを出しました。最晩年の産駒K One Kingが後継種牡馬としてその血を伝えています。また、MoccasinはForliとの間にScuffという娘を産んでいます。このScuffの仔がEbrosです。現在Moccasinのファミリーで最も栄えているのはCoastalとの間に成した娘FlippersからSanta Anita Oaksを勝ったHail Atlantisへと続く流れであり、Stormy Atlanticの甥にBandiniが出ています。
Stormelloは北米の名門23-b族でSolidityからThorn Appleに連なるファミリー。最近ではMadcap Escapade、Dubai Escapade姉妹が出ています。Northern DancerをStorm Bird、Nijinsky、Lyphardから享け、NasrullahはBold Ruler(Secretariat、Seattle Slew)、Nashua(Mr. Prospector)、Red God(Blushing Groom)、Nantallah(Moccasin)、Gloamour(My Charmer)の6本です。母系にPrincequilloが入らないところがやや気に掛かります。その分をHyperion、Blenheimあたりでフォローしきれるかどうかといったところでしょう。
今年になってからは2戦。Currin師はカリフォルニアが拠点ですが、Gulfstreamに2度の遠征を敢行し、Fountain of Youth S2着、Florida Derby4着の成績を残しました。Florida Derbyは輸送に時間が掛かり、レースでも厳しい展開を強いられたということで、仕方ないところもあるかなと。

ANY GIVEN SATURDAY: Give a Reason
Distorted Humor Forty Niner Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
File Tom Rolfe
Continue
Danzig's Beauty Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Sweetest Chant Mr. Leader
Gay Sonnet
Weekend in Indy A.P. Indy Seattle Slew Bold Reasoning
My Charmer
Weekend Surprise Secretariat
Lassie Dear
Whow Spectacular Bid Bold Bidder
Spectacular
Hooplah Hillary
Beadah
Pedigree generated by PedigreeQuery.com

父Distorted Humorは今シーズンについに種付け料が22.5万ドルに達したミスプロ系のトップサイアーです。同クラスには今季30万ドルからPrivateに変更されたKingmamboと種付け料20万ドルのFappianoの嫡流Unbridled's Songがおります。
母Weekend in IndyはSpectacular BidにA.P. Indyとなかなかの狂い様。Seattle Slew、Secretariat、Spectacular Bidと70年代に最強を誇ったBold Ruler直系の名馬3頭が競演します。その前のHillaryはSunday Silenceの累代にも見いだされることで知られるHyperion直孫の種牡馬ですが、この血統も狂気の領域に片足を踏み込んでいると言えばそうなるか。さらに前にはDjeddahでこちらはBoussac流の近交馬。A.P. IndyがBold RulerとPrincequilloの組み合わせが軸、Spectacular BidがTo MarketとMahmoud≒Mumtaz Begum、HillaryはSerenissimaとBlack Rayが絡み合う複雑な構成で、Djeddahは無論Durban=HeldifannとTeddyによる組み合わせ。この辺でそれぞれの方向性がばらばらなのがちょっと気に掛かるところではあります。
ところで、昨年のBC前にBlood-Horse上に出ていたFlower Alleyの配合解説において、母にLa Troienneが入っていることがDistorted Humorの成功のポイントであるといった主旨のことが書かれていて、その表現形として主なものがSeattle Slewを使ったFunny CideやBuckpasserを使ったCommentatorです。Any Given Saturdayは母父にA.P. Indyを持ちますから、Seattle SlewとBuckpasserによってLa Troienneを得ます。
牝系は優秀で、叔父にSecond of Juneが出ている他、Phone Chatterとか古いところではAfifaを出しています。
Any Given Saturdayは今年に3戦こなしており、Tampa Bayを拠点に戦いSam F. Davis Sを勝ち、Tampa Bay DerbyではStreet Senseのレコードに差のない2着と健闘しましたが、その後のWood Memorialが1コーナーで不利を受ける形になったとはいえ3着とやや期待はずれではあります。
とにかくWeekend in IndyはSunday Silenceが入ってる種牡馬をつけるとかなり笑える血統になりそうでwktkなんですが、Silent Nameあたりで一度試してみてくれませんかね。Weekend in Indyを使うのがもったいないってんならその妹たちでも良いです。

そんなわけで、血統紹介に見せかけて好きな馬について語るという質の悪いことになってますね。かなり前から準備し始めてるのに半分も出来上がってません。どこまで行けますかねえ。Notionalの離脱に泣いたw
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MARIUS / MARL
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メールはspam判定で巻き込まれる可能性があるので、メールフォームの方が確実です。
メッセンジャーにもいますのでそっちの方がより確実でしょう。
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IRCやmixiにもいますが、そっちは適当に探してください。
ここしか見ない人もいるので一応。

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