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Imaginations from the Other Side | August 2005 »

July 2005 Archive

July 5, 2005

7/5 Falmouth S GI Newmarket GB Turf 8F

No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
16Alexander GoldrunGold AwayRenashaanDarshaanK.J. ManningJ.S. Bolger
23PeeressPivotalNoble OnePrimo DominieM.J. KinaneSir Michael Stoute
31Soviet SongMarjuKalinkaSoviet StarJ.P. MurtaghJ.R. Fanshawe
47SundropSunday SilenceOenotheraNight ShiftK. McEvoySaeed bin Suroor
54Cape ColumbineDiktatCape MerinoClantimeT. QuinnD.R.C. Elsworth
62Karen's CaperWar ChantMiss CaerleonaCaerleonJ. FortuneJ.H.M. Gosden
75Penkenna PrincessPivotalTirianaCommon GroundsS. SandersR.M. Beckett
GIに昇格して2年目のレースは豪華メンバー。中距離の女王として君臨できる可能性を持つAlexander Goldrun、今年一年現役に留まったマイルの女王Soviet Song、古馬になっての飛躍を狙うSundrop、前走でSoviet Songを下したPeeresという古馬4頭に3歳馬3頭が挑みます。
Windsor Forestの上位3頭が揃って出走で、そこで3着とやらかしてしまったSoviet Song、勝っちゃったPeeress、その間にいたSundropの順位はまず入れ替わるんだろうけど、Alexander Goldrunとの力関係もあったりして悩むところ。Alexander Goldrunは久し振りのマイル戦だけに対応できるかどうかが気になるところではあるが、この馬はスターダムにのし上る前は下級条件のマイル戦を主戦場にしていたところがあって、全くこなせないわけではない。10Fのペースに慣れてしまっているのが気がかりというところ。3歳馬ではCape of Good Hopeの妹はちと足らんかなというところはある。一方でフランスは置いといて英愛のギニーのレベルに疑問が呈される昨今で愛ギニー2着のPenkenna Princess、Coronation2着のKaren's Caperの2頭のレース振りは注目しておきたいところ。
この斤量差なら、古馬トップクラス相手にはそれこそDivine Proportionsくらいつれてこないとダメだろうというところはあるので、叩いてきたSoviet Songに期待したい。Alexander Goldrunはマイルもこなせるが本領は10Fかなというところもあるので、やはり距離実績上位のSoviet Songには負けて欲しくない。Sundropはレースを選べば勝てるGIもあるだろうが、ここでSoviet Songを倒すのはちっと厳しかろうとは思うので、Alexander Goldrunを相手にどの程度やれるか見るのが良いだろう。

RESULT

1.Soviet Song: Marju - Kalinka by Soviet Star
2.Alexander Goldrun: Gold Away - Renashaan by Darshaan
3.Peeress: Pivotal - Noble One by Primo Dominie
4.Karen's Caper: War Chant - Miss Caerleona by Caerleon
5.Penkenna Princess: Pivotal - Tiriana by Common Grounds
6.Cape Columbine: Diktat - Cape Merino by Clantime
7.Sundrop: Sunday Silence - Oenothera by Night Shift
前走で一叩きされたSoviet Songは手応えがやや怪しくも見えたが、直線の残り1.5FというところでMurtaghが気合を入れると一気に立ち直って素晴らしい脚を披露。2着Alexander Goldrunに2馬身半の差をつける完勝。中9日でIREからの転戦となったAlexander GoldrunはSoviet Songの手応えが怪しくなった時点で勝ちが見え、残り1Fでは先頭に立ちましたが、Soviet Songの前に屈する結果に終わりました。この距離ではSoviet Songを止められないということでしょう。3着にはWindsor Forestの勝者Peeressが入り上位は古馬が独占。3歳馬のレベルに疑問が呈される結果になりました。Sundropは道中でも後方のままでそこから伸びてもこず最下位に沈みました。
Fanshawe師はレース前にペースが遅くなる事を見越して、朝にMurtaghとコースを歩きながら何があってもSoviet Songを勝たせることを確認していたとのこと。勝ったSoviet Songの次走はGoodwoodのSussex Sとなる見込み。
Alexander GoldrunのBolger師は完敗を認め、Soviet SongはAlexander Goldrunより優れたマイラーであると述べました。しかし同時にAlexander Goldrunは10Fのほうが得意であり、マイル戦もこなせるとも。Alexander GoldrunはLeopardstownのMatron Sを目標にしながら、Soviet Songとの再戦の機会を窺う模様。ひとまず次走はGI3勝すべてを挙げている距離10FのNassau Sを目指し、その後8FのMatron Sから昨年制している2戦、Prix de l'Opera、Hong Kong Cupというローテが有力。なお、Alexander GoldrunにはBCの登録が無く高額の追加登録が必要となるためBCに出走する意思は無く、今年も香港からの招待を待つようです。JRAにはエリ女の招待状を送りつけていただきたく。
Peeressもこの結果に満足しており、やはり2頭別格のレースであったといえる。PeeressもPivotal、Primo Dominieというスピード任せな血統構成ながらその前にはDancing Braveが入り更にSpecial=Thatchのクロスを持っており、Pivotalが牝馬で良い種牡馬であることも考えると今後も注目が必要か。

#1972さま、とりあえずこんな感じで…

July 7, 2005

Rakti (1999 GB) Polish Precedent - Ragera by Rainbow Quest

Blood-Horse: Superstar Rakti to Huma Park Stud
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GI6勝のRaktiがアイルランドのHuma Park Studに購入され、2006年シーズンから種牡馬入りする事が決まりました。Huma Park StudはRaktiの権利を100%手に入れ、これをシンジケートにするとのことです。しかしながら今年の残りのレースに付いてはGary Tanakaの服色で走り、Sussex S、BC Mile、Hong Kong Mileの3レースを最大目標として臨むことになりそうです。その香港を最後に引退となる見込み。
これまでに185万ポンドの賞金を稼ぎ出し、Derby Italiano、Premio Presidente della Repubblica、Prince of Wales's S、British Champion S、Queen Elizabeth II S、Lockinge Sを勝っています。前走はYorkのRoyal開催のQueen Anne SでValixirの2着でした。
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ということで今年一杯はマイル戦を使って引退という事になるのでしょう。ここで上がっている以外ではQueen Elizabeth II Sくらいなら今年も出てくるかと思われ、逆にフランスとかへの遠征はまずないかなと。Mile Championshipにも雪辱しに来てくれたらとか思うけど、どうなるんだろうねえ。
Derby Italianoなんて勝ったのは何かの間違いに思えるくらいに気性面での問題を抱えてしまって2000mでもどうにもならなくなってついにマイルに乗り込んだというのがQueen Elizabeth II Sでそこであっさりと勝つスピードを見せるものの、結局どの距離であれ気性の問題(あるいは騎手にも問題はあったかもしれないが)はついてまわり、昨年最後のアジア遠征は大失敗。しかし今年になってからもRakti Firstなんて書かれ方までしたLockinge Sでの圧倒的なパフォーマンスもあるし、無茶なレースでも2着に残ったQueen Anneなんてのもあるし、スピードという点では文句の無いものを持っているでしょう。母RageraはRainbow Quest X High Topと少し重く、気性さえ問題が無ければ12Fでもこなせたのではないかと思うところもあるので、先日亡くなったPolish Precedentの後継として頑張っていただきたく。まあ、同じく母父にRainbow Questを持っているPolish Summerがフランスで種牡馬入りしてますが、やはり本命はこっちとするしかなくというところではあったり。Polish Precedentの後継なら神ことPilsudskiもいますがね…

July 8, 2005

7/9 Hollywood Gold Cup GI Hollywood CA Dirt 10F

PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyWeight
1LimehouseGrand SlamDixieland BluesDixieland BandJ.R. Velazuquez117
2BorregoEl PradoSweet As HoneyStrike the GoldG.K. Gomez115
3Deputy LadMeckeEpistolaryDeputy MinisterJ.K. Court112
4Pt's Grey EaglePleasant TapHemet EagleSwing Till DawnC.S. Nakatani113
5Anziyan RoyaltyAnziyanShy SolanaTank's ProspectA. Solis115
6CongratsA.P. IndyPraiseMr. ProspectorT.C. Baze117
7Lava ManSlew City SlewLi'l Ms. LeonardNostalgia's StarP.A. Valenzuela118
8Musique ToujoursMusique d'EnferStarry FarrariInherent SgtarV. Espinoza114
9Al ArzRoba FinaJulie DreamRio BravoD.R. Flores113
10Keep On PunchingSilver DeputyAmber RyderRed RyderR.R. Douglas113
Hollywood春夏開催の終幕を告げる伝統の一戦だが、近年はPacific Classicにメンバーを奪われ気味。BCまでのことを考えると、この時期からレースに使っていたのでは息切れしてしまうというところはあるのだろう。
今年は10頭立て。なんとトップハンデはLava Manの118で、最有力のLimehouseはそれに続く117と恵まれた設定。9Fなら文句無しだが、10Fはどうかというところがあるのかもしれない。単純に走ってないから分からないだけとも言えるが。
Congratsも同じく117ポンド。くすぶりつづける良血A.P. Indyで、なんと言っても堅実さが売りです。Dubai World Cupは後方から追い込んで5着止まりといかにも大舞台で信頼できないところは見せてくれていますねえ。西にRock Hard Ten、東にSaint LiamがいるとはいえCongratsあたりが目覚めてくるとこの路線が俄然面白くなってくるところではありますので、何とかしていただきたく。Mineshaftの8割くらいの強さでええので…。
さて、なぜかトップハンデを頂戴してしまったLava ManはCalifornian Hの勝ち馬ですが、この馬も距離が持つのかどうか怪しいところがありますし、Limehouse以上の馬とは思えません。
距離を延ばして挑戦してきた昨年のEncient Title BCH勝ち馬Pt's Grey Eagleが軽ハンデを利してきたら怖いかも知れない。父Pleasant TapはBC SprintとBC Classicでともに2着ということで、スプリントのスピードを持ちつつ、距離が延びてもそれなりに対応できるという馬でしたし、母父Swing Till Dawnも短距離馬ながらFly Till Dawnなんて出せているので距離をこなしてもおかしくない程度で。

RESULT

ハンデ戦に戻った一年目はトップハンデの圧勝劇。
1.Lava Man: Slew City Slew - Li'l Ms. Leonard by Nostalgia's Star
2.Borrego: El Prado - Sweet As Honey by Strike the Gold
3.Congrats: A.P. Indy - Praise by Mr. Prospector
4.Musique Toujours: Musique d'Enfer - Starry Farrari by Inherent Sgtar
5.Limehouse: Grand Slam - Dixieland Blues by Dixieland Band
6.Keep On Punching: Silver Deputy - Amber Ryder by Red Ryder
7.Deputy Lad: Mecke - Epistolary by Deputy Minister
8.Anziyan Royalty: Anziyan - Shy Solana by Tank's Prospect
9.Pt's Grey Eagle: Pleasant Tap - Hemet Eagle by Swing Till Dawn
Al Arzはスクラッチ。
逃げに打って出たCongratsだが、終始Lava Manにマークされる厳しい展開となり、3コーナーで早くも交わされてしまい、最後は一気に捲ってきたBorregoにも交わされた3着。早めに先頭に立ったLava Manはそのまま直線では差を広げる一方でレース史上最大となる8馬身3/4という圧勝。一番人気に支持されたLimehouseは中団から伸びを欠いて5着に終わった。
Lava Manは2ヶ月前には100,000ドルのクレーミングで走っていたような上がり馬で、もちろんこれが初のGI勝利。現オーナーは昨年8月のクレーミングレースで50,000ドルでLava Manを購入している。通算24戦7勝で、獲得賞金は908,039ドル。この次はPacific Classicに出走を予定している。なお、BCには登録が無いため800,000ドルの追加登録料が必要となるClassicへの出走には消極的。
鞍上のP. Valenzuelaにとっても9回目の挑戦で初のHollywood Gold Cup制覇となった。

July 10, 2005

振り返れ、上半期 (3歳馬編)

トラセンさまの企画に乗ってみる。すでにろぜさま@うまさいとが同趣旨のことをやっておられますが気にしない。各国の3歳GI馬でも見ておこうかなと。

神より与えられし馬体

■Divine Proportions FNo.1-l: Kingmambo - Myth to Reality by Sadler's Wells
Poule d'Essai des Pouliches: Longchamp 1600m
Prix Diane Hermes: Chantilly 2100m
Miesqueの再来とも称されるモンスター。祖母MilliemeがShirley Heightsの全妹というボトムラインにKingmambo X Sadler's Wellsというニッキングパターンを踏襲。
全血の兄WhipperはPrix Morny、Prix Jacques le MaroisとGI2勝。父がMiesque's SonからKingmamboに変わって更に破壊力の増した妹は2歳戦を無傷の5連勝で駆け抜けて女王の座に着いた。今年は早くからイギリスへの遠征も取りざたされたがそこはNiarchos Family。 Diane Hermes以上の選択はなかった。
英1000 Guineasへの参戦も噂されたが、今年の欧州の天候不良による調整の遅れなども考慮されPoulichesへと向かうため今季初戦をPrix de la Grotteとし、これを快勝。続くPoulichesも勝って当然のレース。フランスのこの路線に太刀打ちできる馬はいなかった。その後マイル路線としてCoronation Sへの遠征も選択肢として挙がったが、結局距離を伸ばしてDiane Hermesへ。ここには最初からこの距離に専念してきたVadawinaら強敵が出走してきたが、Wildensteinの凝った良血Argentinaを3馬身の差に下して無敗のままフランスの牝馬2冠を達成。これはMiesqueの娘East of the Moon以来11年振りとなる快挙。
今後はJacques le Maroisで古馬・牡馬に挑戦となる予定だが、すでにそれらを迎え撃つ立場ですらある。

Kingmamboは止められない

■Virginia Waters FNo.9-e: Kingmambo - Legend Maker by Sadler's Wells
British 1000 Guineas: Newmarket 8F
母Legend MakerはSadler's Wells X Shirley HeightsというLalunが絡む欧州の王道を行く配合で、その上にKingmamboを配してSpecialを絡めた血統はDivine Proportionsに酷似したもの。9-e族Zariba系の良質牝系出身。
Irish 1000 Guineas Trialを快勝して英1000 Guineasに挑んだO'Brien厩舎の上がり馬。Maids Causewayらを下してクラシック奪取。その後のIrish 1000 Guineas、Oaksと敗れ、今年もO'Brienは苦しいということを顕わにしてしまったところはある。それでもOaksで4着してこの牝系が持つスタミナを証明して見せた。

恐るべきSpecialの血

■Saoire FNo.1-g: Pivotal - Polish Decent by Danehill
Irish 1000 Guineas: Curragh 8F
フランスを除いて混戦の牝馬戦線。アイルランドでのレース経験が豊富なSaoireが英ギニー馬Virginia Watersらを下してクラシックタイトル獲得。Pivotal産駒のワンツーで改めて牝馬の短距離に強いところを見せた。しかし、英愛の1000ギニー上位馬は続くCoronation SやFalmouth Sで良いところ無く敗退し、そのレベルに疑問が呈されている。

そしてまたGiant's Causeway

■Maids Causeway FNo.19-b: Giant's Causeway - Vallee des Reves by Kingmambo
Coronation S: York 8F
母はKingmambo X Nureyevという強いNureyevのクロスを持ち、近親にVallee Enchanteeが出るなどNureyevに相性の良い牝系。ここにGiant's Causewayを使ってマイルの活躍馬が出た形。
2歳からGIでも上位に顔を出す存在で、今年は英愛のギニー戦で善戦するもののわずかに届かなかったMaids CausewayはCoronation Sで戴冠。しかしその直後に肉離れを発症して、休養中。

もう一頭の無敗馬

■Eswarah FNo.8-k: Unfuwain - Midway Lady by Alleged
Oaks S: Epsom 12F10yd
母Midway Ladyは牝馬二冠馬であり、RibotとAlibhaiという濃いクロスを持ち、父AllegedにはWar Admiral、Princequilloのクロスがあるという底力溢れる血統で、父Unfuwainは牝馬で強い種牡馬。
今年4月にデビューして、5月にはリステッド勝ちを挙げ、6月にはOaks制覇となった。良血馬が狙い済ましてEpsomの12F10ydを勝ちに来たというローテではあろう。

無敗のGI馬も女王の前に屈す

■Vadawina FNo.20-d: Unfuwain - Vadaza by Zafonic
Prix Saint-Alary: Longchamp 2000m
叔父にValixirが出ているLagardereの遺産。
無敗でSaint-Alaryを勝ち、Dianeでの打倒Divine Proportionsの一番手に挙げられたが、敵わず。レース後骨折が判明。

鉄の巨人に栄冠をもたらした脚は脆く

■Footstepsinthesand FNo.1-e: Giant's Causeway - Glatisant by Rainbow Quest
British 2000 Guineas: Newmarket 8F
Giant's Causewayに母父はRainbow QuestということでRahyとRainbow Questを経由するBlushing Groomクロス。大種牡馬である割にはBlushing Groomのクロスはまだあまり見かけないが、Rainbow Questは母父としての存在感を増してきているので今後この形でのBlushing Groomクロスは頻出してくるかもしれない。Giant's Causewayが主戦場を欧州にするならば特にこれは重要であろうと考えられ、そういった意味ではもう少し先を見たかった馬ではある。
Dubawi、Oratorioらが人気になった英2000GuineasはGiant's Causeway産駒の伏兵Footstepsinthesandが制して、あっさりと父にクラシックタイトルをもたらした。Oratorioよりこちらを選んだFallonの目は確かだった。ここまで不振のO'Brien厩舎が翌日の1000ギニーと合わせて復活の兆しを見せたが、その後状況は余り改善されていないことが露呈した。Footstepsinthesandは脚部不安で愛2000ギニーを回避。そのまま復帰することなく引退し、種牡馬入りが決定した。間をおかずして仏二冠馬となったShamardalも引退種牡馬入りとなった為、初年度からクラシックで好調なGiant's Causewayの後継種牡馬としての熾烈な争いが来年から早くも始まることになる。

陣営に翻弄されながらも見せた意地

■Shamardal FNo.1-l: Giant's Causeway - Helsinki by Machiavellian
Poule d'Essai des Poulains: Longchamp 1600m
Prix Jockey Club: Chantilly 2100m
St. James Palace S: York 8F
Kentucky Derby制覇の夢に燃えるMohammed殿下にとってはこの世代のGiant's Causeway産駒の一番馬であり、近親にStreet Cryが出ているこの馬が望外にも自らの手元に戻ってきたことで今年も夢を追うことになった。そしてその試金石となったUAE Derby。ダート初挑戦というには余りにも無残な敗戦を喫し全てのプランは白紙に戻された。結局ここで勝ったBlues and Royalsが代わりにアメリカに行くことになったが、後に死亡。今年もMohammed殿下の夢は散ったのである。
その後Shamardalは立て直されたが、Dubaiでの負け方が余りにも酷かったため母父Machiavellianの早熟スプリンターという評まで出る始末。Dubawiとの使い分けもあってフランスに回されたが、Pouliansで勝ってまだ終わっていないことを証明し、今年から距離が短縮されたPrix Jockey Clubも勝って、地力を示した。その後St. James Palace Sは当初僚馬Dubawiに譲って回避予定だったが、急遽出走に転じて圧勝。Eclipse SでのMotivatorとの決戦に臨むが、直前になって骨折が判明。そのまま引退して、種牡馬入りすることが決定した。

亡き父に捧げる勝利

■Dubawi FNo.9-e: Dubai Millenium - Zomaradah by Deploy
Irish 2000 Guineas: Curragh 8F
Virginia Watersと同じEtoile de Franceの9-e族牝系。Sea Hawk、High Line、Dancing Brave、Deployと入る母ZomaradahはSadler's Wellsの代わりにDancing BraveとHigh Lineが入っていると見ることもできシンプルにニックスを繋いだLegend Makerよりかなり重め。
とにかくこの馬に関してはMohammed殿下の思い入れが強すぎるという印象もあったが、それでもクラシックタイトルをもぎ取ってその期待に応える最低限のことはやってのけた。殿下はDerby制覇に執念を燃やしたが、この9-e族のスタミナよりな牝系を以ってしてもEpsomの12Fを勝ちきるだけのものは持ち得なかった。Derbyまでおせおせのローテだった反動からかその後は出走できていない。

マイルハーフを席巻する新種牡馬Montjeu

■Motivator FNo.8-h: Montjeu - Out West by Gone West
Derby S: Epsom 12F10yd
母Out WestにはMixed Marriageのクロスがあり、この片方を持ってくるSharpen Upの血はこれからもMontjeuの成功パターンとして一定の存在感を示してくるのではなかろうか。
デビュー戦を6馬身差で圧勝。続くRacing Post Trophyで父MontjeuにGIタイトルをもたらした。今季初戦はDerby Sへの最重要前哨戦Dante S。ここを快勝して一番人気で迎えたDerby Sでは同父のWalk in the Parkを2着に従える圧勝劇。しかし古馬に挑む形になったもののメンバー手薄で圧倒的な一番人気のEclipse SではOratorioに差されてまさかの敗北を喫し、絶対的な立場を失った。堅すぎる馬場は合わないとのコメントも出た。次走に予定されているキングジョージで真価が問われる立場となった。

恐るべきMontjeu

■Hurricane Run Fno.1-l: Montjeu - Hold On by Surumu
Irish Derby: Curragh 12F
Surumuの前にSharpen Upが入って、Montjeuに対する成功パターンを踏みつつ、Hyperionも濃くしておく抜け目の無い血統。
フランスで2着して挑んだIrish DerbyでScorpionを引き連れて、今年のクラシック2度目のMontjeu産駒のワンツーを決めた。

10Fで本領を発揮したタフネス

■Oratorio FNo.9-c: Danehill - Mahrah by Vaguely Noble
Eclipse S: Sandown 10F
近親にStingerなどが出るファミリー。
2歳時より上位にいたOratorioは英愛のギニー、Derby、St. Jamesと走りまくってマイルの2000 GuineasやSt. James Palace Sではそこそこ見所のあるレース。古馬が手薄でMotivator1強のEclipse Sでは早め先頭のMotivatorを差しきってのGI勝利。手当たりしだいなローテによる経験豊富なキャリアで、Derby出走までは重馬場を選んで出走していた節のあるMotivatorを下した。これ以上伸びるところは無かろうものなので、あとはこのレベルをどこまで維持していけるか。

Chantillyで一変

■Turtle Bowl FNo.16-d: Dyhim Diamond - Clara Bow by Top Ville
Prix Jean Prat: Chantilly 1600m
LongchampのPoulainでは見せ場無く8着に終わっていたが、舞台がChantillyに変わって同コースの前哨戦を3馬身差で圧勝するとその勢いのままO'BrienのAd Valoremらを下してGI制覇。

Hyperionの名のもとに

■Sharp Lisa FNo.9-e: Dixieland Band - Winter's Gone by Dynaformer
Las Virgines S: Santa Anita 8F
母はHis Majesty=Graustarkの全兄弟クロス3X2が炸裂。Dixieland Bandは豊富なAlibhai-Hyperionを持つ種牡馬で、トータル7本のHyperionに支えられた優秀な血統。
Las Virgines Sを勝った後はAshland Sをスクラッチ。GII Fantasy Sはまさかの4着敗退となり、Kentucky Oaksは出走せず。そのまま休養中。

早すぎるさよなら

■Sweet Catomine FNo.21: Storm Cat - Sweet Life by Kris S.
Santa Anita Oaks: Santa Anita 9F
前年のEclipse Award受賞馬であり、今年はカリフォルニアの天候不順もなんのそのSanta Anitaの牝馬路線にSanta Anita Oaks圧勝でケリをつけると、続く舞台は牡馬挑戦のSanta Anita Derby。夢は果て、5着という現実。そしてレース当週のトラブルが明らかになりいろいろしてるうちに急遽引退決定。A.P. Indyと交配したと言われている。

圧勝

■Sis City FNo.16-c: Slew City Slew - Smart Sis by Beau Genius
Ashland S: Keenland 8.5F
安定感があるとはいえないが勝つときには圧倒的なパフォーマンスを発揮する。Ashland Sは10馬身半差の圧勝だったが、一番人気で迎えたKentucky Oaksでは4着に終わっている。

ひとまずの女王

■Summerly FNo.10-a: Summer Squall - Here I Go by Mr. Prospector
Kentucky Oaks: Churchill Downs 9F
Fair Grounds Oaksを勝っているが、Ashland SではSis Cityにぶっちぎりを許したこともあり、馬場次第というところが強い。このあとMother Goose Sで3着に終わり、この路線は混沌。

上がり馬の勢い

■Round Pond FNo.20-d: Awesome Again - Gift of Dance by Trempolino
Acorn S: Belmont 8F
4連勝で一気にGIを取ってしまった。Fantasy SではSharp Lisaを下しているという実績もあったが、ここはハイペースの展開で末脚勝負が嵌まったという面もあって、次にどんなレースをするかに注目が集まる。

良血開花

■Smuggler FNo.5-f: Unbridled - Inside Information by Private Account
Mother Goose S: Belmont 9F
5-f Grey Flightのファミリー出身で母Inside InformationはGI6勝でBC Distaffを13馬身半差の圧勝も付け加えて、チャンピオン古牝馬になった名牝。Bold Ruler - Grey FlightのClear CeilingのこのファミリーからはKona Goldなどが出ている。
Spun Sugarとの接戦を制してGIをとったが、ここで3着だったSummerlyを含めて決定的な差というものはまだ出ていないので、今後のNYトリプルティアラ戦でこの順位がどう変わってくるか。

古馬撃破

■Splendid Blended FNo.4-r: Unbridled's Song - Valid Blend by Valid Appeal
Vanity H: Hollywood 9F
Hollywood Starlet Sの勝ち馬で、本来なら西海岸の3歳牝馬路線を牽引すべき存在でしたが、復帰戦は遅れに遅れて6月のAcorn S。ここは直線失速して4着に終わりましたが、Vanity Hで古馬挑戦となるとIsland Sandとの接戦をアタマ差制しての勝利。

Nick Zitoの悲劇その1

■High Fly FNo.1-g: Atticus - Verbasle by Slewpy
Florida Derby: Gulfstream 9F
スピードスターHigh FlyがGiant's Causeway産駒Noble Causewayを下すものの、メンバー的に手薄なところもあって本番は10着に惨敗。続くPreaknessも10着とまるでダメ。Belmontは距離を考慮して出走せず。

絶対の王者を失い混戦の西海岸はMullins師の三連覇で幕

■Buzzards Bay FNo.A24: Marco Bay - Life Lass by Seneca Jones
Santa Anita Derby: Santa Anita 9F
Golden Gate Derbyを勝つなど、北カリフォルニアで実績を挙げていたBuzzards Bayが勝って、Mullins師はBuddy Gil、Castledaleに続きこのレース三連覇を達成。どの馬も本番では用無しなのは仕様。

Nick Zitoの悲劇その2

■Bellamy Road FNo.10-a: Concerto - Hurry Home Hillary by Deputed Testamony
Wood Memorial S: Aqueduct 9F
驚愕の17馬身差の圧勝劇を演じて、本番は1番人気。しかし7着に終わり、5頭出しで挑んだZito師はこの7着が最高と、布陣からすれば信じられないほどの惨敗劇。

受け継がれるMoccacinの血

■Bandini FNo.5-h: Fusaichi Pegasus - Divine Dixie by Dixieland Band
Blue Grass S: Keenland 9F
Rough Shodの送った年度代表馬Moccacinのファミリー出身の良血馬。Kentuckey Derbyでは19着と大敗し、その後脚首に骨片が発見されて、戦線離脱。

混戦を制したのは西海岸の名バイプレイヤー

■Giacomo FNo.2-d: Holy Bull - Set Them Free by Stop the Music
Kentucky Derby: Churchill Downs 10F
西海岸の3歳路線で勝てないまでも安定した結果を残していたGiacomoが大舞台で大仕事。2着に最低人気のClosing Argumentを連れてきて、レース史上に残る大波乱。

実力で掴み取った二冠

■Afleet Alex FNo.5-g: Northern Afleet - Maggy Hawk by Hawkster
Preakness S: Pimlico 9.5F
Belmont S: Belmont 12F
今年のKentucky Derby戦線は西海岸のDeclan's Moonが離脱して、一気に混迷。相手関係の怪しい前哨戦では大差勝ちが繰り返され、見た目には派手な路線であったがこういった馬が多頭数で揉まれると脆く、西海岸で脇役として安定していたGiacomoが栄光を手に入れた。そのKentucky Derbyで最も無念だったのがこのAfleet Alex。今年初戦は圧勝した上にゴールから更に2Fの暴走とわけのわからない事をしでかすものの、続くRebel Sは肺の感染症もあって惨敗。ここから立て直して前哨戦Arkansas Derbyは圧勝。しかしBCでも見せたここ一番での勝負運の無さは変わらずまさかの3着。しかしPreakness Sでは4コーナー出口で大きく体勢を崩しながらも、直線持ち直して圧勝。距離不安が囁かれた続くBelmont Sも圧勝して同世代トップクラスの実力を見せ付けた。

目覚めたファンシミン

■ラインクラフト FNo.9-f: エンドスウィープ - マストビーラヴド by サンデーサイレンス
桜花賞: 阪神1600m
NHKマイルカップ: 東京1600m
GIになると途端に勝負弱いファンシミン一族。高松宮記念でアドマイヤマックスが勝ってこのファミリーに初めてのGIをもたらすと、更にこのラインクラフトがGI2勝といきなり活性化。
阪神JFのときはやはりファンシミン系という形でGI勝負弱さあるいは勝負運の無さを見せてしまったのですが、その後ショウナンパントルなどが復帰戦を取りこぼすのとは対照的に好メンバーのフィリーズレビューを快勝。そのまま桜花賞をとると、距離を考慮してNHKマイルに挑戦。桜花賞上位がこのレースに参戦してくるのは始めてのことで、皐月賞惨敗組をデアリングハートとともに一蹴。改めてフィリーズレビューのレベルの高さを示した。今後はローズSから秋華賞の予定だが、シーザリオの動向次第で乗り替わりになりそうなのが気になる。

全てが順調に行き過ぎたことの不幸

■ディープインパクト FNo.2-f: サンデーサイレンス - ウインドインハーヘア by Alzao
皐月賞: 中山2000m
東京優駿: 東京2400m
全兄ブラックタイド、半姉レディブロンド。女王陛下の名牝系として名高いHighclere系。近親に活躍馬、名種牡馬を多数輩出している。
陣営がこれまでの試行錯誤を経て、完璧に送り出したダービー馬。欠点と言えばスタート直後に遅れる癖くらいだが、それすらレースを進める上では何ら問題とならない。秋にはシンボリルドルフ以来の無敗の三冠という大偉業に挑む予定。
とにかく強すぎる上に、隙が無いので嫌う人もいるし、ライバルらしいライバルがいないことからドラマ性の薄い馬になってしまっていることも事実。そのあたりで一頭だけ抜きん出て強いことの不幸はあるのかもしれないなと思うが、本当に無敗の三冠馬になったときにどういった評価が下されるのか、そしてその先はという期待も大きく…。

歴史的快挙

■シーザリオ FNo.16-a: スペシャルウィーク - キロフプリミエール by Sadler's Wells
優駿牝馬: 東京2400m
American Oaks: Hollywood 10F
フラワーCを制して参戦した桜花賞では主戦福永祐一がラインクラフトに乗るため吉田稔に乗り替わり。これをラインクラフトの2着とするとラインクラフトのいないオークスでは直線で完全に勝ちパターンで抜け出したエアメサイアを捩じ伏せて、父スペシャルウィークに初のGIをクラシックタイトルでプレゼントする事になった。その後同厩のディアデラノビアとともにAmerican Oaks遠征が計画され、ディアデラノビアは故障で実現しなかったが、シーザリオはそのディアデラノビアの従姉でここまで無敗の4連勝だったMelhor Aindaを4馬身差に下して、日本調教馬・日本産馬としては初の北米GI制覇を成し遂げました。今後はBC FMT挑戦なども考慮されている模様。

力尽きた…。古馬はまた気が向いたらやるかもしれないという事で。興味のある路線と無い路線はくっきりと分かる仕様ですねw
メールに書いてあるトラックバックURLと実際のトラックバックURL違ってますやん…

July 13, 2005

7/14 Grand Prix de Paris GI Longchamp FR Turf 2400m

フランス3歳路線の仕様変更で結局このレースが2400mになってしまって、代替ダービーという気も。…3歳最強馬決定戦の舞台をLongchampのこのレースに引き戻す事がFrance Galopの真の狙いであったか(ryとかデンパ的に思いつつ、ここからキングジョージを狙いに行くというのはちょっと無理のある日程かなというところもあってどうよ。Irish DerbyとKing Goergeの間のちょっと難しい日程で2400m戦をやってしまうというところもありつつ、フランス調教馬ならその二つのレースに無視ぶっこいて凱旋門賞で返り討つという予定もありだからなあ…。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
15Bellamy CayKrisTrellis BaySadler's WellsR. HughesA. Fabre
24LaverockOctagonalSky SongSadler's WellsM. BlancpainC. Laffon-Parias
37DesideratumDarshaanDesiredRainbow QuestC. SoumillonA. Fabre
48Plea BargainMachiavellianTime SavedGreen DesertJ. FortuneJ. Gosden
51MusketierAcatenangoMyth and RealityLinamixT. ThulliezP. Bary
69AnnenkovDanehillAgatheManilaO. PeslierE. Lellouche
76ScorpionMontjeuArdmelodyLaw SocietyK. FallonA.P. O'Brien
83Orion StarSternkönigOkochaPlatiniT. JarnetH.A. Pantall
92AirexUnfuwainArd Na SigheKenmareS. PasquierF. Poulsen
今年の3歳牡馬のこの距離ならばMontjeuを抜きに語れないところであり、実績としてIrish Derby2着と最上位のScorpionです。距離短縮された彼のレースにも出走して見事に飛んでくれたこの御仁。あの一戦だけなんだったのかというところもあり、普通にIrish Derbyの時のような力を見せれば問題なかろう所です。
2頭出しのFabre師はLongchampの2400m戦を3連勝中のDesideratumを用意。Fall AspenにSadler's Wells、Rainbow Quest、Darshaanと入れた問答無用なクラシック配合。同条件の前哨戦Prix du LysでOrion Starを下して万全というところか。一方僚馬Bellamy CayはLongchampの2000mで連勝中。こっちもBusted、Mill Reef、Sadler's Wells、Krisなら相当のものでおそらくDesideratumと使い分けられたのだと思いますが、この舞台を踏む前に2400mで走っていてくれたら面白かったかなとは思う。
Octagonal産駒LaverockはPoulain、Jockey Clubと案外な成績で一線級相手ではつらいところがあるか。とはいえ母がSadler's Wells X Shirley Heightsであるし、Zabeelの母父でNureyevが入ることからNureyev≒Sadler's Wellsというクロスが作れるのも悪くなかろうし、今後どこかで化けてくれないかなと思う馬ではあったり。
Bary師は神話と現実の関係がtoでなくてandな母を持つMusketier。Deutsches DerbyでAcatenangoも2400なら怖いという事を示したし、フランスでも昨年のBlue Canariしかりといろいろ出してきてるこの父の力で距離が延びてどこまでやれるかでしょう。
Royal YorkのKing Edward VIIを勝ったPlea Bargain。さすがにMachiavellian産駒に2400mというイメージは薄いし、母父Green Desertときたらもっと短いところ行けとか言いたくなりますが12F勝ってるから仕方ない。先日亡くなった名牝Time Charterを祖母に持ち、ステイヤーを出しまくったAthasiから脈々と受け継いできた牝系のスタミナというのは侮れないか。
以上からScorpionが中心ながらも、それほど楽なメンバーではないという印象で、Fabre2騎は非常に怖い存在。

RESULT

ParisのGrand Prixはこれまでとは異なった時期の異なったレースとして再生された。
1.Scorpion: Montjeu - Ardmelody by Law Society
2.Desideratum: Darshaan - Desired by Rainbow Quest
3.Orion Star: Sternkönig - Okocha by Platini
4.Plea Bargain: Machiavellian - Time Saved by Green Desert
5.Bellamy Cay: Kris - Trellis Bay by Sadler's Wells
6.Annenkov: Danehill - Agathe by Manila
7.Laverock: Octagonal - Sky Song by Sadler's Wells
8.Musketier: Acatenango - Myth and Reality by Linamix
9.Airex: Unfuwain - Ard Na Sighe by Kenmare
Irish Derby2着のScorpionが前哨戦のPrix du Lysの1、2着馬を下す快勝。またしてもMontjeuでした。そして、勝ち時計2:24.30はPeintre Celebreが凱旋門賞で記録した2:24.60を更新するコースレコード。ぶっちぎったわけではなくて、Desideratum以下もそれなりについてきているので時計の速い馬場になっていたというところはあるでしょうが、これだけの時計が出る馬場でも問題ないってのは心強くもあるか。今後はKing Goerge出走は無く、秋以降を見据えて最大目標を同条件のPrix de l'Arc de Troimpheに置くとのこと。もしかしたらIrish Champion Sに出てくるかもしれないが、それ以上にArc TrialやらPrix Nielあたりになりそうではあるか。
GI初挑戦となったDesideratumは6月の後半になってようやく重賞初挑戦であったように、まだまだ成長途上というところのある馬で、秋にはさらに期待できるでしょう。もちろん今年のArcもターゲットに入るが、Godolphinとしては更に4歳でのキャンペーンに期待を持っているよう。
Orion Starはブリンカー装着も効果なくまたしてもライバルの前に屈する結果。Plea Bargainなどを抑えているという事で結果としてはあまり悪くなく、同じLongchampでなら重賞を期待できるレベルにはあろうところです。
今年のフランスは競馬場毎で結果が大きく変わってしまうところがあるので、この結果もひとまずLongchampということで頭に入れておくべきかとは思います。そのLongchampの2400m戦が最も重要なのは間違いのないところではあるので、秋になってもこういった状況が続くようであれば、3歳有利のArcはこのあたりのメンバーが面白い存在となるのではないか。

July 16, 2005

7/17 Irish Oaks GI Curragh IRE Turf 12F

英Oaksの1、2着馬不在でやや薄いメンバー。ここはEswarahへの挑戦権を手に入れるのはどの馬かというところか。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
13AllexinaBaratheaGrecian BrideGroom DancerF.M. BerryJohn M. Oxx
28Chelsea RoseDesert KingCinnamon RoseTrempolinoP. ShanahanC. Collins
36Dash to the TopMontjeuMillennium DashNashwanJ.P. MurtaghL.M. Cumani
42HazariyaXaarHazaradjatDarshaanM.J. KinaneJohn M. Oxx
55In the RibbonsIn the WingsMy MariamSalseD.M. GrantJohn Joseph Murphy
61Lazy MarieSingspielLast SpinUnfuwainT.P. O'SheaD.K. Weld
79Mona LisaGiant's CausewayColorsnapShirley HeightsK. FallonA.P. O'Brien
84PictaviaSinndarInsijaamSecretariatK.J. ManningJ.S. Bolger
913Playful ActSadler's WellsMagnificient StyleSilver HawkJ. FortuneJ.H.M. Gosden
1011Right KeyKey of LuckSarifaKahyasiD.P. McDonoghKevin Prendergast
1110SaoirePivotalPolish DescentDanehillP.J. SmullenMs. F.M. Crowley
127ShawandaSinndarShamawnaDarshaanC. SoumillonA. de Royar-Dupre
1312ThakafaatUnfuwainFrappeInchinorR. HillsJ.L. Dunlop
Eswarahは出てこないので確たる軸はなく混戦模様。そんな中Dash to the Topに注目が集まっているようですが、これはどうもMontjeu産駒という事情によるところが大であると思わざるを得ず、まだまだそこまでの馬ではなかろうとは思う。Fillies Mileの3着馬で今年の復帰戦を快勝したものの、まだまだかと。祖母はMiesqueと競った名牝Milligram。Miesqueとは対照的に仔の成績はさっぱりですが、代を経てようやく活躍馬が出てくるようになったかなというところはある。基本的にマイルあたりで早熟なところのある牝系で12Fもやや疑問。
AllexinaはGumatらの近親でGolanなんかも出ているファミリー、要は遡ればRough Shodを出したSimon Shoesの5-h族。ややスタミナ色の濃い牝系ではあるのですが、Baratheaに12FのGIを勝たせるだけの地力があるかというと足らんかなと思う。
Chelsea Roseは如何に古馬相手とはいえ、前走のPretty Pollyでの負け方がひどすぎます。距離が延びれば一変してもおかしくない血統ではありますが、あまりそんなイメージには無い。
同父のGI馬が壊滅状態なのを尻目に使われまくるMona Lisaは古馬相手に軽くひねられたとはいえPretty Polly Sで3歳馬最先着。しかしOaks大敗もあって12F戦は疑問です。安定感が無いのでどの距離がというのはわかりにくいものの8F-10Fあたりではないのかなと思うところもあるし。
英Oaks出走組からは3着のPictaviaが最上位。種牡馬同期が派手に活躍馬を送り出していていまいち目立たない存在となったSinndar産駒。このあたりの距離が向いてるのかねえ。
Playful Actは全兄Percussionist、半姉Echoes in Eternityという確度の高い母の娘。今季初戦となった前走Lancashire Oaksは際どい勝利だったが、一叩きされて状態が上向いていれば、安定感もあるので有力な存在だろう。
ギニー馬Saoireも参戦してくるが、さすがにPivotalで12Fは厳しいというほかなく、母父Danehillということもあるし、あまり距離が持つようには思えない。
Ribblesdale Sの勝ち馬Thakafaatは牝馬に良駒が多いUnfuwain産駒。今年になって10Fで勝って、12FのGIIを勝ったわけで悪くない。
あのきょうだいはどこか甘いところもあるが、Playful Actに期待してみようかなと。

RESULT

Sadler's Wells王朝の終焉の刻は来たれり。
1.Shawanda: Sinndar - Shamawna by Darshaan
2.Playful Act: Sadler's Wells - Magnificient Style by Silver Hawk
3.Mona Lisa: Giant's Causeway - Colorsnap by Shirley Heights
4.Right Key: Key of Luck - Sarifa by Kahyasi
5.Dash to the Top: Montjeu - Millennium Dash by Nashwan
6.Saoire: Pivotal - Polish Descent by Danehill
7.Thakafaat: Unfuwain - Frappe by Inchinor
8.Allexina: Barathea - Grecian Bride by Groom Dancer
9.Chelsea Rose: Desert King - Cinnamon Rose by Trempolino
10.Pictavia: Sinndar - Insijaam by Secretariat
11.In the Ribbons: In the Wings - My Mariam by Salse
12.Lazy Marie: Singspiel - Last Spin by Unfuwain
Hazariyaは競争中止。
Aga Khan殿下のホームブレッドとなるShawandaが父SinndarにGIタイトルをもたらした。
Thakafaatが平均ペースで引っ張る展開の中、残り2Fから鞍上Soumillonが仕掛けて、最後の1Fで開けた内にいたShawandaは一気に加速して、ほぼ同じような位置から追い出しにかかった2着Playful Actに5馬身差をつける圧勝劇。更に2馬身半遅れた3着にはMona Lisaが入った。
Shawandaは4連勝となるがトップクラスと当たるのはこのレースが初めてであり、そこでこれだけのレースができるならば、相当の器という事になるか。今後はYorkshire OaksなりPrix Vermeilleなりを使い、最大目標をPrix de l'Arc de Troimpheに置くとのこと。キングジョージ出走予定の英オークス馬Eswarahとの対決も期待されるところではある。
Playful Actはやはり甘いのか、順調に行かなかったぶんの影響なのか分かりませんが、5馬身差をつけられたのは決定的でMagnificient Styleの仔はこういうところの底力が足りません。Mona LisaはPretty Polly Sでは3歳馬最先着であり、未だに未勝利馬の身の上とは言え、能力としては高いのだろう。伯父にOpera House、Kayf Taraと出ている一家でスタミナが全く無いわけではなく、Giant's Causeway産駒といってもそこそこにこなしてくるということか。Pictaviaが今回は沈んでいる事も考えるとEpsomとCurraghでは道中の消耗度がかなり違うのだろうなという結果ではある。
Giant's Causeway、Montjeuに続き(もちろん亡くなったDubai Milleniumもいるが)、Sinndarもこの世代が初年度産駒という事になり、欧州における種牡馬の世代交代を象徴するクラシックと言えよう。その中でふんばったのがDivine ProportionsとVirginia Watersを出しているKingmamboで、本来12Fのダービー・オークスで暴れてくるSadler's Wellsはここでも彼らの後塵を拝する結果となり、今年は古馬にも確たる馬を持たないSadler's Wellsとしては英リーディングが危うくなるのではなかろうか。
ところで出馬表を作ってるときには不覚にも気が付かなかったのだが、何?このNorthern Dancer祭り…。結果的にXaar産駒のHazariyaが競争中止になってしまったので、全部Northern Dancerになってしまたというところだったり。
NORTHERN DANCER 1960
|DANZIG 1977
||CHIEF'S CROWN 1982
|||GRAND LODGE 1991
||||Sinndar 1997
|||Key of Luck 1991
||DANEHILL 1986
|||Desert King 1994
|Sadler's Wells 1981
||Montjeu 1996
||Barathea 1990
||In the Wings 1986
|||Singspiel 1992
|STORM BIRD 1978
||STORM CAT 1983
|||Giant's Causeway 1997
|NUREYEV 1977
||POLAR FALCON 1987
|||Pivotal 1993
|Unfuwain 1985
もう無茶苦茶です。Chief's Crownの父系っていつの間にここまでのものになったものやらとかは思うが、Key of LuckだってAlamsharだしてるからなあ…。いつまでもDanzig嫌いとか言ってる場合ではなさそうかw。数としてみると結局Sadler's Wells父系のところが最も多いわけではありますが、In the Wings、Singspielの親仔揃って下位に沈んでいるようでは…。
さて、それを支える母父のほうを見るとNasrullahが多めに見えつつ、こっちもかなりNorthern Dancerありますね。
NASURULLAH 1940
|NEVER BEND 1960
||MILL REEF 1968
|||Shirley Heights 1975
||||Darshaan 1981
|RED GOD 1954
||BLUSHING GROOM 1974
|||Nashwan 1986
|||Groom Dancer 1984
|BOLD RULER 1954
||SECRETARIAT 1970

NORTHERN DANCER 1960
|NIJINSKY 1967
||ILE DE BOURBON 1975
|||Kahyasi 1985
|DANZIG 1977
||Danehill 1986
|TOPSIDER 1974
||Salse 1985
|Unfuwain 1985

ROYAL CHARGER 1942→TURN-TO 1951→HAIL TO REASON 1958→ROBERTO 1969→Silver Hawk 1979

KLAIRON 1952→LORENZACCIO 1965→AHONOORA 1975→Inchinor 1990

NATIVE DANCER 1950→ATAN 1961→SHARPEN UP 1969→Trempolino 1984
うーむ、すごいことになってるなという印象ではあったり。まあ、欧州のこの辺は前からそういうNorthern Dancerばっかりというところもありましたが、今回はめちゃくちゃ極端にそれが出たというところ。種牡馬の世代交代を完全に象徴するところでこうなったってのはちょっと記憶に留めておいてもよいのかもしれませんねえ。

July 22, 2005

7/23 King George VI and Queen Elizabeth Diamond S GI Turf Newbury GB Turf 12F

フランスから来た救世主たち。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
110AceDanehillTea HouseSassafrasK. FallonA.P. O'Brien
212AzamourNight ShiftAsmaraLear FanM.J. KinaneJohn M. Oxx
32BagoNashwanMoonlight's BoxNureyevT. GilletJ.E. Pease
41DoyenSadler's WellsMoon CactusKrisK. McEvoySaeed Bin Suroor
59GamutSpectrumGreektownEla-Mana-MouJ.P. MurtaghSir Michael Stoute
64Grey SwallowDaylamiStyle of LifeThe MinstrelP.J. SmullenD.K. Weld
73MubtakerSilver HawkGazayilIrish RiverW. SuppleM.P. Tregoning
88Norse DancerHallingRiver PatrolRousillonJ.F. EaganD.R.C. Elsworth
95Phoenix ReachAlhaarthCarroll's CanyonHatimMartin DwyerA.M. Balding
1011Policy MakerSadler's WellsPalmeraieLear FanO. PeslierE. Lellouche
116WarrsanCaerleonLucayan PrincessHigh LineS. SandersC.E. Brritain
127EswarahUnfuwainMidway LadyAllegedR. HillsM.A. Jarvis
ちょっと減りましたが、目ぼしいところは出てきているわけでこれで十分という感じではありますか。
Aceは昨年のO'Brien厩舎の隠し玉的存在でQEII Sに出てきましたが、結局一線級相手にはまだまだという事を示して終わりました。今年はいきなり中距離の王道的にPrix Ganey、Tattersalls GC、POWと使われてどこも微妙に足りず3,3,2着。Fallonが乗ってそこそこのところにまではきているとは言え、そこから上に行くにはまだ足りないというところか。Danehill産駒で母にはPrecipitationとCourt Martialのクロスがあり、更に母系にはPrecipitationに絡めてPersian Gulfが入りBahramもクロスするなどのスタミナのサポートもありますが、Danehillだと少しずつ方向のずれがあるところではいかなと思ってみたり。
Azamourはどうやら一番人気になりそうではありますが、12Fは未踏の距離。気になるところといえばそんなところくらいですか。フランス基調の牝系ですが、執拗に5代アウトを繰り返して様々な血を取り込んで来ているというところはあるかもしれない。12Fがこなせないということはないだろう。
Bagoはフランス国外だと勝ちきるところまでは行かない。とは言えこの世代のトップホースではあるし、今年も初戦のPrix Ganeyを勝っているし良いのだろうけど、前走のGrand Prix de Saint-Cloudの負け方がちょっとやばいような気もします。Policy Makerにまで先着を許したというあたりどうしたものかなと。凱旋門賞は馬場が硬くなったことを決め手に出走したほどで、12F戦はそれほど得意ではなかろうという気もある。母系はMachiavellianを出したNiarchosの名牝系Coup de FolieのものでMr. Prospector、Nureyev、Nashwanだから積極的に距離が延びてよいところというのはなかろうものです。一つには彼のHeight of Fashionの息子たるNashwanの力というものが大きいか。そこに12Fまでなら何とか守備範囲にできるNureyevね。ただ、Moonlight's BoxはNatalmaのクロスを中心とした血統構成で、Nureyevの力の源泉たるRough Shod一族の影響はちょっと弱かろうとも思ったり。という感じでやはり10Fならまだしも12F戦ではやや割り引く必要はあるかなと。
Doyenは昨年の勝ち馬ですが、その後の成績がひどいことや、Ascot 12Fのコースレコードを持っているようなところからAscot専用という側面はあるでしょう。Sadler's Wellsに対してSharpen Upのラインを母父に入れるというのはShirley HeightsやHigh Topほど目立ちませんが、活躍馬を出せる組み合わせで、Doyenはその前にMill Reefを持っていて、やや変則的にSadler's Wellsに対するニックスを活かしたというところはあるでしょう。どのみちHardwicke Sであれだけ負けていては如何に一叩きしての本番とはいえ無茶なところはあるかと。
Gamutは前走で圧勝していますが、いかにも相手に恵まれたというところがあり、着差を真に受けてはいけないでしょう。スタミナ色の強い母の血もあって12Fのスペシャリスト的存在ですが、もうGIで勝負になるレベルではなくなっている印象。
Grey Swallowは父Daylamiという事を考えるとこれからが勝負な馬ではないかと思われます。前走のTattersalls GCではBagoをきっちり沈めてGI2勝目を挙げました。Azamourにも先着したし、ここのメンバーを考えると最有力とも言える存在ではあります。
Mubtakerは連勝中に凱旋門賞に挑戦して2着に突っ込んだ2003年が非常に印象深いのですが、そのあとはちと大事にされすぎたところもあるかも知れず、あの頃の勢いを完全に失ってしまいました。GIでは勝負弱いようなところも見せていたし、今年の初戦は如何に休養明けであろうともNorth Lightと揃ってNew Morningに屈しているようでは歳を言われても仕方のないところにきているのではなかろうか。
善戦屋Norse Dancerは相変わらずというところがあるものの、昨年ほど勝負に絡んでこなくなったなという印象もある。そしてこの前のPOWではAzamourにぶっちぎられて惨敗で、ここで期待するのは酷というものだろう。
もうずっと欧州には帰らないで、遠征してれば良いようなPhoenix Reachは今年はGIばかり4戦目にして欧州のGIはここが初めて。欧州の12Fをこなせるだけのタフさは持ち合わせていないようにも見えます。
ちょっと本気かも知れないのがWildensteinが追加登録で送り込んできたPolicy Maker。フランスの重い馬場でしか好走歴がなく、硬い馬場の凱旋門賞で見事な最下位惨敗とどうしようもないと思わせておきながら、JCに来て4着と好走してみせてくれて単なる重馬場巧者というだけでないところがあります。Kingmamboが上手く利用しているNureyev≒Sadler's Wellsのクロスには劣るでしょうが、この母父Lear FanはRoberto X Lt. Stevensという形になってThong=Lt. Stevensを使ってFairy Bridgeに似た血統をしており、Sadler's Wellsとの相性はそれなりにあろうところです。従兄にPeintre Celebreとかの出ているファミリーも良く、どこかで目覚めてくれたらなと思うところです。
Warrsanはやや衰えのあろうかというところでしょうか。今年はちょっと見所のないレースばかりですが、苦手としていたAscotからNewburyに舞台が移ってもう一華というところに期待したくはある。この12Fで見せ場の一つもなければ、いよいよこの古豪の終わりが見えてくるというところであろうかとも思います。
Eswarahは唯一の3歳馬で、唯一の牝馬。無敗の3連勝でOaksを取りましたが、その前の2戦はともにNewburyということでコースに問題はありません。フランスのスピードとスタミナをバランスよく配したところにDamascusを入れて軽く緩めたあとHis Majesty、AllegedとRibotを2連発で入れ、仕上げにUnfuwainでHeight of Fashionを使うという仕組み。GIでも12Fなら問題なくこなせるだけのものはあるでしょうから、あとは古牡馬相手にどこまでというだけか。
4歳馬には力を見せてもらいたいというというのはあって、Bago、Azamour、Grey Swallowと出て来ている中でも、Grey Swallowに期待したい。Motivatorまで回避して3歳牡馬がいなくなってしまい、種牡馬の世代交代が進行中という側面から見ると、このレースに対する興味はMontjeuら新種牡馬の攻勢のないここでSadler's Wellsが面目を保つのかという事がありますが、ここに出走させてこられたのはDoyenとPolicy Makerの2頭で層が薄くなっている事は否定できないところです。この2頭だとまだPolicy Makerに期待を持てるというところはありますか。まあ、フランス国外ならどんなものかなという期待に過ぎませんが、これでもDoyenよりはというレベルの期待か。
Daylami産駒たるGrey Swallowが勝ったら欧州12FのSadler's Wells王朝に引導を渡す結果になるのではなかろうかと。

RESULT

馬場はGood to Firm。前に行った馬は沈んで、後方待機のAzamour、Norse Dancerで決着。
1.Azamour: Night Shift - Asmara by Lear Fan
2.Norse Dancer: Halling - River Patrol by Rousillon
3.Bago: Nashwan - Moonlight's Box by Nureyev
4.Warrsan: Caerleon - Lucayan Princess by High Line
5.Ace: Danehill - Tea House by Sassafras
6.Doyen: Sadler's Wells - Moon Cactus by Kris
7.Grey Swallow: Daylami - Style of Life by The Minstrel
8.Eswarah: Unfuwain - Midway Lady by Alleged
9.Gamut: Spectrum - Greektown by Ela-Mana-Mou
10.Phoenix Reach: Alhaarth - Carroll's Canyon by Hatim
11.Mubtaker: Silver Hawk - Gazayil by Irish River
12.Policy Maker: Sadler's Wells - Palmeraie by Lear Fan
道中最後方から追い込んだAzamourが12F初挑戦にして、トラックレコードを出してくれました。まあ良馬場でやれたという面は大きかろうところですが、Aga Khanの馬らしく母系にDarshaanが入って、もともとのファミリーのスタミナもあって12Fをこなしたというところか。Night Shiftはかなり牝馬寄りの種牡馬で牡馬の大物ってのは意外といないなと思うところもありますので、晩年にこのような大物を出せて良かったということになりますかねえ。Oxx師によると次はIrish Champion Sで、今年は凱旋門賞にも出走する見込み。
2着も追い込んできたNorse Dancer。昨年のIrish Champion SでもAzamourの2着に来ているわけですがAzamourが古馬相手に走るようになったそのレース以降、Azamourの走るレースには必ず顔を出しています。Irish Championが1着と2着、British Championが3着と4着、Tattersalls GCが4着と5着、Prince of Wales'sが1着と6着という形で全てAzamourが先着ながら、前走のPrince of Wales's以外のレースではちゃんとAzamourについていっていたので、Azamourと違って間隔詰めて使われている分ひどかった近走成績に惑わされたか。この馬も12FはDerby以来の距離であり、今年のキングジョージはあまりスタミナを問われる展開ではなかったといえるかも知れません。3着のBagoまで含めて良馬場の10Fとか言われても疑わない感じですね。
そのBagoも望んだ条件の馬場ながらAzamourに敵わないということはやはりこの馬フランス国外に出ると1ランク落ちてしまうという側面はあるか。
そして、Newburyに替わって微妙な好走をしてみせたのが、ついに最低人気にまで落ちたWarrsan。スペシャリストらしく12Fならある程度はこなしてしまうこの馬の真骨頂かなと思うところもあります。Bagoから5馬身離されているとはいえ、レコードの出ているレースでこれならまだまだいけそうか。どこかでもう一華を期待しても良いかもしれない。
Doyenはレースを引っ張ろうとしましたが、スタート後の1FでGumatにハナを奪われて、AceとMubtakerにも競りかけられる苦しい展開になり、結局この前でレースを進めた連中が総崩れ。Doyenも残り3Fまで頑張りましたがBagoにこられて終わり。更に一気に追い込んできた上位2頭などに交わされて結局6着に沈みました。
Grey SwallowはIrish Derbyを勝っているし良馬場をこなせないはず無いのですが、どうも得意と言い切れないところがあるみたいですねえ。今となってはNorth Light自身どこまで強かったのかってのもあろうところですけど。Eswarahはもう少し時計のかかる力勝負になって欲しかったところでしょう。Mubtakerは展開というところはあっても負けすぎで、もう輝きは戻らないだろう。Policy Makerは良馬場がダメだったのだろうとは思いますが、どうもJC好走の原因が更に分からなくなる最下位。

各馬のコメント(ry
「フランス専用機もカラ専用機もアスコット専用機もロートルどもとまとめて我が前に屈するが良い」by Azamour
「とりあえずGIIを勝ってから出直します」by Norse Dancer
「フランスじゃないと走る気しねーよ」by Bago
「まだだ。まだ終わらんよ」by Warrsan
「いまいち君認定証って何?」by Ace
「Ascotなら最後まで粘りきれた」by Doyen
「実は硬い馬場は好きじゃないんです」by Grey Swallow
「素直にアイルランドで走れば良かった」by Eswarah
「GIIと同じようにはいかんなあ」by Gumat
「また遠征に出ますのでそのときはよろしく」by Phoenix Reach
「そろそろ引退させてください」by Mubtaker
「雨乞いしてみたけど、降るのが明日からじゃ遅すぎるわ」by Policy Maker
…ごめんなさい、もうしません。

July 23, 2005

7/23 Coaching Club American Oaks GI Belmont NY Dirt 10F

Mother Goose Sの上位3頭が再度激突するアメリカの真なるオークス。さらに新たなチャレンジャーも現れて、そこそこのメンバーに見えるが、Sis City、Round Pond、In the Goldなどは出走せず。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Atlas ValleyCapoteAly's AffairClonial AffairJavier CastellanoCarl A. Nafzger
2Spun SugarAwesome AgainIrish CherryIrish OpenJohn R. VelazquezTodd A. Pletcher
3SmugglerUnbridledInside InformationPrivate AccountEdgar S. PradoClaude R. McGaughey III
4For All We KnowStephen Got EvenOver AllMr. ProspectorShaun BridgmohanJohn T. Ward Jr.
5CapitulationDistorted HumorFull RetreatFull OutEibar CoaRichard A. Violette Jr.
6SummerlySummer SquallHere I GoMr. ProspectorJerry D. BaileySteven M. Asmussen
7Seeking the AnteSeeking the GoldAntespendSpend a BuckRichard MiglioreJohn C. Kimmel
8Bayou BreezeA.P. IndyBayou StormStorm CatRafael BejaranoKiaran P. McLaughlin
9Pleasant ChimesPleasant TapDixie ChimesDixieland BandPablo FragosoMark A. Hennig
Mother Goose S上位の3強再戦という事になりそうだが、伏兵もいて油断ならないレース。
まずSのイニシャルを持つ3強から。前走でGIタイトルを手に入れたSmugglerは母Inside Informationという超のつくクラスの良血。一線級とぶつかったのはまだ2走前のAcorn Sからではありますが、ここまで6戦4勝の2着2回と崩れません。Grey Flightのファミリー出身でKey to the Mint、Private Accountと母系に入ってこそ力を発揮する累代で隙なく固めた血統はダートの10Fを勝つためにこそではあろう。
Spun Sugarは歴史あるBlack Eyed Susan Sの勝ち馬でMother Goose Sでは2着。早めに先頭にたったところに襲い掛かってきたSmugglerに交わされて抵抗するものののクビ差粘りきられるという展開だけに、逆転の余地は十分。こちらも5戦して3勝、2着2回と崩れません。どちらもこのNY牝馬路線を狙ってきたという感じで春先のKentucky Oaks路線で消耗してないのも良いところ。
一方SummerlyはKentucky Oaksを勝って、ひとまず世代の一番馬となったのですが、その後のMother Goose Sでは前記2頭に先着を許す3着。ここから巻き返す事になればよいのですが、Mother Goose Sでは直線で喰らい付くところを見せられず。スタートに失敗して勝負にならなかったAshland Sを別にすれば、今年は負けていなかったのがいきなり2頭にやられたわけでちょっと嫌なところはある。直線に入るまでに先頭にたって、直線で突き放していくという得意のパターンに持ち込めなければ逆転は苦しいのかなとも思う結果ではありました。
さて、この3頭をどうにかできそうな馬はいるのかという事になりますが、デビュー3連勝と不気味な戦績で乗り込んできたFor All We Knowという事になりましょうか。アローワンスまでなのでこのメンバー相手に通用するかどうかは疑問ですが、前走5馬身差というのは素直に評価できる結果かなと。また、Bayou BreezeはA.P. Indy X Storm Cat X Seeking the Goldの牝馬という事で伴性上にSecretariatすなわちSomething RoyalとBuckpasserすなわちBusandaという2頭のクロスを持つ好血統。メイデンを勝ち上がってからは2走前にSmugglerに敗れたのみというところも良く、前走のRevidere SではSense of Styleに競り勝っています。もちろん3強の力関係に注目なのですが、3強にこの2頭がどう挑むかというのも注目して良かろうかと。

RESULT

3強がそれぞれに力を出したレースは良血が完全に目覚めたSmugglerの圧勝で、NY Triple Tiaraにチェックメイト。
1.Smuggler: Unbridled - Inside Information by Private Account
2.Summerly: Summer Squall - Here I Go by Mr. Prospector
3.Spun Sugar: Awesome Again - Irish Cherry by Irish Open
4.For All We Know: Stephen Got Even - Over All by Mr. Prospector
5.Atlas Valley: Capote - Aly's Affair by Clonial Affair
6.Seeking the Ante: Seeking the Gold - Antespend by Spend a Buck
7.Pleasant Chimes: Pleasant Tap - Dixie Chimes by Dixieland Band
Bayou BreezeとCapitulationはスクラッチ。
レースを引っ張ったのはSummerlyでその内をぴったりとSpun Sugarがマーク。そのすぐ後ろにつけていたSmugglerの内にFor All We Knowという展開で淡々と進み、4コーナーで早くもFor All We Knowはついていけなくなり後退。コーナーをまくるようにSpun Sugarを交わしながら外に出したSmugglerは直線の早いところでSummerlyを捉えてあとは独走。3馬身半の差をつけて余裕のゴールでした。Spun Sugarは直線でもう一度伸びてきますがSummerlyがアタマ差で2着を死守。3着Spun Sugarと4着For All We Knowの差は6馬身で、最終的に2番人気にまで支持されたFor All We Knowも3強には手出しできずというところ。
Phipps Stable自慢のGrey Flightのファミリーから出た名牝Inside Informationの娘は前走Mother Goose SでSpun Sugarをクビ差で下したのに続きGI連勝。通算で7戦5勝とし、本拠Belmontでは5戦4勝。わずかにAcorn Sで2着になったのみという戦績。Prado騎手のコメントによるとSmugglerは直線で先頭にたったときに他馬を少し待って、レースが終わったと考えていたようで、もし他の馬が近づいてきたならばもう一度加速できるギアを持っているとのこと。ちょっと3強の中でも抜け出したという印象。このあとはSaratogaのAlabama Sに出走する予定で、向こうではあまり注目されていないようだが、NYトリプルティアラを賭けたレースという事になる。このレースでもSummerly、Spun Sugarを下した事で3歳牝馬ナンバー1はひとまず確定で、Alabama S後にあるであろう古馬挑戦で強い4歳のStellar Jayne、Ashado、Society Selectionとの対決が楽しみになってきた。
SummerlyのBailey騎手は「彼女は今日はコースで全力を出した。あれ以上速く走る事はできないだろう」と完敗を認めるコメント。

7/23 John C. Mabee H GI Del Mar CA Turf 9F

Hollywoodが幕を閉じ、Del Marが開幕。芝の牝馬限定9Fという条件にしては豪華なメンバーを集めたなという印象はあり。Royal Heroineの1、2着馬が再度対決。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1IntercontinentalDanehillHasiliKahyasiAlex O. SolisRobert J. Frankel
2AmoramaSri PekanTanzaniaAlzaoMartin A. PedrozaJulio C. Canani
3Ticker TapeRoyal ApplauseArgent du BoisSilver HawkKent J. DesormeauxJames S. Cassidy
4SmokegetenyoureyesSmokesterToddySolar LaunchTyler BazeJack C. van Berg
5WinendynmeDynaformerElway SeasonCaerleonCorey S. NakataniDoug O'Niell
6UraibMark of EsteemHamsaatSadler's WellsJon Kenton CourtSanford Shulman
7Island FashionPetionvilleDanzigs FashionA Native DanzigPatrick A. ValenzuelaMarcelo Polanco
8Halo OlaSouthern HaloEsnaolaRingaroJose Valdivia Jr.Luis E. Seglin
これでエントリーだけに留まったMegahertzまで出てきたら大変なメンバーになっていたかと思いますが、Intercontinentalとの使い分けという側面はあろうし、現状これで満足すべきですかね。Bobby空気嫁ってところはあるのだけれど…。
一番人気に支持されそうなのはそのIntercontinentalで、母Hasiliは娘がGIを勝ちまくる現代屈指の名繁殖。Banks Hill、Dansiliの全妹でHeat Hazeの半妹、Caciqueの全姉というのがIntercontinentalの位置。Matriarch SでGIを勝ち、ここで2勝目を挙げられるならば偉大な姉たちに比肩しうる存在になりたいところ。これまで8.5Fまでしか勝ちがないのだが、9Fに出走したのがDiana Hくらいしかないという事であまり気にしなくてよいだろう。きょうだいはこれくらいの距離を軽くこなしているのですし。むしろ気になるのは1頭抜けた形で背負った122ポンドか。
一方前走Royal Heroine SではIntercontinentalの前に屈した形になった昨年のAmerican Oaks馬Ticker Tape。9FでもKeenlandのQueen Elizabeth II Challange CupというGI勝ちがありますし、Del Mar OaksでもAmoramaの2着に来ていたので1Fの距離延長を利して逆転を狙いたいところか。昨年のMatriarch Sは3着とマイルではIntercontinentalに敵わないところがあるだけに、4ポンド貰ったここでこそとは思う。
そしてそのDel Mar Oaks馬Amorama。その後の精彩を欠いているともいえる状況だけにこのメンバーだと厳しいところがあるかも知れませんが、Del Marに戻って一変という可能性を少しだけ頭に置いておく。
Halo Oraはアルゼンチンからの移籍馬。アルゼンチン在籍時はマイルのDe Potrancasと2000mのCopa de PlataというGIを勝っていますが、アメリカに移籍してきたHollywoodの2戦はGamelyを6着、Beverly Hillsで3着。BeverlyはMegahertzが出てきていたレースで相手が悪かったというところもありますが、北米実績がなく斤量の軽いハンデ戦で見せ場を作れないのだから厳しいところはあるでしょう。今回も114ポンドと軽いが、相手が悪いか。
Island FashionはVanityで2着に来て今年に入ってからの不振からは脱したのかなという気もしますが、ここはもう一戦様子を見るくらいでも良かろう所です。
上がり馬WinendynmeはBeverly HillsでMegahertzの2着で侮れない。母系が欧州の力のあるところで、父Dynaformerなのだから古馬になった今年こそ期待したいという馬ではあります。ここは試金石でIntercontinental、Ticker Tapeの一角を崩せるならば本物だろう。
Gamelyで4着に来たUraibですがGIだとちょっと足りないところはある。前走Beverly Hillsでも案外だし、これならWinendynmeに期待する。110ポンドで出走のSmokegetenyoureyesは明らかに場違い。

RESULT

オークス馬復活。
1.Amorama: Sri Pekan - Tanzania by Alzao
2.Island Fashion: Petionville - Danzigs Fashion by A Native Danzig
3.Intercontinental: Danehill - Hasili by Kahyasi
4.Smokegetenyoureyes: Smokester - Toddy by Solar Launch
5.Halo Ola: Southern Halo - Esnaola by Ringaro
6.Winendynme: Dynaformer - Elway Season by Caerleon
7.Uraib: Mark of Esteem - Hamsaat by Sadler's Wells
8.Ticker Tape: Royal Applause - Argent du Bois by Silver Hawk
昨年のDel Mar Oaks馬Amoramaが復活のGI勝利。Del Mar Oaks後の戦績を見るにどうもDel Marがあっているというところではあろうか。
Smokegetenyoureyesがややスローでレースを引っ張り、それをIsland FashionとTicker Tape、Intercontinentalが追走。Amoramaは5番手からの競馬。直線に入ってIntercontinentalは前のSmokegetenyoureyesとIsland Fasionが壁になって行き場を無くし、それを後ろで見ていたPedrozaが上手く進路を採ってAmoramaがIsland Fashionをアタマ差で下した。
Island Fashionもペースに恵まれたというところはあるが、これなら悪いものではなく一時の不調からは完全に脱したと見ても良いだろう。
Intercontinentalは直線での不利が致命的でSolisとFrankelがIsland FashionのValenzuelaに対して進路を塞いだとクレームを出したものの、Stewardの裁定は降着なしという結果となった。Belmontで騎乗のあった主戦Baileyの代理に抜擢されたSolisとしては悔やみきれないレースか。とはいえ実績のない9Fでも勝負になる事を示したのは大きく今後の展望が開けるということになるか。しかしそっちに行くとMegahertzがいるので難しいところがあるのも確かか。

7/24 Eddie Read H GI Del Mar CA Turf 9F

こちらも少頭数ではありますが、メンバーとしては十分。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1SingletarySultry SongJoiski's StarStar de NaskraDavid Romeo FloresDonald Chatlos Jr.
2Sweet ReturnElamaamulSweet RevivalClaude MonetAlex O. SolisRonald McAnally
3Fourty Niners SonDistroted HumorCindazannoAllegedCorey S. NakataniNeil Drysdale
4A to the ZBenchmarkGreen AgainReplantGarrett K. GomezPaula S. Capestro
5Fast and FuriousSingspielHelvellynGone WestVictor EspinozaRonald McAnally
6QsarTiger HillQelle AmieBeau GeniusTyler BazeRobert J. Frankel
7CastledalePeintre CelebreLoujuSilver HawkRene R. DouglasJeff Mullins
登録段階ではKing of HappinessやLaura's Lucky BoyなんかもいてSpecial Ringが出てこなくてもNureyev系でまた決まるレースになるかなという予感もしてましたが、いないのだから仕方ない。Castledaleに期待しましょう。
Castledaleは何の間違いかSanta Anita Derbyなんぞを勝ってしまいましたが、もとは2歳の芝重賞Generous Sの勝ち馬です。Santa Anita Derby後しばらくダート路線に行ってしまいましたがあまり良いところもなく、今年になってようやく芝に戻ってきたらやっぱり強かったというオチでSan Fernando BCHとShoemaker BCHと連勝中。いかにも芝マイルのNureyevという感じを漂わせており1F延びてどうかというところはありますが、父がPeintre Celebreで母父がSilver Hawkなら、母系にもいらない事をするようなないですし、これくらいは守備範囲。
一方Charles Whittingham Memorialを勝ったSweet Returnは楽に逃げてそのまま残ったという展開利によるところも大きく、積極的には買えません。それならむしろ安定感のないところには目をつぶってSingletaryの方が良さそうではありますが、この馬は9Fという距離がちと疑問。A to the Zは勝ち味に遠いところと前走の大敗をどうするか。もともとマクリ気味に追い込んでくる馬なので信頼しにくいところがあります。

RESULT

またしてもSweet Returnにしてやられる。
1.Sweet Return: Elamaamul - Sweet Revival by Claude Monet
2.Fourty Niners Son: Distroted Humor - Cindazanno by Alleged
3.Singletary: Sultry Song - Joiski's Star by Star de Naskra
4.Castledale: Peintre Celebre - Louju by Silver Hawk
5.Fast and Furious: Singspiel - Helvellyn by Gone West
6.Qsar: Tiger Hill - Qelle Amie by Beau Genius
Sweet Returnが逃げ切りました。ペースを握らせると強い事は確かなんだが、誰も仕掛けに行かなかったようなのでそのまま逃げ切られた模様。4番手追走で距離が少し問題だったかもしれないCastledaleは伸びず4着。3着に来たのが昨年のBC Mile馬Singletaryであると言う事を考えると北米芝の8F近辺のレベルと言うのはこの程度のものなのだろう。SingletaryはBC Mile連覇を最大の目標に置いているらしいが、広いBelmontで強力な欧州馬に対抗できる馬はいないのではなかろうかと思わせる結果ではあるかと。

July 25, 2005

7/27 Sussex S GI Goodwood GB Turf 8F

夏のリゾートGlorious Goodwood開幕。今年のSussexは女王Soviet Songの独壇場。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
12Le Vie Dei ColoriEfisioMystic TempoEl Gran SenorN. MackayL.M. Cumani
28Mac LoveCape CrossMy LassElmaamulG. CarterJ. Akehurst
31NayyirIndian RidgePearl KiteSilver HawkE. AhernG.A. Butler
410QuitoMachiavellianQirmaziRivermanA. CulhaneD.W. Chapman
511Sleeping IndianIndian RidgeLas FloresSadler's WellsJ. FortuneJ.H.M. Gosden
66ChicmachiavellianExclusivePolar FalconR.L. MooreSir Michael Stoute
73Soviet SongMarjuKalinkaSoviet StarJ.P. MurtaghJ.R. Fanshawe
89Ad ValoremDanzigClassy WomenRelaunchK. FallonA.P. O'Brien
95David JuniorPleasant TapParadise RiverIrish RiverR. HillsB.J. Meehan
1012KandidateKaboolValleyroseRoyal AcademyS. SandersC.E. Brittain
117ProclamationKing's BestShamarraZayyaniM.J. KinaneJ. Noseda
124TuckerInchinorTender MomentCaerleonT. QuinnD.R.C. Elsworth
このメンバーではちとSoviet Songが抜けて強いかなと思うところはある。デビュー戦とその次のListedを除いて、あとは全てマイル戦に出走。後のOaks馬Casual Lookを下したFillies Mileの結果を受けて3歳の1000 Guineas路線の有力馬になりますがRussian Rhythmに完敗。その後もRussian RhythmやNebraska Tornadoの前に屈して期待された3歳を未勝利で終えますが、古馬になってGII Ridgewood Pearl Sを勝って復活。Russian Rhythmが故障で路線から離脱したあとの昨年のFalmouth Sでは3歳の英愛1000 Guineas馬Attractionに貫禄勝ちすると、Sussex SではRefuse to Bend以下を下して3つ目のGIを手に入れ、欧州のマイル戦線に君臨する女王となりました。Matron Sでは再びAttractionを下してGI3連勝としますが、その後のQueen Elizabeth II Sでは失速して6着。今年も現役に残り、Royal開催のWinsor Forest Sで復帰しますが、まさかの3着。ですが、Falmouth Sではマイルに舞い戻ってきたAlexander Goldrunを差しきって力に衰えのないところを示しました。今回も普通に力を出し切れれば問題なく勝てるでしょう。
昨年のこのレースでSoviet Songにクビ差にまで迫ったNayyirですが、その後のCelebration MileでChicに負けていたりといまいち信頼できません。ここ2戦は7Fを走ったのであまり着順を真に受けないほうが良いかとも思いますが、前走はよりにもよってVortexに負けてます。
ChicはCelebration Mileを勝ち、Sun Chariot SではAttractionの2着に来ましたし、母はCoronation S勝ち馬で伯父にEntrepreneurが出ているという血統背景からもマイルなら安定した存在になるかとも思ったのですが、今年初戦のLingfieldのGIII、例のAll Weatherで行われた初の重賞というやつです、では6着と案外な結果でした。如何に走りなれていないであろうコースとはいえ、メンバーなんかを考えると負けすぎているというところがあって悩みどころ。
Mac Loveも同レースに出走して5着。Lockinge SでRaktiにぶっちぎられているとはいえ2着にきているわけで悪くない。とはいえあまりGIを勝てそうな馬には思えないんだよなあ。
イタリア2000 Guineas馬でVittorio di Capuaも勝っているLe Vie Dei Coloriは今年初戦のListedこそ勝ったもののその後はいまいちでもうGIで勝負になるレベルではなくなってしまったか。
3歳馬のマイル戦は全体としてのレベルが疑問であり、トップクラスが出て来たわけではないので軽視して良さそう。Soviet Songを相手にするのには格が足りません。今年は普段ならいるはずの牡馬の強いマイラーがいないんですよね。今ならRaktiあたりが該当するかと思いますが、それが出てこなかったのが一番痛いということになるのかなと。あとはQueen Anneを持っていったValixirはフランスに戻ってGIIIで見事な弱いものいじめをやらかしたし、Starcraftが故障したのも古牡馬の層の薄さに拍車をかけていることは間違いないか。そして3歳はShamardalがいなくなって、Dubawiもフランスまで復帰しないわけでトップ不在。Ad ValoremはJean Pratが全然ダメで、これに勝たれたくはないなとも思うわけです。その他はKandidateは相手なりにしか走らないし、連勝中の2頭もProclamationは相手が軽く、David Juniorはマイル戦は疑問、最後にTuckerはGIで勝負できるだけの力はない。

RESULT

雨の影響で馬場はSoft。Soviet Songは満足に脚を伸ばすことができず、Proclamationを捕まえることができませんでした。
1.Proclamation: King's Best - Shamarra by Zayyani
2.Soviet Song: Marju - Kalinka by Soviet Star
3.Ad Valorem: Danzig - Classy Women by Relaunch
4.Nayyir: Indian Ridge - Pearl Kite by Silver Hawk
5.Sleeping Indian: Indian Ridge - Las Flores by Sadler's Wells
6.Le Vie Dei Colori: Efisio - Mystic Tempo by El Gran Senor
7.David Junior: Pleasant Tap - Paradise River by Irish River
8.Quito: Machiavellian - Qirmazi by Riverman
9.Kandidate: Kabool - Valleyrose by Royal Academy
10.Tucker: Inchinor - Tender Moment by Caerleon
11.Mac Love: Cape Cross - My Lass by Elmaamul
12.Chic: Machiavellian - Exclusive by Polar Falcon
FallonのAd Valoremが引っ張る展開でMac Love、Kandidateが先頭集団を形成。Soviet Songは後方追走でした。
Soviet SongはFanshawe師もMurtagh騎手も柔らかい馬場では良場馬ほど伸びてくれないというコメント。
「Soviet Songはまだ女王の地位にあるが、今日はProclamationが王だったね。問題はこの馬場状態だけだった。速い馬場と同じようには加速できないんだ。だから彼女には厳しいレースになって、Proclamationが勝った。でも我々のSoviet Songはとてもよいレースをして2着に入ってくれたよ」--Fanshawe
で、Fanshawe師のコメントによると今年はBreeders' Cupへの出走意思があるようでそれがシーズンの最終戦となるとも。
「このあとはQEII Sかその1週間後のSun Chariot Sに行くつもりだけれども、もしかしたらMatron Sを使うかもしれない。でもそれはきついプランだね」--Fanshawe
Matronに出走するならAlexander Goldrunが手薬煉ひいて待ってますぜ。
では勝ったProclamationの方。King's Best産駒までGI勝ってしまったよというところか。今年になってから全く目立たなかったので忘れ去られてそうですが、King's Bestもこの世代が初年度産駒。Kingmamboの直孫がGIを勝つのはこれが初めてになるのかなと思ったら、昨年Dubai SurpriseがCriterium Internationalを勝ってましたな。勝ってませんねえ。2着でしたか。眠い上にSoviet Songがとんで落ち込み気味の時に無理して書くなという話です…。(7/31追記)King's BestのステークスウィナーはこのProclamation、Dubai SurpriseとElliots Worldの3頭で、Elliots WorldはListedまで。Kingmambo産駒らしく当たり外れの大きなところがあるかも知れんなあというところかなあ。King's Best自身は甥にAnabaa Blue、Galileoが出る彼のドイツのAラインからのスピンアウトファミリーなので、2000 Guineas馬ということでポテンシャルは高かろう。
Proclamationは母父が聞きなれないが、これはDarshaan直仔で三代母に白面の魔女Petite Etoileというなかなかの良血で祖母がZahra。このAga Khan IVが娘の名をとって名付けた牝馬からZのイニシャルを継承した一族がPetite Etoileのボトムラインを受け継ぐ全てとなるかな。超級な馬は出てなくてGIIIを勝ったこのZayyaniあたりが出世頭という事になるかねえ。
Proclamationはこれで4戦3勝で、負けたのはDante Sの最下位のみ。これは距離と見て良さそうで、マイル戦なら相当の能力を持っていそう。今回Soviet Songを下したのは相手が苦手とする重馬場という条件もあるかと思いますが、Proclamation自身に重馬場限定というようなところはなく、Shamardalを失った3歳マイル路線の軸になってくれると楽しいかなとも思う。

July 28, 2005

7/30 Nassau S GI Goodwood GB Turf 10F

これでAlexander Goldrunまで負けたらさすがに沈む。だが、Pretty Pollyの結果を考えるに磐石と言って良いだろう。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
19Alexander GoldrunGold AwayRenashaanDarshaanK.J. ManningJ.S. Bolger
210HazaristaBaratheaHazaradjatDarshaanM.J. KinaneJohn M. Oxx
32Red BloomSelkirkRed CamelliaPolar FalconJ.P. MurtaghSir Michael Stoute
41CassydoraDarshaanClaxonCaerleonK. McEvoyJ.L. Dunlop
511Joint AspirationPivotalWelcome HomeMost WelcomeT.E. DurcanM.R. Channon
68Karen's CaperWar ChantMiss CaerleonaCaerleonJ. FortuneJ.H.M. Gosden
75Magical RomanceBaratheaShoukShirley HeightsL.P. KeniryB.J. Meehan
86Penkenna PrincessPivotalTirianaCommon GroundsR.L. MooreR.M. Beckett
93Secret HistoryBahriRavninaNureyevJ. FanningM. Johnston
1012Something ExcitingHallingFaraway WatersPharlyT. QuinnD.R.C. Elsworth
117SongerieHernandoSummer NightNashwanS. SandersSir Mark Prescott
124Virginia WatersKingmamboLegend MakerSadler's WellsK. FallonA.P. O'Brien
Soviet Songが3歳馬に負けたのにも懲りずにAlexander Goldrun中心で、古馬だけを見る方向で考えてたら、もともと少なかったのに回避までしやがって3頭しか残ってませんぜ。しかも全部Pretty Polly出走組で新味はないなあ。TarfahとかMona LisaはAstarteに出走するのかな。New MorningはDallmayrか。
10Fなら牝馬相手で敵はいないであろうAlexander Goldrun。前走は8FでSoviet Songの末脚の前に敗れ去りましたが、この距離でならそのSoviet Songすら凌駕する存在であるとも思われ、牡馬相手のHong Kong C勝ちなどの実績からも最有力。母の近親にはRoyal Rebelなどが出る牝系ながら、父はほぼ無名のGold Away。このためかデビュー後はハンデキャップ戦を中心に使われますが、Irish 1000 Guineas Trialを勝って挑んだIrish 1000 GuineasではヒロインAttractionの2着と健闘してスターダムへ。距離を延ばしたDiane Hermesはあまり良いところがありませんでしたが、古馬相手のPretty Polly Sで2着に入ってそこそこの実力を見せました。その後は登録するもののスクラッチを続けてぶっつけでの挑戦となったPrix de l'OperaでGI初勝利。香港に遠征してHong Kong Cでは牡馬を下してGI2勝目を挙げました。今年はDubai Duty Free二出走するもののElvstroemのペースに嵌まり後方から伸びきることが出来ず6着。その後地元に戻りますがやや体調を崩してしまいます。立て直して出走したSingapore Airlines InternationalではMummfiy、Phoenix Reachに次ぐ3着と復調し、牝馬限定のPretty Polly Sでは貫禄を見せてのGI3勝目。マイルのFalmouth SはSoviet Songの2着でやはり10Fとなるのがこのレース。
Red Bloomは2003年Fillies Mileの勝ち馬で、1000 GuineasとCoronation Sでも上位に来ていた素質馬です。Pretty Polly SではAlexander Goldrunの2着に入って悪くないでしょう。
HazaristaはそのPretty Pollyで5着。Red Bloomとの間にはElopaとNew Morningがいました。こちらはIrish Oaks、Yorkshire Oaksでともに3着と12F側で実績を残していますが、10Fだとちょっときついのかなと言うのがここ2戦の印象。Barathea産駒ながらDarshaan、Hethersett、Wordan、Chanteurと遡るフレンチステイヤーチックな血統で12Fを乗り切る能力を手に入れているが、その代償に軽さを失ったというところはあるのかなと。
1000 Guineas馬Virginia Watersはその後が案外でこの路線全体の評価を落としてしまった原因でもあるように思いますが、大負けをしているわけでもなく血統も筋が通っていますので何かのきっかけで巻き返してこれるんじゃないかなとは思います。それがここになるのかどうかは知りません。
Oaksで2着のSomething Excitingも参戦。EswarahはKing Goergeに参戦して良いところなしでした。Something Excitingまでこけるとちとつらい所はあるものの前走10FのGII Ribblesdaleで4着とこちらもどうしたものかなと。
Irish 1000 Guineasで2着のPenkenna Princessは距離を延ばして10F挑戦。牝馬ならPivotalは10Fをこなせると何度も言ってますが、この馬はどうだろうというところか。今年はIrish 1000 Guineasが今までのところではハズレっぽいので、どうもこの馬もGIでは足りないと言うパターンかもしれないです。
Karen's CaperはFalmouth SでPenkenna Princessに先着。こっちもマイルからの距離延長となります。距離はこっちの方がもたない印象。
今年のGlorious Goodwoodは天候に恵まれず馬場が重くなっているということなら重馬場得意のSecret Historyも注意しておいた方が良さそうですかねえ。
Rough Shodフィルター(ryをかけてみると残るのはAlexander Goldrun、Hazarista、Red Bloom、Joint Aspiration、Magical Romance、Penkenna Princess、Secret History、Virginia Waters全然絞れてません…。

RESULT

こっちは貫禄勝ち。昨日は晴れて馬場も回復していたそうだが、今日になってまた降り出した雨の影響で馬場はGood to Soft。徐々に悪化していったという中でのレース。
1.Alexander Goldrun: Gold Away - Renashaan by Darshaan
2.Cassydora: Darshaan - Claxon by Caerleon
3.Red Bloom: Selkirk - Red Camellia by Polar Falcon
4.Songerie: Hernando - Summer Night by Nashwan
5.Something Exciting: Halling - Faraway Waters by Pharly
6.Virginia Waters: Kingmambo - Legend Maker by Sadler's Wells
7.Penkenna Princess: Pivotal - Tiriana by Common Grounds
8.Joint Aspiration: Pivotal - Welcome Home by Most Welcome
9.Hazarista: Barathea - Hazaradjat by Darshaan
10.Secret History: Bahri - Ravnina by Nureyev
11.Magical Romance: Barathea - Shouk by Shirley Heights
Karen's Caperはスクラッチ。
いつも通り後方につけてレースを進めていたものの、やや早めに進出を開始すると、直線では外に持ち出して伸びたAlexander GoldrunがCassydoraに1馬身1/4差をつけて完勝。
Alexander Goldrunはこれが4つ目のGIとなりました。全て10FのレースでフランスのPrix de l'Opera、香港のHong Kong C、アイルランドのPretty Polly S、イギリスのNassau Sと国を問わずにオールマイティに走るのが素敵です。
「ペースが遅すぎるという事はなかった。K. Manningは仕掛けるべきときと何をすべきかを知っていた。彼女はあまり大きな馬体ではないから、馬場の凹凸に脚をとられてストライドを崩してしまうかもしれないと心配していたけどそうはならなかった。そして、その次は早めに先頭に出すぎたかもしれないと思ったが、問題なかったね。今後はオーナーのNoel O'Callaghanとも相談してLongchampのPrix Vermeilleと極東の高額賞金レースを狙いたいね」--Bolger
とのことで、前走後に言っていた10F中心でOperaとHKが最大目標というところからやや変わってきていますが、Vermeilleなら2400mを試すということになるわけで、うまくすればエリ女かJCに来てくれるかも知れんな。HKと明言してないわけだし。ガンガレ、JRA。
そしてまさかの2着だったのがCassydora。力のありそうな血統で馬場が渋った事もよかったのかもしれません。Oaksは距離が長かったということになるのかな。Prix de l'Operaあたりを目標にする事になりそうか。

7/31 Grosser Dallmayr-Preis (Bayerisches Zunchtrennen) GI München GER Turf 2000m

やってきましたドイツの2000mGI。バイエルン王室御用達大賞典。
No.PostHorseF-No.SireDamBroodmare SireJockeyTrainer
15Lantero2-sLavircoLittle ChrisNiniskiB. ClösJoh. L. Müller
27Soldier Hollow5-hIn the WingsIsland RaceCommon GroundsW. MongilP. Schiergen
33Sweet Wake16-CWaky NaoSweet RoyaleGarde RoyaleJ.-P. CarvalhoMario Hofer
44Tarlac8-bDashing BladeTintinaGeneral AssemblyA. StarkeA. Schütz
51Tiganello2-hAcatenangoTiyiFairy KingO. PeslierF. Head
62New Morning5-hSadler's WellsHellenicDarshaanP. RobinsonM.A. Jarvis
76Arcadio9-eMonsunAssiaRoyal AcademyA. SuboricsP. Schiergen
88Gyreka1-aKallistoGyrenaEsprit du NordF. MinarikH. Blume
Soldier Hollowは4代母がLisadell。結構Lisadellから伸びるファミリーはLisadell=Specialのラインブリードを取り込んでいくところがあるのですが、この馬の場合はIn the Wingsにしてようやく入れたというイメージではあるかと。Premio Romaの勝ちがあり、地元ドイツでも2000mあたりの距離で実績を残しているようなので、本国のGIを勝つならここしかないと言うところ。今年はまだ勝ちがないが、おそらくここが目標だったろうし実績では断然なので問題ないと思われます。
Sweet Wakeは16-c Suleikaを五代母に持つ栄光のSライン。しかし、あまり活躍馬の出ていない地味な分枝と言う事にはなりましょう。父Waky NaoはAlzao産駒でドイツ調教のイタリアGI馬。GII Grosser Mercedes-Benz-Preisの勝ち馬でこのあたりの距離が良さそうか。
遠征馬New MorningはIslingtonの全妹で、Brigadier Gerard SではNorth Lightを下して重賞制覇。Nassau Sにも登録していましたが、こちらに出てきましたねえ。前走で軽くいなされたAlexander Goldrun相手よりは勝負になると思ったのでしょうか。
3歳からはDeutsches Derby3着のArcadioが参戦。Aの9号族だけどAラインではなくてZaribaを通る9-e。全兄にAssiunがいて、Derbyの結果も考えると2400mよりは2000mの方が走りやすいところはあるか。メンバーは強力ですが、チャンスかなと。
もう一頭の3歳馬GyrekaはOaks d'Italiaの勝ち馬ですが、毎年勝ち馬はそれほど強いわけでもないレースだし、ここではやはり厳しいだろう。

RESULT

1.Soldier Hollow 5-h: In the Wings - Island Race by Common Grounds
2.Arcadio 9-e: Monsun - Assia by Royal Academy
3.Tiganello 2-h: Acatenango - Tiyi by Fairy King
4.Sweet Wake 16-c: Waky Nao - Sweet Royale by Garde Royale
5.Tarlac 8-b: Dashing Blade - Tintina by General Assembly
6.Gyreka 1-a: Kallisto - Gyrena by Esprit du Nord
7.Lantero 2-s: Lavirco - Little Chris by Niniski
New Morningはスクラッチしました。
5kも貰ってて負けてしまうと3歳世代全体のレベル疑問が顕著になってしまうところはあるかな。Soldier Hollowはここを目標にやってきてるからってのはあったにしてもねえ。
まあ、フランスでもドイツでも9-e Zariba系の2頭は私の期待より一つずつ下の順位に来てくれて…

July 29, 2005

7/31 Prix d'Astarte GI Deauville FR Turf 1600m

そして次なる扉は開かれる。一体この世界の中で誰が彼女を止められると言うのだろうか。実在する神話、天与の能力。すなわち世界の真なる統治者。
No.PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
11Coupe de ChampeTake RisksBanakillFunambuleF. SpanuP. Tual
29ShapiraKornadoSempliceCommon GroundsD. BoeufA. Lowe
33Nightdance ForestCharnwood ForestNightdanceShareef DancerD. BonillaP. Schiergen
410MirabilisLear FanMedia NoxLyciusC. SoumillonA. Fabre
58NeedlecraftMark of EsteemSharp PointRoyal AcademyT. JarnetH.A. Pantall
65ToupieIntikhabTurpitudeCaerleonJ.B. EyquemF. Rohaut
74Live LifeLinamixReine de la CielConquistador CieloE. LegrixE. Lellouche
82Divine ProportionsKingmamboMyth to RealitySadler's WellsC.P. LemaireP. Bary
96Yellow PurpleDream WellMoon Is UpWoodmanT. GilletP. Bary
107GorellaGrape Tree RoadExciting TimesJeune HommeT. ThulliezJ. de Roualle
いやもう、ペースメイカまで用意してBaryたんもAlan Cooperも容赦ないね。しかもこれが母Moon Is Upときましたよ。Miesqueの娘でサンデーサイレンスを種付けするために来日。その結果はSun Is UpとSeven Moonsとなりますが、あまり大きな成果とはいえませんでした。そして日本で最後に付けたDream Wellを父として産まれたのがこのYellow Purple。日本で産み落としてからフランスに帰ったので、この馬は日本産馬。威張れるような成績ではないのでちゃんとペースを作りにいけよというところか。まあ、この馬がペースを作れない展開になってもDivine Proportionsは普通に勝ってしまうだろうけど。
古馬は3頭のみでGIIIあたりが精一杯というレベル。既に同世代に敵はいないDivine Proportionsにとってはここで古馬挑戦という形にはなったが、この相手なら怖いと思える相手もいない。次のJacques le Maroisに向けての調整替わりにしかならないだろう。あまりに楽なレースをしすぎるのも問題かなとは思うので、Gorellaあたりの奮起にも期待したいが、春先のGrotteで調整途上のDivine Proportionsに軽くいなされた事を考えると無理か。ToupieもPoulichesで簡単に5馬身もっていかれたので勝負になりそうにはない。

RESULT

The Filly is born to understand, destiny is in her hand.
Life becomes the gift that guides the glory.
From the dawning of creation to the twilight of the world.
When you hear it ring it tolls for thee.
…かくして5度目の祝福の鐘は鳴らされた。

1.Divine Proportions: Kingmambo - Myth to Reality by Sadler's Wells
2.Shapira: Kornado - Semplice by Common Grounds
3.Gorella: Grape Tree Road - Exciting Times by Jeune Homme
4.Toupie: Intikhab - Turpitude by Caerleon
5.Mirabilis: Lear Fan - Media Nox by Lycius
6.Nightdance Forest: Charnwood Forest - Nightdance by Shareef Dancer
7.Coupe de Champe: Take Risks - Banakill by Funambule
8.Needlecraft: Mark of Esteem - Sharp Point by Royal Academy
9.Yellow Purple: Dream Well - Moon Is Up by Woodman
10.Live Life: Linamix - Reine de la Ciel by Conquistador Cielo
残り2F地点で少し閉じ込められるかのような状況になりますがLemaireは全く焦らず、残り1F地点から外に出して簡単に抜け出して、結局2馬身差で楽勝してしまうのですから手のつけようがありませんね。Marcel Boussacの時もそうだったように思いますが、直線で前を抑えられていても割って抜け出せるというところはあるのだろうと。これによって無敗の戦歴を9連勝にまで伸ばし、うちGIは5勝目ということになりました。次走は既報どおりに2週間後のPrix Jacques le Maroisとなり、ここでDubawiとValixirと決戦する事になりそうです。またこの勝利によってCoral社のBC Mileのオッズは3-1から更に引き下げられて5-2となった模様。
「私はレースが予定通りに行かないかもしれないと少しだけ心配していたよ。Christopheは前があくまでよく我慢してくれたね。Divine Proportionsは今日再び彼女の真のクラスを示したんだよ。そして彼女はJacques le Maroisを走る予定さ。この前のDianeでは2100mで、確かに彼女は磨き上げられている。彼女はゲートをゆっくりと出て、そしてそれは私たちが2番手につけて欲しいと願った理想的な展開ではなかった。もし全てが上手く行ったならば、彼女はBC Mileまではフランス国外に出ないでしょう。私たちは彼女をSix Perfectionsと同じプログラムに連れて行こうとしています。Maroisは彼女にとって初めての試験となります。そこでは強い古牡馬たちと初めて相対する事になるのです。Miesqueと比較する事はまだ難しい事です。彼女は2歳のときに負けているとはいえなんと言っても引退するまでにGIを10勝もしたのですから」--Alan Cooper
Divine Proportions陣営としてはこんなものは調教にしかならないということかねえ。
2着にきたShapiraは昨年の独1000 Guineas Henkel Rennenの勝ち馬です。そのクビ差の3着がGolleraでさらに4着がToupieなら後もほぼ実力どおりに決まったといえるのではないかなと。
Shapiraは今後は未定としながらも柔らかい馬場で走りたいそうで、可能ならばという条件付でMoulin de Longchampの名が挙がっています。
Golleraの調教師Jean de Roualleは「Golleraはなんて不幸な年に産まれてしまったんだろう。それに重い馬場で加速が鈍って2着も失ってしまったね」とJoking。

July 30, 2005

7/30 Diana S GI Saratoga NY Turf 9F

こっちはもう出てるの忘れてた。今年からはハンデキャップでなくなってます。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1WinendynmeDynaformerElway SeasonCaerleonRafael BejaranoDoug O'Niell
2Film MakerDynaformerMiss du BoisMr. ProspectorJavier CastellanoH. Greham Motion
3AngaraAlzaoAnge BleuAllegedGary L. StevensPatrick L. Biancone
4Shadow CastSmart StrikeDaily SpecialDayjurRobby AlbaradoNeil J. Howard
5Delta PrincessA.P. IndyLyphard's DeltaLyphardJerry D. BaileyWillian I. Mott
6FineryLear FanDudsAck AckPablo FragosoWilliam H. Turner Jr.
7Que PuntualContested BidRepartijaTrempraneroCrnelio H. VelasquezAngel J. Penna Jr.
8Sand SpringsDynaformerLovely MarthaStorm BirdJohn R. VelazquezWilliam I. Mott
9SpotlightDr. FongDust DancerSuave DancerJose A. SantosChristophe Clement
10Wonder AgainSilver HawkAmerifloraDanzigEdgar S. PradoJames J. Toner
Dynaformer3頭出しを筆頭にRoberto直系が5頭ですよ、お嬢さん。
連覇をねらうWonder Againは昨年のこのレース以降は勝ち星に見放されたという面があるものの、今年になってからは復帰戦のJust A Game BCHを3着、New York Hをクビ差の2着で悪くない。ローテも昨年と全く同じなので、あの時と同じ程度の出来ならば問題なかろうところか。
Film MakerはそのNew York Hで3着。BCFMTでは2着とWonder Againに先着していて、この2頭は結構ライバルっぽい戦いを繰り広げているところはある。
2頭だしのMott師はDelta PrincessにBaileyを用意してきました。祖母にProud Deltaを持つ良血A.P. Indy産駒。GIIIを連勝してのGI挑戦になりました。こういうA.P. Indyを信じて痛い目にあうのです。ええ、何度も思い知らされてますが、また飛びつきたいなとw
もう一頭のSand SpringsはJust A Gameの勝ち馬でこちらも有力。そのJust A Gameからちょっと間隔が開いたが、Intercontinentalらを相手に逃げ切ったことは評価して良さそう。
あとなぜかMLで人気になっているAngaraは長い距離の芝で実績がありますが、ちょっと人気の理由がわからんなあ。

RESULT

1.Sand Springs: Dynaformer - Lovely Martha by Storm Bird
2.Que Puntual: Contested Bid - Repartija by Trempranero
3.Angara: Alzao - Ange Bleu by Alleged
4.Film Maker: Dynaformer - Miss du Bois by Mr. Prospector
5.Winendynme: Dynaformer - Elway Season by Caerleon
6.Delta Princess: A.P. Indy - Lyphard's Delta by Lyphard
7.Shadow Cast: Smart Strike - Daily Special by Dayjur
Wonder Again、Spotlight、Fineryの3頭がスクラッチ。
外枠の2頭にスクラッチが出て結果的に大外枠からのスタートとなったSand Springs。更には競ってくるかと思われたFineryまでスクラッチしてレース前から圧倒的優位。スタート後、外から進出して1コーナーまでに先頭に立って内埒沿いを確保すると、そのままの逃げ切り。2着もその後ろにつけていたアルゼンチンからの移籍馬Que Puntualが粘り、追い込み勢はAngaraが3着に来るのがやっと。直線で外に出したFilm Makerも伸びを欠いて4着でした。
Sand Springsは1F12秒程度のラップを刻んで、上がり3Fが34.68。後ろから競ってくる馬がいなかった事もあって楽に逃げ切ったというところか。
Wonder AgainはArlingtonのBeverly D.に向かう予定で、このレースは10枠からの発走と硬い馬場、斤量を考慮してスクラッチしたとのこと。

July 31, 2005

7/31 Go For Wand H GI Saratoga NY Dirt 9F

少数精鋭の4歳馬5頭立て。メンバーのレベルは高い。
PostHorseSireDamBroodmare SireJockeyTrainer
1Bending StringsAmerican ChanceStraight SouthHail the PiratesGary L. StevensKiaran P. McLaughlin
2Society SelectionCoronado's QuestLove That JazzDixieland BandEibar CoaH. Allen Jerkens
3DaydreamingA.P. IndyGet LuckyMr. ProspectorEdgar S. PradoCaude R. McGaughey III
4AndujarQuiet AmericanNureyev's BestNureyevCorey S. NakataniDoug O'Neill
5AshadoSaint BalladoGoulashMari's BookJohn R. VelazquezTodd A. Pletcher
これでStellar Jayneがいれば完璧だったのだがなぁ。
Bending StringsはHail to Reasonのラインブリードで4*6X3。四代母にHappy Moodを持ち、Northern Dancer、Key to the Mint、Hail the Pirates、American Chanceという累代でKey to the Mintが入るもののどちらかと言うと短距離のスピードを意識した血統と言えるでしょう。。今年はまだ勝ち星がありませんが、昨年のFirst Flight Hでは5馬身差の圧勝。重賞3勝の実績を持ち、距離が短ければSociety Selectionにも喰らいつける馬ですが、距離実績に乏しくまた相手関係の厳しいこのレースでは苦しいところでしょう。
鋭い末脚を武器とするSociety Selectionは展開が嵌まらないときには意外な脆さを見せる事があります。Dixieland BandをMr. Prospectorで挟み込んだような血統構成で、Native Dancerが過剰かなという感じ。Dixieland Bandが濃く持っているHyperion-Alibhaiで支えるという形なのかなと。前走Ogden PhippsではBending Stringsこそ何とか捕まえたもののAshadoには3馬身及ばず。5頭立てで不利を受ける事はないでしょうが、展開次第では何も出来ずに沈むのではなかろうかと。
良血A.P. IndyのDaydreamingはMineshaftなんかと同じような志向の血統構成で、ともにLa Troienne系Strikingの分枝に属しています。Numbered Accountを経由するDaydreamingの方が主流と言えば主流だろう。So ChicにCourt Martial、Herbagerと欧州の血を取り込んだ上でHoist the Flagを使ってその欧血とWar Admiralを強固に結びつけてMr. Prospector、A.P. Indyと繋いだMineshaftに対して、DaydreamingはGlamourにSwaps、Buckpasserと米血を取り込みにかかります。このBuckpasser産駒がNumbered AccountでBusanda≒Strikingに加えてSwapsの母系からもう一本War Admiralを入れることになり、数あるLa Troienneのファミリーの中でも最大級の繁栄を誇る事になります。ここにNorthern Dancerを入れた上でMr. Prospector、A.P. Indyと来たのがDaydreamingということになり、BuckpasserとGlamourを持つA.P. IndyによってNumbered Accountに直接作用するかのような形。なんとかGIを勝って欲しい血統ですが、ちょっときついか。
AndujarはGoing Wildの叔母になる血統で、従兄にReal Quietが出ています。今年になってその良血を開花させて前走はVanity Hを3着。おそらくこの馬がレースを引っ張る事になろうかと思われ、Quiet American、Nureyev、Raise a Native、Royal Chargerというスピード色の強い血統に物を言わせ、後は4代母Your Hostessから脈々と受け継がれているであろうスタミナと底力でどこまで粘れるかというところか。
Ashadoは前走Ogden Phippsを逃げて快勝し、復活を遂げました。Andujarが行くならその後ろくらいにつけてあとはいつ抜け出すかの勝負となりそうではあります。あまり強引に捩じ伏せにいくと後からくるSociety Selectionが怖いのでほどほどのタイミングを見切る必要はあるかなと。とはいえMLでは2.4倍の1番人気で、続くのがSociety Selectionの3.5倍。そこからAndujarが4倍、Daydreaming7倍、Bending Strings9倍。あまり抜けた人気になっていないのは斤量と仕掛けどころを間違うとSociety Selectionに一閃されてしまうかもしれないという部分ではあろうかと。

RESULT

1.Ashado: Saint Ballado - Goulash by Mari's Book
2.Bending Strings: American Chance - Straight South by Hail the Pirates
3.Andujar: Quiet American - Nureyev's Best by Nureyev
4.Society Selection: Coronado's Quest - Love That Jazz by Dixieland Band
5.Daydreaming: A.P. Indy - Get Lucky by Mr. Prospector
Andujarがやや強めのペースで引っ張りましたが、3,4コーナーで一気にきたAshadoが直線に入るまでに十分なリードを築いて圧勝。
2着には距離が不安だったBending Stringsが脚を伸ばして、最後足の鈍ったAndujarを差しきりました。
Society SelectionとDaydreamingはスタート直後にごちゃついてぶつかっていたようですが、それにしてもちょっとひどい有様です。特にAshadoへの対抗馬として期待されたSociety Selectionは過去3戦でGI2勝を含む負けなしと得意にしていたSaratogaでAshadoに12馬身以上はなされてしまうまさかの大敗。DaydreamingはこれでOgden Phippsとここと連続で全く勝負にならず、すでに終わってしまったか。
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MARIUS / MARL
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IRCやmixiにもいますが、そっちは適当に探してください。
ここしか見ない人もいるので一応。

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